- Takasaki City University of Economics - 国内観光旅行市場を “KASSEIKA”せよ! ~観光市場における キッズマーケティングの有効性~ 高崎経済大学 佐々木ゼミナール 山本班 山本淳基 小田まい子 北澤翔平 大小原基力 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - あなたは、 あなたは 子どもの頃の旅行 子どもの頃に たくさん旅行に 突然ですが… そして現在、 旅行に行った 現在の旅行 行っていますか? 思い出がありますか? 2 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 保護者の子ども時代の旅行経験・印象とその子どもの旅行回数 7.6 今の自分に役立っている 21.2 35.4 24.7 11.1 5.1 これといって役には立っていないが、 大事な思い出である 25.5 41.5 23.0 4.9 2.1 これといって役には立っていないが、 その時は楽しかった気がする 30.7 36.1 22.8 8.3 47.1 0% 0回 1回 7.8 これといって役に立っていないし、 特に印象はない 現在の 子どもの 国内宿泊観光 旅行回数 25.5 17.62.0 2回 3回 4回以上 50% 出所)国土交通省編[2009]『平成21年版観光白書』株式会社コミュカ 100% 3 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 子ども時代の旅行経験による現在の旅行の好嫌度 小学生の頃、 小学生の頃、国内宿泊旅行をしなかった 国内宿泊旅行をしなかった人 人 小学生の頃、 小学生の頃、年に1回以上国内宿泊旅行 年に1回以上国内宿泊旅行をした人 をした人 19% 30% 1% 39% 32% 9% 42% 1% 24%4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大変好き 好き どちらかといえば好き どちらかといえば嫌い 出所)財団法人日本交通公社[2007] 『旅行者動向2007-国内・海外旅行者の意識と行動』財団法人日本交通公社観光文化事業部 嫌い 4 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 4.5 4.0 子ども1人あたりの旅行回数 (人回) 3.97 3.43 3.5 2.92 3.0 2.91 2.68 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 このままでは 日本の観光旅行市場が 危ない! 0.0 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 出所)観光庁『平成22年版観光白書』[2010]/じゃらん宿泊旅行調査[2010]じゃらんネットリサーチセンター/ 総務省統計局『日本の統計 2010』およびホームページより作成 5 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 子どもの旅行 子連れ家族旅行の現状分析 6 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 子どもの旅行の現状分析① →家族旅行が減少した理由 第1位:お金に余裕がなくなって(76.6%) 第2位:子どもとの休日が合わなくなって(35.4%) 第3位:休暇が減って(18.1%) 家族旅行が減少した最大の理由は 金銭的な問題が大きい! 7 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 子どもの旅行の現状分析② →家族旅行の際、重視するもの 価格重視派 44% 内容重視派 56% 内容重視派が 過半数を占めている! 出所)JTB Webアンケート(Vol.37)旅行は『価格重視派』ですか?『内容重視派』ですか?」[2009] 8 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 子どもの旅行の現状分析③ →家族旅行計画時の発言権 父親 46.3% 母親 43.1% 出所)株式会社ベネッセコーポレーションホームページ 子どもの発言権が 極めて低い! 子ども 3.4% 9 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 問題点抽出 10 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 問題点抽出① →保護者に対する問題点(以下、問題点Ⅰ) 家族旅行において、 価格重視派よりも内容重視派が 多いにもかかわらず、現状では金銭面の 理由から旅行に行っていない家族 (子どもを旅行に行かせていない保護者)が 増えている 11 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 問題点抽出② →子どもに対する問題点(以下、問題点Ⅱ) 家庭内での 旅行に関する子どもの発言力、 発信力が低い 12 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 論文の目的 子どもの旅行を増やす仕組みを解明し、 現在の旅行市場と未来の旅行市場を “KASSEIKA”させる! 13 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 先行研究と仮説提唱 14 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (問題点Ⅰ)先行研究① →前田(1995)観光旅行行動成立のモデル 意欲の向き 社会的諸条件 「観光旅行に対する“意欲”が強ければ 基本的 観光に関わる 時間・金銭等の条件を 欲求 欲求 動機づけ 観光行動 整えようとする度合いは高まる」 前田勇(1995) 時 間 費 用 情 報 行動成立の条件 その他の 条件 出所)前田勇『観光とサービスの心理学』[1995]学文社 15 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (問題点Ⅰ)先行研究② →東洋大学准教授森下晶美氏へのヒアリング調査 •現在、多くの保護者は旅行を「遊びである」 または「レジャーでしかない」 と思っているだろう。 