デュポン㈱ 宇都宮事業所 デュポン社概要 創立1802年 技術を基盤とするサイエンス・カンパニー 2003年度売上 270億ドル(約3兆1千億円) 社員数 8万1千人(2003年12月) 全世界事業拠点70カ国 自動車、エレクトロニクス、住宅・建設、農業、 食品・栄養・ヘルスケア、等 宇都宮事業所の概要 開 設:1983年(昭和58年)1月 敷地面積:187,000 ㎡ 従業員数:241名+155名(2004年3月現在) 主要施設: 生産工場 (合成樹脂、べスペル部品等) 中央技術研究所 (研究・開発) 先端技術研究所 宇都宮事業所の安全成績 5 700 640万時間 無災害 600 4 3 400 300 2 200 1 100 2,000日完全無災害 0 0 1982 1984 1986 1988 1990 1992 不休業災害 1994 1996 無災害記録時間 1998 2000 2002 無災害時間(万時間) 不休業災害数 500 安全衛生環境に関する デュポン社の公約 最高水準の安全衛生環境成績と優良事業の両立 目標:怪我ゼロ、職業病ゼロ、事故ゼロ 目標:廃棄量ゼロ、放出量ゼロ 天然資源、エネルギーの節減および生物多様性の保護 生産工程、作業方法、製品の継続的改善 地域との開かれた対話、公共政策との協調 マネジメント及び社員による公約、報告責任 デュポン社の安全10原則 ■ 怪我および職業病はすべて防止可能である。 ■ 管理者は怪我や職業病防止に直接責任がある。 ■ 安全は雇用の条件である。 ■ トレーニングは職場の安全を確保する基本的な要素である。 ■ 安全監査を実施しなければならない。 ■ 安全上の欠陥は、全て、直ちに改善されなければならない。 ■ 実際に発生した傷害も、潜在的な出来事も調査しなければならない。 ■ 勤務時間外の安全も勤務時間内の安全と全く同様に重要である。 ■ 怪我や職業病の予防は引き合う仕事である。 ■ 安全・衛生プログラムの成功に最も大きな鍵 を握るのは従業員である。 宇都宮事業所 安全最重要項目 1、管理者による安全衛生環境規定類違反の意図的な見逃し、又は指示 2、ロック・タグ・クリアー・トライ手順 3、閉所及び酸素欠乏等危険作業 4、高所作業 5、火気使用作業 6、高エネルギー電気作業 7、ラインブレーク作業 8、安全環境に関わるインターロックの意図的解除 9、意図的な環境へのたれ流し 10、思慮分別を欠く危険行為 DuPont の安全活動を支えるもの 安全10原則 全ての事故は防げる 教育 規律 概念 LOF 意志、知識、熟練度 が、導く、安全人を作る Bradley Model チームが作る職場環境 SLI OD 職務規律 LTC T SLI 効率よりも安全 安全監査 規則・基準 PSM プロセスの安全 Safety BAP 安全に関する、模範 安全エネルギー Bradley Model : 共生、共に助け合う環境こそが、 事故を継続的に防ぐことができる 共生状態へ 導く全員の リーダーシップ 安全衛生環境組織 各部門 安全集会 中 央 安 全 衛 生 環 境 委 員 会 事 業 所 安 全 衛 生 環 境 委 員 会 緊急対応ネットワーク 環境ネットワーク PSMネットワーク 労働衛生(OH)ネットワーク 社長 事業所長 1. 部門横断のネットワーク活動で、特定分野の方針 業務外災害防止ネットワーク 立案、推進を実施。先進事例の横展開。 安全管理者/防火管理者 2. 部門ごとの安全集会で、方針の徹底と情報共有 衛生管理者 を行う。 安全衛生 環境部 環境管理者 3. 組織の縦糸(部門安全活動)と横糸(部門横断の 電気主任技術者 ネットワーク活動)を組み合わせた推進体制。 豊富な安全プログラムを有効利用 グローバル/リージョン活動と連係して様々なプロ グラムを実施 今年の活動例 プロセスセーフティマネジメントに基づく、業務規律推進 ブラッドリーモデル/安全の先取り指標(SLI) ラインオブファイヤー/契約社員の安全 リスクアセスメント/エルゴノミックス この中から、いくつかの活動について説明しま す 1)Line of Fire : LOF LOFとは? LOFは、Line of Fire の略で弾丸の通る道筋を言います。 