永久磁石を用いた高出力マイクロ波放電型イオン源の開

永久磁石を用いた高出力マイクロ波
放電型イオン源の開発
環境計測学研究室 黒 裕二
当研究室の研究概要

分子イオンを振動基底状態にそろえるための
静電型イオントラップの開発
Nier型イオン源のビーム電流量:50 nA
Nier型イオン源の特徴
・電子衝撃型
Nier型イオン源では限界
研究目的
•高出力
Nier型イオン源の100倍以上
•小型化
マイクロ波放電型イオン源の設計、開発
マイクロ波放電型イオン源の概要

イオンの生成
マイクロ波により電子を加速
加速された電子と原子が衝突

特徴
フィラメント不要
・長時間の連続運転可能
・酸素のような活性ガスの使用可能
イオン生成
開発したイオン源によるビーム生成
プラズマ生成室
2.45 GHz
イオンビーム
マイクロ波
強磁性体
非磁性体
絶縁体
ガス
磁場による大電流化

高出力には磁場が必要
磁力線
電子、イオン共に磁力線に沿って
サイクロトロン運動
荷電粒子
電子の壁面への衝突回避による電子の高密度化
高密度のイオン生成
高密度イオンの効率よい引き出し
1 磁石の選択
2 磁場のシミュレーション
磁石の選択
・ソレノイドコイルより
小型化可能
・電力が不要
50 mm
40 mm
15 mm
N
S
永久磁石の採用
アルニコ磁石:高温耐性
・ドーナツ型
・表面磁場 0.1 T
磁場のシミュレーション1
プラズマ
生成室
電極間
・プラズマ生成室:最大0.008 T
・電極間:0.001 T程度
ビーム軸方向
③
①
②
パターン1
① ガス導入部
② ベースフランジ
③ 引き出し板
④ 引き出し電極
④
強磁性体
非磁性体
磁場のシミュレーション2
プラズマ
生成室
電極間
・プラズマ生成室内では
ほぼパターン1と同じ
・電極間:最大0.01 T
ビーム軸方向
③
①
②
パターン2
① ガス導入部
② ベースフランジ
③ 引き出し板
④ 引き出し電極
④
強磁性体
非磁性体
結果まとめ
イオン放出面

パターン2に決定
・④引き出し電極まで
ビーム軸方向の磁場延長
ビーム軸方向
イオンが効率よく放出面まで輸送
されるため大電流が期待できる
パターン2
装置図
ガス導入口
マイクロ波コンポーネント
30 cm
コネクタ
同軸導波管変換器
同
軸
ケ
ー
ブ
ル
パワーユニット
永久磁石
5 cm
イオン源
ビーム測定実験

実験条件
ガス:Ar
入射マイクロ波電力:150 W
引き出し電圧:1200 V
レンズ電圧:1130 V
バックグラウンド真空度:4.6×10-6 Torr
動作時真空度:3.0×10-5 Torr
最大ビーム電流:7.0
mA
ビーム電流の引き出し電圧依存
・引き出し電圧に比例して電流量は上がっている
・高電圧用の電源を用意できれば大電流が望める
まとめ

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最大ビーム電流量:7.0 mA
Nier型イオン源の約140倍
小型化
永久磁石を用いることで
内径55 mmの2 inchダクトに取り付け可能
目的を十分に満たしたイオン源を製作できた
目次
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1
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9
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ガス導入口
プラズマ生成室
電極間
永久磁石
・生成されるイオンのエネルギー幅が小さい
マイクロ波放電型イオン源の概要

イオンの生成
マイクロ波により電子を加速
加速された電子と原子が衝突
• 特徴
フィラメント不要
・長時間の連続運転可能
・酸素のような活性ガスの使用可能
イオン生成