だからこそ「旅行にこんなにお金を使うなんて」と 思ってしまうのではないか。 16 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説提唱① →問題点Ⅰに対する仮説(以下、仮説Ⅰ) 保護者が旅行に対して 「遊び」や「リフレッシュ」以外の 新しい価値を認知すれば 子どもを旅行に連れていく機会が増える。 17 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (問題点Ⅱ)先行研究① →子どもに対するアプローチの現状 株式会社日本旅行トムソーヤクラブ・社団法人日本ツーリ ズム産業団体連合(以下、TIJ)へのヒアリング調査より 現在の旅行は 子供に対しての アプローチ・ プロモーションが ほとんど行われて いない 現在の子供に対する プロモーション活動を 行っているのはTIJのみ 18 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (問題点Ⅱ)先行研究② →Colley(1961)のDAGMAR理論 未知 • 消費者がある企業の製品やサービスについて情報を知らない段階 Dan.• 消費者が広告によって、製品やサービスを知っている段階 S. Acuff & Robert. H. Reither(1999) 認知 子どものマーケティングに成功するということは • 消費者が製品やサービスについての情報を得ている段階 子どもにアピールすることで子どもが 理解 自分でものを買うように仕向けたり、親に買って • 消費者が製品やサービスを購入してもよいと考えている段階 欲しいとせがむようにすることである。 確信 ? 行動 • 消費者が製品やサービスを購入した段階 出所)嶋村和恵[2006]『新しい広告』株式会社電通/水野由多加[2006]『統合広告論』ミネルヴァ書房を参考に作成 19 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (問題点Ⅱ)先行研究③ →子どもの旅行消費に関する独自のDAGMAR理論 ※ 発 信 の た め に は 認 知 ・ 理 解 が 必 要 未知 未知 認知 理解 確信 行動 • 子どもが旅行についての情報を知らない段階 • 子どもが広告によって、旅行を知っている段階 • 子どもが旅行についての情報を得ている段階 • 子どもが旅行に行きたいと保護者へせがもう(情報を発信しよう)と 考えている段階 • 子どもが旅行に関して、保護者の購買に影響する情報を発信する段階 出所)嶋村和恵[2006]『新しい広告』株式会社電通/水野由多加[2006]『統合広告論』ミネルヴァ書房/ ダン S. エカーフ & ロバート H .ライハー(著)五島芳樹(訳)『キッズ・マーケティング』[1999]五月書房 を参考に作成 20 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説提唱② →問題点Ⅱに対する仮説(以下、仮説Ⅱ) 子どもに向けたアプローチを行えば、 子どもは家庭内で積極的に発信し、 保護者は子どもを旅行に連れていく。 21 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 仮説分析 22 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説分析 →ぞれぞれの分析視点 仮説Ⅰ:「新しい価値」とは 仮説Ⅱ:「子ども」のセグメントと 「アプローチ」の方法 23 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (仮説Ⅰ)仮説分析①「新しい価値とは」 →家計における費用削減項目 76.8 外食費 69.2 家での消費 52.1 レジャー費 35.1 交際費・飲み代 15.6 大人の医療機関受診費 子供に対する費用は 削減項目と 考えていない! 12.3 車に関する費用 7.1 子どもに対して費やす費用 0 20 出所)矢野経済研究所『子供に関する母親アンケート』[2009] (%) 40 60 80 100 24 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (仮説Ⅰ)仮説分析①「新しい価値とは」 →株式会社日本旅行の子ども向け「旅育」プラン 旅育‐tabiiku「旅行によって、人間の見聞や知見を広げ、 健全な心身を養い、豊かな人間性を育む」 株式会社日本旅行トムソーヤクラブが といった旅行に関する効果概念 子どもに向けた「教育」を重視した旅育を展開! 効果は子どもから年配者まで 幅広い層に有効! 25 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (仮説Ⅰ)仮説分析①「新しい価値とは」 →株式会社日本旅行ヒアリング調査より •自然体験など子どもへの教育的内容を重視した 旅行プランにおいて、子ども参加させている保護 者は旅行を教育だと認知しているケースが多い。 •参加した子ども、保護者の満足度は 非常に高いものにある。 子どもへの教育的視点を重視した 旅行の有効性! 26 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説Ⅰの再構築 保護者が旅行は 「子どもに向けた教育である」と認知すれば、 子どもを旅行へ連れていく。 