基礎物理学演習 デモ実験 1.Atwoodの器械による重力加速度測定 2.速度の2乗に比例する抵抗がある場合の終端速度 3.減衰振動、強制振動の電気回路モデル 1. Atwoodの器械 滑車1 r=2cm t=0.8cm ~0.01kg ? <問1-1> 物体1と物体2の運動方程式を書け m11=20g m10=264g 物体1 m1=m10+m11=284g 1.5 m 物体2 m2=264g 物体1の運動方程式 z m1z1 (t ) m1g T1 (t ) (1) 物体2の運動方程式 m2 z2 (t ) m2 g T2 (t ) (2) T1 糸は伸び縮みしないので、加速度は 大きさが等しく逆向き -m1g z1 (t ) z2 (t ) (3) 滑車の回転を無視すると、 T1 (t ) T2 (t ) (4) (3), (4) → (1),(2)に代入して整理すると T2 -m2g <問1-2>物体の加速度 a 1. a1= (m m )g 1 2. 3. 4. 5. a2= a3= a4= a5= 2 m1 m2 g m1 m2 (m1 m2 )g m2 m1 g m1 m2 m1 m2 g m1m2 z1 (t ) は? 落下実験 Atwoodの装置では、物体は等加速度運動する m1 m2 284 264 g g 0.038g 加速度の大きさ a m1 m2 264 264 1 2 2h 初速度=0とすると、落下距離 h a t a 2 2 t <実験> h=1.5m 落下する時間をストップウォッチで計測してaを求める a 3 79 a 2 g 2 t1.5 0.038 t1.5 滑車の回転の影響 <問1-3>摩擦を無視した場合のエネルギー保存の式を書け m11gh 1 1 (m10 m11 m2 )v 2 I1 2 2 2 回転のエネルギー (慣性モーメント I ) 1 1 1 2 2 2 2 m ( r ) m r I i 2 i i i i 2 i 2 a I1 : 滑車の慣性モーメント : 滑車の回転の角速度 ri mi 回転のエネルギーの計算 <問1-4>物体1が床面に達したときの速さv1を求めよ a 3 t12.5 v1 a t1.5 3 t1.5 <問1-5>エネルギー保存から回転のエネルギーを求めよ 1 1 2 m11 gh (m10 m11 m2 )v1 I1 2 2 2 1 1 2 (0.02kg ) (9.8m / s 2 ) (1.5m) (0.264 0.264 0.02kg )v1 I1 2 2 2 1 2 I1 2 0.294 0.274v1 [J] 2 <問1-6>円盤の慣性モーメントから回転のエネルギーを求めよ 質量M、半径aの円盤の場合 I 1 Ma 2 2 物体1の速さv1との関係 v1 =a 2 1 2 11 v 1 I Ma2 1 Mv12 2 22 a 4 <問1-7>エネルギー保存から求めた回転エネルギー Eeと慣性モーメントから求めた回転エネルギーEI 1. Ee>EI 2. Ee~EI 3. Ee<EI エネルギー保存の式から物体1が床面に達したときの速さを求める 滑車2(半径4cm、厚み1.6cm、0.08g)を使用 1 I2 2 m11gh (m10 m11 m2 ) 2 v2 2 a 2m11gha2 v2 (m10 m11 m2 )a 2 I 2 2 0.02 9.8 1.5 (0.04) 2 (0.264 0.02 0.264) (0.04) 2 0.000064 1.0 m/s <実験>実際に床面に達したときの速さを測定する 予測は? v1 a t1.5 1. 2. 3. 4. 5. 6. 3 t1.5 v1<1m/s 1m/s<v1<2m/s 2m/s<v1<3m/s 3m/s<v1<4m/s 4m/s<v1<5m/s v1>5m/s 2.速度の2乗に比例する抵抗がある場合の終端速度 ガラス、テフロン、ナイロン球の水中落下 終端速度(等速度運動) はかりの値が一定値 0.000 3種類の球で実験する ガラス テフロン ナイロン 直径(cm) 体積(cm3) 質量(g) 密度ρ(g/cm3) 1.63 2.268 5.57 2.46 1.60 2.145 4.56 2.13 1.60 2.145 2.42 1.13 <質問2-1> 速度の2乗に比例する抵抗を受けて水中を運動 する体積V、密度ρの物体の運動方程式を書け。 ただし、水の密度をρw、抵抗の比例定数をkとする。 m V dv 2 m mg V w g kv dt w dv k 2 (1 ) g v dt V 終端速度v∞は、外力の合力=0より w k 2 (1 ) g v V V ( w )g (m mw ) g v k k kが形状に依存し3つの球で同じとすると、 終端速度の比は w に比例する <実験>ストップウォッチでしるしを付けた区間の通過時間Tを計測する ガラス テフロン ナイロン w 1.21 1.06 0.36 ガラスに対する比 1.0 0.88 0.30 1/T∝v∞ 3.減衰振動、強制振動の電気回路モデル LCR回路 コンデンサー コイル 銅板 100Ω 抵抗 オシロスコープ 交流電源 A B Aは電流モニター用 Bは電源電圧のモニター用 コイルの自己インダクタンスの計算 (1)コイル(ソレノイドコイル)の自己インダクタンス 長さlのコイルの鎖交磁束Φ=自己インダクタンスL×コイルに流れる電流I これより、 L I ここで、Φ=μ×(コイル内の磁場H) ×(断面積S)×(全巻き数N=nl) また、ソレノイドコイルの内部磁場H=nI より、 2 N HSnl n 2 ISl IS l N2 したがって、 L S (μ:空気の透磁率=μ0:真空の透磁率4π×10-7 N/A2) l <問3-1>コイルの自己インダクタンスを計算せよ。 コイルの全巻き数N = 2000回 長さl = 17 cm 半径 2 cm L 4 107 (0.02)2 (2000)2 0.17 0.037 mH 平行平板コンデンサーの電気容量C S C d <質問3-2>以下のパラメータから平行平板コンデンサーの電気容量を計算せよ。 正方形の銅板の一辺の長さ 20 cm 紙の厚みd = 100 μm 乾燥した紙の比誘電率ε= 2 (「物理学実験」参照) ε0=8.85×10-12 F/m C 2 8.851012 0.2 0.2 104 7 109 F 複素数で考える it V e V I I 0ei (t ) 0 i Z Z 0e 1 )i Z 0 ei 複素インピーダンス Z R ( L C Z 0 Z R 2 ( L tan L 1 2 ) C 1 C R φ>0のとき、電流の位相は電圧に対して遅れる φ<0のとき、電流の位相は電圧に対して進む 複素平面による表示 CR回路 LR回路 >0 L <0 Z R R 共振周波数は、Z0が最小になる条件 L 0 1 0 LC Z -1/C 1 0 から決まる C <実験>共振周波数の測定 (LCR回路) アナログの交流電源の周波数を変えて、 位相が一致(φ=0)する周波数を探す。 f 0 1 2 2 1 1 1 9894Hz 9 LC 2 3.14 0.037 7 10 <問3-3>銅板の上に人が乗ったら共振周波数は? 1. 大きくなる 2. 小さくなる 3. 変わらない
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