synapse - 朝倉介護保険事業者協議会

平成21年度
朝倉介護保険事業者協議会
スタッフセミナー
「脳」と「記憶」と 「認知症」の
お話
医療法人 東翔会
東原整形外科病院 神経内科
わ く
た に
よ う
す け
涌 谷 陽 介
2009.7.17
本日の内容
「脳」の話
「記憶の話」
「認知症の話」
「認知症」をどうとらえるか
「認知症」を起こす病態
アルツハイマー型認知症
脳血管性認知症
レビー小体型認知症
前頭側頭型認知症
「認知症」の早期発見
「認知症」の方を中心に考えるために
「脳」
Brain
皆さんは
「
」
のことを考えた
ことがありますか?
脳
運動機能
生命維持
・呼吸
・循環
・自律神経
大脳
・スムーズさ
・すばやさ
・バランス
・距離感
など
など
脳幹
小脳
統
合
・
表
現
言 語
意 識
ゆっくり
少量ずつ処理
左脳
言語
表現力
論理性
意識的
ストレス
右
往
左
往
大脳の
前から
見た断面
イメージ
無意識
高速で大量に
自動処理
イメージ
創造性
ひらめき
無意識的
リラックス
ひ
ら
め
き
・
創
造
右脳
運動
判断
決断
前頭葉
やる気
根気
色気
感覚
手順
喜怒哀楽
言語
嗅覚
側頭葉
言語
頭頂葉
空間
認知
聴覚
味覚
海馬
「記憶」
視覚
後頭葉
笑う
「脳」は…
楽しむ
味わう
考える 悩む 泣く
信じる
わかる
憎む
悲しむ 嗅ぐ愛する 覚える
見る うっとり
する
恐れる 記憶する 使う 聞く
計算する
安らぐ
誤解する 知る 昂ぶる
怒る
歩く
話す
「脳」 「私」
は
「記憶」
Memory
記憶の分類
大脳皮質
海馬
「記憶」の性質
も
と
も
と










覚えようとしなければ覚えられない
興味のあることは覚えやすい
強い感情を伴った情報は記憶に残る
忘れるようにできている
不注意に影響されやすい
「舌先症候群」を起こしやすい
混乱しやすい
暗示を受けやすい
書き換えられやすい
嫌な記憶はつきまといやすい
「記憶」は…
考えた 楽しんだ 味わった
笑った
話した
覚えた 憎んだ わかった
嗅いだ 信じた
泣いた
愛した
怒った
恐れた
悲しんだ
聞いた
覚えた
計算した
使った
うっとり
安心した 誤解した 知った
した
見た
悩んだ
「過去」
「現在」
「未来」
をつなぐ
「記憶」は「私」
「認知症」
Dementia
平均寿命の推移と予測
90.9
90
85.75
85
80
75
72.92
男
70
65
60
78.79
女
67.74
83.3
認知症は....
加齢
食事
運動
ストレス
環境
メタボ
ホルモン
社会活動
などなど
体
質
動脈硬化
脳卒中
高血圧
糖尿病
心臓病
がん
お
人の一生の中で
肝/腎臓病
うつ
く
骨粗鬆症
肺炎
ら
楽楽楽苦楽苦楽苦楽苦苦楽苦楽苦楽楽苦楽
れ
び
認知症
となりうる と
『持病』
病知らず
認知症は....
人の一生の中で『持病』となりうる
65歳以上で
13人に一人 85歳以上で
4人に一人
ある偉い先生によると
120歳まで生きればほぼ100%
認知症は....
なりたくない
隠すしかない
あきらめるしかない
仕方ない
知られたくない
良くならない
わかっていない 治らない
知りたくもない
自分はならない
知らない
世話したくない
そんなはずはない
世話になりたくない
何も出来ない
かかわりたくない 大事にしてもらえない
「ない」もの探しの病
本当にそうだろうか?
認知症とは?
判断
決断
やる気
根気
色気
感覚
運動
空間
認知
手順
喜怒哀楽
言語
聴覚
言語
嗅覚
味覚
記憶
脳の神経細胞が傷んでしまう
結びつきがうまくいかなくなる
生活に支障が生じる
視覚
認知症を起こす様々な病気・病態
1.
