私のカルテ ~基礎編~ ◆地域医療連携には次のような良い点があります。 ■ゆとりのある診察が受けられます ■病院・診療所での待ち時間が短くなります ■重複した検査・投薬が避けられます ■遠い人は通院の費用も軽減されます ■診療所で診てもらっている人も最先端の医療が 受けられます ◆地域医療連携には、私のカルテ(自己管理ノート)を 使用します。 また病院と診療所がお互いに患者さんの状態を把握する ために、共同診療計画書を使用します。 もくじ はじめに/おねがい・・・・・・・・・・・・・・ 2 乳腺科地域連携について・・・・・・・・・・・・ 3 私について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 連携する医療機関の一覧・・・・・・・・・・・・ 5 手術前の歯科受診について・・・・・・・・・・・ 7 歯科受診の流れ(歯科連携)・・・・・・・・・・ 8 周術期口腔機能管理計画書・・・・・・・・・・・ 9 周術期口腔機能管理報告書(入院前)・・・・・・10 周術期口腔機能管理報告書(手術前)・・・・・・11 周術期口腔機能管理報告書(手術後)・・・・・・12 乳がん地域連携について・・・・・・・・・・・・14 乳がん治療の流れ・・・・・・・・・・・・・・・15 乳がん共同診療計画書について・・・・・・・・・17 自己チェックシートについて・・・・・・・・・・19 がん相談支援センターのご案内・・・・・・・・・21 1 はじめに 【地域連携】とは、 手術を行った施設の医師(がん診療連携拠点病院)と かかりつけ医が、あなたの治療経過を共有しながら協力して 治療を行っていくことです。 地域連携を行うことで、 ◎患者さんの視点に立った安心で質の高い医療を提供 する体制を構築することを目指しています。 ◎患者さんにとっても長い待ち時間や通院時間の短縮、 重複した検査・投薬による負担軽減になります。 また、かかりつけ医の手厚い診療をうけることで、 日々のあなたの不安が軽減されることと思います。 おねがい 私たちは、この「私のカルテ」に記載された患者さんの日々 の記録から、みなさんの状態を知ることが出来ると考えてい ます。 がん診療連携拠点病院やかかりつけ医の 定期受診の際には、是非「私のカルテ」を持参ください。 2 乳腺科地域連携について 乳腺科では地域連携に取り組んでいます。 大きく分けると歯科地域連携、乳がん地域連携があり、 いずれも当院の医師とかかりつけ医が協力して 患者さんに最適な医療が提供出来ることを 目指しています。 歯科地域連携についてはこの冊子を用いて自己管理を 行っていきます。 乳がん地域連携については乳がんの種類やさまざまな 要因によって術後の治療が異なってくる為、ここでは 基本的な流れの説明を行い、自己管理は別冊で 行っていきます。 乳がん地域連携は治療によっては適応外となる場合が ありますが、その場合もかかりつけ医としての連携は 可能です。 いずれも不明な点や質問が ございましたら、お気軽に 医師または看護師へお尋ね下さい。 3 私 に つ い て 私の情報 記載日 平成 年 月 日 氏名 生年月日 大正・昭和・平成 年 月 日 住所 電話 緊急連絡先 電話番号 血液型 型 身長 アレルギー歴 cm □あり アレルギーのある薬 体重 kg □なし 症状 いつ頃 他にかかっている医療機関 今までにした病気・けが 治療内容・薬剤等 4 医療機関名 連携する医療機関の一覧 かかりつけ医 (電話 - - ) - - ) 調剤薬局 (電話 訪問看護ステーション、居宅介護支援センター、支援事業所等 (電話 - - 四国がんセンター 乳腺科 主治医 5 ) かかりつけ歯科 かかりつけ皮膚科 メモ 6 四国がんセンターでは、 がんの治療時に起こるお口のトラブルを予防し、 治療が円滑に進むよう、 治療開始前の歯科診察を行っています。 口腔内(口の中)はとても細菌の多い場所です。 