スライド 1 - 北海道医療大学

がん組織の低酸素環境とがんの悪性化
−転移を中心に−
北海道医療大学
小 林 正 伸
1.がん細胞の悪性化(転移)に関する総論
2.がん組織環境は低酸素下にある。
3.低酸素下で誘導される転移関連遺伝子
4.今後の方向性
がんはどれくらいかかって大きくなるのか?
1012
検出可能と
なってからお
よそ10回分
9
裂すると致死 10
的なサイズと
なる。
1兆個
1個の細胞から
スタートしてお
よそ30回以上
の分裂を繰り返
して、初めて検
出可能となる。
10億個
1kg: 致死体積
1g: 最小臨床検出可能体積
106
1012
109
106
10年
臨床検出可能体積に達するまで
に10年以上の年月が要する。
広島原爆被爆後のがん発生経過
−ヒトでのがん発生の時間経過を見た実例−
白血病の場合、5−8年でピークを迎えたが、固形がんは被ばく者ががん年齢に達し
たときに発生し、その後がん自然発生率に比例してリスクが増加している。したがっ
て、被ばく時年齢が若いほど、潜伏期は長く、放射線誘発の固形がんの最小潜伏
期は通常10年とされている。
腫瘍の進展と不均一性(がんの悪性化)
正常細胞
正常細胞
最初の形質転換細胞
最初の形質転換細胞
アポトーシスした細胞
2度目の形質転換がおこった
新しい細胞クローン
2番目のクローン
3番目のクローン
3度目の形質転換がおこった
新しい細胞クローン
上の図で示したように3回の変異がはいることで、少なくとも3種類のクローンからなる細胞集
団でがん組織が構成されることになる。実際のがんでは、より多くの変異がはいっていると考
えられ、より多くのクローンからなる不均一な細胞集団からなっている。転移能を持つ細胞集
団もがん組織を構成する細胞のほんの一部分である。
転移 metastasis
形式による分類
血行性転移
肝臓 肺 骨 副腎 脳など
リンパ行性転移 所属リンパ節
体腔内播種
がん性腹膜炎、がん性胸膜炎
転移はどのように制御されているのか?
大腸癌の転移は、血行性転移、リンパ行性転移、
腹膜播種がある。血行性転移は肝臓に始まり、
ついで肺に転移し、最後に全身に広がる。
リンパ行性転移の広がり方
胃からの広がりに応じて
第1群リンパ節(N1)、第2
群リンパ節(N2)、第3群
リンパ節(N3)に分類され
ている。リンパ節への転
移は、近くから遠くへと同
心円状に拡大していく。
第1郡リンパ節に転移が
なければ、第2群以上へ
のリンパ節転移はない。
ある癌では肺転移が多い!
精巣癌の肺転移 X線像
赤の矢印で示した3つの結節性陰影
は、精巣癌の肺転移巣である。
乳がんの肺転移CT scan
赤の矢印で示した1つの結節性陰影
は、乳癌の肺転移巣である。
ある癌では肝転移が多い!
肝臓の両葉に白い結節状の転移巣が多発している。
ある癌では骨転移が多い!
骨転移の頻度は原発臓器によって
大きく異なる。乳癌、前立腺癌、悪性
黒色種が骨転移の頻度の高いがん
である。
骨シンチにて脊椎および仙腸関節部に集積
がある。
CTにて脊椎の溶骨を認め、MRIにて脊椎に低
信号部を認める。
転移経路からみた転移臓器の決定
リンパ管と血管の2つのシステム
は、図の様に相互に連関している。
消化管腫瘍の血行性ルートは、通
常門脈を介している。その他の部
分の腫瘍の血行性ルートは全身
血管を介している。
消化管腫瘍の転移臓器として肝臓
が多い理由は、門脈血流のためと
考えられている。その他の部位の
腫瘍では、全身静脈から移動して
きて最初の毛細血管系である肺が
転移臓器として多くなる。
臓器嗜好性?!
(がんの好み)
原発がん
腎がん
消化器がん
前立腺がん
小細胞肺がん
皮膚のメラノーマ
眼のメラノーマ
神経芽腫
乳がん
甲状腺濾胞がん
良く転移する臓器
肺、骨、副腎
肝
骨
脳、肝、骨髄
肝、脳、腸
肝
肝、副腎
骨、脳、肺、副腎、肝
骨、肺
臓器嗜好性は、一つは血
行動態の特徴に基づく。
例えば消化器がんはほと
んど肝へ行くが、門脈を
経由することが理由と思
われる。
もう一つは、ある臓器で
定着し(止まる必要があ
る)、そこで増殖すること
ができる環境であること
が転移する臓器の特性と
して必要である。
血行動態は理解できるが、血行動態以外の臓器嗜好性のメカニズムは?