中枢神経変性疾患
1)
アルツハイマー病
2)
前頭側頭型認知症
3)
パーキンソン病
4)
Lewy小体型認知症
5)
進行性核上性麻痺
6)
大脳皮質基底核変性症
7)
ハンチントン病
8)
多系統変性症
10) 遺伝性脊髄小脳変性症
11) 遺伝性プリオン病
2.
脳血管障害による認知症
1)
大梗塞
2)
認知症を起こしうる特定領域の梗塞
3)
多発性梗塞
4)
Binswanger型白質脳症
5)
SLE(抗リン脂質抗体症候群を含む)
6)
結節性多発動脈炎
7)
側頭動脈炎
8)
脳アミロイドアンギオパチー
9)
大動脈炎症候群
10) 脳出血
11) くも膜下出血
12) 脳動静脈奇形・脳動静脈瘻
13) もやもや病による脳血管障害
14) 慢性硬膜下血腫
3.
脳腫瘍
1)
原発性脳腫瘍
2)
転移性脳腫瘍
3)
癌性髄膜症
4.
正常圧水頭症
5.
1)
神経感染症
急性ウイルス性脳炎後
(単純ヘルペス,日本脳炎など)
2)
HIV感染症( AIDS)
3)
クロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病
4)
亜急性硬化性全脳炎・亜急性風疹全脳炎
5)
進行麻痺(神経梅毒)
6)
急性化膿性髄膜炎後
7)
亜急性・慢性髄膜炎(結核,真菌性)
8)
脳膿瘍
9)
原因不明の脳炎
10) 脳寄生虫
6.
無酸素あるいは低酸素脳症
7.
臓器不全および関連疾患
1)
腎不全,透析脳症
2)
肝不全,門脈肝静脈シャント
3)
慢性心不全
4)
慢性呼吸不全
8.
内分泌機能異常症および関連疾患
1)
甲状腺機能低下症
2)
下垂体機能低下症
3)
副腎皮質機能低下症
4)
副甲状腺機能亢進または低下症
5)
反復性低血糖
6)
クッシング症候群
9.
欠乏性,中毒性,代謝性
1)
慢性アルコール中毒
(ウェルニッケ・コルサコフ症候群,ペラグラ,
Marchicafava-Bignami病,アルコール性認知症)
2)
一酸化炭素中毒
3)
ビタミン B12,葉酸欠乏
4)
薬物中毒
i)
抗癌剤( 5-FU,メソトレキセート,カル
モフール,シタラビンなど)
ii) 向精神薬(ベンゾジアゼピン類,抗うつ
薬,向精神薬など)
iii) 抗生物質
iv) 抗痙攣薬
5)
金属中毒(水銀,マンガン,鉛など)
6)
Wilson病
7)
遅発性尿素サイクル酵素欠損症
10. 脱髄性疾患などの自己免疫性疾患
1)
多発性硬化症
2)
急性散在性脳脊髄炎
3)
ベーチェット病
4)
辺縁系脳炎(傍腫瘍症候群)
5)
シェーグレン症候群
11. 蓄積症
1)
遅発型スフィンゴリピドーシス
2)
副腎皮質ジストロフィー
3)
脳腱黄色腫症
4)
neuronal ceroid lipofuscinosis
5)
糖原病
12. ミトコンドリア脳筋症
1)
MELAS
2)
MAREF
13. 頭部外傷性
14. その他
1)
進行性筋ジストロフィー
(筋緊張ジストロフィーを含む)
2)
Fahr病
認知症を起こす代表的な病気・病態
変性疾患
アルツハイマー病(AD)
脳血管性認知症
レビー小体型認知症(DLB)
その他
前頭側頭型認知症(FTD)
神経毒性物質
アルコール脳症
酸素の欠乏
低酸素症,一酸化炭素中毒
病原体の感染
脳炎,髄膜炎,神経梅毒
脳が占拠される
脳腫瘍,慢性硬膜下血腫,正常圧水頭症
ホルモン・代謝
甲状腺機能低下症・肝性脳症・腎臓病
薬剤によるもの
安定剤,抗コリン作用(泌尿器科治療薬)
ビタミンの欠乏
ビタミンB12欠乏
変性疾患
大脳基底核変性症,進行性核上性麻痺
病原体の感染
クロイツフェルト・ヤコブ病
,ビタミンB1欠乏
早期発見
すれば
治癒も
可能
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症とは
1.記憶障害やさまざまな認知機能障害の
ために日常の生活に支障をきたす
2.緩徐に発症して進行する
3.局所神経症候がみられない
(付)認知症をきたす他の原因が除外で
きる
アルツハイマー型認知症の分子メカニズム
分解・排出
アルツハイマー病
アルツハイマー病
の進行
の始まり
アミロイド
前駆体蛋白
アミロイド
ベータ蛋白
アミロイド
ベータ蛋白
アミロイド
ベータ蛋白
症状が出る
10年以上前
から!