弾の通る道に身をおくと、怪我や死亡の危険性があります。 LOFは、この危険を予知し視覚化し、排除し回避することに より身を守るかを考える考え方です。 このコンセプトを業務外事故防止(24hr Safety) にも応用す ることを進めています LOF ( Line of Fire ) 弾丸 ライン・オブ・ファイア : コンセプト Personal Energy Applied 個人安全エネルギー 低リスク 個人の注意力 >必要な注意力 E N E R G Y Attention Required 要求される注意力 TIME 高リスク 個人の注意力 <必要な注意力 作業者の安全エネルギーが低 下したためにリスクが高まる 高リスク 個人の注意力 <必要な注意力 作業が危険度が高く 作業者の注意力を 上回っている。 エネルギーバランス ・ まず頭の中で注意を払えば、行動するときに必要な 注意を減らすことができる。(自己観察) ・ 電気、機械、熱や化学の危険に関して起こりうる最 悪の事態を考慮するためにメンタルエネルギーを 使う。(危険の認識) ・ 起こりえること、悪い方向に行きえること、その結果を 理解し、危険をどのように排除し、回避するか計画を 立てる。 (危険の排除/回避) ・ 危険を排除することができれば、作業を行っている間 必要とされる注意力を減らすことができる。 エネルギーバランス 考えるエネルギー 自己観察 危険の認識 行うエネルギー 危険エネルギー 危険の排除/回避 熱 機械 電気 化学 LOF : 危険の排除の例 新しい、または別のTOOLの選択 設備のデザイン変更 保護具 ロック・タグ・クリア・トライ手順 LTCT 基本的な考え 全ての動力と物質の発生源 を取り除いて、完全な隔離し た作業環境をつくる。 クリアリングやテスティングで 隔離されたことを確認する。 設備または 入ってくる全ての ものにロック・タグ システム 排水、排気、またシステ ムを安定させて、全ての 動力と物質を排除する。 出てゆく全てのものに ロック・タグ ロック・タグ・クリア・トライ実施状況 LOF : 危険の回避の例 危険ゾーンでの体の位置 手順を見直し、従う 保護具(電気作業保護衣の着用等) 指示的管理: ・Xをすること/Yをしないこと LOF 表示の例 ドアの危険表示・ワニマーク あなたの手がワニのえさにならない ように! 触れてはならぬ! LOF 表示の例 エルゴノミクス対応表示板 ブラッドリーモデル 共に助け合い、協力できる環境作り 事故の発生率は、チームメンバーの思いやりで、激減できる 独立型 (1-2) ”ゼロは達成可能” 共生型 (0-1) ”ゼロは継続可能” ・ プロセスとオペレーションが良く理解されている。 ・ セーフティに対して、自己責任を持っている。 ・ 自己管理されている。 ・ シフトのレベルでの手順書の管理 ・ 共通に理解された、物事の考え方。 事 故 率 ・ チーム内・間に協力体制 ・ 仲間の保護者になっている。 ・ 組織にプライドがある。 ・ 管理者が自らまた他の人がリードすることをい とわない。 ・ チームが目標や改善計画の作成に参画する。 Injury Rates 反応型 (3-4) ”ゼロは現実的でない。” ・ ・ ・ ・ 依存型 ”ゼロは困難” 規則に従うことがゴール 安全を本能に任せる。 安全管理者主導 関係者はリソース提供するが自分はあまり 関わらない。 ・ 事故が起こってから、対処するパターン Reactive Dependent Independent 反応型 依存型 独立型 ・ ・ ・ ・ ・ ・ (2-3) 管理者の責任感は強い。 規則と基準に縛られている。 管理主導の活動 目標等が一部にしか伝わっていない。 教育・訓練が懲罰的色彩が濃い。 自分のことを考えていればよい。 Zero INTERDEPENDENT 共生型 SLI : 安全の先行指標 “今日は安全でも 明日は安全だろうか?“ を問う考え方がSLI (Safety Leading Indicator)です SLI – 安全の先行指標(Lagging) どうやって計るのか? 