先天性と後天性 遺伝と環境を考える 遺伝か環境かの問題 • 安定した身分制社会(中世ヨーロッパ) – 人間という概念はない(武士・貴族・農民) – 生まれながらに決まっている • 市民革命 – 平等な人間 – 白紙で生まれ(タブラ・ラサ説)環境で決まる • ダーウィン(生存競争)・メンデル(遺伝学)等 • 遺伝か環境かという議論→輻輳説(割合) 20世紀の議論状況 • 環境説の代表 行動科学(ワトソン) • 政治的遺伝強調思想は差別と結びついてき た。ヒトラーのアーリア人優越、アメリカの黒 人は知能が低い、等。 • DNAの発見、ヒトゲノム計画で遺伝子の存在 は確立→遺伝的性質が、環境によって発現し たり、環境の強い作用(放射能等)により、遺 伝子の変異、相互作用のあり方を究明 「先天性」の3つの要素 • 遺伝 – 遺伝子情報→受精(根源の先天的要素) • 妊娠中の成長 – 受精卵が胎内環境の下成長し、出産という環境 の激変を経る。 → 胎教・古典的優生学 • 出産の影響 – 脳の圧迫 → 胎内環境を整えるのは親の責任 • どこまでプログラミングされているのか チョ ムスキー理論 環境とは何か • • • • • 自然的環境 海洋・山岳・平地・砂漠 社会的環境 家庭・階層・地域・文化 教育的環境 物質的環境 食べ物の農薬・添加物 環境の相違は、個々人の発達にどこまで影 響するのか、遺伝と環境の関係は。 「遺伝的資質は環境の影響で発現する」 遺伝・先天性と教育1 • 天性の優れた素質 見分けて伸ばす – Cf 絶対音感への態度(ヨーロッパと日本) – 遺伝形質を測ることはよいことか(測る技術をめ ざすべきか) cf 「先天的知能」の計測の問題 – 可能な時代になっていたとしたら、将来親として、 子どもの遺伝的才能を測るか – 計測可能な時代になったとして、遺伝的才能によ って与える教育を変えるのがよいのか 遺伝・先天性と教育2 • 先天的?低い能力を教育はどう扱うべきか – 著しく運動能力が低い・音痴 • 障害をどう扱うか(障害は先天的か) – 特別支援教育の章で扱う • 環境によって生ずる障害は、環境の改善 – 物質的環境 – 家庭、教室環境のストレスによる 環境説について考える • 「環境が人間を作る」(タブララサ説)は、人間 の平等の主張であった。 • しかし、環境そのものは平等ではない。 バーンシュタインの言語コード・階級文化 (ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』 • 環境を家庭的不平等から脱した完全な平等 にする教育=キブツ(cf ヤマギシ会) • キブツは人々を幸福にしたか(家庭の復活) 才能は誰のものか • 才能は個人のものなのか • 才能は、環境のなかで発達し、教育的実践に よって開花する。→才能は社会のものなのか • ソ連時代の才能の扱い方は、どうなのか。 • 多額の税金をつぎ込んで、オリンピック選手 を養成することは、妥当か。 環境と教育を考えてみよう • 環境がよいほど、人の成長発達に好ましいの だろうか • 可能な限り平等な教育を保障するのか、ある いは才能のある人に良質の教育を与えるの か、どちらが「社会的に妥当なのか」
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