PowerPoint プレゼンテーション

現代社会の持続不可能性と、
持続可能社会への道
(持続可能社会とNPO)
NPO法人 地球の未来
理事長 駒宮博男
《プロローグのプロローグ》持続不可能性の実態
物理学的、生物学的な問題としての持続不可能性
人間社会
生産
消費
自然
劣化
枯渇
資源
生態系
処理不能
廃棄物
成長の限界(ローマクラブ)
《プロローグ》 現代社会の持続不可能性を概観する
これから10年~20年以内に日本が直面する3つの危機
1.エネルギー危機
2.食料危機
3.経済・財政危機
・これらの危機は連動しており、個別に扱うことは困難
・これらの危機によって地域社会が崩壊する可能性もある
・危機回避のシナリオを作り、早急に行動に移す必要がある
・ただし、慌ててはことを仕損じるので、先ずは科学的に考える
・これまでの諸活動を如何に評価するかも重要な課題
注)エネルギーと食に関する危機は日本固有の問題
EU,北米 : 食料自給率100%以上
オルターナティブなエネルギー技術開発
持続不可能性あれこれ
1)大量生産、大量消費社会の持続不可能性
・資源の枯渇
・環境負荷の増大
2)行政の持続不可能性
・財政破綻
・公共部門への過剰関与
3)コミュニティーの持続不可能性
・都市化に伴う共通利害の喪失
・郡部の高齢化
4)家庭とモラルの持続不可能性
・家族間の関係希薄化
・悪しき相対主義の横行
5)少子高齢化による、社会の持続不可能性
・誰が高齢者福祉を支えるのか
・破綻をきたす年金制度
先ずは冷静に危機を分析しよう
1.エネルギー危機
1)原油価格の変遷および展望
・一般論として、生活必需品の価格は、需要に対して供給が90%で2倍、80%で2.5倍と言われている。
・また、エネルギー危機は化石燃料が枯渇して起こるのではなく、高騰により起こると考えられる。
出典:過去の原油年間生産量および価格、2000年初頭確認埋蔵量は、Oil and Gas Journallによる
2)原油生産量の変遷および展望
供給予測は、上位推計と下位推計の中間をとっている
*上位予測 : 米国地質調査所による未発見量の推計値を加味したもの
*下位予測 : 2000年初頭の確認埋蔵量を1999年ベースで生産した場合の推計
出典:過去の原油年間生産量および価格、2000年初頭確認埋蔵量は、Oil and Gas Journallによる
2.食料危機
1)カロリーベース自給率の推移
2)穀物ベース食糧自給率
3.経済・財政危機
1)経済成長率
旧通商産業省産業構造審議会基本問題小委員会中間取りまとめ(平成8年11月)の概要の表から作図
経済成長率予測
2)国民負担率
国と地方の財政危機(国民負担率の推移と予測)
国民負担率の推移と予測(財政赤字分を含む)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
2020
2010
2002
2000
1998
1994
経企庁予測
通産省予測
実績
指数 (通産省予測)
指数 (経企庁予測)
旧経済企画庁「経済審議会構造改革推進部会」の推計(1996年12月)
旧通商産業省「産業構造審議会基本問題小委員会」の中間とりまとめ(1996年11月)
国民負担率93%とは、年収500万円の人から税金と保険料合わせて465万円徴収すること
各国の国民負担率(財務省作成)
3)国及び地方の債務残高
主要国の国及び地方の債務残高の対GDP比
主要国の国及び地方の債務残高の対GDP比
160
140
120
100
80
60
40
20
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
0
日本
合衆国
イギリス
ドイツ
フランス
イタリア
カナダ
国の一般会計及び公債発行額の推移
国の一般会計決算額の変遷(単位:億円)
1,000,000
900,000
800,000
700,000
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
1988
1986
1984
1982
1980
1978
1976
1974
1972
1965
歳出
税収
国の公債発行額の変遷(単位:億円)
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
公債発行額
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
1988
1986
1984
1982
1980
1978
1976
1974
1972
1965
内、特例公債
5)経常収支予測(平成8
年)
マクロ経済学の基本定理
(貯蓄 - 投資) + (税収 - 支出) = (輸出 - 輸
入)
旧通商産業省産業構造審議会基本問題小委員会中間取りまとめ(平成8年11月)の概要の表から作図
経常収支予測(平成14年)
4.複合的原因で訪れる危機
化石燃料の枯渇
需給バランスの逆転
エネルギー危機
化石燃料の高騰
経常収支バランスの逆転
国家・地方財政の破綻
経済・財政危機
国民負担率の増大
食糧自給率の低下
化石水の枯渇
異常気象
燐鉱石の枯渇
食料危機
では、これから何をしたら良い
か?
