2005年国勢調査の 大都市における回収状況について 国士館大学 山田 茂 2007年6月10日 日本人口学会 1 2005年調査 1 調査項目 2000年調査より少ない 「教育程度」「家計収入の種類」など 2 調査員・世帯間のトラブルの報道 3 個人情報の詐取行為の報道 →期間内未提出4.4%、郵送1.1% 2 大都市における回収状況 *近隣聞取り・郵送など→記入漏れ→集計結果 *困難度が高い世帯:大都市に集中 共同住宅 単独世帯 若年層 外国人 転入者 不在・自己情報提供に抵抗感 *注目: 他の統計との対比 「不詳」「分類不能」率の水準 3 期間内に提出されなかった世帯 14 12 % 全国 東京/政令市所在道府県 その他 東京都 10 8 6 4 2 0 1995年 2000年 2005年 4 規 ← 定 上 査 ←国 勢 調 該 当 把握分 す る 世 帯 → → 調査項目1 調査項目2 非 把 握 分 : (C) : 不 詳 : (A) どの 統計も 把握 せず 非不詳 (B) : 他の統計は 調査項目n 把握 ← 他 の 統 計 把 握 分 → 5 14 15 歳 ~ 15 ~ 19 20 ~ 24 25 ~ 29 30 ~ 34 35 ~ 39 40 ~ 44 45 ~ 49 50 ~ 54 55 ~ 59 60 ~ 64 65 ~ 2 ~ 総 数 把握した総数の対比 % 対:推計人口 (前回国調人口に加減) 0 -2 男性 女性 -4 マイナス:05年国調の把握が少ない 6 % 前後の住基台帳人口平均との対比 男性 女性 札 幌 仙 さい 台 たま 千 葉 東 京 区 部 川 崎 横 浜 静 岡 名 古 屋 京 都 大 阪 神 戸 広 島 北 九 州 福 岡 5 4 3 2 1 0 -1 -2 -3 マイナスは国勢調査が少ない 7 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 東京区部 住基人口との対比 % マイナスは国調が少ない 男性 総数 0 5 10 15 20 25 30 35 ~ ~ 4 9 ~ ~ ~ ~ ~ ~ 女性 40 45 50 55 60 65 70 75 80 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 歳 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 以 上 8 把握分の「不詳」 「産業」は就業者のうち「分類不能」 400 万人 300 配偶関係 労働力状態 産業 200 100 0 1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 9 80 % 他人に知られたくない個人情報 1981年 60 1985年 1989年 2003年 2006年 内閣府「個人情報保護に関する世論調査」 40 20 特に ない 出生 地 職種 ・地 位 生年 月日 学歴 ・職 歴 現住 所・ 電話 番号 結婚 ・離 婚歴 家族 ・親 族等 収入 ・財 産 0 10 60 東京区部 政令都市 中都市 小都市 町村 40 20 い に な 種 職 特 位 、地 齢 日 生 年 月 歴 学 話 、電 所 現 住 ・年 、職 号 番 歴 婚 ・離 婚 、結 成 家 族 構 歴 0 他人に知られたくない個人情報 内閣府 2006年 面接 回収率60% 11 国調 答えたくない事項(05年 5%以上の項目) 2000年 2005年 教 育 就 業 従 状 業 態 地 ・通 勤 学 め 地 先 の 名 事 称 業 の 内 仕 容 事 家 の 計 内 収 容 入 の 種 類 床 面 積 1995年 氏 出 名 生 の 年 月 配 偶 関 係 % 40 30 20 10 0 統計局 世帯アンケート 05年12月 配布:10512 回収:6940 12 人 国 外 性 労働力状態 女 性 男 半 後 性 女 性 男 半 前 性 女 性 男 半 後 性 女 性 男 半 前 帯 国 配偶関係 30 代 30 代 20 代 20 代 世 独 単 全 16 14 12 10 8 6 4 2 0 % 05年 全国 不詳/分類不能 産業 13 期間内未提出と就業不詳 政令都市所在県 政令都市所在県以外 16 世帯主就業不詳(%) 世帯主就業不詳率(%) 16 12 8 4 12 8 4 0 0 0 4 8 未提出率(%) 12 16 0 4 8 12 16 未提出率(%) 14 14 18 都道府県別世帯主就業不詳率 16 世帯主就業状態不詳(%) 12 都道府県別未提出率 未提出率 % 10 8 6 4 14 12 10 8 6 4 2 2 0 0 0 0 20 40 60 共同住宅居住世帯率 % 80 20 40 60 80 共同住宅居住世帯(%) 15 「不詳」は大都市に集中 東京区部 850 2201 14大都市 15大都市以外 9727 全年齢総数(万人) 137698 年齢不詳 配偶関係不詳 338019 労働力状態不詳 849383 143227 分類不能の産業 152892 371671 20% 761921 867907 303768 0% 191751 1639671 699006 40% 60% 80% 100% 16 大都市の「年齢不詳」率 2.0 % 「年齢不詳者」は、ほとんどの集計から除外 1.5 1.0 0.5 全 国 市 部 札 幌 仙 さい 台 た ま 千 葉 東 京 区 部 横 浜 川 崎 静 岡 名 古 屋 京 都 大 阪 神 戸 広 島 北 九 州 福 岡 0.0 17 福岡 北九州 広島 神戸 大阪 京都 名古屋 静岡 川崎 横浜 東京区部 千葉 さいたま 仙台 札幌 市部 5 全国 大都市の「配偶不詳」率 % 35歳未満を含む 4 3 2 1 0 18 30代の配偶関係の内訳 60,000 人 東京区部・男性・配偶関係 50,000 未 婚 有配偶 死 別 離 別 不詳 40,000 30,000 20,000 10,000 40歳 39歳 38歳 2005年・国勢調査 37歳 36歳 35歳 34歳 33歳 32歳 31歳 30歳 0 19 1.0% 1995年国調 0.5% 64 60 ~ 59 55 ~ 54 50 ~ 49 45 ~ 44 40 ~ 39 35 ~ 34 30 ~ 29 25 ~ 24 20 ~ 15 ~ 19 歳 0.0% 全国・男性・配偶不詳率 2.5% 2000年国調 2.0% 1.5% 1.0% 0.5% 0.0% ~ 15 歳 19 ~ 20 24 ~ 25 29 34 ~ 30 39 44 49 54 59 64 ~ ~ ~ ~ ~ ~ 35 40 45 50 55 60 全国・男性・配偶不詳率 20 全 国 DI D 札 幌 仙 さい 台 た ま 東 千葉 京 区 部 横 浜 川 崎 静 名 岡 古 屋 京 都 大 阪 神 戸 広 北 島 九 州 福 岡 大都市の「労働力状態不詳率」 12 10 % 労働力状態不詳率 8 6 4 2 0 21 全 国 DID 札 幌 仙 さい 台 た ま 東 千葉 京 区 部 横 浜 川 崎 静 名 岡 古 屋 京 都 大 阪 神 戸 広 北 島 九 州 福 岡 川崎市は「労働力状態不詳」が少ないが… 8 7 6 5 4 3 2 1 0 % 分類不能の産業該当率 22 都内の「年齢不詳」率 % 板 橋 区 小 金 井 市 世 田 谷 区 国 分 寺 市 三 鷹 市 目 黒 区 「年齢不詳」は、性別以外はすべて集計から除外 豊 島 区 練 馬 区 7 6 5 4 3 2 1 0 2%以上8区・市 23 港 渋 区 谷 中 区 央 中 区 野 新 区 世 宿区 田 谷 杉 区 千 並区 代 田 豊 区 島 練 区 馬 目 区 黒 品 区 川 台 区 東 三 区 鷹 文 市 京 区 30 % 25 20 15 10 5 0 労働力状態不詳率 10%以上15区・市 24 20 % 労働力状態不詳 16 12 8 4 横 浜 市 川 崎 東 市 京 区 部 以 外 品 川 ~ 板 千 橋 央 港 渋 宿 東 豊 京 区 部 東 部 市 川 市 船 橋 市 千 葉 市 その 他 千 葉 その 他 神 奈 川 0 西南← →東 25 15 ~ 19 20 ~ 24 25 ~ 29 30 ~ 34 35 ~ 39 40 ~ 44 45 ~ 49 50 ~ 54 55 ~ 59 60 ~ 64 65 ~ 69 70 ~ 74 75 ~ 79 80 ~ 85 84 歳 以 上 50% 労働力状態不詳 40% 30% 20% 10% 0% 東京都・港区・男性 26 % 配偶関係不詳率 35歳未満を含む 港 区 中 央 区 渋 谷 区 豊 島 区 新 宿 区 杉 並 区 千 代 田 区 練 馬 区 世 田 谷 区 目 黒 区 品 川 区 14 12 10 8 6 4 2 0 5%以上11区 27 15 ~ 1 20 9 ~ 24 25 ~ 2 30 9 ~ 34 35 ~ 3 40 9 ~ 4 45 4 ~ 49 50 ~ 5 55 4 ~ 59 60 ~ 6 65 4 ~ 6 70 9 ~ 74 75 ~ 7 80 9 ~ 85 84 歳 以 上 30 20 % 配偶関係不詳率 10 0 東京都・港区・男性 28 さいたま市 調査員アンケート(05年12月) 100% やりやすかった 80% 60% 無回答 40% どちらともいえない 20% やりにくかった 0% 一戸建て マンション ・アパート 担当調査区 混在 回収 郵送 