臓器嗜好性のメカニズム(仮説)
(がんの好み)
臓器嗜好性のメカニズム(可能性)
1.ケモカインの関与?
乳がんはCXCR4などのケモカイ
ンレセプターを発現しており、骨髄
などの転移しやすい臓器はケモカ
インを産生しているという観察。
(ケモカインによって引っ張られている?)
2.臓器の血管内皮に臓器特異性が
ある?(接着因子発現など)
(番地が書いてある?)
マウスモデルにおいて転移臓器を選り好みする
クローンを選択できることを示した実験
がんの転移仮説
ケモカインによって引っ張られる
癌細胞が産生するケモカインによって癌細胞が引き寄せられる。
転移はその結果と考える考え方。
ケモカイン仮説の弱点
「こっちの水は甘いよ!」仮説
ケモカイン
転移先
臓器
癌細胞
下流側
上流側
癌細胞は上流側から流れてくる。一方組織で産生されるケモカイン
は下流側に流れていく。したがって組織から産生されるケモカインが
原発巣にある癌細胞を転移先臓器に引き寄せることはあり得ない。
小括
1.がん細胞は誕生後にいくつもの遺伝子変異を繰り返して、
より悪性の細胞クローンに変化し、転移能を獲得する。
2.がん細胞はいろいろな臓器に転移するが、転移先に好み
があるようだ。
3.消化器系のがんの転移先に肝臓が多いのは血流で説明で
きるかもしれない。しかし、血流以外に転移先を決める特殊
なメカニズムがあるかもしれない。
これからの課題
転移の臓器嗜好性はどのように決められているのか?
1.がん細胞の悪性化(転移)に関する総論
2.がん組織環境は低酸素下にある。
3.低酸素下で誘導される転移関連遺伝子
4.今後の方向性
がんの特徴
Warburg’s effect
1.1920-30年ころにWarburgが提唱した癌の特徴
2.癌細胞は嫌気性代謝機構が発達している。
Folkmanの仮説
1.1970年にFolkmanが提唱した仮説
2.癌組織は1 mmをこえると血管新生が必要となる。
2つのがんの特徴を説明できる機構はあるのか?
Mutation of some oncogene
Mutation of next oncogene
Angiogenesis
Adaptation response to hypoxia
angiogenesis
Anaerobic metabolism
relaxation
Anti-apoptosis
Normal cell
Cancer cell Birth of more malignant cancer cell
More malignant cancer
Growth in vivo
様々ながん細胞は様々な遺伝子の変異によって誕生する。結果として0.2㎜以上
の大きさに成長すると、ほぼ全てのがん細胞が、その生存のためには酸素と栄養
の供給というハードルを越える必要が出てくる。
癌の血管造影像
造影剤を動脈内に注入してレン
トゲン写真をとると,左のように
腫瘍全体に造影剤が染まって見
える。これらが腫瘍血管と呼ば
れている。
これだけ血管があるのだから,低
酸素になるはずがない!?
流れが悪いから染まるのであっ
て,むしろ時間あたりの流量は少
ない。つまり血流は不足!!
血流が不足すると,単位時間あたりの動脈血の供給量が減少する
ことになり,結果として酸素や栄養の供給量が減少する。
癌組織では本当に低酸素なのか?
正常皮下組織
癌組織
Adamらの文献(Head Neck, 21:149, 1998)より引用
癌組織は正常組織の約1/5の酸素しかない!!
30mmHg(約4%)のところで正常組織と癌組織を区別することができる
鼻咽頭癌のFDG-PET(グルコース取り込みの増加)
本症例は鼻咽頭癌であ
るが、低酸素環境下に
あるために、グルコース
取り込みに働くグルコー
ストランスポーター
(GLUT)の発現が亢進し、
グルコースががん特異
的に大量に取り込まれ
ている。
FDG-PETを用いた癌スク
リーニングは、癌におけ
るグルコース取り込みの
増加を利用した方法で
ある。
小括 その2
がん組織の特徴である「嫌気性代謝」と「血管新生」は、
がん組織の低酸素環境がもたらしている。
1.がん細胞の悪性化(転移)に関する総論
2.がん組織環境は低酸素下にある。
3.低酸素下で誘導される転移関連遺伝子
4.今後の方向性
低酸素下での遺伝子発現の機構は?
なんとか生きれる
ぞ!
酸素濃度低下
HIF-1
嫌気性代謝
血管新生
血管拡張
細胞
HIF-1 (hypoxia-inducible factor-1)
低酸素下で発現する転写因子
下流の遺伝子の発現を誘導
造血
HIF-1
適応のための遺伝子
薬剤耐性
低酸素下では低酸素や低栄養から自分を守るための適応反応が誘導される。
中でも血管新生、無酸素エネルギー代謝などが重要とされている。
1. HIF-1aとHIF-1bのヘテロダイマー
2. 低酸素下で分解が抑制されて出現
HIF-1とは?
