訪問先記録 訪問先: Wells Fargo 所在地: 633 Folsom Street,1st Floor MAC A0149-010 SanFrancisco,CA 94107 Tel: 415(222)5682 Fax: 415(977)9429 面談者: Marcia Schatz、Joe Tansey、Patti Frick、Lisa Novak、 Kevin Travis、Joel Padama E-Mail Address : marcia.Schatz@wellsfargo.com URL http://www.wellsfargo.com/ 訪問日;平成14年9月20日 レポート担当者: 藤綱 郁夫 1 訪問先概要 =企業名= Wells Fargo =事業業容概要= ・カリフォルニア州を地盤とする銀行。消費者金融、企業融資のほか、ベンチャー資本投 資、国際貿易業務等を提供。保険、地銀などの買収・提携により事業拡大を推進 ・総資産 約3150億ドル(全米5位) ・従業員 約134,000名 ・店舗数 約 5,400 ATM 約 6,500台 ・顧客数 約 2000万 ・スーパーマーケットなどに併設する小規模店舗の展開が米銀の中でも最も積極的 (1000店舗以上)で、全米でも最も充実したリテール展開を実現 ・もう一つの特徴は、全米でも最もオンラインバンクサービスに力を入れている点で あり同行の抱える個人顧客のうち、2001年12月現在で実に3分の1の顧客が 同社のオンラインバンクサービスにサインアップしている 2 e-ラーニングの活用状況概要 ◆5400店舗、13万4千名の従業員に対し、95年からE-Learning に取り組んでおり、幅広いコンテンツを利用している。 ◆WF銀行のシステムの開発・運用、ユーザーサポートを行う部門 (WFSC)がファー スト・アダプターであり、ホールセール部門、テレフォンバンキング部門、顧客サービ ス部門など各部門が独自にコンテンツを開発してきた。普及には大いに貢献したが、 システムの統合や情報の一元化が、課題となってきている。 ◆現在は、全社を挙げて統合化を視野に入れながら、専門の推進組織が短期・中 期・ 長期の目標を掲げ、戦略的な普及・発展に取り組んでいる。 3 e-ラーニングの活用状況概要(つづき) ◆長年の経験から、利用を強制するような普及方法は好ましくなく、 個々人が自分のスタイルにフィットする利用方法を提供することが、 「教育の効果」を最大にすることを学んだ。 ◆環境変化に対応するための教配置転換の急増により研修ニーズが 高まる一方、研修予算の削減が進んでおり、E-Learningの役割は ますます重要になってきている。 ◆コンピテンシー管理や研修効果の把握までをカバーする E-Learningを長期目標としてチャレンジしている。 4 E-Learningの導入目的 1.研修コストの削減 2.遠隔学習の実現 3.研修の機会損失の減少 4.研修時間の短縮 5.研修のスピードアップ→収益向上への寄与 6.研修への参加登録、コース管理、研修結果のトラッキン 5 グなどの自動化 E-Learningの定義 E Learning Paper based independent teleconference Instructor-led classroom web conference course online web study virtual class streaming video Eラーニングとはテキスト、集合教育以外のメディアを活用 6 する教育すべてを指している 提供コンテンツ ・顧客サービス ・倫理学 ・セクシャル・ハラスメント ・商品教育 ・法令遵守 ・与信分析 ・オリエンテーション ・営業 ・交渉 ・金融トピックス ・投資支援 ・業務研修 ・マネジメント教育 など 7 研修管理(LMS*) ・Wells Fargo LMS (Saba)** ・Docent** ・Softscape ・Pathlore/Registrar ・Custom-Developed Systems * :Learning Management Systems(デリバリー &トラッキング) **:sabaは全社員用、Dosentは各部門用 8 課題 1.一元化(統合化)が不十分 ・LMSが複数存在 ・コンテンツの管理が不十分(データベースが未整備) ・ベンダーや製品の管理が不十分 2.インフラ ・インターネット・イントラネットへのアクセス環境の ばらつき(帯域、ブラウザ、プラグインなど) ・物理的な学習環境 9 推進組織(E-Learning Working Group) 1.ミッション ・E-Learningの共通ゴールの設定 ・E-Learningに関する情報共有、効果を同等にする ・共通ゴール到達のための戦略立案 2.サブグループ ・インフラ ・ツール・リソース管理 ・ビジネス・ケース ・マーケティング/コミュニケーション/マネジメント 10 短期目標(ゴール) 1.全社統一のガイドラインの作成 2.E-Learningのゴールと戦略の策定 3.全社で使えるVirtual Classroomの提供・管理 4.全社共通のKnowledge on Demandの提供・管理 5.E-LearningのWebサイトの管理 6.ベンダー情報のデータベース化 7.LMSの導入・更新 11 中期目標(ゴール) 1.全社共通のコースウェアの標準開発 2.標準コンテンツを定め、その再利用を促進 3.管理用リソースを定める 4.R&Dの向上 5.E-Learningの外部パートナー、顧客への提供 6.LMSの人材開発への利用 7.コンテンツ管理システム(LCMS)の利用 12 長期目標(ゴール) 1.