PowerPoint プレゼンテーション

障害学会
第6回大会
障害分野におけるナレッジ・マネジメント導入の試み
- APCDⅡにおけるSbKM -
2009年9月27日
新関 良夫(ニイゼキ ヨシオ)
独立行政法人 国際協力機構 国際協力専門員
北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 博士後期課程
[email protected]
2009年9月27日初版
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第6回大会
独立行政法人 国際協力機構
日本政府による発展途上国への開発援助の実施機関
Japan International Cooperation Agency ⇒ JICA(ジャイカ)
APCD = アジア太平洋障害者センター
Asia-Pacific Development Center on Disability
SbKM = ストーリー創造に基くナレッジ・マネジメント
Story-based Knowledge Management
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はじめに
ナレッジ・マネジメント ⇔ 障害分野
1996年 「知識創造企業」
野中 郁次郎、竹内 弘高
日本の製造業
の経営分析
個人の暗黙知を源とする
知識創造のプロセス
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ナレッジ・マネジメントとは(1)?
知識管理
知識経営
ITを通じた既存の知識の
共有や活用
個人の経験や思いに基く
新たな知識の創造
暗黙知
知ってはいるが語る
ことが難しい知識
形式知
互いに補完的
両方とも重要
言葉や文書で明確に
表現できる知識
ナレッジ・マネジメントの中核
暗黙知と形式知を基にして新たな知識を創造するプロセス
SECI(セキ)
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ナレッジ・マネジメントとは(2)?
SECI(セキ)
共同化:Socialization
(ソシアライゼーション)
個々人の暗黙知を共通体験
の通じて互いに共感しあう
体系化された形式知を体験
して暗黙知として体化する
表出化:Externalization
(エクスタナリゼーション)
共有した暗黙知から形式知と
してのコンセプトを創造する
コンセプトをもとに既存の形
式知も活用して体系化され
た新たな形式知を創造する
(インターナリゼーション)
内面化:Internalization
(コンビネーション)
結合化:Combination
出展:野中、紺野、1999、『知識経営のすすめ』、筑摩書房
「思いを言葉に、言葉を形に、そして形をノウハウに」
継続することが重要 ⇒ 知識創造のスパイラル
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ナレッジ・マネジメントとは(3)?
場(バ)
「信頼と共感」に基づいた知識創造の舞台
リーダーシップ
組織において継続的な知識創造を行うためには
知識創造のためのビジョンが必要
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ナレッジ・マネジメントとは(4)?
「思いを言葉に、言葉を形に、
そして
形をノウハウに」
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APCDプロジェクトとは
(1)?
アジア太平洋地域に住む障害者⇒約4億人
多くは教育や就労などの社会参加の機会が乏しく、必要
なサービスも受けられない
アジア太平洋地域の障害者支援のための
センター設立を希望する声の高まり
- APCDフェーズⅠ -
「アジア太平洋地域の障害者の
エンパワーメントとバリアフリー社会の促進」
を目的とする技術協力プロジェクトを開始
2002年8月から5年間
バンコクを拠点とする広域プロジェクト
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(2)?
- APCDフェーズⅠの成果 -
アジア太平洋の32カ国を対象に
政府機関及び非政府機関の代表者を招聘し、
ネットワーク作り・協働、情報支援、人材育成、
に関して高く評価される実績をあげ、
2007年7月にフェーズⅠを終了
周辺関係者からのプロジェクトの継続を強く希望する多くの声
- APCDフェーズⅡ ー
APCDの組織能力の一層の強化
ネットワーク活動・研修活動をより多様なニーズに応えるよう強化
2007年8月から5年のプロジェクトを開始
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SbKMとは(1)?
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- JICA人間開発部の問題意識 -
「APCDフェーズ1開始以降発現している
様々な良いインパクトの要因とプロセスを解明し、
今後に生かせるようにプロジェクトに定着させる。」
- 物語へたどり着く -
暗黙知を形式知へ変換するのは容易ではない。
インパクト発現の要因は単純ではなく、多様な暗黙知が混在している。
無理に暗黙知を変換しようとすると抜けが生じる。
暗黙知を暗黙知のままで伝える方法はないか?
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SbKMとは(2)?
- 良いインパクトは物語を持っている -
関係した人々に物語を語ってもらうことで
要因とプロセスを伝えることができる
物語(暗黙知)とレポート(形式知)が一組になる。
- 物語と行動のリレーによるスパイラル -
「物語は個人の心を点火する力がある」
頭ではなく心へ届く物語によって、
論理ではなく感動と共感によって、行動を促す。
1つの物語が複数の感動・共感を呼び、
新たな行動を促し、それが新たな物語を生む
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APCDにおけるSbKM(1)
- 1回目の派遣(2008/1/28~2/15) -
ナレッジ・マネジメントの基本とSBKMの紹介
「ストーリー・フェスティバル」による知識創造と場の体験
IS(Information Support)セクションを前面に出す
- 2回目の派遣(2008/5/26~6/13) -
ナレッジ・マネジメント長期専門家との協働
⇒ 理論的展開⇔プロジェクトにおける実践・定着
プロジェクトによるビデオ・ストーリーのアイデア
⇒ ビデオ・ストーリー作成の流れが知識創造
成果発表会でのAPCD所長のSbKMへの協力を求める発言
⇒プロジェクトへの定着の兆し
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APCDにおけるSbKM(2)
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第6回大会
- 3回目の派遣(2009/1/25~2/5) -
プロジェクトによるグッド・プラクティスへのSBKMの適用
マニュアル作成への取り組み
⇒成果物であるビデオ・ストーリーとともにAPCDの重要な知識資産
ISメンバーの自信にあふれたプレゼンテーション
- 4回目の派遣(2009/6/24~7/3) -
イスラマバードでのビデオ・ストーリー撮影現場へ同行
⇒ APCDの黒子としての役割と障害者のエンパワーメント発現に感動
マニュアル詳細版作成支援
⇒ 成果発表会での予想を超えたプレゼンテーションに感激!
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APCDにおけるSbKM(3)
1年あまりの期間でSbKMをプロジェクト目標である
「障害者のエンパワーメントとバリアフリー社会の促進」に役立てていける
APCDプロジェクトにおける
日本人専門家とタイ人スタッフの一致団結した協力の成果
- プロジェクトによる具体的な成果の例 -
1.ラオス:ビエンチャン障害者協会立上げのビデオ・ストーリー
⇒初めての障害者に関わるビデオとして国営放送で放映
2.フィリピン:バリアフリー環境啓発ビデオ
⇒シューマート内の映画館での上映予定年間約700万人が見ると想定
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おわりに
- APCDプロジェクトへの感謝 -
貴重な学びの場を与えていただきありがとうございました。
SbKMが障害者の皆様の思いの実現に少しでも役立つように
引続き微力ながら努力したいと思います。
- 会場の皆様への感謝 -
ACPCDプロジェクトへの
多大なご支援・ご協力に感謝いたします。
今後ともご指導・ご鞭撻をよろしくお願いたします。
ご清聴ありがとうございました。
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