ネットワークアーキテクチャ 次世代無線通信アーキテクチャ インテル株式会社 竹井 淳 ® © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 今日お話しする内容 無線アーキテクチャの基礎 基礎の基礎 多重化方式 身近な無線ネットワーク 次世代無線ネットワーク WiMAX 前提:できるだけ高校レベルの物理および数学の知識があれば 理解できるようにしゃべります © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 2 無線通信とは 無線通信 電波に信号を乗せて離れた位置に存在する局の間で通信を 行う 双方向 – 2ch必要(送りと受け) – 必要な無線周波数帯域がXの場合、2Xの帯域が必要 片方向 – 放送型の利用 *通信と放送 技術は同じで適応されるルール(法律)が一般的に違う © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 3 無線通信と有線通信 有線通信 回線を敷設ばならない 外乱(ノイズ)の影響を受けづらい 無線通信 自由にネットワークを構築可能 移動しながらも利用が可能 ノイズとの戦い 限られた資源 = 周波数 距離に比例して出力電力が必要となる © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 4 変調方式 電波に情報を乗せていく方法 波の振幅を変化させて信号を乗せる AM変調(振幅変調) 波の周波数を変化させて信号を乗せる FM変調(周波数変調) 波の位相を変化させて信号を乗せる PM変調(位相変調) 波があるかないかにより情報を送る 光通信 © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 5 AM変調とFM変調 出典:総務省の子供向け情報通信白書 http://www.kids.soumu.go.jp/taiken/den/03.html FM変調は振幅成分の変動が信号の質に影響を与えない 音質のよい放送に用いられる:FM放送 © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 6 高度なデジタル変調方式 ディジタル通信が普及することで、複数の変調方式を組 み合わせることなどにより多くの情報を運ぶことができ るようになった PM変調の多値化 BPSK→QPSK→8PSK→16PSK PM変調+AM変調 QAM変調 16QAM→64QAM © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 7 PSKのいろいろ QPSK BPSK QPSKの信号波 © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 8PSK 出典:http://en.wikipedia.org/ 8 多重化方式 多重化とは 決められた道でいかに有効に使って多くの車(人)を運ぶか 決められた通信路でいかに有効に多くの情報を伝送するか 道を多くの人で効率よく共有し、さらに1台の車にどれだけ多く の人を入れるかの二つの技術により実現 通信路を複数のノードにより共有=多重化 © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 9 多重アクセス方式 波は周波数と時間により定義される 周波数軸と時間軸 周波数多重アクセス方式:FDMA ノードごとに周波数を割り当てて多重化 ノードごとに走る車線をわりあてる 時間多重アクセス方式:TDMA 通信路を時間軸で区切り(スロット化)、スロットをノードに割り当てて多重化す る 道路を時間軸でくぎり、走行していい部分をそれぞれの車ごとにわりあてる コード多重アクセス方式:CDMA 送信側と受信側で同期しながら利用する周波数を変えることで、同一周波数 を複数の局で共有する コードが違えば、他局の信号は広く分散されたノイズに見える © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 10 すこし脱線 パケット通信の起源 ハワイ大学が島にまたがるキャンパスを無線ネットワークでつ なぐ研究から始まる Alohaネットワーク データをパケット化して送りたいときに勝手に送る 原始的 ぶつかったら再送 トラフィックが高くなければそれなりに使える © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 11 アロハからの展開 Aloha 送りたいときに送る Slotted Aloha パケットを正規化してスロットに同期して伝送 Throughputは2倍 CSMA 他の局が回線を使っているかを確認したうえで送信 さらにthroughputは向上 CSMA/CD さらに衝突の検出機能を追加 これがEthernetで利用されている通信方式 © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 12 身近な無線ネットワーク その1 携帯電話 昔 1G:アナログ 2G:デジタル回線交換 1G,2G 呼の要求に応じて周波数を割り当てる → FDMA 3Gと呼ばれるテクノロジーではCDMA技術が利用される ノイズに強い 多重化効率が高い © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 13 身近な無線ネットワーク その2 無線LAN 802.11の技術をもとに広く普及 ほとんどのノートPCは無線IFを搭載 一般的商品では到達距離が数10から100m程度 広帯域な仕様が普及し現在54Mbpsを利用できる この環境をさらに広い場所で利用できる環境への期待が高ま る © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 14 身近な無線ネットワーク その3 地上デジタル波放送 ディジタルで復号さえできれば情報の劣化がおきない 移動環境でも受信可能(ワンセグ放送) 移動体にも適した伝送方式としてOFDM(直行周波数分割多 重方式)がもちいられる 2011年を目標にディジタルへの完全移行を目指す いまはその移行期 片方向の放送型メディアだが、双方通信への期待が高まる © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 15 ここまでのまとめ 無線技術を支える要素技術の多くはインターネットの基礎技術の 歴史とそれほど変わらない パケット通信は最初に無線環境で実現 無線ネットワークは身近なメディアとなり日常生活に必要不可欠 携帯、無線LAN ネットワーク利用の方法として、利用しているメディアにかかわら ず、常に同じ環境を得たいという欲求が高まる 無線LANやADSLなどで広帯域環境を知ってしまった体は、その 環境を“いつでも”、“どこでも”要求してしまう さて次世代無線ネットワークはどうなるのか…. © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 16 WiMAXと802.16技術 ® © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 Convergence Vision All computing devices communicate All communication devices compute All enabled by silicon Any Time, Anywhere, Any Device Demand COMPUTING COMMUNICATIONS Innovation © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 18 Mobility & Wireless Vision WLAN SPOT Intelligent, Reconfigurable Clients Seamless access to all networks, apps, & services © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 19 WiMAXの位置づけ WAN 3G WCDMA GPRS EDGE LAN MAN WiMAX * 802.16 Broadband PAN Wi-Fi * UWB 802.11 <300ft. Bluetooth and RFID/ TAG The Result: Optimal Connectivity © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 *Other brands and names are the property of their respective owners. 