仕えるリーダー

ペンテコステ霊性
(隣人に対する霊性)
-仕えるリーダー-
2008年度後期
この単元で問われていること

どういう側面で主イエスは「仕えるリーダー」
のモデルなのか。

リーダーシップの一般的な資質と聖書的な資
質とはどう違うか。

仕えるリーダになるためには、どういう条件が
必要なのか。
仕えるリーダー
あなたがたの間で偉くなりたいと思う
者は、みなに仕える者になりなさい。あ
なたがたの間で人の先に立ちたいと思
う者は、みなのしもべになりなさい。人
の子が来たのも、仕えられるためでは
なく、かえって仕えるためであり、また、
多くの人のための、贖いの代価として、
自分のいのちを与えるためなのです。
(マコ10:43-45)
仕えるリーダー
聖書的原則
しもべの心
指導者の
リーダーシップ
仕えるリーダー
「人々の役に立つ者となるために、
私たちは彼らに対して死ななければ
ならない。すなわち、私たちは人と
の比較によって自分の価値や重要
性を測ることを止めなければならな
い。
仕えるリーダー
その時、私たちは自由な気持ちで
人と共感することができるようにな
る。…真のしもべは、自分の目的の
ために神を利用することはない。む
しろ、神の目的のために自分を使っ
ていただこうとする。」 ヘンリー・ナウ
エン
仕えるリーダー
羊に仕え、羊のためにいのちを
捨てる覚悟のあるリーダーには羊
は何処までもついてくる。
仕えるリーダー
 仕えるリーダーのモデル、主キリスト
 仕えるリーダーの資質と心構え
 仕えるリーダーになる条件
主キリストの三側面
祭司
祭司イエス
神のことについて、あわれみ深い、忠
実な大祭司となるため、主はすべての
点で兄弟たちと同じようにならなければ
なりませんでした。それは民の罪のため
に、なだめがなされるためなのです。主
は、ご自身が試みを受けて苦しまれたの
で、試みられている者たちを助けること
がおできになるのです。
(ヘブ2:17-18)
主キリストの三側面
祭司
預言者
預言者イエス
イエスご自身が、「預言者は自
分の故郷では尊ばれない。」と証
言しておられた。(ヨハ4:44)
それでイエスを捕えようとしたが、群
衆を恐れた。群衆はイエスを預言者
と認めていたからである。(マタ21:46)
主キリストの三側面
祭司
預言者
王
王キリスト
するとピラトはイエスに、「あな
たは、ユダヤ人の王ですか。」と
尋ねた。イエスは答えて、「その
とおりです。」と言われた。
(ルカ23:3)
主キリストの三側面
祭司
預言者
僕
仕える僕キリスト
ご自分を無にして、仕える者の姿をと
り、人間と同じようになられたのです。
キリストは人としての性質をもって現わ
れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実
に十字架の死にまでも従われたので
す」
(ピリ2:7-8)
仕える主キリスト
 自分を無にする(犠牲)
 仕える者の姿をとる(奉仕)
 隣人の立場に立つ(共感)
 自分を卑しくする(謙遜)
 死に至るまで従う(服従)
仕える主キリスト
主であり師であるこのわたしが、あなた
がたの足を洗ったのですから、あなたが
たもまた互いに足を洗い合うべきです。わ
たしがあなたがたにしたとおりに、あなた
がたも
するように、わたしはあなたが
たに模範を示したのです。
(ヨハ13:14-15)
仕える主キリスト
キリスト・イエスにあっていだいてい
るのと同じ思いを、あなたがたの間
でも互に生かしなさい。(ピリ2:5-口語
訳)
汝らキリストの心を心とせよ。(文語
仕えるリーダー
 仕えるリーダーのモデル、主キリスト
 仕えるリーダーの資質と心構え
 仕えるリーダーになる条件
リーダーの資質(リーダーシップ)

一般的な資質


ある組織において指導者として他者に何らかの
影響を与える能力
聖書的な資質

教会における指導者として、神から与えられた賜
物を用い、聖霊の助けによって他者の社会的・霊
的生活に何らかの影響を与え、変革を促す能力
リーダーの資質(リーダーシップ)

一般的な資質

自分を信じること

人を知る能力

適正な判断力

積極的な行動力

聖書的な資質
神を信頼すること
(ピリ4:13)
 神を知ること
(詩46:10)
 神の御心の判別力
(コロ1:9)
 神への献身
(ガラ2:20)

リーダーの資質(リーダーシップ)

一般的な資質

強力な統率力

聖書的な資質

御霊の導きへの従順
(ロマ8:14)

目標達成へ情熱

神の愛による動機付け
(ロマ5:5)

自己実現への意欲

神の計画実現への献身
(詩40:8)
リーダーの資質(リーダーシップ)