細胞死
炎症
タウ蛋白
凝集
沈着
機能不全
海馬などの
アセチルコリン
作動性神経や
シナプス
アルツハイマー型認知症とは
注意点
1.あくまでも「臨床診断名」
2.「確定診断」は,本来,脳の病理所見
で決まる
3.病理所見上はアルツハイマー病でなく
ても生前アルツハイマー病と臨床診断
を受ける例はたくさんある.
私たちは常に『記憶』
を見返しながら生きている
思い出す
関連付け
←
情
報
量
忘れます
→
昔の記憶
習慣,常識
知識,知恵
前後の関連が
つけられない
←
情
報
量
→ → →時間の流れ→ → →
→
アルツハイマー
型認知症
の場合
→ → →時間の流れ→ → →
私たちは常に『記憶』を見返しながら生きている
時間の流れ
常識・知識・知恵
かなり前の
出来事
少し前の
出来事
現在の
出来事
私たちは常に『記憶』を見返しながら生きている
アルツハイマー型認知症では
常識・知識・知恵
かなり前の
出来事
・・・・・・・・・
不安
・・・・・・・・・
少し前の
出来事
・・・・・・・・
戸惑い
・・・・・・・・
・・・・・・・・
勘違い
・・・・・・・・
現在の
出来事
アルツハイマー型認知症の場合
・置き忘れ
・置いたこと
・しまい忘れ
・しまったこと
・同じ事を何度も尋ねる
・尋ねたこと
・同じものを買い込む
・ものを買ったこと
・約束を忘れる
・約束をしたこと
・電話の内容を忘れる
・電話を受けたこと
・次にすることを忘れる
・次にすることを考えたこと
観察される症状
自体を忘れる
アルツハイマー型
認知症の場合
海馬
脳血管性認知症
脳血管認知症とは
1.脳血管障害に起因した認知症の総称名である
2.単一疾患ではなく、病因、病態、臨床症候、
経過が多様
3.診断
・脳血管障害発症と認知症発現との間に時間
的関連がある
・脳血管性病巣が認知症の責任病巣となりえ
る部位に相応の大きさと広がりをもつ
脳血管性認知症の分類
①多発梗塞型(多発梗塞性認知症)
皮質
皮質、皮質下領域の
大・中梗塞の多発
白質
(皮質下)
①
③b
②限局梗塞型
視床、海馬、角回などの
単発梗塞による
③小血管障害型(皮質下性)
a) 多発小梗塞型
b) ビンスワンガー型
④その他
a)脳出血
b)くも膜下出血
①
など
海馬
視床
②
脳血管性
認知症の場合
大脳皮質
脳血管性認知症とは?
