国際宇宙ステーション搭載 全天X線監視装置(MAXI)の 開発の現状(II) 冨田洋、松岡勝、川崎一義、上野史郎、横田孝夫、森井幹 雄、倉又尚之、磯部直樹、片山晴善(JAXA)、三原建弘、小 浜光洋(理研)、常深博、宮田恵美(阪大)、吉田篤正、山岡 和貴(青学大)、河合誠之、片岡淳(東工大)、根来均(日大) 目次 全天X線監視装置(MAXIとは) 開発の現状 (比例計数管、CCDカメラ、ソフトウェア) 開発の成果 全天X線監視装置とは? 国際宇宙ステーション(ISS)搭載のX線モニター。 ISSの自転に合わせてMAXIは全天を走査する。 突発現象等の情報は自動で世界へ配信 HTV、HIIAロケット、ロボットアーム等でISSに取付 比例計数管(2-30keV)とCCD(0.5-12keV)を搭載。 国際宇宙ステーション (ISS) 日本モジュール (JEM)/きぼう MAXI MAXIの搭載品 星姿勢計 ラジエター+ヒート パイプシステムと ベータクロス 比例計数管 比例計数管用 スリット + コリメータ CCD素子 CCDカメラ用コリメータ MAXIの観測 MAXIの感度 見かけの明るさ MAXIの観測原理 MAXIは地球に対して常に同じ姿勢(つ まり1軌道周回で1自転) MAXIは2つの細長い視野をもち、1回の 自転で全天を走査する。 視野に沿った位置はスリットと一次元位 置検出器で決定する。 距離 MAXIはASMとして過去最大の感度をもつ ↓ 銀河系外のAGNまで系統的なモニターが 始めて可能になる! 予定と現状 現在 一噛・PFT 打上 打ち上げは 2008年度予定(HTV技術実証機(1号機)) 現在は設計段階をほぼ終了し製造段階 システム部 : 一部製作開始。 本年6月頃に全設計をFIX カメラ部 : GSC、SSCカメラはできるところから製作開始 地上(データ解析)ソフトウェア : これから GSC(ガスカウンターカメラ) 比例計数管は16台(フライト 12台+スペア4台)のう ち15台が完成。振動試験、X線写真チェック 上記15台の中で8台が回路部も完成 上記8台の中で7台が校正試験も終了 (PHはEnergy、X、Y、Z、HV依存で校正に長時間要) 上記7台の中で2台がコリメーターを組み立てを終了、 4月より試験開始。 トラブル プリアンプ用IC(A225)の(放電による?)故障。 振動試験によりカップリングコンデンサがはがれる 比例計数管の 二次元ゲインマップ (Cuライン、7カウンター分) L-edge 吸収端上下で連 続した関数でfit Energy(keV) Pulse Hehight Pulse Hehight X線energy vs Pulse Height L-edge 吸収端上下で関 数を変えてfit Energy(keV) XeのL吸収端(~5keV)でジャンプが見られる 大きさ~ 200eV → 過去のデータに比べて大きい。 CCDカメラ CCDは大阪大学によりス クリーニング済み(48個)。 EMカメラを製作。FMと同 specのCCDを搭載 エネルギー分解能 146eV(FWHM@5.9keV) Charge Injection、暗電 流低下用駆動パターンの 動作とそれによる性能向 上を確認。 振動試験(13.27Grm s)をクリア EMカメラ。16CCDを搭載。表面は可 視光遮断のためアルミコートしてある。 Mn-k X線スペクトル CCDの駆動の例 Flip mode OFF ON 暗電流ノイズ 暗電流 暗電流低減法(flip mode) 時間 高い検出効率をえるための厚い空乏層(つまり 高い正バイアス)と低暗電流(低ノイズ)を得るた めのinversion(つまり負バイアス)を両立させる モード。ノイズは10%以下になる。温度換算で 約10℃分。 Charge Injection 法 電気的にCCDの一部のピクセルに電荷を注入し、 それを転送させることで各ピクセルにある電子トラッ プ(信号電子の吸い込み口)を塞ぐ方法。軌道上放 射線による電荷転送効率の劣化の回復に効果があ る。図は電荷注入しすぎで読み出しピクセルに電荷 があふれ出した例 放射線性能劣化と温度上昇 によるノイズの増加の防止対 策をカメラレベルで確認した。 地上ソフトウェア開発 データ配信・蓄積装置(photon単位) 完成(試験中) 観測フルシミュレーター 完成(β版) 各カメラデータ解析ソフト 未 自動nova search・速報システム 未 データ公開システム 未 運用管理システム(コマンド管理など) 未 新しいアイデアが必要だが手付かず のものが多くあり、知恵を借りたい シミュレーション例 2.0 degree 1Crab、1カウンター、1スキャン、 BGDなし 2.0 degree 1Crab、12カウンター、100日、 BGDなし 位置決定は0.1degreeを十分に切る。 一定でない有効面積、NXBの評価などが課題 データの公開について 突発現象については自動パイプライン処理により、地 上でのデータ取得から数十秒以内に速報 上記以外のデータも1日程度を目安に公開 binary、AGNなど主要天体についてはライトカーブを 毎日更新。スペクトルも公開 任意座標のデータの公開も目指す 利用者の意見が不可欠 まとめ MAXIは2008年度打ち上げを目指している MAXIは設計がほぼ終わり製造段階に移りつ つある 比例計数管、CCDカメラの開発は予定の範囲 内で進んでいるが、ソフトウェアが未開発。 データはできる限り早く、制限なく公開の予定
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