811人/1000人 29 全国 50% 東京都 20代前半 20代後半 世帯主の就業状態不詳 40% 30% 20% 10% 上 以 階 15 11 ~ 14 10 6 共同住宅 ~ 5 ~ 3 2階 1・ 建 屋 長 一 戸 建 0% 30 労働力状態が「不詳」だと… 労働力状態判明 7,559,370 配偶関係 判明 労働力状態不詳 414,124 配偶関係 不詳 777,668 0% 20% 不詳の重なり 1,039,373 40% 60% 80% 100% 31 配偶関係が「不詳」だと… 不詳の重なり 35歳以上 配偶関係判明 75,579,370 労働力状態 判明 配偶関係不詳 労働力状態 不詳 414,124 0% 20% 777,668 1,039,373 40% 60% 80% 100% 32 「不詳」「分類不能」数の05年の他の統計との対比 350 万人 300 250 200 150 100 50 0 分 類 不 能 労 調 業 の 産 労 調 詳 態 不 状 就 業 不 係 女 性 ・配 偶 関 生 労 調 詳 礎 活 基 詳 国 民 齢 不 年 左が国勢調査 33 「労働力状態」の国調・労調対比 250 万人 プラスは国勢調査が多い 200 男性 150 女性 100 50 0 詳 不 そ 他 の 事 学 家 通 て た い ら わ た し か 探 を 事 仕 業 休 事 仕 か ほ の 学 通 の -100 事 家 事 仕 に 主 -50 -150 -200 マイナスは国勢調査が少ない 34 「配偶関係」の国調・労調対比 プラスは国勢調査が多い 60 万人 40 20 0 詳 不 配 偶 別 ・離 別 死 有 婚 -100 -80 未 -60 数 総 性 女 上 以 -40 歳 15 -20 マイナスは国勢調査が少ない 35 集計結果の利用に注意 • 大都市 特に東京 都心部 共同住宅(高層階) 若年層 単独世帯 • 「配偶関係」項目の「未婚」:~34歳 • 複数項目の「不詳」の重なり • 国調の「不詳」:労調「仕事」「家事」「有配偶」 36 女 男 4 前後の住基台帳人口平均に対する日本人人口 % 8 6 2 0 -2 -4 -6 歳 80 9 -7 75 4 -7 70 9 -6 65 4 -6 60 9 -5 55 4 -5 50 9 -4 45 4 -4 40 9 -3 35 4 -3 30 9 -2 25 4 -2 20 9 -1 15 4 -1 10 9 54 0数 総 東京都 マイナスは国勢調査の把握が少ない 37 18 世帯主の就業状態不詳(%) 16 都道府県別 14 12 10 8 6 4 2 0 0 5 10 15 調査票未提出率(%) 38 2005年国勢調査の大都市における回収状況について • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 山田 茂 はじめに 対象世帯の生活と意識の変化 調査員の意識の変化 調査項目は前回より少ない:前回は「教育程度」「家計収入の 種類」 前回までを上回る実地調査におけるトラブル 「悪意の第三者」:個人情報の詐取行為の拡大 前回までのトラブル 市町村の力量低下:前回の伊那市 農林業センサス: 2町で実施漏れ 1 集計結果の公表状況と公表予定 2007年4月現在公表済み 1%抽出集計 ほとんどの項目 偶関係・世帯・住居 第2次基本集計 労働力状態・産業 集計 第1次基本集計 配 従業地別・通学地別 • • • • • • • • • • • • • 3 対象世帯・調査員の意識動向 ・内閣府の全国調査「個人情報保護に関する世論調査」 他人に知られたくない個人情報:「家族」「職業」など 1980年・85年・89年・03年調査との比較 2006年調査の 地域別・性年齢別 ・2005年国勢調査員アンケート 横浜市・川崎市・さいたま市 4 大都市における「不詳」率と集計結果の状況 ・市部・郡部別 DID ・都道府県レベル ・大都市(東京都区部 ・政令指定都市と区) 項目による相違 性・年齢別 世帯規模 住居 単身・若 年層・集合住宅 5 むすび ・未公表の集計項目 第3次基本集計:職業 ・次回調査での新しい実施方法の導入 2 全国の状況の推移 ・未回収率の推移 上昇 都道府県別 大都市所在県が高 い ・不詳率の推移 項目による相違・項目間のクロス ・他の統計との比較 過去の国勢調査と実数 コーホート比較 住民基本台帳人口・外国人登録者数と男女別実数 世帯を調査客体とする他の統計と不詳率 ・非「不詳」分 の比較 国民生活基礎調査・労働力調査(配偶・労働力状態・従業 上の地位・産業など) 39
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