リーダーはその言葉で(what he says)人に少しだ
け影響を与える。

リーダーはその行為で(what he does)人にある程
度影響を与える。

リーダーはその人となり(what he is)で最も強い影
響を人に与える。

(Impression vs Impact)
リーダーシップの本質
汝等キリストと心
を心とせよ。
(ピリ2:5-文語訳)
主キリストの心
祭司
預言者
僕
王
リーダーの資質(リーダーシップ)
祭司の心
預言者の耳
しもべの膝
リーダーの資質(祭司の心)
神のことについて、あわれみ深い、忠
主は、ご自身が試みを受けて苦し
実な大祭司となるため、主はすべての
点で兄弟たちと同じようにならなければ
まれたので、試みられている者たち
なりませんでした。それは民の罪のため
を助けることがおできになるのです。
に、なだめがなされるためなのです。(ヘ
(ヘブ2:18)
ブ2:17)
リーダーの資質(祭司の心)

主イエスと盲人の出会い (ヨハ9:1-38)
 弟子達の関心
「先生。彼が盲目に生まれついたの
は、
だれが罪を犯したからですか。この人
ですか。その両親ですか。」(9:2)
 不幸の原因追及
 過去に回答を探そうとする傾向
リーダーの資質(祭司の心)

主イエスと盲人の出会い (ヨハ9:1-38)
 主イエスの祭司的心配り
「この人が罪を犯したのでもなく、両
親でもありません。神のわざがこの人
に現われるためです。」(9:3)
イエスは、彼らが彼を追放したことを
聞き、彼を見つけ出して言われた。「あ
なたは人の子を信じますか。」(9:35)
リーダーの資質(祭司の心)

主イエスとサマリヤの女の出会い(ヨハ4:1-26)
 女と同じ目線で接する主イエス
「わたしに水を飲ませてください。」(4:7)
 女の心に徐々に入ってゆく主の心配り
「行って、あなたの夫をここに
呼んで来なさい。」(4:16)
リーダーの資質(祭司の心)
 祭司的リーダシップ:
 人間関係の壁を取り除くスキル
 対話ができる雰囲気を作り出すスキル
 信頼関係を造り出すスキル
 「うちとけて、ひびきあう」関係造り
 目線を調整する心配り
リーダーの資質(預言者の耳)

神の声を聴く耳に生まれる預言者的洞察力

イサクの質問に対する父アブラハムの預言者的
宣言
「火とたきぎはありますが、全焼のいけ
にえのための羊は、どこにあるのです
か。」
「イサク。神ご自身が全焼のいけにえの
羊を備えてくださるのだ。」(創22:7-8)
リーダーの資質(預言者の耳)

神の声を聴く耳から生まれる神の業

神の召しをうけて出エジプトの奇跡をもたらした
モーセ(出3:7-15)

神の声を聴いてツアレファテの未亡人のもとに
行った預言者エリヤ(1列17:9-16)

預言者ナタンの叱責を聴いたので救われたダビ
デ(2サム12:1-15)
リーダーの資質(預言者の耳)

預言者的リーダーシップ
語るために主の声を聴く預言者
 主の声を聴かないで語るにせ預言者

「聞く耳のある者は聞きなさい。」
(マタ11:15、13:9、13:43、マコ4:9...)
 この世の騒音の中に神の声を聴き分ける預言
者的洞察力
 人の言葉の裏に隠されている心の声(心音)
を察知する預言者的能力
 「聞く」・「聴く」の心理的相違
語られる神の声は書かれた
リーダーの資質(預言者の耳)
神の言葉に隠されている
音
Decoding
情報の蓄積
Encoding
聞
表
層
的
理
解
深
層
的
理
解
聴
心
人格の成長
「聞く」と「聴く」
 Encoding/Decodingの合致
-聞いているだけだと食い違う。
-聴きいっていると響き合う。
-聴き入っていると心と心がふれ合う。
ー聴き入っていると神のみ旨を悟る。
(西瓜・菊山師)
「ほんとうに、私は主のはしためで
す。どうぞ、あなたのおことばどおり
この身になりますように。」(ルカ1:3
8)
預言者的
リーダーシップ
人の心
を聴く
神の御心
を知る
黙想
仕える僕キリスト
ご自分を無にして、仕える者
(dou'o")
の姿をとり、人間と同じようになられた
のです。キリストは人としての性質を
もって現われ、自分を卑しくし、死にま
で従い、実に十字架の死にまでも従わ
れたのです」
リーダーの資質(しもべの膝)

主キリストのように仕えるもの
(dou'o")
奴隷のように仕えるリーダー
 痛みが伴うリーダシップ
 自分に死ぬことを要求されるリーダーシップ
 報いを期待しないリーダシップ
 個人プレーができないリーダーシップ