基本的解決法
鍵を握るのはNPO
1)迫り来る危機の実態を客観的に把握
精神的強靭さ
・我欲を捨て、公益を優先する姿勢
・行動原理が自己保身であってはならない
・事実をしっかりと見据える
2)個別問題の位置付けを明確化する
科学的な態度
・個別問題を常に総合的視野で位置付ける
・一見よさそうに見えても疑問を持つ
・時間との戦いなので無駄な動きをしない
3)マルチセクターで総合的に行動
・マルチセクターで同時進行
・合意形成が基本
・情報開示、マルチステークホルダーの評価
ミッションの共有
強靭な精神力
1.迫り来る危機への基本的態度
1)様々な危機への対応の仕方
・急激な危機
例)阪神淡路大震災
原油流出
・全国のボランティアが活躍
・NPOの必要性注目を浴びる
・行政の無能力も注目浴びる
・緩慢に訪れる危機
例)環境問題
持続不能性問題
・問題予測力
・長期的視野に立つ
・総合的視野に立つ
2)現状はどうか?
・問題予測力
・長期的視野に立つ
・総合的視野に立つ
・問題が顕在化するまで認識なし
・短期的かつ自己保身的視野
・専門的(蛸壺的)視野
3)認識し易い危機と、認識し難い危機、そして、NPOの機能
・認識し易い危機
例1 : 自分や家族に降りかかっている問題
高齢者福祉(老人介護)
障害者福祉
食、水の安全性
学校教育
例2 : 直接自分の問題ではない場合
阪神淡路大震災
その他自然災害
原油流出
・認識し難い危機
例1 : 感覚では認識しづらい問題
地球温暖化
資源の枯渇
環境ホルモン
第3世界での飢餓
例2 : 原因の追求が完全ではない問題
社会システムの劣化
地域紛争
例3 : そもそも事実が隠蔽されている可能性がある問題
国家財政の破綻
『9.11』等、続発するテロ
NPO、ボランティアの高まり
目前の個別問題を処理
cf. 戦後の復興
高度経済成長
これからの?NPO
・問題を深層まで追及する
・ビジョン(青写真)を描く
・個別問題の位置付け
強靭な精神力
2.個別問題の位置付けを明確化する
科学的な態度
1)問題群の鳥瞰図の必要性
持続可能な社会を目指した地域デザインワークショップとシンポジウム
(名古屋大学大学院環境学研究科 + NPO法人地球の未来 3回のWP+シンポジウム)
2)個別問題を統合的に評価するツール(持続性にどれだけ寄与するか)の必要性
・GRI(持続可能な企業のための国際的指標)
・LCA(個々のItemに関する指標)
・Natural Step(行動原理)
・『補完性の原則採用度』
・『自己保身率』
事例)
・太陽光発電のLCA
・屋上緑化のLCA
・環境教育等、パブリックサービスにおける
『補完性の原則採用度』
・行政マン、大企業社員の『自己保身率』
科学的ツール
行動原理ツール
実例 : 岸和田市(岸和田市)の
『自治体運営の基本的理
念』
①住民自治の原則
②補完性の原理
③持続性の原理
『自己保身率』とは
個々の人間が公共活動において決定を下すとき、行動原理の中で『自己保身』、『組織保持』が関わる%。
『公益性』 > 『自己保身』 + 『組織保持』
であれば問題なし。逆の場合、ディシジョンメイキングの資格が疑われる(組織の機能劣化の根源)。
3.マルチセクターで総合的に行動
ミッションの共有
1)従来組織の弊害
・行政
縦割り
公平性、平等性
書類第一主義
中央集権
・企業
利益優先
複数部署にまたがる問題に対する不適応
求められる多様化したサービスへの不適応
迅速な処理は基本的に不可能
地域の多様性に不適応
時には個人的正義感に反する行為
2)組織を離れた個人の意思の中身は?
・家族
・趣味、知的欲求
・ボランティア精神
・社会に対する憂い
・行動する意志
・家族サービス
・文化サークル
・ボランティア活動
・社会問題分析、実践
・実践活動、政策提言
3)組織を離れて特定のミッションの元で行動
NPO
最終目標 持続可能な地域デザインへの道
1.持続可能な地域デザインを可能にする行動原理
1)求められるNPO組織の構図と活動様式
・ミッションを共有する個人、組織で構成
個人が所属するセクター(組織)のメリットをフルに生かす
・マルチセクターで同時進行
個人の集まりを超えた活動に展開が可能
2)地域デザインの実現に向けて
・マルチステークホルダーの参加
・合意形成が基本
参加者に求められる合意形成の意志
コーディネータの重要性
3)参加者がとるべき責任形態
・情報開示
・マルチステークホルダーの評価
現実的アプローチ
ネットワーキング
一点突破
モデルの作成
モデルの普及
2.生涯学習の重要性
持続社会を作る第2の鍵
真の生涯学習を可能にする条件
1)持続性学の発展
・持続性学
・危機管理学
・問題解決学
持続性哲学
2)問題解決能力を持った市民(住民)を作る
・まずは、何が問題かを知ること
・問題に対する共通認識の必要性
2)生涯学習コンテンツの開発
・持続性教育(環境教育)
・危機管理学、問題解決学
・福祉、ボランティア論
・食糧自給実践
・エネルギー自給実践
・ITリテラシー向上
・行政施策の把握
・自治体の財政状況把握
・
・
真の生涯学習の目的
行政の無謬性に反する?
市民は問題を知らないほうがいい?
真の生涯学習の中身
趣味中心のコンテンツ