手術等の治療を行うとき、 その細菌が悪影響を及ぼす事があります。 特に、手術後の肺炎を防ぐには,手術前からの口腔ケアを (口の中をきれいにし細菌を出来るだけ減らしておく) 行う事が有効です。 手術前の歯科受診では、以下を行います。 レントゲン検査・診察(口腔内の状態を診る) 歯ブラシではとれない細菌の除去 適切な歯ブラシ方法の指導 通常1~2回の受診で終えることが出来ます。 保険が適用される範囲でのケア・処置ですが、 費用は、3割負担の方で3000円ほど必要になります。 ★かかりつけ歯科をお持ちの方は、かかりつけで, 手術前の口腔ケアをうけていただいてもかまいません。 その場合は,紹介状をお出ししますのでご相談ください。 7 入院前(外来) 手術をする診療科 手術後の肺炎を防ぐために 口腔内の様子を見る 手術をすることになったら 歯科へ受診 × 歯科 歯科処置が必要な場合 かかりつけ歯科へ紹介 検査・診察 細菌の除去 歯ブラシ方法の指導 かかりつけ歯科 入院後(病棟) 歯科(手術前) 手術後の肺炎を防ぐために 口腔内の清潔を保つ 細菌の除去 歯ブラシ方法の指導 手術 ◎ 歯科(手術後) 細菌の除去 歯ブラシ方法の指導 入院中の経過、今後の処置について かかりつけ医にお願い かかりつけ歯科 8 周術期口腔機能 管理計画書 9 周術期口腔機能 管理報告書 <入院前> 10 周術期口腔機能 管理報告書 <手術前> 11 周術期口腔機能 管理報告書 <手術後> 12 Memo 13 乳がん地域連携について 乳がんは、手術によって肉眼で見えるがんは取り切ることがで きますが、なかには目に見えないがん細胞が残って いて再発してしまうこともあります。 そこで、再発の可能性を少なくするため、手術後に 補助的な治療を行う場合があります。 「術後補助療法」といい、抗がん剤療法(化学療法)や ホルモン療法(内分泌療法)、放射線療法などがあります。 また再発の可能性がほとんどない場合や様々な都合により 術後補助療法を希望しない場合には経過観察となります。 現在当院では一定の条件のもと、ホルモン療法および 経過観察を術後に選択された方について、乳がん地域連携 を行っています。 乳がん術後の私のカルテ(自己管理ノート)については 術後に対象となった患者さんへお渡ししますので、 ここではその簡単な流れと利用する書類の説明をします。 14 乳がん治療の流れ 初診 検診 入院 検査 •画像 •生検 抗がん剤 治療 15 手術 •乳房切除術 •乳房温存術 ★ホルモン療法用の私のカルテを追加★ 5年間内服 閉経後 ホルモン療法 閉経前 アロマターゼ阻害 剤 抗エストロゲン剤 ★経過観察用の私のカルテを追加★ 経過観察 約2ヶ月 放射線治療 通院または入院で治療 約半年 TC療法 抗がん剤治療 初回治療は入院、以後は外来治療 16 その他 乳がん共同診療について 乳がん共同診療の説明を行います 手術後は当院の主治医とかかりつけ医が協力し合い、 あなたの疾患の管理を行っていきます。 受診する間隔は医師同士で話し合い、もっとも適切と 思われる時期に受診出来るように計画をしています。 また、それぞれに役割分担があり、定期検査や節目の 診察は当院で、日々の症状に合わせた対応は かかりつけ医が行います。 この治療経過を共有するための計画書を 『共同診療計画書』といい、手術後5年間は特に大きな変化 がなければこの計画書に沿って診療が行われます。 もし不明な点がありましたら、お気軽に医師または 看護師へお尋ね下さい。 