第11回 フェアユース

フェアユース
メディアコミュニケーション論Ⅲ
第11回
著作権復習
著作権法




創作意欲を高めるために“独占”
先人の業績の活用を図るために“期限”
著作物とは“思想又は感情を創作的に表現した
もの”
 コンピュータのプログラムも含まれる
著作権法で保護されるものは表現
著作権


著作者の権利
 財産権
 人格権
伝達者の権利(著作隣接権)
 財産権
 人格権
著 作 権 法 で は(1)

著作者に著作物の独占を一定期間認める
 他人が,著作物を勝手に使うことができない
著 作 権 法 で は(2)


例外的に勝手に使うことができる場合がある
 引用
 教育現場
 など
日本の著作権法では,個別に例外を列挙
 個別例外規定
 列挙されていないものは不可ということ
著 作 権 法 で は(3)

検索サイト
 インターネット上の情報(著作物の場合がある
)をコピーする
 2009年までは違法行為
 日本国内で検索サイトは運用できなかった
著 作 権 法 で は(4)

日本方式(個別例外規定方式)
 新しい使い方(技術)
 法律が改正されるまでは違法
アメリカの著作権法では(1)

フェアユース - 公正使用
 アメリカの著作権法では,一定条件下で,著
作物の無断使用が認められている
 使用目的と性格 -商用か教育用か
 著作物の性質 - 独創性
 使用された部分の量
 使用されたことによる影響 – どの程度,売
れなくなるか
 これ以外のことも含めて裁判所が判断
アメリカの著作権法では(2)

抽象的・包括的な一般的な条件を定めている

一般例外規定 ⇔ 個別例外規定
アメリカの著作権法では(3)

とりあえず,やってみる?!

Google Book Search

裁判だから,勝つか負けるか分からない
次の3語でググってみれば

オバマ ポスター フェアユース

いろいろ面白いことが分かる
フェアユースとして認められた例




ソニー 対 ユニバーサル
家庭用ビデオによるテレビ番組の録画
タイムシフト(時間をずらして視聴する)
 1984年アメリカ連邦最高裁判所
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/
gijiroku/010/07101103/004/031.htm
この結果,映画をビデオでも発売するというビジ
ネスモデルが確立
日本版フェアユース
日本での動き(1)


デジタル・ネット時代における知財制度の在り方
について(知的財産戦略本部 11/27/08)
日本版フェアユース規定の導入を提言
 一般例外規定の導入
日本での動き(2)



「日本版フェアユース」の対象は 報告書まとまる
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1001/20
/news087.html
日本版フェアユースの報告書案を公表、12月に
も最終まとめ――文化審
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/201011
04/353747/
著作権法改正へ
日本での動き(3)

権利者側と利用者側の対立

2011年の通常国会で成立?

2012年1月から運用開始?

アメリカのものとはかなり異なる
 限定された範囲でのフェアユース
フェアユースのメリットとデメリット
メ リ ッ ト(1)

いろいろな場面に柔軟に対応できる

そのためのフェアユース
メ リ ッ ト(2)


事後規制
 自分でフェアユースかどうか判断
 トラブルが発生したら裁判
 後から裁判官が判断
新しい著作物の活用法が産み出される
メ リ ッ ト(3)

迅速な対応
 個別例外規定の立法には時間がかかる
デメリット

低予測可能性
 裁判官がどう判断するか不明瞭