27 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (仮説Ⅱ)仮説分析①「子ども」のセグメント →ターゲットとする「子ども」の3条件 (1)アプローチの内容が十分理解できる年齢 論理的思考能力を持つ年齢の子ども →Piaget の発生的認知発達 年齢:7歳以上 (2)旅行に対する意欲を保護者へ訴えた際に、 (7歳以上の)小学生 十分な理解を示してもらえる年齢 旅行によって心身が成長しやすい年齢 →東洋大学森下晶美「成長期の家族旅行経験 (3)旅行においての教育的効果が大きい年齢 とその影響に関する実態調査」[2010] 小学生 28 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics (仮説Ⅱ)仮説分析②「アプローチ」の方法 →経験財(無形財)における広告の有効性 株式会社 ベネッセコーポレーション 進研ゼミ入会案内 ダイレクトメールの事例 進研ゼミ小学講座の会員数推移 19500 19000 18500 18000 年間 255億円! 17500 17000 16500 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 出所)株式会社ベネッセコーポレーション ホームページ 29 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説Ⅱの再構築 小学生をターゲットとし、 旅行に関する広告を行えば 子どもは家庭内で積極的に発信し、 保護者は子どもを旅行に連れていく。 30 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 仮説検証 31 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証 →調査概要 アンケート調査 調査名 「子どもの旅行」に関する保護者の 意識調査アンケート 調査手法 質問紙調査票 調査対象 小学生の子どもを持つ保護者 調査期間 2010年11月8日~17日 サンプル数 334 有効回答数 296 32 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証 →仮説Ⅰの検証 保護者が旅行は 「子どもに向けた教育である」と 認知すれば、子どもを旅行へ連れていく。 33 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅰ)① →帰無仮説と対立仮説 帰無仮説: 「旅育を認知している人と認知していない人で 旅行回数に差が出ない」 対立仮説: 「旅育を認知している人と認知していない人で 旅行回数に差が出る」 34 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅰ)② →t検定による立証 等分散性のため のLeveneの検定 2つの母平均の差の検定 差の95% 信頼区分 対立仮説: F値 有意 t値 帰無仮説: 確率 「旅育を認知している人と認知していない人で 下限 上限 旅行回数に差が出ない」 旅行回数に差が出る」 有意 平均値 自由度 確率 の差 (両側) 1年間の 旅行回 数 等分散を仮定する 等分散を仮定しない 1.065 .303 2.176 差の 標準 誤差 291 .030 .538 .247 .051 1.024 2.117 63.270 .038 .538 .254 .030 1.045 35 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅰ)③ →旅育を認知している人としていない人の 年間旅行回数の差 旅育という 言葉を聞いたこと があるか 1年間の 旅行回数 N 平均値 標準 平均値 の標準 偏差 誤差 47 2.66 1.605 .234 dimension1 246 2.12 1.542 .98 36 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅰ) →仮説の立証 仮説Ⅰ: 保護者が旅行は 「子どもに向けた教育である」と 認知すれば、子どもを旅行へ連れていく。 37 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証 →仮説Ⅱの検証 小学生をターゲットとし、 旅行に関する広告を行えば 子どもは家庭内で積極的に発信し、 保護者は子どもを旅行に連れていく。 38 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅱ)① →アンケート中からの変数の整理 子どもから家庭内へ旅行に行きたいと積極的に発信したことがあるか 保護者が子どもの発信を受けて 子どもを旅行に行かせてあげたいと思ったことがあるか 保護者は子どもからの発信を受けて旅行に行かせたことがあるか 子どもが広告を見て家庭内でその話を持ちかけたことがあるか 子どもが広告を見て何かを欲しがったことがあるか 39 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅱ)② →帰無仮説と対立仮説 帰無仮説: 「それぞれのデータに相関関係がない」 対立仮説: 「それぞれのデータに相関関係がある」 40 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - 仮説検証(仮説Ⅱ)③ →無相関検定 Spear manのロー 子どもから家庭内へ 旅行に行きたいと積 極的に発信したことが あるか 相関係数 有意確率 (両側) N 保護者が 子どもから家 保護者は 子どもが広告 子どもの発信 庭内へ旅行に 子どもからの を見て 子どもが広告 を受けて 行きたいと 発信を受けて 家庭内へ積極 を見て何かを 子どもを旅行 積極的に 子どもを 的にその話を 欲しがったこと に行かせて 発信したことが 旅行に行かせ 持ちかけたこと があるか あげたいと思っ あるか たことがあるか があるか たことがあるか 1.000 .592** .506** .260** .175** .000 .000 .000 .000 .000 .000 .000 .000 296 296 296 295 