17 乳がん共同診療計画書 ■手術日 かかりつけ 検査 当院 定期検査 問診 視触診 投薬 年 月 日 ■ホルモン療法開始日 月 日 診療場所 かかり つけ医 かかり つけ医 拠点 病院 かかり つけ医 経 過 術後外来より2 週間以内 3ヶ月毎 6ヶ月 3ヶ月毎 年/月 / (○) 適宜必要に合わせて行います / (○) マンモグラフィ― その他必要な検査 (○) ○ 術後創部の状態 ○ ○ ○ ○ 痛み、発熱 ○ ○ ○ ○ 肩関節の運動障害 ○ ○ ○ ○ 乳房の状態 ○ ○ ○ ○ 上肢のむくみ ○ ○ ○ ○ 更年期症状(発汗、ほてり) ○ ○ ○ ○ 《抗エストロゲン剤内服》 不正出血、帯下 ○ ○ ○ ○ 《アロマターゼ阻害剤内服》 関節痛 ○ ○ ○ ○ 薬を処方します ○ ○ 抗エストロゲン剤(TAM) ○ ○ アロマターゼ阻害剤(AI剤) 説明 年 検査結果についての説明や 副作用、合併症の対処方法を 確認します 18 ○ この共同診療計画書は、 ホルモン療法の計画書を 例としてあげています ○ ○ ○ 自己チェックシートについて 自己チェックシートは、患者さんとかかりつけ医や 当院主治医との連絡表です。 これを診察時に医師に提示することで細かな症状まで 医師が把握出来、異常の早期発見につながります。 乳がんの術後に予想される症状や治療を行う場合は薬の副 作用を箇条書きにしていますので、該当する症状が ある場合は○、△で記入してください。 チェックをする期間は共同診療計画書と同じで約5年間です。 またチェックをする間隔は約1ヵ月毎ですが、 何らかの症状が出現しており心配な場合はもっと短い 間隔で記入してもらってもかまいません。 該当する症状が箇条書きにない場合は、メモのページに具 体的に記入してください。 もし不明な点がありましたら、お気軽に医師または 看護師へお尋ね下さい。 19 自己チェックシート<記入例> ■記入方法 はい・・・○ ときどき・・・△ 術後 ヶ月目 自己チェック項目 症状(異常)の有無 ※何らかの症状がある場合は、下記項目に印をつけてください 7/1 / / / 有・無 有・無 有・無 有・無 50Kg 体重《Kg》 体重増加がある ○ 体のだるさ ほてり、発汗がある 副作用 症状(異常)がある方は 「有」に○印をつけ、 下記項目に○、△で お答えください 発疹があり、かゆみがある 吐き気がある 〈アロマターゼ阻害剤〉 関節の痛みがある 薬の種類により 出現しやすい 副作用があります 〈抗エストロゲン剤〉 不正出血がある 〈抗エストロゲン剤〉 おりものが増え、かゆみがある 患側の腕にむくみがある 腕があがらないことがある △ 腕を上げると痛みがある ○ 手術の傷の周囲に赤み、熱感がある △ 自己検診 乳房にしこりがある このシートは、 ホルモン療法を 選択した方の チェックシートを例としてあげ ています 乳房の痛みがある わきの下に硬いものが触れる 息苦しさ その他 20 四国がんセンター がん相談支援センターのご案内 がん診療連携拠点病院の「がん相談窓口」では、専任の 看護師、医療ソーシャルワーカーが、がんに関する あらゆる相談に応じています。 ・がんの痛みや不安について ・がん治療の費用について ・家族の方の不安について ・一般の方のがんに関するご質問・・・など。 退院後の生活に必要なサポートについても、主治医、病棟の 看護師、地域の医療・福祉関係者と考えていくとともに、 かかりつけ医とがん診療連携拠点病院とのスムーズな連絡・ 連携の窓口としての役割も果たしています。 あなた 節目の診察 緊急時の対応 がん診療連携 拠点病院 日々の診察 連 携 21 かかりつけ医 かかりつけ医 病院名: 担当医: 電 話: 先生 - - ご心配な点があれば、まずはかかりつけ医にご相談ください。 なお、かかりつけ医に連絡がつかない場合は、 以下の連絡先にご連絡ください。 四国がんセンターの連絡先 ◆問い合わせ 平日 8:30 ~ 17:15 四国がんセンター がん相談支援センター (直通番号) 089-999-1114 平日時間外及び土、日、祝祭日 日直/夜間当直師長 (代表番号) 089-999-1111 22 Memo 23 Memo 24 がん診療連携拠点病院 四国がんセンター 2014.04.10 第2版 私のカルテ 乳がん手術後 ~基礎編~
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