Hypoxia and apoptosis
Hypoxia
Anoxia
pO2
PO4
5%=38 mmHg
HIF-1a
ARNT
Pim-1
Mcl-1
Anti-apoptosis
0.2%=1.52 mmHg
HIF-1a
p53
Glut-1 Nip3 Bax
VEGF
EPO
Adrenomedullin
Adaptive
Survival
Apoptosis
赤字の遺伝子は小林
研究室で同定された。
低酸素下で発現変化する転移関連遺伝子
遺伝子
Epithelial-cadherin (E-Cadherin)
低酸素下での発現
低下
Vascular endothelial growth factor (VEGF)
亢進
Matrix-metalloproteinase-9 (MMP-9)
亢進
Matrix-metalloproteinase-2 (MMP-2)
亢進
Chemokine receptor-4 (CXCR-4)
亢進
Cell-motility factor receptor (c-MET)
亢進
Hepatocyte growth factor (HGF)
亢進
Autocrine motility factor (AMF)
亢進
低酸素環境下では細胞間接着に関与するカドヘリンの発現が低下
し、がん細胞の原発巣からの離脱を亢進させる可能性がある。
また血管新生因子産生が亢進して血管新生が誘導されて、結果と
して血行性転移が促進される可能性がある。
また、がん細胞の運動性を亢進させるケモカインやプロテアーゼが
産生されて、がん細胞の運動が亢進する可能性がある。
癌の転移機構
血管新生
血管外への侵出
血管内への侵入
血管内皮への接着
標的臓器での増殖
転移こそ悪性腫瘍と良性腫瘍を分ける最大の特徴であり、悪性腫瘍のみが、発生局所(原発
巣)以外の遠隔臓器に同じ腫瘍性病変を形成する。
原発巣から新生されてくる血管内に侵入(Invasion)し、血流に乗って遠隔臓器に運ばれる。そ
の臓器の血管内皮細胞に接着(Adherence)し、血管外へ侵入(Extravasation)して増殖する。
転移に必要なステップに働く因子
1.血管新生
1)血管新生因子
2)血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞
3)遊走能、遊走因子、接着因子
2.血管内への侵入
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
3.標的臓器の血管内皮細胞への接着
1)接着因子
2)接着因子の活性化因子(サイトカインなど)
4.血管外への侵出
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
5.標的臓器での増殖
1)増殖因子
2)抗アポトーシス因子
血管新生のスイッチ
酸素濃度低下
HIF-1
嫌気性代謝
血管新生
血管拡張
細胞
造血
HIF-1
適応のための遺伝子
生きた細胞はすべて、毛細血管から100-200 mmの距離内にある。腫瘍が大きくなっ
てくると、血管新生因子と血管新生阻害因子のバランスが崩れる。これが血管新生
スイッチと呼ばれており、低酸素で誘導される。
血管新生の各段階
図12.2
血管拡張と血管透過性 基底膜の分解
血管透過性の亢進
VEGF
NO
血管透過性の抑制
Angiopoietin-1
両者のバランスが重要
内皮細胞の増殖と遊走 支持細胞の動員と血管
の融合
MMPファミリー蛋白
遊走因子
(基底膜の破壊とともに、 VEGF
PGDF
以下の増殖因子の遊離 FGF
Angiopoietin-1
Angiopoietin-1
を促進する。)
FGF、VEGF、IGF-1
赤字で書かれた因子は低酸素で誘導される
転移の各ステップに働く因子
1.血管新生
1)血管新生因子
2)血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞
3)遊走能、遊走因子、接着因子
2.血管内への侵入
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
3.標的臓器の血管内皮細胞への接着
1)接着因子
2)接着因子の活性化因子(サイトカインなど)
4.血管外への侵出
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
5.標的臓器での増殖
1)増殖因子
2)抗アポトーシス因子
原発巣からの離脱、血管内への侵入
癌細胞が原発巣から離脱して、血
管内やリンパ管内へ侵入するのは、
腫瘍全体が血管内へ浸潤するとい
うメカニズムもありうる。あるいは腫
瘍の血管構築が異常なために腫瘍
細胞が血管内に入りやすいのかも
しれない。
癌細胞が原発巣から離れるために
はカドヘリンなどの接着因子の発現
低下が原因と考えられている。また
癌細胞の運動を刺激する走化性因
子が働いているからとも考えられる。
赤字で書かれた現象は低酸素で誘導される。
転移に必要なステップに働く因子
1.血管新生
1)血管新生因子
2)血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞
3)遊走能、遊走因子、接着因子
2.血管内への侵入
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
3.標的臓器の血管内皮細胞への接着
1)接着因子
2)接着因子の活性化因子(サイトカインなど)
4.血管外への侵出
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
5.標的臓器での増殖
1)増殖因子
2)抗アポトーシス因子
血管内皮細胞への接着機構
血管内皮細胞
細胞
接着因子
セレクチンなど
ケモカイン
発現はサイトカインなどで制御されている
1. Rolling
(ブレーキ)
2. Triggering
(接着因子のケモカイン
による活性化)
3. Adhesion
4. Transendothelial
migration
低酸素はsialyl Lexとsialyl Lea発現を誘導する
Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 May 25;101(21):8132-7.
