色素増感太陽電池で模型自動車を動かす実験教材の開発

色素増感太陽電池で
模型自動車を動かす
実験教材の開発
川村研究室
1508048
河野
公貴
1.はじめに
学校現場の声
新エネルギーについて,児童・生徒
が学べる実験教材が欲しい
色素増感太陽電池
これまでは電子メロディーを鳴らすのみ
模型自動車が動く教材へと進化!!
2.色素増感太陽電池とは

スイスのグレッツェルらが開発

低コストで,比較的小規模の施設で作
製可能。

環境への負荷が比較的少ない。
教育教材向け
発電原理
h+
𝐈−
𝐈𝟑
−
e-
出典:色素増感太陽電池で模型自動車を動かす実験教材の開発
(2008 川村ら)
3.色素増感太陽電池の作製
①電気伝導性のガラスの面に,ペースト状の二酸化
チタンを塗る。
②これをガスコンロで熱して,ガラスの上に二酸化
チタンを焼き付ける。
③二酸化チタンが焼き付けられたガラスを,色素が
抽出された染色液で染色する。
④もう1枚の電気伝導性ガラスに黒鉛をコーティン
グする。
⑤染色された二酸化チタンの膜にヨウ素電解液を
1,2
滴たらす。
⑥二酸化チタンと黒鉛がコーティングされた面を向
い合せにして,少しずらして重ねる。2枚の電気
4.実験方法と結果
4.1 セルの評価実験と結果(その1)

模型自動車を動かすに当たり改善した点
・昭和電工製低温焼成用酸化チタンペースト
SP-210
・昭和電工製ヨウ素電解液
・旭ガラスファブリテック製電気伝導性ガラス
出典:色素増感太陽電池で模型自動車を動かす実験教材の開発 (2008 川村ら)
4.1セルの評価実験と結果(その2)
図2
変換効率グラフ
出典:色素増感太陽電池で模型自動車を動かす実験教材の開発 (2008 川村ら)
18000luxのとき,開放電圧と短絡電流の平
均値は各々,0.38V,4.0mAであった。
4.2 模型自動車の製作実験と結果
マブチモーター330TKを使用。
 車体は縦4.5cm,横12cmで,モーターの
みを搭載した模型自動車。質量は62g。
 直列に5個並べ,並列に2個並べ,合計
10セルを使用したセル非搭載型。

走行が確認できた
出典:色素増感太陽電池で模型自動車を
動かす実験教材の開発 (2008 川村ら)
図3 セルと模型自動車
5.本論文における考察
研究成果
模型自動車を走行させることができた。
 光エネルギー→電気エネルギー→運動
エネルギーへの,エネルギー変換の学
習が行えるようになった。

課題
色素増感太陽電池搭載型の模型自動車
の開発
6.本論文を読んで
(教材としての色素増感太陽池)
メリット
太陽電池を身近なもので自作できる。
 エネルギー問題や地球環境問題への関
心が高まる。
 実験を行うことで,学習効果が高い

今後必要なこと
 教材の価格を安価にできるような工夫。
 作製・実験指導が行える指導技術を養
う。
7.みんなの理科大を終えて…
感想
4回指導させていただいたが,4回とも電子
メロディーを鳴らすことができた。
 子ども主体で,多少大ざっぱに作製しても,
失敗することがなかった。
 保護者同伴であったこともあり,親子で楽し
く,理科を学んでいた。

反省点
時間にもう少しゆとりがあれば良かった。
 二酸化チタンを濃く塗る必要があり,セル1
つあたりに必要な材料がこれまでのものより
も,若干多い。