計り方Ⅰ(Lagging/現在) 事故件数、不安全状態、不安全行動、ハウスキーピング状況から、 リーダー以上により、週一度の監査 さらに、毎日の監査(誰でも、監査人) 悪いところの指摘だけではなく、良い点も評価(これにより、100 点以上も可) 毎週、毎日をまとめて、週一回をまとめる SLI監査結果 2004年 6月 安全 警戒 アクション スコアー 90 点 SLI : 先行指数Leading(安全エネルギー) どうやって計るのか? 毎週金曜日にアセスメント実施 個人の安全エネルギーは、言い換えれば“やる気”の指標 この指標を簡単に、出来るだけ多くの人がアセスメントし、定量化していく (個 人所要時間3分程度、集計 30分程度)/評価者に時間の負担を与えな い ! そして、作業者自身が安全に対し、オーナーシップをもてるようしていく アセスメントには、10の業務規律要素に基づきます(各10点満点で評価) 1. リーダーシップによるお手本 2. 充分で有能なリソース 3. 全員参加 4. 積極的な対話 次ページにトレンド添付 5. 強いチームワーク 6. 価値感の共有 7. 最新化された書類管理 8. 手順に基づく作業 9. ショートカットがない 10. 良好なハウスキーピング状態 高得点であれば、安全エネルギーは、高いと判断 /2 00 4 2/ 20 平均 20 04 /2 平 3/ 00 均 5/ 4 平 3/ 20 19 04 均 /2 平 4/ 00 均 2/ 4 平 4/ 20 16 04 均 / 4/ 20 平均 30 04 / 5/ 20 平均 14 04 /2 平 00 均 4 平 均 6/ 23 2/ 1/ 良好なハウスキーピング状態(Q10)を向上していくことが、 さらなる安全エネルギーの向上に結びつく 10 9 8 7 6 5 Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10 安全エネルギーを向上させるための様々 な活動 くどくても、安全第一、LOF, LTCT、Take2 などなどを念仏のごとく 現場と管理職の信頼関係に基づくコミュニケーション 安全の重要性を共有 安全作業、行動の実践 共に助け合う、チームを作りあげる 安全に対する知識、技能のたゆまぬ改善 共に模範をしめす 24時間安全 - 安全は、職場、家庭、地域社会活動でも基本 業務外事故防止ネットワークの活動 (交通事故、スポーツ事故) 豊富な安全教育メニュー (但し、多すぎてもだめ、目標は、労働時間の2%以内) SLI 73点以下時の Safety Pause 実施 SLI 分析 (’03データ) Individual Value I and MR Chart for Average 100 UCL=98.28 2 2 2 90 22 Mean=85.78 80 5 70 Subgroup Day LCL=73.28 1 0 10 20 30 40 50 03/10/2003 05/19/2003 07/28/2003 10/06/2003 12/15/2003 Moving Range 20 1 UCL=15.36 88点を今年の目標 73点を異常とし、 Safety pause を することとした (安全特別対策) 10 R=4.7 0 LCL=0 但し、常に高いスコアが安全では、ありません。現場の状況が 正しく掌握でき、現場に安全に関するアドバイスができることが肝心です SLI – 安全の先行指標 計り方ⅠとⅡを使ってどのように判断するのか? 計り方Ⅰ: ラギング指標 と 計り方Ⅱ: リーディング指標を以下のように 組合せて使います。 リーディング指標,ラギング指標ともに点数の高い状態、すなわち、ゾー ン 4の状態を達成することが目標となります。 Ⅰ 計 り 方 Zone2 Zone4 Zone1 Zone3 計り方Ⅱ SLI – 安全の先行指標 安全監査 2 X 2 BOX図 91 90 89 88 87 86 85 84 83 2004年 2002年 2003年 2004/1 2004/2 2004/3 2004/4 2004/5 2002年 2003年 80 82 84 86 安全エネルギー 88 90 終わり
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