看護・介護のための人間工学

看護・介護のための人間工学
地域資源管理科学
労働環境工学分野
細山田明佳
◎人間工学とは◎
“ストレス社会”と言われる現代都市
快適で豊かな生活の実現:我々の目標
そこで・・・
人間を中心に、ヒトとモノの関係全てを科学する:人間工学
対象:衣服、道具、機械、住まいを含めた住環境
人間にとって、やさしい環境の設計を☆
◎日本の現状:高齢化◎
・65歳以上の人口率が7%以上:高齢化社会
・65歳以上の人口率が14%以上:高齢社会
日本は1994年に高齢社会になった。
今から43年後・・・2050年
日本国民の3人に1人が高齢者になると予想
(35.7%)
超高齢社会
そのような
背景の
中・・・
1995年:バリアフリー化の促進と普及「長寿社会対応住宅設計指針」
1996年:寝たきり老人をなくそう!「ゴールドプラン21」
2001年:高齢者が安心して生活を!「高齢者住居安定法」
◎福祉の考え方◎
ノーマライゼーション:全ての人が基本的人権を尊重されな
がら、自己選択と自己決定に基づいて
社会で生活できること。
福祉の
考え方は
・収容保護⇒人権尊重
・施設⇒自宅、地域
・ADL(日常生活動作)⇒QOL(生活の質)
・ウェルフェア(事後処理的対応)⇒ウェルビーング(人権尊重・自己実
現)
・バリアフリー⇒ユニバーサルデザイン
現状の問題点
・核家族化や少子化、女性の社会進出などが進み、家族による介
護が難しい状態に・・・
そこで・・・
少ない人数、最小限の力で、看護や介護を目指す。
介護動作は重労働で、介護・看護者の8割は腰痛に悩んでいる。
*介護者のボディメカニクスの基本原則*
①支持基底面積を広くし、重心を低くする。
②利用者に近づいて、お互いの重心を近づける。
③大きな筋群を使い、全身を使って動作する。
④身体をねじらず、重心を移動しやすい姿勢にし、利用者の体
を水平に引く。
⑤てこの原理や回転軸を利用し、動作を小さくまとめて動作する。
◎こんな研究が・・・◎
身体装着できるセンサと,体幹機能を計測で
きる角度センサを開発し,様々な介助動作の
身体負担を評価。
アンチどっこいしょズボン
日常的,実用的に起立動作時の負
担を補助するズボン
介護者腰部負担軽減衣服
介護者の身体負担を軽減するために,体
を深く前傾する介護動作時に活躍
◎介護用具◎
床ずれ予防具
歩行器
シャワーイス
移動用リフト
体位変換用具
段差解消機
◎てすり◎
・廊下や階段:直径32~
36mm
・浴室:直径28~32mm
端部は壁面側
に曲げこむ
◎キッチン◎
*イス座の場合*
・膝入れスペース:200mm程度
浅いシンクは泡沫水栓に
・高さ:800~850mm
*車椅子の場合*
・高さ:740~800mm
・シンク高さ:120mm~150mm
サポートバー
◎自助具◎
つめきり
スプーン
・上下左右、自分に
合わせて手で曲げ
られる。
コップ
・飲む時に頭を傾ける
のが困難な時に。首
に疾患があったり、寝
たきりの時に使用。
ソックスエイド
◎ユニバーサルデザインの色々◎
ハサミ
電動歯ブラシ
シャンプー:点字入り
ゆびスポットボトル