21世紀型科学教育の創造Ⅱ 「天文学とプラネタリウム」 ~ある天文学普及プロジェクトの取り組み~ 東京学芸大学教育学部 塚田 健 「天プラ」の理念 天プラは、専門の異なる人たちが互いに自らの特徴を 活かして協力することによって、これまでにないアイデ アの普及活動をすること、また、そのための機会を提供 することを目指している。 つまり 天プラは、天文学普及に興味のある人たちが、集い、 互いを知り合い、それぞれの専門を持ちよることに よって新しい天文学普及の方法を探り、実行する 「場」である。 天プラの特徴 1. インターネット上での活動 主な活動は、ML(メーリングリスト)上で行われている。 今までになかった新しい天文学普及の形を、 インターネットという手段を活用して作り出していく。 2. 個人ベースでの活動 所属にこだわらずに、個人が自由に意見を出し合い 活動し、様々なものを作り上げていく、新しい天文学 普及のコミュニティである。 天プラへの道のり 問題意識 天文学のような理学は今後立ち行くのか? 【 立ち上げの背景 】 ・ 潜在的な天文普及への興味(学生) ・ 生の天文学への需要(科学系諸施設) 手始めに、「天文学」と「プラネタリウム」をつなげてみよう (その後、対象は「天文学普及」に興味を持つ全ての人に拡大) 学生は普及活動に前向きである (発起人だけで盛り上がっても仕方ないので)2003年度天文天体 物理若手の会・夏の学校にて、高梨・平松が調査。 アンケート 「 天文学の普及活動に興味 は? 」 全体的に前向き しかし、 活動例は少ない プラネタリウム・科学館側は? (学生だけで盛り上がっても仕方ないので)2003年度JPS (日本プラネタリウム協会)佐賀大会にて、高梨・平松が調査。 アンケート 「学生と協力しての事業に興味は?」 興味のある館は多い しかし、 活動例は少ない なぜ、活動例が少ないのか? <学生側> したくとも、話が来ない/どうしたらいいかわからない <プラネタリウム・科学館側> 学生のことはよくわからない/知り合う場がない ↓ お互いに交流できれば問題ない? ↓ 交流の場を作って試してみよう 天プラ 天プラはどのような集団か? 現在は、天文学の普及に興味のある学生とプラネタ リウム・科学館関係者などによって構成されている。 【学生】 天文学を専攻している必要はない →教育系や芸術系などの学生もいる 【社会人】 プラネタリウム・科学館関係者である必要はない →教員や科学ジャーナリスト、企業の方も大歓迎! 参加者の分布(2004.8.18現在) ・参加者は大都市圏に多い ・全国にあまねく広まっているわけではない 天プラでできること ~学生の場合 例えば・・・ 一般と研究者のギャップを埋める役割 一般的な天文学のイメージ:星座、神話、星 研究者の天文学のイメージ:物理、宇宙 天文学を専攻している学生は、研究者の視点も 未熟ながら持っている。 学生ならばギャップを埋めるやすいと考えられる。 (あるいは、ギャップを知る機会となる) 一般の人々と天文学のつながりを表した模式図 線の太さは情報量 天プラから派生した活動 ① 交流事業 プラネタリウムの見学会など、メンバー同士の交流 のできる場を提供。 ② 天文普及事業 科学館・プラネタリウムと学生の協力による講演会 や天文教室に加えて、天文グッズの製作やゲーム の開発など、さまざまな方法での普及活動が行わ れている。 ③ 普及の普及事業 さまざまな機会を通じて、天プラの輪を広げていく。 7.天プラへのアクセス http://www.tenpla.net チラシも配付しています
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