コンピテンシー管理 2.E-Learningの業績管理指標を把握するためのレポー ト作成 3.WellsFargoのE-Learning認定プログラムの作成 4.コアとなるデザイン/開発チームを作り上げる 13 グループ全体で使えるE-Learning 全社共通のE-Learningツール ・Wells Fargo Learning Management System ・Virtual Classroom System ・Enterprise Knowledge on Demand ・WBT Authoring Best Practice Demonstrations 14 Wholesale University 1.対象 ・国際投資などのホールセールに従事する 約14,000名 2.形態 ・E-Learningと集合研修のブレンデッド 3.効果 ・2日間の集合研修→2-4時間のE-Learningと1日の集合研修 ・講師のコスト、オフィスから離れる時間、出張費などの削減 ・受講者が都合の良い時に学習可能 ・E-Learningにより受講者のレベルが揃い、集合研修が効率化 15 Retail Phone Bank 1.対象 ・テレフォンバンキングに従事する新入社員 2.目標 ・研修時間の削減 ・顧客からの電話の80%に対応可能とする ・銀行員としてのコンピテンシーの向上 ・セールスマンとしての資質向上、商品とサービスの教育 16 Retail Phone Bank(つづき) 3.特色 ・ブレンデッド・カリキュラム (WBT,インストラクターが主導するセッション、生徒による協業 (ロー ルプレイ)、OJTなど) ・CIV(顧客対応用の行員用システムにアクセスする仕組み)を組み 込んだWBT ・実際の業務に即活用可能 ・トラッキングできる 17 Private Client Services (PCS) 1.対象 ・約6000名の顧客サービス部員 2.内容 ・ Knowledge on Demand ・3rdパーティの提供する既成コンテンツ ・Webconference 18 Wells Fargo Services Company (WFSC) Learning Center 1.対象 ・WF銀行のシステムの開発・運用、ユーザーサポート および E-Learningを実施する(主催側)ユーザー 約21,000名 ・いわば WF銀行のファースト・アダプターが対象(また、WF銀行 の E-Learningを牽引してきた) 2.WFSCのミッション ・E-Learningを実現するための システム面(キー・コンポーネント) の統合戦略策定 19 Wells Fargo Services Company (WFSC) Learning Center (つづき) 3.E-Learning用ポータルサイト(http://learning.wellsfargo.com) ・E-Learningの全てのサービスとリソースへアクセスするポータル サイトを提供している ・コンテンツ(約600コース) ・・情報技術 ・・MSオフィス ・・マネジメント/リーダーシップ&専門家の育成 ・・銀行業務(オペレーション、リテール)、IT関連のカスタマイズした コンテンツ 20 Wells Fargo Services Company (WFSC) Learning Center (つづき) 4.“Learning Cafe” ・ITに関する手軽な遠隔学習環境の提供 5.その他 ・デリバリーシステムに関する 技術インフラとサポートの提供 ・統合戦略の立案 21 Eラーニングに対する基本的スタンス ◆部門先行のE-Learningの開発・普及の歴史・ノウハウを活かしなが ら、全社統合に取り組む。 ◆コンテンツ作成は、専門家に任せず、利用者が担う。 ◆「教育」のスタイルは個々人で異なる。各人にフィットした方法を提供 することが、「効果」を最大とする。普及率の追求にこだわるのは意味 がないことを経験から学んでいる。 22 質疑応答 Q1.E-Learningの全社統合は、どのような形で推進しているのか? トップダウンで行っているのか? A1.全てを統合するのではなく、統合の効果が見込まれるものに限 定している。 トップダウンで進めてはいない。統合の主体は、それを行ってい る 部門がイニシアチブを握って進めている。 Q2. Knowledge on Demandの利用者は誰か? A2.コンテンツの作成者。コンテンツ作成の専門家はいない。 E-Learningでは誰もが作成できることが重要。 23 質疑応答(つづき) Q3.E-Learningを促進させるための工夫は? A3.95年からE-Learningに取り組んできて、失敗を重ねながら解っ たことがある。それは、「最適な方法というものは存在しない。学 習のスタイルは個人々々マチマチである。」ということ。学習者 が自分のスタイルに合ったものを選択する方式が、効果を引き出 すキモである。 ただ、職場環境は大きく変化しており、研修予算が削減され、 E-Learningの比重は否応なしに高まってきている。また、組織 変更が頻繁になり、人事異動に伴う研修のニーズが増え、これに 対してもE-Learningが大きく貢献している。 24 質疑応答(つづき) Q4.研修にしめるE-Learningの割合は? A4.特に進んでいるWFSCで、約75% Q5.E-Learningにとって、ブロードバンド(高速接続環境)は必要か? A5.必ずしも必要でない。コンテンツの内容の方が重要である。 また、コンテンツ作成の技術も進歩してきており、帯域が狭くても リッチコンテンツを作成できるようになってきている。 25
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