判断
決断
やる気
根気
色気
感覚
運動
手順
喜怒哀楽
言語
空間
認知
聴覚
言語
嗅覚
味覚
記憶
「脳血管障害により」
脳の神経細胞が傷んでしまう
結びつきがうまくいかなくなる
生活に支障が生じる
視覚
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症の臨床的特徴
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
高齢者(70歳台以降)に多い
記憶障害を中心とする認知症がある
ありありとした幻視が現れる
パーキンソン症状(体がこわばり,動作が遅くなり,
転び易くなるなど)が現われやすい
日により時により頭がハッキリしていたり、ぼーと
していたり変動がめだったりすることがある
早期には認知症がめだたず,幻覚や妄想、抑うつ,
睡眠障害(レム睡眠時行動異常)といった精神症状
がめだつことがある
薬剤への過敏性が目立つ
自律神経症状を伴う(起立性低血圧,便秘,排尿障
害,など)
レビー小体病の注意点
アルツハイマー型認知症以上に,
他の認知症を呈する病態と間違えやすい
例えば...
薬剤性脳症
(AD+薬剤,パーキンソン病+薬剤)
肝性脳症,亜急性・慢性脳炎
一過性脳虚血発作,甲状腺機能低下症
血管性認知症,AD+脳血管障害
前頭側頭型認知症
前頭側頭葉変性症(FTLD)の分類
FTLDとは?
判断
決断
やる気
根気
色気
感覚
運動
手順
喜怒哀楽
聴覚
言語
嗅覚
空間
認知
味覚
言語
視覚
記憶
前頭側頭型認知症(FTD)
Fronto-Temporal Dementia
意味性認知症(SD)
Semantic Dementia
進行性非流暢性失語(PA)
Progressive non-fluent Aphasia
FTDの精神症状・行動異常
 病識の欠如
 感情・情動変化
 自発性の低下
 無関心
 脱抑制・非社会的行動
 常同行動
 食行動異常
 被影響性の亢進(他人の動作のまね)
 転導性の亢進(注意保持困難)
陰性症状
陽性症状
万引き,車線逆走,暴力・暴言,徘徊,
落ち着きのなさ,皮肉・ジョークがわからない
老年期の三大認知症
AD
VD
DLB
CVD
AD: アルツハイマー型認知症
DLB: レビー小体型認知症
VD: 脳血管性認知症
CVD: 脳血管障害 (脳出血,脳梗塞など)
これまでは.....
患者さん自身ではなく,
家族の要請として受診
• 病歴を聞くだけで,認知症があることが
わかる.
• 患者さんに,自分の病態を把握する力
が乏しい.
• 簡易認知機能検査や通常の画像検査
でほぼ確実に診断
これからは.....
患者さん本人が,
自らの問題として受診
• 病歴を聞いただけでは,認知症がある
ことがなかなかわからない.
• 患者さんに,自分の病態を把握する力
が十分ある.
• 簡易認知機能検査や通常の画像検査
のみでは診断が難しい.
認知症の(超)早期診断マーカー,スクリーニング
体液
血液
唾液
画像
機能検査
MRI
タッチパネル
スクリーニング
自己評価
システム
VSRAD f-MRI
アミロイド
イメージング
尿
髄液
生理学的検査
MRI SPECT
PET
赤外線 脳波
脳磁図
客観的指標の開発
一番大切なのは問診(臨床経過)
もの忘れなどの
認知機能低下が見られたら
病歴の詳細な聴取
持病・既往の確認
肝臓
甲状腺
糖尿病
転倒
脳血管障害
薬剤の確認
栄養・食事の確認
多剤併用
睡眠薬
抗うつ薬
抗アレルギー薬
泌尿器科用薬剤
そのままにしない!
電解質
低栄養
偏食
健康食品
ビタミン欠乏
一般的に行われる
物忘れスクリーニング検査
・改訂版長谷川式簡易痴呆スケール(HDSR)
・Mini-mental state examination(MMSE)
感度、特異度ともに高い
世界中で使われている
でも...
簡便(5分ぐらいで終わる)
気に食わないもの言いをされた
緊張してしまう
医者や看護婦が嫌い テストなんていやだ
なんでこんなこと聞かれんといけんだ!
地域の検診等では使いにくい
タッチパネルを用いた物忘れスクリーニング検査
おっ!?
やさしげな
おんなの人
の
声だぞ!