296 .592** 1.000 .534** .292** .230** .000 .000 .000 .000 .000 .000 対立仮説: 帰無仮説: 「それぞれのデータに相関関係がある」 「それぞれのデータに相関関係がない」 保護者が子どもの発 信を 受けて子ども に子どもを 旅行 に行かせてあげたい と思ったことがあるか 相関係数 有意確率 (両側) 保護者は子どもから の 発信を受け て子どもを旅行に行 かせたことがあるか 相関係数 有意確率 (両側) 子どもが広告を見て 家庭内へ積極的にそ の話を持ちかけたこと があるか 相関係数 有意確率 (両側) 子どもが広告を見て 何かを 欲しがったこ とがあるか N N N 相関係数 有意確率 (両側) N .000 .000 296 296 296 295 296 .506** .534** 1.000 .134** .134** .000 .000 .000 .000 .000 .000 .000 .000 296 296 296 295 296 .260** .292** .134** 1.000 .441** .000 .000 .000 .000 000 .000 296 .295 295 295 295 .175** .230** .134** .441** 1.000 .000 .000 .000 .000 .000 .000 .000 .000 296 296 296 295 .000 .000 296 41 - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅱ)④ →無相関検定 42 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 仮説検証(仮説Ⅱ) →仮説の立証 仮説Ⅱ: 小学生をターゲットとし、 旅行に関する広告を行えば 子どもは家庭内で積極的に発信し、 保護者は子どもを旅行に連れていく。 43 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 提案創出 44 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出① →仮説立証から得られた「提案」に必要な条件 認知重視 出所)株式会社ベネッセコーポレーションホームページ 興味重視 45 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出② →具体的な提案の創出(旅行会社の一例) 一例として… 旅行業界活性化 により恩恵を受ける あらゆる企業に 応用可能 旅行業界の活性化 により恩恵を受け、 我々の身近な存在で ある旅行会社を選択 46 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出③ →具体的な提案の創出(旅行会社の一例) フリーペーパー型パンフレット (以下、FP型パンフレット) ≪定義≫ 従来の旅行会社のパンフレット(価格、プラン内容訴求特化)を 他企業から広告を出稿してもらうことにより、 さまざまなコンテンツを組み込むことで情報誌化させたもの 47 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出④ →FP型パンフレットを採用した理由(現状) Q:なぜ、パンフレットなのか? ①旅行会社のほとんどが パンフレットでの広告を展開 ②多くの企業が広告費を削減する中、 あらたな媒体を創出し、 広告するのは難しい 48 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出 →4PによるFP型パンフレットの具体的な提案内容 -Product-Product(製品) (製品) -Price(価格) -Place(流通経路) -Promotion(販売促進) 49 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑤ →FP型パンフレットのコンテンツ(保護者ページ) 毎回「旅育」の特集を組む 「旅行=教育」の価値創造 •旅行に特化せず他の教育情報 なども掲載 •QRコード、URLによる クロス・メディア構築 毎回「旅育」の特集を組む 「 子ども用品などのクーポンを掲載 =保護者に手にとってもらう目的 50 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - ※ 実 際 の イ メ ー ジ ( 保 護 者 用 ペ ー ジ 出所)子どもファームネット ) 51 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑥ →FP型パンフレットのコンテンツ(子どもページ) 子ども興味を惹くため マンガを採用 (内容:冒険ものなど) 52 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - ※ つ い に 到 着 ! かわいい リスを発見 他にも動物が たくさんいるんだよ! 森の中をどんどん 進んで行くと… つづきは君が 探してみよう! 何ひき 見つけられるかな? 実 際 の イ メ ー ジ ( 子 ど も 用 ペ ー ジ ) 53 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑦ →FP型パンフレット 表紙への工夫 保護者を対象とした 場所に置く際の表紙 子ども用の表紙が 裏面に ※画像はイメージです 54 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑦ →FP型パンフレット 表紙への工夫 子どもを対象とした 場所に置く際の表紙 保護者用の表紙が 裏面に 出所)ワンピースWeb ※画像はイメージです 55 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑦ →FP型パンフレット 表紙への工夫 表 裏 保護者向け設置場所 子ども向け設置場所 出所)ワンピースWeb 裏 表 56 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出 →4PによるFP型パンフレットの具体的な提案内容 -Product(製品) -Price(価格) -Place(流通経路) -Promotion(販売促進) 57 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑧ →Price(価格) 消費者 FP型パンフレットは無料! 