歴史上2番目に明るい超新星 SN 2008es の話題 発表者:山中 雅之 Miller et al., 2008, arXiv:0808.2193v1 (2008/8/18) “THE EXCEPTIONALLY LUMINOUS TYPE II-L SN 2008es” Gezari et al., 2008, arXiv:0808.2812v1 (2008/8/21) “DISCOVERY OF THE ULTRA-BRIGHT TYPE II-L SUPERNOVA 2008es” 歴史上最も明るい超新星の仲間た ち II-L 母銀河が見えない。(そもそも遠い。小さな銀河で起こ II-L る?) → ターゲットが見えない。 IIn 初期は可視が最も明るい。 -22等でz=0.2でもせいぜい17等台。 IIn 径では観測不可。) (小口 IIn/IIa? Miller et al. 2008 Gezari et al. 2008 Miller et al., 2008, arXiv:0808.2193v1 (2008/8/18) “THE EXCEPTIONALLY LUMINOUS TYPE II-L SN 2008es” 1. Introduction SN 2008es ┬Texas Supernova Surch (TSS) ROSTE-III 0.45m 望遠鏡で発見 ┬2008.4.26(UT) luminous transient z=1.02? ┬ その後、分光観測が行われ、 極端に明るいType IIと同定された。 ┬ 測光観測により、Type II-Lと分類された。 ┬ z=0.213、Mv=-22.5 SN 2005apに次いで明るい超新星 ┬ 非常に明るい超新星は、大質量星(progenitor)のmass-lossをトレースす る。 2. OBSERVATIONS Photometry Swift: UV, Optical, X-ray 2008.5.14~8.3 (11夜) PEARITEL: J,H,Ks 2008.5.16~ KAIT, 1-m Nickel telescope (Lick) : Optical 2008.5.30~ 3-m Shane telescope (Lick) : Optical 2008.6.2 & 8.5 X線 検出されず 上限 1.5x1042 erg/s Spectroscopy Kast分光器 3m-shane (Lick) 低分散分光器 Keck 10m Kitt Peak 4m (Director Discretionary Times) Kitt Peak のスペクトルは2夜合成 母銀河成分が検出されず P Cyg Hα → z=0.2 他のType II に一致 SNID Blodin & Tonry (2007) よく似たType II-L SNe 1979C, 1980K と比較 → Z=0.213 +/- 0.006 (この論文で採用) 静止系Bバンド極大 2008.5.19 (発見19日後) 3.Photomeric Results それぞれの光度変化を多項式 フィッティングして SEDを求める。 黒体でフィッティング → 温度、半径、光度を導出 超新星が膨張するにつれて冷 却されているのがわかる。 26.6 day と 65.4 day SED UVW2、UVM2で超過 Fe line-blanketing 効果 (Type II-P 2006bp) BB フィッ ティングには無視 BB光度と直接積分した光 度は一致 Decline rate Bolometric light curve 0.042 mag day-1 V (Rest B)-band light curve 0.036 day-1 SN 1979C (0.046 mag day-1) (SN 1980K 0.055 mag day-1) 比べゆっくり Bolometric luminosity → 0.9 x 10 51 erg (day 15 ~83) に 4.Spectroscopy +3、+13day Featureless blue continuum (ただし、Gezari et al. 2008で は 5650Åに輝線が受かっ た。) SN 2005ap W-shape 吸収 CIII,NIII,OIII, 20000 km/s +21d 弱いHeI、Hβの吸収、Hαの輝線 SN1979Cとの違い 速 度がSN 2008esのほうが遅い。 Hβ 97C 9700km/s、 08es 6000 km/s ただし赤方偏移に注意 次の2ヶ月 SNが膨張するにつれて赤くなる。 featureは徐々に成長するが、弱 い。→ “top-lighting effect”: CSMとの相互作用から連続光が SN ejectaを照射する。 +68day 水素のバルマーラインがP Cygプロファイルを形成 Hα: 吸収は作らず輝線が卓越 (Type II-P × TypeII-L○) Hα FWHM 9500 km/s (79C 10600 km/s , 80K 8200 km/s) H β line velocity increasing ? Hβの吸収が8000km/sまで増加 HeI5876/NaIDは800km/s の増加 Line velocity が増加したSNは 2005bfが唯一。(HeI 3つの吸収) Ejectaの内側でのNi崩壊によりHe I の励起が進んだ。 (た だし2008esとは明らかな関連なし) 解釈 Hβの青い側でHeIλ 4686が影響? 輻射輸送の効果? 5. Discussion 5.1. The Physical Nature of SN 2008es ・光度変化 早い。 ・スペクトルもCSMとの相互作用の証拠なし。 ・2005apに似ている。典型的なII-Lより4,5等 明るい。 ・56Ni mass 10M◎必要 ・fast rise and decayを考えると問題 ・decay time 0.042 mag day-1 > 56Co decay Shock energyをすべて可視光に変換→ 運動エネルギーが大質量のshellを加 熱: 半径2~3x1015 cm 以上必要 必 要とされるinitial enevelope radiiは最も 巨大な赤色超巨星より20~30倍大きい。 