鳥取大学医学部保健学科教授 浦上克哉先生提供
タッチパネルを用いた物忘れスクリーニング検査
タッチパネル式コンピューターを用いた
簡易スクリーニングテストの ROC 解析
カットオフ値 感度 特異度
12点
96%
97%
鳥取大学医学部保健学科教授 浦上克哉先生提供
地域でのスクリーニング
に
必要なのは..
1) どこでも手軽に簡単に
2) 検者による差がない・負担が少ない
3) 非侵襲的(心理的・身体的)
4) 感度、特異度ともに高い
タッチパネルを用いた物忘れスクリーニング検査
アルツハイマー型認知症
早期発見の第一歩に
物忘れ相談プログラム
MPS-1000
(日本光電社製)
「大牟田市物忘れ検診」で使用中
鳥取大学医学部保健学科教授 浦上克哉先生提供
早期ほど
専門性・精密性
を要する
早期診断・治療の重要性
変性疾患
アルツハイマー型など
早期治療
早期支援・ケア
安心・適切な環境
BPSDの予防・軽減
うつ
治癒も可能な
認知機能低下
脳血管性
認知症
病態・病像の理解
本人の理解や
納得も大切
早期治療
不可逆的変化に至
るのを防ぐ
進行の防止・停止
再発予防
リハビリ
本人の意思決定も可能に
成年後見人
制度もある
認知症の方を中心に考える
ために
私たちは常に『記憶』を見返しながら生きている
アルツハイマー型認知症では
常識・知識・知恵
かなり前の
出来事
・・・・・・・・・
不安
・・・・・・・・・
少し前の
出来事
・・・・・・・・
戸惑い
・・・・・・・・
・・・・・・・・
勘違い
・・・・・・・・
現在の
出来事
やっぱり自分で気づいているもの
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれっ?どこやったんだろう さっきあそこにおいたのに...
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何でうまくいかないんだろう
何で大事なものがないのか
・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれっ?何してたんだっけ
何で,嫌な顔されるんだろう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
不安
孤独
悲しい
あせり
何かおかしい...変だ....
疑い
まさか
怖い
戸惑い
誰に?
気分は....
もの忘れ
老いていくこと
自覚・悲観
まとまらない
元気がでない
やる気がでない
脳の機能低下
神経細胞死
うつうつとする
元気がなくなり引っ込み
思案になることがある
認知症と老年期うつ病
うつ病性仮性認知症
うつ病性仮性認知症から
認知症への移行
2年で12%
5年で50%以上
長期(平均8年間)で89%
軽度認知機能障害
年間10~15%進展
うつ病
順天堂大学医学部精神医学
新井 平伊 先生 監修
老年期
うつ病
認知症
(アルツハイマー型)
認知症とうつ病の合併10~20%
?よくあるパターン?
今日はどこ行くと?
ありがとう
今日はどこ行くと?
そうね
今日はどこ行くと?
あっそ
今日はどこ行くと?
せからしかー
今日はどこ行くと?
不安
混乱
怒り
よ
ー
く
見
て
い
る
・
感
じ
て
い
る
○○よ
○○よ
○○よ
○○よ!
何回も!
声色
顔色
「気になる」事柄は頭から離れない
「返事をもらった」という出来事が頭から離れる
その場面での「心・感情」の動きは保たれる
あなたの
すこし前の
いつもの笑顔
あなたの
今の怖い顔
きびしい声
優しい声
いつものことな
のでなかなか
頭に残らない
繰返そう!
めったにない
ことなので
頭に残る
できる
だけ
繰返さない!
あなたの
すこし前の
いつもの笑顔
あなたと
一緒にした
すごく
優しい声
うれしい事
めったにない
ことなので
頭に残る
いつものことな
のでなかなか
頭に残らない
繰返そう!
できる
だけ
繰返そう!
「記憶」の性質を思い出そう!!