より改変
低酸素環境は癌細胞のSyndecan4とIntegrin-5発現を誘導
Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 May 25;101(21):8132-7.
より改変
転移に必要なステップに働く因子
1.血管新生
1)血管新生因子
2)血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞
3)遊走能、遊走因子、接着因子
2.血管内への侵入
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
3.標的臓器の血管内皮細胞への接着
1)接着因子
2)接着因子の活性化因子(サイトカインなど)
4.血管外への侵出
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
5.標的臓器での増殖
1)増殖因子
2)抗アポトーシス因子
腫瘍細胞の血管外への脱出
血管内皮細胞への接着
接着因子
CD44
インテグリン
血管内皮細胞間を通過
マトリックスプロテアーゼ
MT1-MMP
MMP-2,9
プロテアーゼ阻害因子
TIMP-2
赤字で書かれた因子は低酸素で誘導される。
低酸素で誘導される転移の各ステップに働く因子
1.血管新生
1)血管新生因子
2)血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞
3)遊走能、遊走因子、接着因子
2.血管内への侵入
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
3.標的臓器の血管内皮細胞への接着
1)接着因子
2)接着因子の活性化因子(サイトカインなど)
4.血管外への侵出
1)遊走能、遊走因子、接着因子
2)コラゲナーゼなどプロテアーゼ
転移各ステップで働く因子のうち赤字で書かれた多くの因子が低
酸素で誘導される。転移は低酸素誘導現象か?!
1.がん細胞の悪性化(転移)に関する総論
2.がん組織環境は低酸素下にある。
3.低酸素下で誘導される転移関連遺伝子
4.今後の方向性
今後の課題 2
がん組織では、血流の動揺によって慢性的な低酸素環境下
にあるだけではなく、変化する酸素濃度環境下にあって、急
性の低酸素環境にさらされることもある。
実験系でも、酸素濃度を変動させた時に誘導される
遺伝子を同定する必要があるだろう。
今後の課題 その3
(骨髄前駆細胞が転移場所を準備する)
骨髄細胞が転移場所を準備する?
b-gal+骨髄細胞移植
放射線照射後骨髄移植
皮下に腫瘍を移植
肺を観察する
結果
肺に癌細胞のない段階からb-gal+骨髄細胞の集団が
肺に認められる。
癌細胞の転移は、b-gal+骨髄細胞の集団で存在すると
ころに起こっている。
骨髄移植する際にVEGFR+細胞を除去すると、転移は
起こらない。
VEGFR陽性の骨髄細胞が癌
細胞の肺転移場所を準備し
ている。
Cancer Cell. 2009 Jan 6;15(1):35-44.
Hypoxia-induced lysyl oxidase is a critical mediator
of bone marrow cell recruitment to form the
premetastatic niche.
Erler JT, Bennewith KL, Cox TR, Lang G, Bird D, Koong A, Le QT, Giaccia AJ.
Department of Radiation Oncology, Stanford University School of Medicine, Stanford, CA 94305, USA.
Abstract
Tumor cell metastasis is facilitated by "premetastatic niches" formed in
destination organs by invading bone marrow-derived cells (BMDCs). Lysyl
oxidase (LOX) is critical for premetastatic niche formation. LOX secreted by
hypoxic breast tumor cells accumulates at premetastatic sites, crosslinks
collagen IV in the basement membrane, and is essential for CD11b+ myeloid cell
recruitment. CD11b+ cells adhere to crosslinked collagen IV and produce matrix
metalloproteinase-2, which cleaves collagen, enhancing the invasion and
recruitment of BMDCs and metastasizing tumor cells. LOX inhibition prevents
CD11b+ cell recruitment and metastatic growth. CD11b+ cells and LOX also
colocalize in biopsies of human metastases. Our findings demonstrate a critical
role for LOX in premetastatic niche formation and support targeting LOX for
the treatment and prevention of metastatic disease.
今後解明すべき課題
1.転移の臓器嗜好性はどのように決められているのか?
2.変動する酸素濃度下でも同じような遺伝子発現はあるのか?
3.低酸素で誘導されるLOXと骨髄細胞の転移における役割は?
4.転移における癌幹細胞の果たす役割は?