5.2. The Host of SN 2008es 母銀河の絶対等級 -17.4 等より暗い (SMC -16.9) SN 2006tf や SN 2005apの母銀河も同様 5.3. Rate of Extremely Luminous SN 2008es-like Events TSS (3年) 05ap, 06gy, 06tf, 08es 4つ(うち二つType II-L) 30 SNe Ia at z~0.1 、08es z~0.3 体積23倍 30/2 x 23 = 350倍! KAIT Ssupernova Survey 10,000 渦巻銀河 典型的なII型の160分の1 統計の問題では無い。 6.Conclusion 史上2番目に明るいSN 2008esを観測した。 強い CSMとの相互作用により供給されただろう。 Light curveが0.042mag / day → 56Coが支配的なではない。 総積分 光度 E > 1051 erg スペク トル SN1979Cに似ていた。しかし、Hβの速度増加は説明不可。 Late phaseの観測 Peak 光度がradioactive decayあるいはCSMにより供給されていたか どうか → SN 2006tf 強い輝線、SN 2006gy無し、1979C30年間、 CSMとの相互作用が観測されてきた。(X,Opt,radio) 2006gyでは近赤外超過← light echo ( 0.3 pc にダスト) SN 2008esのpeak光度がほとんどradioactiveで供給されているのなら 後期においてγ線をdepsositeするH-richな層が光学的に厚いままである。 Gezari et al., 2008, arXiv:0808.2812v1 (2008/8/21) “DISCOVERY OF THE ULTRA-BRIGHT TYPE II-L SUPERNOVA 2008es” 2. Observations 2.1. Photometry ROTSE-IIIb 45cm 2008.4.26~ 50日間 Palomar 60-inch 2008.5.2~ 100日間 1.3m MDM望遠鏡 2008.5.24~ 45日間 ROTSEの観測で極大を2008.5.16と決めた。 (Miller et al.より3日早い。) 2.2. Spectroscopy Hobberly Eberly Telescope 2008.5.1 と 5.8 Palomar 200-inch 2008.5.2 Quasar z=1.02と同定 (featureless blue continuum) Palomar で2008.8.1にバルマー 輝線が確認、z=0.21 HeIIλ4686を使ってz=0.205 +/0.001 (Miller et al. では z=0.213) Hβ -7400 km/s NaID -7100 km/s 2.3. Host Galaxy やはり検出されず(Miller et al. では検出されず) SDSSの爆発前の画像で 8.3” 北東 だと40kpc (SNのhostだとしたら大きすぎる。) 2.3. Swift Observations およそ100日後あたりも観測 (Miller et al. では80日後まで) SEDの黒体フィッティングにUVW2、 UVM2も含めている。 →結果的にMiller et al. よりやや高 いT=14000Kを導く。 半径:3x1015cm 超巨星の10倍 ) ( 赤色 z=0.205 3.Result 3.1.Comparison with Type II SNe 極大後 9日: 0.029 mag / day Type II-P 極大後53日:0.035 mag / day Type II-L 減光率だけ見れば、Type II-P → II-L 後半のSwiftの観測 101d Tbb=5x103 ,Rbb=2x1015, L=1.42x1043 e –td/111 → 初期の56Ni mass M ≦ 0.2 M◎ Color はType II-L に一致 Integrated curve → E=5.6x1051 erg et alに一致) (Miller 二つのType II-P Sneと比較 Luminostiy の50倍 2006bpの5倍 2005cs 温度 2008es 14000K Type II-P 6000 K 半径 08esのほうが5倍大きい 3.2 Interaction with CSM X upper limit < 2.4 x 1042 erg / s (0.3 -10keV) X線から求めたmass loss 5x104 M◎ / yr 純粋にCSMによりpeakが光ってもまだ5倍小さい。 3.3.Comaprison with Models Model ① Bilinnikov & Bartunov (1993) 赤色巨星 6000R◎ 小さい水素の外層 1-2 M◎ 濃い星風 M ~ 10-4 M◎ / yr 例) SN 1979C (Mv -19.6 mag) UVの再過程に より作られる。 MB~-22mag : 10-3 M◎ / yrで増 加せることができる。 50日まで急激に減少。 後期のSwift のゆるやかな光度変化にも一致。 最もよく一致するモデル Model ② Young et al. (2005) ProgenitorのH envelope と GRBの可視残光の相互作用 相対論的jetとH envelopeとのshockでシンクロトロンを放射 →冷えていくBBにダイレクトに矛盾 Model ③ Smith & McCray(2007), Woosely+ 2007 Dence CSMとの相互作用 →shockを通して運動エネルギーがradiationに変換される。 →narrow Hα、ゆっくりと放射が逃げていく。 →fast rising & broad symmetric Hα輝線に矛盾 Model ④ 56Co dacay thermalization Peak光度を光らせる:25M◎が必要 後期のSwift の観測 56Coのradioactive decayに乗らない。 KANATA/TRISPECでは? 現在、SN 2006gy (Mv=-22, Type IIn)によく似てい ると分光測光的に同定された SN 2008fzを観測中!
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