も
と
も
と










覚えようとしなければ覚えられない
興味のあることは覚えやすい
強い感情を伴った情報は記憶に残る
忘れるようにできている
不注意に影響されやすい
「舌先症候群」を起こしやすい
混乱しやすい
暗示を受けやすい
書き換えられやすい
嫌な記憶はつきまといやすい
認知症の
方でも同じ
●計画を立ても時間に沿って
按配することができにくくなる
・仕事や家事を時間に沿って順序だてて行うことが
できにくくなる
・いくつかの家事や仕事を同時進行で行うことが
できにくくなる
・予想外の変化に按配してスムーズに進めることが
できにくくなる
記憶の流れ(時間の流れ)の
手助けがあればかなりの部分できる
知恵がなくなるわけではない!!
認知症
引きこもり
周辺症状(BPSD)
過食
多動
繰り返し
妄想
感情失禁
攻撃的
幻覚
拒食
興奮
本人を一番苦しめている
病気の中心的症状のことがある
不安のあらわれ
自分がなぜそうなってしまうのか理解できない
自分自身をよく見せたい
目の前の思いがけない出来事に反応している
身体的な苦痛に対する代償的表現
薬剤が原因 約3割
早く相談して原因を理解する
異食
乱暴
大声
抑うつ
心気
※ BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia
焦燥
不眠
せん妄
徘徊
不機嫌
不穏
薬剤性のBPSDの問題
 抗パーキンソン薬
 ベンゾジアゼピン系薬剤(安定剤・睡眠薬)
 抗うつ薬,抗精神病薬
 抗コリン作用のある薬剤
(三環系抗うつ薬,頻尿治療薬など)
 抗潰瘍薬(H2ブロッカーなど)
 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)
 抗生物質,その他たくさん
疑わしきは減量・中止!!
特に多剤併用に注意!!
なぜ徘徊するのだろう....
常識・知識・知恵
かなり前の
出来事
少し前の
出来事
現在の
出来事
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目の前の出来事が「過去」の出来事と直結する
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気持ちの置きどころ・落としどころがない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
強い思いの迷路から抜け出せない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
徘徊のいろいろ
とぼとぼ
ふらふら
きょろきょろ
ずんずん
ぷんぷん
しゃんしゃん
その時の気分を反映
(歩き始めたときの気分ではない)
~観察のポイント~
服 装
表 情
はき物
スピード
持ち物
バランス
落ち着いて見る
~対応のポイント~
声 色
顔 色
ゆっくり
えがお
おだやか
したしみ
鏡を見ながら要練習!?
身体的安全の確保
安心の提供
それら以外は多くの
場合ゆっくりでよい
(火災訓練ではありません)
大牟田市徘徊ネットワーク全体の流れ
捜索
連絡
大牟田地区高齢者等
徘徊SOSネットワーク
発見
通報
大牟田警察署
(徘徊SOS事務局)
○○さんが
いなくなった
連絡
・
西
鉄
バ
ス
・
大
牟
田
郵
便
局
・
三
池
郵
便
局
・
大
牟
田
駅
・
石
油
商
業
組
合
無
線
で
市
内
の
全
車
両
へ
連
絡
・
大
牟
田
タ
ク
シ
ー
協
会
→
徘
徊
S
O
S
ネ
ッ
ト
ワ
I
ク
へ
「
火
災
メ
ー
ル
」
を
使
い
,
各
消
防
団
員
へ
連
絡
・
大
牟
田
消
防
本
部
→
家
族
へ
関
係
課
へ
協
力
依
頼
.