旅行会社 企業に出稿してもらうことにより、 低価格での広告が実現! 58 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑨ →Price(価格)広告費のイメージ FP型パンフレット費 パンフレット費 パンフレット費 出稿による 従来パンフレットに 広告費 費やしていた広告費 59 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出 →4PによるFP型パンフレットの具体的な提案内容 -Product(製品) -Price(価格) -Place(流通経路) -Promotion(販売促進) 60 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑩ →Place(流通経路) 従来の旅行パンフレットは 旅行会社の店頭がほとんど 旅行に興味がある人しか手に取らなかった 親子が多く出掛ける場所や 教育色の強い学習塾などにラックを設置する 61 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑪ →Place(流通経路)アンケート結果(N=278) 保護者と子どもが普段、一緒に出かける場所 140 150 100 50 47 31 25 27 8 0 62 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑫ →Place(流通経路)~スーパーマーケットの例~ 鮮魚 冷凍魚 子どもの 目線にラックを設置! 肉 類 惣 菜 パ ン 冷 食 レト ルト 干 物 飲 料 調 味 料 菓 子 麺 類 酒 米 レジ 入口 雑貨 レジ 果 物 客 導 線 誌雑 野 菜 レジ 入口 63 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑬ →4PによるFP型パンフレットの具体的な提案内容 -Product-Price•「旅行=教育」を保護者へ訴求 •子育て情報なども掲載 •マンガで子どもの心をつかむ •より手にとってもらえるようクーポンを掲載 •QRコード、URLによるクロスメディア構築 -Place- 消費者:無料 旅行会社:企業の出稿により 膨大な広告費が掛からない -Promotion- 従来のような旅行会社の店頭のみと いうチャネルではなく、 スーパーマーケットやデパート、 出稿企業の製品の周辺、学習塾など に設置 このFP型パンフレット自体が 広告の役割をはたしているので省略 64 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 提案創出⑭ →消費者・旅行会社・出稿企業それぞれのメリット 子どもの成長 クーポン割引 教育情報の獲得 消費者 WIN WIN 出稿企業 ターゲットに対する 自社製品の広告 旅行会社 WIN 顧客の創造 顧客の囲い込み 低価格広告実現 65 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 日本活性化の実現! 66 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考文献・参考ホームページ •国土交通省編[2009]『平成21年版観光白書』株式会社コミュカ •財団法人日本交通公社[2007]『旅行者動向2007-国内・海外旅行者の意識と行動』財団法人日本交通公社観光文化事業部 •経済企画庁[1993]『国民生活白書―少子社会の到来、その影響と対応」大蔵省印刷局 •ジュリエット・B・ショア著 中谷和男訳『子どもを狙え‐キッズ・マーケットの危険な罠‐』[2005]株式会社アスベクト •Dan S. Acuff & Robert H. Reiher『What Kids Buy and Why-The Psychology of Marketing to Kids, The Fre Press』[1999] •ダン S. エカーフ & ロバート H .ライハー(著)五島芳樹(訳)『キッズ・マーケティング』[1999]五月書房 •ジャン・ピアジェ 著 滝沢武久訳「発生的認知論」[1972]白水社 •仁科貞文『広告効果論‐情報処理パラダイムからのアプローチ‐』[2003]株式会社電通 •前田勇『観光とサービスの心理学-観光行動学序論-』[1995]株式会社学文社 •嶋村和恵『新しい広告』[2006]株式会社電通 •水野由多加『統合広告論』[2006ミネルヴァ書房] •矢野経済研究所ホームページ『子供に関する母親アンケート調査結果 2009』 •近藤文人は「成熟市場におけるイノベーションによる成長打破のモデル」[2008] •森下晶美『成長期の家族旅行経験とその影響に関する調査報告』[2010] •株式会社リクルートじゃらんリサーチセンター『じゃらん宿泊旅行調査2010』[2010] •株式会社リクルートじゃらんリサーチセンター『子連れ家族旅行に関する調査分析結果報告書』[2007] •株式会社JTB 『JTB Webアンケート旅Q(Vol.37)旅行は「価格重視派」ですか?「内容重視派」ですか?』