コクチバスの順応的管理 (案) • 数理シミュレーションによる個 体群管理技術の検討と生態系へ の影響評価 • 松田裕之(東大海洋研) http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 図1 図3 「21世紀『環の国』づくり 会議」報告 近年、北米や豪州では、森林や河川の 生態系管理において、・・・一方、わが 国の伝統的な里地・里山の管理の方法は、 生態系の適度なかく乱を通じて、豊かな 生物の生息・生育空間・・・を生み出し て・・・ 順応的生態系管理の手法を確立 して、生物多様性を確保する生態系管理 を推進する・・・ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/wanokuni/010710/report.html バス駆除の評価と手段 • 性比が1:1から有意に偏れば、 密放流継続を示唆(1年目) • 非繁殖期の刺し網だけでは不十分 (2年目) • 繁殖抑制の効果を探る(本年) http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 数理模型 • 個体数を減らす=バス釣りなど • 繁殖抑制=産卵床を守る雄の除去 • Nt+1 = SNt(1 – Dt)+ R(Nt-1 – kct-1), nt+1 = S(nt–ct)(1–Dt)+ R(Nt-1–kct-1) • Nt: 雌個体数, nt:雄個体数 • k:比例定数、ct :雄除去数(=dnt) http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 比例定数k • 産卵床の雄は複数(k1)の雌の卵 を守る • 雌は1季に複数(k2)の産卵床に 産卵する • k = k1 / k2 • kは定数か?1か? http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 計算機実験による評価 • S=0.8, R=0.4, d=0.1, D=0.05に20%か ら50%の不確実性を考慮 • (i)駆除の成否を左右するパラメタを感 を感度解析 • (ii)30年後に(A)雌が50個体以下にで きない根絶risk、(B)今より減らすこと ことができない大発生riskを評価 • (iii)成魚:未成魚比と性比を見る http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 上記のパラメタによる結果 • (i)駆除の成否は成魚生残率S、再生 産率R、雄駆除率d、漁獲率Dに依存 • (ii)根絶失敗risk=18% 大発生risk=8% • (iii)増え続ける場合は減り続ける場合 に比べて成魚:未成魚比が低い http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt パラメタは不確実で リスクは0でない 雄捕獲数 雌成魚 600 500 雄成魚 雄駆除率 0.6 0.5 個 400 体 300 数 200 0.4 100 0.1 0.3 0.2 雄 駆 除 率 ( 点 線 ) 0 0 2002 2022 2012 年 http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 順応的管理(Holling 1978) Adaptive Management • 継続調査により駆除圧等の管理 方策を変える。その変え方を決 めておく(feedback制御)。 • 数理模型による仮説検証型の将 来予測と継続調査による修正 (順応学習) http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 順応学習とフィードバック制御 Adaptive Learning & Feedback Control 継続調査データ 管理の実施、 資源変動 動態模型 状態 管理の意思決定 勝川俊雄T.Katsukawa:博士論文(2002)より 雄駆除圧の調節を想定 • 駆除効果が上がらなければ、雄 駆除圧を増やす(上限d=50%) • 個体数減少でも駆除圧維持 • dt+1 = dt exp[u (2Nt-1+Nt-2–Nt-3–2Nt-4)]+ • 時定数u=0.005(順応的管理) or 0 (前述) http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 順応的管理はリスクを減らす 雄捕獲数 雌成魚 350 300 250 個 200 体 150 数 雄成魚 雄駆除率 0.6 雄 駆 0.4 除 率 0.5 0.3 ( 0.2 点 線 100 0.1 50 0 ) 0 2002 2012 2022 年 http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 順応的管理の計算機実験 • • • • 根絶失敗リスク =15% (18%) 大発生リスク = 0.2% (8%) 非順応的管理 雄駆除率d > 40%となるrisk = 4% 産卵床数10以下になるまで20年以 上を要する試行=25% • 漁獲率Dを0.1から0.2にあげると、 これらは大幅に改善される http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 産卵床の数≠個体数指数 • 雄駆除圧を雄雌個体数に応じて 調整→根絶失敗リスク3割以上 • 産卵床数≠雄個体数、全個体数 • 個体数の増減は刺し網のCPUE などで別に調査 http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 漁獲率上昇の駆除効果 大 漁獲率D 20年未満で雌成魚数が50以 下にできない根絶失敗リスク 30年後ま でに雌成魚数が50 以下に減ら ないリスク 今後も 増え続ける大発生リス ク dを0.4以上にあげるリスク 成功時の未成魚率 不調時の未成魚率 非順応的管理 0.1 30% 0.1 28% 0.2 4% 0.3 <0.2% 18% 15% 1% <0.2% 5% 0.20% <0.2% <0.2% <0.2% 4% <0.2% <0.2% 41% 41% 45% 49% 35% 34% 38% 44% 順応的管理 Catch and Eatを説く • 漁獲率Dの上昇が実現すれば、 バス問題は解決に大きく貢献す る。上記パラメタではD=0.3にしたと き、ほぼ10年以内に駆除に成功 する。バス釣りによる漁獲率は 釣傷跡の痕跡数により推定可能。 http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 個体数(相対)指数調査 1.試験釣獲 CPUE、体長組成、性比 2.民間のバス釣り釣果報告書 △ 産卵床数調査 雄駆除の効率を上げる調査 http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt 生態系調査 •1.外来魚の個体数聞取り調査 –バス駆除の一方で増える恐れ •2.在来種の聞取り調査 –動物相、水草、底生生物の種組 成・分布等の調査 http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt データ解析 • 個体群動態モデルの構築 •個体数、年齢組成、生活史係数 (生存率)推定への応用 • 密放流指数の推定、バス釣り率の 推定 • 群集動態モデルによる間接効果の 予測と管理 http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2003/030221.ppt
© Copyright 2024 ExpyDoc