民
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付
姫路市徘徊高齢者自立支援事業
65歳以上の認知症高齢者が徘徊し行方不明になった場合に、早期に発見
できるシステムを活用して家族からの依頼で徘徊高齢者の位置を検索し、
その居場所を家族に伝え、事故の防止に役立て、家族の負担軽減を図るこ
とを目的としたサービスです。
利用対象者:在宅で徘徊が認められる65歳以上の認知症高齢者を介護して
いる家族
所得要件:特にありません
内容:徘徊が認められる認知症高齢者に端末機を所持していただき、本人
が徘徊により行方不明になった場合、家族から連絡を受けた受信センター
(委託事業者)がGPSなどのネットワークを通じ、認知症高齢者の位置を
検索し、家族に知らせます。
費用負担
:
* 利用者
1. 端末機の購入(46,000円)又はレンタル料(月額1,050円)
2. 検索料(1回210円)等の実費負担
* 姫路市
1. GPS等の使用回線の基本料金(月額1,470円)
2. 入会金を含む登録手数料(6,300円)
人情
with
vs
テクノロジー
認知症を理解する
商店
交番
銀行
はたらく
場面で
消防
交通
機関
郵便局
家族
安心
私
安心
医療・介護
行政・法律
安心の
サポート
大家
さん
学校
地域の
中で
ご近所
友人
民生
委員
自治会
老人会
認知症を理解する
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『病名』ではなく『病態』を
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『機能低下』ではなく『不自由さ』を
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『なくなったもの』ではなく『あるもの』を
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『その時・あの時』ではなく『この時』を
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あなたからのやさしい笑顔
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あなたからの穏やかな声
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あなたからの「ありがとう」
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『わたし』
であり
あなたは
わたしを
「安心」
で満たして
くれる
『あなた』
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私はなりません!
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なったら人生おしまいだ!
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「認知症」と聞くと腹が立つ!
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「認知症」を否定的にとらえる
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私もなるかもしれない
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きちんと知っておこう
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ならないための努力はする
・・・・
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なっても幸せに暮せる
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「認知症」とうまく付き合う
認知症と向き合う
ものわすれが始まっても『知恵』がなく
なるわけではない!
ものわすれが始まっても『学習』
する力は残っている!
「認知症」
と診断されたからといって
人生が「おしまい」になるわけでは
ありません
アルツハイマー型認知症の分子メカニズムと治療戦略
分解・排出
アルツハイマー病
アルツハイマー病
の進行
の始まり
アミロイド
前駆体蛋白
アミロイド
ベータ蛋白
アミロイド
ベータ蛋白
アミロイド
ベータ蛋白
セクレターゼ
阻害薬
抗炎症薬
幹細胞
移植
細胞死
タウ蛋白薬
アミロイド凝
集阻害薬
神経活動促進薬
アリセプト など
アミロイド
ワクチン
炎症
タウ蛋白
凝集
沈着
機能不全
海馬などの
アセチルコリン
作動性神経や
シナプス
脳を守る3つの要素と
一大原則
栄養
運動
交流
自ら楽しむ!!
脳を守る3つの要素と
一大原則
栄養
認知症になりやすさ
交流
運動
認知症の進行度合い
自ら楽しむ!!
アルツハイマー病
の脳で起こって
いること
脳を守る
生活・社会
無症候候期(潜伏期)
軽度
中等度・高度
予防
アミロイド沈着
シナプス障害
リスク管理神経細胞機能障害・細胞死
進行防止
根本
治療
慢性炎症
タウ蛋白沈着
早期
診断
・
治療
BPSD対策
アリセプト
生活指導
リハビリ
介護者支援・教育
食事・栄養
運動
知的・情緒的・社会的活動
教育・啓発・まちづくり・世代間交流
脳の老化から軽度認知機能障害(MCI)
そして認知症へ
薬剤
脳の老化
危険因子
運動
交流
軽度認知障害(MCI)
MMSE 24-26, HDSR 21-26
危険因子
栄養
認知症
AD, VD, DLB, FTD
SDH, NPH, etc
AD :アルツハイマー型, VD :血管性
FTD :前頭側頭型
SDH:慢性硬膜下血腫
DLB:レビー小体型
NPH:正常圧水頭症
薬剤
交流
運動
栄養
防御因子
促進因子
アミロイド
動脈硬化
糖代謝
異常
内分泌
異常
髄液循環
障害
脂質代謝
障害
シナプス
異常
脳の老化の
いろいろ
MCI
認知症
小胞体
機能異常
タウ蛋白
血管
脆弱性
神経細胞
減少
レビー
小体
ミトコンドリア
機能異常
今日の一句
これからは 顔のシワより 脳のシワ
美
脳
美
顔
美
肌
ありがとうご
ざいました
See You
東翔会ホームページ
http://user.ariakenet.com/~toushou/
神経内科ホームページ
http://user.ariakenet.com/~toushou/toushoukai/
higashihara/information/index5.html