European Cartel Enforcement and the Possible

欧州競争法の動向
Recent Developments in European Competition law
Cartel enforcement
Dr Ariel Ezrachi
The University of Oxford Centre for Competition Law & Policy
1
Recent Debate
競争法をめぐる最近の話題

Cartel enforcement
公的カルテル規制の強化

Private enforcement
市民的責任追及システム

Dominance and the abuse of dominance
優越的地位とその濫用への対応
2
Extraterritorial Application
競争法と域外適用(1)

What is Extraterritorial Application?

Why it is necessary?
3
Extraterritorial Application
競争法と域外適用(2)






Examples involving Japanese Companies
変電所設備カルテル事件(2007)
日立、東芝、三菱電機、富士電機
高画質ビデオテープ事件 (2007)
ソニー、日立マクスウェル、富士フイルム
板硝子カルテル事件
鋼管カルテル事件
食品添加物カルテル事件
4
Three Major Tools
3つの主要なツール

Article 81 EC 競争法第81条

Article 81 EC 競争法第82条

The European Merger Regulation 欧州合併規則
5
The Wide Range of Article 81
競争法第81条の規制対象
Agreement 談合
 Object or Effect 目規制の目的と効

・Price fixing 価格協
定
・Market sharing 受
注調整
・Output limitation
生産調整
・Bid rigging 入札妨
果
害

Concerted Practice 同調行動
6
The Anticompetitive Effect of Cartel
カルテルの問題点(1)
*カルテルが存在しない場合
When there’s no Cartel
企業間競争が、技術革新と効率性を追求さ
せ、結果的に価格競争を促し、選択の幅を
増やし、消費者全体に利益をもたらす。
10
9.5
11
9.5
10
7
The Anticompetitive Effect of Cartel
カルテルの問題点(2)
*カルテルが実施された場合
When a Cartel is formed
企業間の競争がなくなり、結果的に価格上昇、品質
低下などの弊害を消費者全体に及ぼす。
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11
11
11
11
8
The Anticompetitive Effect of Cartel
カルテルの問題点(3)


生産量の減少 Reduced Production
価格の上昇 Rise of Price
カルテル価格
本来の市場価格
D
Q
9
The Leniency Programme
内部告発奨励制度





カルテルに内在する脆弱性
Inherent Instability
課徴金の免除 Fine Exemption
課徴金の減額 Reducted Fine
マーカー・システム Marker
情報の非公開 Non-disclosure
System
of Information
10
Investigation Powers
欧州委員会の査察権限




欧州員会決定1/2003
Article 18・19 EC:情報提供義務
Article 20 EC:立入査察権
Article 21:私宅その他への立入査察権
11
Administrative Fines
行政罰としての課徴金(1)
課徴金算定の新ガイドライン
New Guide Lines for Calculation
課徴金の高額化 Increase in Fines
 最低課徴金 Entry Fee
 再犯課徴金 Repeated Offenders

12
Administrative Fines
行政罰としての課徴金(2)
新しいガイドラインは、違反行為が及ぼすマイナスの経済効果および
違反企業がその中で果たした役割をこれまで以上に課徴金の額に反映
させることができる。今回の改訂は、①最低課徴金、②違反継続期間
と課徴金額の連動、③累犯に対する高額課徴金という3つの新しい制
度を導入しているが、それが企業に送るメッセージは明白である。
独禁法違反を犯すな! 犯してしまったら、できるだけ
早く手を引け! 一度手を引いたら、二度と手を出すな!
最低課徴金制度の導入によって、企業は自らの違反行為を遅滞なく公
正取引委員会に報告することが義務づけられ、これを無視した場合に
は、非常に高いツケを払わされることになるだろう。
Commissioner Neelie Kroes
13
Administrative Fines
行政罰としての課徴金(3)



2005年の合計額
2006年の合計額
2007年第1四半期
1,088億円
2,280億円
3,200億円
14
Administrative Fines
行政罰としての課徴金(4)

Optimal Enforcement?
現行課徴金制度は有効か?
EU公正取引委員会は、合衆国の公正取引委員会と
異なり、カルテル企業に刑事罰を科すことができな
い。しかしながら、厳しい行政罰(課徴金)をもっ
て臨むという我々の姿勢は、刑事罰と同じ抑止効果
を生み出している。
Commissioner Neelie Kroes
15
Administrative Fines
行政罰としての課徴金(5)

現行課徴金制度の問題点



High deterrence? 高額化の限界
Agency problems 課徴金負担者
複合的制裁効果




Aggregated deterrent effect
Multiple jurisdiction 複数の関係国による課徴金賦課
Criminalisation 刑事罰(懲役刑)による制裁
Director’s disqualification 役員の資格停止
Private enforcement 市民的責任追及システム
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Criminalisation
刑事罰による制裁
OECD Competition Com.
WP 3 Working Paper
企業の首脳がカルテルに加わるかど
うかを決める際に、もっとも強力な
抑止力となるのは、 「刑務所に入る
可能性」である 。
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Director’s Disqualification
取締役の資格停止


イギリスの取締役資格停止命令
最長15年の資格停止
18
Private Enforcement
市民的責任追及システム
The public value of private actions
その社会的意義


悲観論:Ashurst Study
楽観論:Green Paper
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Concluding Remarks

Bilateral Cooperation
日欧公正取引員会間の相互協力

Multinational Developments
多国間の協力

Cumulative Effects
複合的効果
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