目立つことを動機にして主に喜ばれる奉仕は不
可能 (Impress vs Impact)
リーダーの資質(しもべの膝)
もし、その奴隷が、『私は、私の主人と、
私の妻と、私の子どもたちを愛していま
す。自由の身となって去りたくありませ
ん。』と、はっきり言うなら、その主人は、
彼を神のもとに連れて行き、戸または戸
口の柱のところに連れて行き、彼の耳を
きりで刺し通さなければならない。彼は
いつまでも主人に仕えることができる。
(出21:6-7)
リーダーの資質(しもべの膝)

愛の奴隷(Love-slave)
7年目に自由の身となるはずの奴隷
 自由を放棄し自ら選択して主人に仕える奴隷
 愛に根ざした奴隷の心で仕えるリーダー

仕えることを学ばなかったリーダーは人を
リードすることはできない。
 人を指導ことと、人に仕えることとは対立概念
ではない。

偉大な働きをする機会というの
はしばしば小さな仕事を装って訪
れる。 リック・ウォレン
リーダーになるためのレースは、
いつも混雑しているが、喜んでし
もべになろうという人のための道
は、大きく開かれている。 リッ
ク・ウォレン
リーダーの資質(しもべの膝)
祈る膝
仕える膝
リーダーの資質(しもべの膝)
 主の賞賛
『よくやった。良い忠実なしもべだ。
あなたは、わずかな物に忠実だった
から、私はあなたにたくさんの物を
任せよう。主人の喜びをともに喜ん
でくれ。』
(マタ25:23)
リーダーの資質(しもべの膝)
本当に幸せな人とは、どのよ
うに仕えるかを学んだ人であ
る。
リック・ウォレン
仕えるリーダー
 仕えるリーダーのモデル、主キリスト
 仕えるリーダーの資質と心構え
 仕えるリーダーになる条件
リーダーの条件
 使徒パウロの勧め:
「キリストの心を心とせよ。」(ピリ
2:5)
 使徒ヨハネの勧め:
「キリストにとどまる(新改訳)・つな
が
る(新共同訳、口語訳)」(ヨハ1
5:4,5,
6,7,9,10)
リーダーの条件
主であり師であるこのわたしが、あなた
がたの足を洗ったのですから、あなたが
たもまた互いに足を洗い合うべきです。わ
たしがあなたがたにしたとおりに、あなた
がたも
するように、わたしはあなたが
たに模範を示したのです。
(ヨハ13:14-15)
リーダーの条件(パウロの勧め)
汝等キリストと心
を心とせよ。
(ピリ2:5-文語訳)
W
W
J
D
What would Jesus do?
イエス様ならどうなさるだろうか
リーダーの条件(パウロの勧め)
 イエス様ならどうなさるだろうか
 ということを判別できること
そのためには
 主イエスと深く交わっていること
 キリストとともに己に死ぬ時を弁えること
 神の言葉を心に蓄えていること
 それができているかどうかを省察できること
リーダーの条件(ヨハネの勧め)
わたし(キリスト)にとどま
りなさい。わたしも、あなた
がたの中にとどまります。
(ヨハ15:4)
リーダーの条件(ヨハネの勧め)
 ヨハネの関心事(福音書・書簡から)
リーダーの霊的な位置とその認識
 ヨハネの用語:「とどまる・つながる
(mevnw)」
 約120回(新約聖書の56%)
 ヨハネ福音書
40回
 1ヨハネの手紙
24回
 3ヨハネの手紙
3回

ヨハネ15章
12回

リーダーの条件(ヨハネの勧め)
わたしはぶどうの木、あなたがたは
その枝である。人がわたしにつながっ
ており、わたしもその人につながって
いれば、その人は豊かに実を結ぶ。
わたしを離れては、あなたがたは何も
できないからである。
(ヨハ15:5)
リーダーの条件(ヨハネの勧め)
わたしにつながっていない人がいれ
ば、枝のように外に投げ捨てられて枯
れる。そして、集められ、火に投げ入
れられて焼かれてしまう。(ヨハ15:6)
リーダーの条件(ヨハネの勧め)
あなたがたは、初めから聞いたこと
を、自分たちのうちにとどまらせなさ
い。もし初めから聞いたことがとど
まっているなら、あなたがたも御子
および御父のうちにとどまるのです。
(1ヨハ2:24)
リーダーの条件(ヨハネの勧め)

ヨハネの関心事(福音書・書簡から)

リーダーの霊的な位置とその認識
 物理的存在位置と霊的な位置
 キリストの内か外(側)か
 霊的位置と霊的な成長との相関関係
 内か側かの重大な相違
 聖別の度合いに関連
 御霊の実の結実具合に関連
「イエスさま。
あなたの御国
の位にお着き
になるときに
は、私を思い
出してください。」
「あなたはキリ
ストではないか。
自分と私たちを
救え。」(ルカ23:39)
(ルカ23:42)
霊的位置
物理的位置
リーダーの条件(ヨハネの勧め)