20 WiMAXの技術 OFDMを多重化技術として用いるOFDMAが採用され る OFDMの複数のサブキャリアを複数局で同時に利用 タイムスロットとサブキャリアの両方をトラフィックに応じ てノードに割り当てる、周波数および時分割多重方式と いえる もちろんOFDMを用いるため移動環境での通信にも有 効 無線基地局の後ろからはIPネットワークにより構築され るIPベースの次世代MAN通信インフラといえる © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 21 OFDM ある決まった関係に複数の周波数にわけたキャリアを 配置することで、効率よく周波数を配置できる仕組み 時間軸上で細かいデータを送ることをせずに、周波数 軸に分散できる すなわち、delay、multi pathなどにつよい 今後の移動体通信では主役となっていくであろう変調方 式の一つ © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 22 OFDM方式 (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 直交周波数分割多重方式 各サブキャリアの信号レベルが0になる周波数で区切られる 各信号の関数が直交関係となる 一つの周波数帯を分割し、多数の搬送波(サブキャリア)を詰め込んでデータ伝送 干渉などの通信品質低下が少ない 地上波デジタルテレビ放送,WiMAXでも採用 信号レベル(dB) サブキャリア ・・・・ 周波数 © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 周波数 23 OFDMA サブキャリアをグルーピングしてノ ードに割り当てる 複数ノードでOFDM回線を共有 さらに時間スロットごとにきめ細かい 割り当てを行い効率化 ノードA ノードN ・・・・ 802.16eではサブキャリアを以下に 様に配置 11.6kHz間隔 ・・・・ 1024サブキャリア(10MHzBW) サブキャリア間隔の一定となる方式 をSOFDMA (Scalable OFDMA)と よぶ © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 周波数 24 Best Connected Model Cellular WiMAX WiMAX Wi-Fi* Urban WiMAX Wi-Fi* Rural Suburbs Urban WiMAX complements wireless LAN and mobile cellular networks © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 *Other brands and names are the property of their respective owners. 25 Future Broadband Wireless Vision Wi-Fi High Throughput Access: Business, Backhaul & some Residential Mobile/ Portable Broadband Hotspot Backhaul Wi-Fi Consumer Broadband Access Wi-Fi © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 26 WiMAX Evolution Wi-Fi* Wi-Fi* Fixed Wi-Fi* Mesh Backhaul Wi-Fi* PMP Backhaul Wi-Fi* Wi-Fi* Metrozone Metrozone Mobile Nomadic Portable © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 *Other brands and names are the property of their respective owners. 27 WiMAX Status WiMAX is getting market acceptance WiMAX forum membership growth accelerating >350* Over 150* operator trialing and developing WiMAX Korea launching WiBRO services in Pusan WiBRO services will use Mobile WiMAX Certified Product when available in either late 06 or early 07 © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 * As of November 2005 28 WiMAX Strategy One standard for wireless broadband connectivity Drive harmonization - one global system Licensed & license-exempt spectrum reform New business opportunities for portable & mobile broadband services New solution for emerging & rural markets © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 29 WiMAX Usage Models & Time Frames 802.16-2004 2005 802.16e 2006 Access 802.16e 2006 ……………………………………2007+ Metro coverage Fixed Outdoor Nomadic Metrozone WiFi Mobility Mobile Fixed Indoor Backhaul Enterprise Campus Piconet Wi-Fi* Hotspot © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 30 WiMAXが実現すること 携帯電話網とWiFiが実現する利用環境をMixしたような環境が 実現する 帯域、スピード 利用範囲 移動性 IEEE802技術を元にするため世界中での展開が期待される 同一の周波数帯域を利用 世界中で同一のハードウエアにてサービスを利用できる ネットワークサービス事業者と端末販売が独立して行われる可能性がある 携帯電話:携帯電話事業者が販売 WiFi:だれでもが端末を販売できる © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 31 まとめ 無線も有線もディジタル多重化および変復調技術は共通のもの が利用されている 移動環境をサポートする無線技術への社会からの期待は大きい 技術の進歩は日々進み、それは無線技術でも同様に進歩してい る 個々のメディアがお互いに補完しあい、シームレスな通信環境を 提供する時代が見えてきた 新たな社会的要求にこたえる技術が実現されつつあるが、それ に同期した制度、政策の変化も必要とされている © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 32 無線ネットワークアーキテクチャを 考える場合の課題 技術的方式について 高効率 共存性 世界標準技術 周波数政策 International governance ITU-R region 1,2 and 3 National governance Spectrum as commons Open architecture © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 33 課題 電話ネットワークのアーキテクチャは端末を開放するこ とで新しい世界が開けた 無線ネットワークで同じように端末を利用者に公開する ことでメリットが得られるであろうか? 得られるとすればそのメリットとそこまでのシナリオを述べよ 無理な場合にはなぜそれが無理なのかを述べよ © 2005, Intel Corporation. All rights reserved. 無断での引用、転載を禁じます。 34
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