[2009] •観光庁ホームページ www.mlit.go.jp/kankocho •じゃらんネットリサーチセンター http://jrc.jalan.net/ •矢野経済研究所 http://www.yano.co.jp/ •社団法人日本ツーリズム産業団体連合会http://www.tij.or.jp/ •日本旅行トムソーヤクラブ http://www.tomsawyer-club.jp/ •株式会社ベネッセコーポレーションhttp://www.benesse.co.jp/ 株式会社JTB http://www.jtb.co.jp/ ・ワンピースWeb http://www.j-onepiece.com/ •総務省統計局 http://www.stat.go.jp/ ・子どもファームネット http://www.kodomofarm.net/ 67 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - Thank You For Listening!! -御清聴ありがとうございました- - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics - 参考資料 69 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料①(スライド4対応) 旅行の好嫌別 ここ数年の旅行頻度 4.8 30.6 大変好き 好き 46.9 13.6 5.3 16.0 9.9 7.6 52.9 40.0 どちらかといえば好き 11.3 6.5 21.3 16.3 17.6 1.0 23.2 どちらかといえば嫌い・嫌い 0% 年に3回以上 年に1~2回 15.2 16.2 44.4 50% 2~3年に1回 100% それ以下 出所)財団法人日本交通公社[2007] 『旅行者動向2007-国内・海外旅行者の意識と行動』財団法人日本交通公社観光文化事業部) していない 70 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料①(問題点Ⅰ)先行研究 →価格戦略による旅行価格の引き下げ 近藤(2008) 成熟市場で価格を下げるという戦略をとると、 少ない利益を多数の企業で奪い合う レッドオーシャンに陥ってしまう危険性が高い。 (途中略)成熟した業界における利益獲得の 機会は、製品の改良、サービスによる付加価 値の提供、プロセス革新といったところに存在 する。 出所)近藤文人は「成熟市場におけるイノベーションによる成長打破のモデル」[2008] 71 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料②(問題点Ⅰ)先行研究 →旅行に対する価値観(独自のアンケート結果 N=350) その他 10% コミュニケーション 16% 遊び 21% リフレッシュ 53% 72 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料③:仮説Ⅰ分析(「認知」の方法) →認知促進方法としての「広告」の有効性 仁科(2003) 消費者は商品やサービスそのものに対して お金を払うのではなくて、「この商品はいいな」とか、 「このサービスは役に立つ」などと思って、自分の中で いったん捉えた上で、いろんな判断をしてその価値に 対してお金を払う。(途中略)商品に対するパーセプ ション(認知)を変えて、消費行動に影響を及ぼそうと いうのが広告戦略のアプローチだ 73 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料④(問題点Ⅱ)先行研究 →子どもの発信力の重要性 平成4年版国民生活白書(1993) 「ファミリー消費において子ども発信力はある程度の影響力を持ち、 それも兄弟の数が少ない程、子どもの意見が通りやすい」 Juliet. B. Schor(2005) 子どもがショッピングをするようになればなるだけ、両親の買い物に 発信力を持つようになるがその影響力は無視できないほど強くな り、(途中略)2004年には4歳から12歳の子どもが大人の開門の 3300億ドルの購買力を「創出」したと試算する。 74 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料⑤仮説Ⅱ分析(「子ども」のセグメント) →Piagetの発生的認知発達の4段階 感覚運動的段階(0歳~2歳) 反射的な行為による感覚運動の繰り返し 前操作的段階(2歳~7歳) 言葉やイメージの発達 自己中心的コミュニケーション 具体的操作期(7歳~12歳) 具体物を取り扱う際のみ論理的思考が可能に 形式的操作期(12歳以上) 仮説による論理的思考が可能に 75 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料⑥仮説Ⅱ分析(「子ども」のセグメント) →森下(2010)「成長期の家族旅行経験と その影響に関する調査報告」 「成長期における家族旅行の経験はその後の性格や志向 に大きな影響を与えると考えられる(途中略) 特に小学生時代における家族旅行の経験は『適応力』、 『自主性』、『コミュニケーション力』『社会への興味』、『思 いやり・精神の安定』のすべての分野においてプラスの影 響を及ぼしており、成長期とりわけ小学生時代の家族旅 行経験がその後の志向や性格の形成に有効である」 76 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group - - Takasaki City University of Economics 参考資料⑦仮説Ⅱ分析(「アプローチ」の方法) →アメリカ Thomas Robinson 教授の先行研究 「広告宣伝は実際の購買につながるか」 小学3・4年の クラスを対象に テレビの視聴時間を 半年間減らす 視聴習慣が 変わらないグループ より玩具を買いたい という希望が 70%少なくなった 出所)ジュリエット・B・ショア著 中谷和男訳『子どもを狙え‐キッズ・マーケットの危険な罠‐』[2005]株式会社アスベクト 77 - Sasaki Seminar 20th Adv. Group -
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