学習動機の調査 日下健 西原直人 津川眞希 吉田優駿 山下剛史 このテーマを選んだ動機 「認知カウンセリングから見た学習方法の相談と指導」 1998年 市川伸一 プレーン出版社 第4部2章を読み実際に調査してみることにした。 学生と教職者では調査結果にどのような違いが出るか確 かめるため。 学習動機の2要因モデル 市川は「勉強は何のためにするのか」という教 科学習の動機や目的についての自由回答の結果 を収集して分類し、結果学習動機を6つに分類 しさらに「学習の功利性」「学習内容の重要 性」という2つの要因の組合わせによって構造 化した「2要因モデル」を提案した。 今回使用したのはその「2要因モデル」とその 質問形式である。 学習の功利性 軽視 重 視 学 習 内 容 の 重 要 性 軽 視 重視 充実志向 訓練志向 実用志向 学習自体が楽しい 知力を鍛えるため 仕事や生活に活かす 関係志向 自尊志向 報酬志向 他者につられて プライドや競争心から 報酬を得る手段とし て 学習動機の2要因モデル 予想 学生と教職者では勉強に対する目的が違う ために志向が異なることは予想される。 学生と教職者を比べて 学生はおもに関係志向・報酬志向が強く、 自尊志向・充実志向は弱いと思われ、 教職者は実用志向・充実志向が強く、 関係志向・報酬志向が弱いと思われる。 アンケート内容 概要 勉強及び研究の目的・動機 対象 工大と周辺高校の学生25名 教職者24名 内容 文献に沿った6種類の志向に基づいた36項目の質 問(複数回答) 例 勉強(研究)しないと充実感がないから ライバルに負けたくない 学んだ事を(将来)仕事に生かしたいから 自尊志向, 14, 7% 関係志向, 5, 3% 報酬志向, 13, 6% 報酬志向, 27, 18% 充実志向, 75, 37% 実用志向, 56, 28% 充実志向, 41, 27% 自尊志向, 10, 7% 関係志向, 10, 6% 訓練志向, 39, 19% 教職者の志向 訓練志向, 22, 14% 実用志向, 43, 28% 学生の志向 学生と教職者のグラフの比較と考察 学生は教職者と比較すると、学習内容の重 要視していないためグラフの報酬・関係・ 自尊志向の割合が大きく特に報酬志向の割 合が大きくなっている。 逆に教職者は報酬志向や関係志向といった ものが低くなっている。 また報酬・関係・自尊の割合が少ない代わ りに充実志向の割合が高い。 これは学習自体に意義を感じているかどう かの要因での差異であると考えられる。 学生の学習動機相互の相関関係 充実 訓練 実用 関係 自尊 充実 1.00 訓練 0.45 1.00 実用 0.04 -0.06 1.00 関係 0.13 0.01 -0.21 1.00 自尊 -0.02 0.36 -0.06 0.20 1.00 報酬 -0.46 -0.03 0.13 0.29 0.24 相関が強かった物は訓練ー充実 報酬ー充実でそれぞれ方向性が異なる 報酬 1.00 教職者の学習動機相互の相関関係 充実 訓練 実用 関係 自尊 充実 1.00 訓練 0.60 1.00 実用 0.53 0.51 1.00 関係 -0.04 -0.01 0.02 1.00 自尊 0.28 0.16 0.12 0.50 1.00 報酬 0.21 0.50 0.26 0.13 0.34 相関が強かった物は訓練ー充実など 報酬 1.00 相関表の考察 教職者のほうが学生より相関の強いものが 多い 関係ー訓練は学生・教職者共に相関は弱い 訓練ー充実は学生・教職者共に強い 表を見る限り教職者は内容の重要性を重視 していることがよくわかる。 今後の改良点 アンケート実施人数が少なかった 男女差や年齢による違いがあったかどうか 学生側と教職者側のアンケート内容が同じ点
© Copyright 2024 ExpyDoc