イエスの側にいる人は多いが、キリストの
内にいる人は必ずしも多くはない。

主イエスの側にいる時間が長いが、
主キリストの内にいる時間がき
わめて少ない人がいる。
リーダーの条件(ヨハネの勧め)
 側と内の区別がつかない人がいる。
 内にいる霊的に成熟した人を見たことが
ないからかもしれない。
 内に入るすべを知らないからか
も知れない。
 知っておっても、入ろうとしない
のかも知れない。
リーダーの条件
 「つながる」ための三つの作業
 静まって神を知る
 み言葉を心に蓄える
 み言葉を口ずさむ(瞑想する)
 キリストとともに死ぬこと
リーダーの条件
 「つながる」ための三つの作業
 静まって神を知る
やめよ(新改訳)。静まって(口語
訳)力を捨てよ(新共同訳)わたしこ
そ神であることを知れ。(詩46:10)
リーダーの条件
 「つながる」ための三つの作業
 み言葉を心に蓄える
 み言葉を口ずさむ(瞑想する)
まことに、その人は主のおしえを喜びと
し、昼も夜もそのおしえを口ずさむ(思い
めぐらす)。その人は、水路のそばに植
わった木のようだ。時が来ると実がなり、
その葉は枯れない。その人は、何をして
リーダーの条件
 み言葉を心に蓄える
 祭司の心、預言者の耳を得るために
 神のみ言葉に隠された神のみ声を聞き取
るために
「わが神。私はみこころを行なうこと
を喜びとします。あなたのおしえは
私の心のうちにあります。」(詩40:8)
リーダーの条件

「つながる」ための三つの作業

キリストとともに死ぬこと
私はキリストとともに十
字架につけられました。
もはや私が生きているの
ではなく、キリストが私の
うちに生きておられるの
です。(ガラ2:20)
リーダーの条件
 キリストとともに死ぬこと
 神の愛が流れやすくなるために
キリストに似せられるために
 祭司の心配りが豊かになるために
 預言者の耳が研ぎ澄まされるために
 しもべの膝で教会の徳が建てられるために
リーダーの条件
「人々の役に立つ者となるために、私たち
は彼らに対して死ななければならない。
すなわち、私たちは人との比較によって
自分の価値や重要性を測ることを止めな
ければならない。その時、私たちは自由
な気持ちで人と共感することができるよう
になる」
ヘンリー・ナウエン
リーダーの条件

三つの作業に付随する二つの認識
 自分を知ること
 神を知ることと同時進行
 自分の賜物を知ること
 すでに与えられてる賜物
 これから開発すべき賜物
仕えるリーダー

理想


主のみ姿に似たリーダーになること
現実

主の生き写しになれるリーダーはいない。

どこかが欠けている。(リーダーは完成品ではない。)

互いに補足し合って、はじめて主のみ姿に近づく。
仕えるリーダー
神に用いられ、祝福して頂くために完全
である必要はない。...私たちは、数人
のエリートによって運営される完全な教
会であるよりも、何千人もの普通の人た
ちとともに働きを進めていく教会でありた
いと願っている。
リック・ウォレン
こういうわけですから、もしキリ
ストにあって励ましがあり、愛の
慰めがあり、御霊の交わりがあり、
愛情とあわれみがあるなら、私
の喜びが満たされるように、あな
たがたは一致を保ち、同じ愛の
心を持ち、心を合わせ、志を一つ
何事でも自己中心や虚栄からす
ることなく、へりくだって、互いに
人を自分よりもすぐれた者と思い
なさい。 自分のことだけではなく、
他の人のことも顧みなさい。(ピリ
2:1-4)
あなたがたの間では、そのよう
な心構えでいなさい。それはキリ
スト・イエスのうちにも見られるも
のです。 (キリストの心を心とせ
よ。)キリストは、神の御姿であら
れる方なのに、神のあり方を捨
てることができないとは考えない
で、
ご自分を無にして、仕える者
の姿をとり、人間と同じようにな
られたのです。 キリストは人とし
ての性質をもって現われ、自分
を卑しくし、死にまで従い、実に
十字架の死にまでも従われたの
です。
(ピリ2:5-8)
この単元で問われていること

どういう側面で主イエスは「仕えるリーダー」
のモデルなのか。

リーダーシップの一般的な資質と聖書的な資
質とはどう違うか。

仕えるリーダになるためには、どういう条件が
必要なのか。
 イエスのように
(Ab)
イエスのように 心ふれるものなし
永久(とわ)に探し求めても 他(ほか)になし
憐れみ豊かに溢れ 癒しはみ手に
苦しむ子等胸に抱き 守られる