A-13 骨モデルとしてのキンギョウロコの 再生における60Hz交流磁界の影響評価 環日本海域環境研究センター 生体機能計測研究部門 髙田 智也 目次 1.研究背景と目的 2.面積再生率の評価方法 3.カルシウム量再生率の評価方法 4.面積再生率の評価 5.カルシウム量再生率の評価 6.まとめと今後の課題 1.研究背景 交流磁界による難治性骨折の治癒促進の報告 静磁界による動物の骨密度上昇の報告 など 医療応用 骨折、骨粗鬆症 治療など しかし、骨の形成における磁界の影響、 メカニズムは明らかではない 1.研究目的 60Hz交流磁界が骨の再生に どのような影響を与えるか 60Hz交流磁界 商用周波数で医療機器に 応用しやすい 骨モデル キンギョのウロコ 骨芽、破骨細胞を持つ ヒトの骨をスライスしたような構造 培養が容易で再生がはやい ウロコの面積、カルシウム量の再生に注目! 1.交流磁界発生装置 周波数 60 Hz 磁束の向き 励磁コイル 実験空間 最大磁束密度 20 mT 2.ウロコの面積再生実験の方法 キンギョから実験前のウロコを 左右10枚ずつ採取 Control 8匹 Exposure 8匹 Control(磁界非曝露)とExposure (磁界曝露)に分けて10日間飼育 磁束密度4mTを使用 10日後 キンギョから再生ウロコを採取 2.ウロコの面積再生の評価方法 データ化 採取したウロコを スキャン 面積再生率 = 画像解析ソフトによって 面積を測定 再生ウロコの面積 1mm 実験前のウロコの面積 1mm ControlとExposureの面積再生率を比較 3.ウロコのカルシウム量再生実験の方法 キンギョから実験前のウロコを 左右12枚ずつ採取 Control 8匹 Exposure 8匹 Control(磁界非曝露)と Exposure(磁界曝露)に分けて飼育 磁束密度4mTを使用 10日後 14日後 キンギョから再生ウロコを採取 3.ウロコのカルシウム量再生の 評価方法 ウロコの重量、カルシウム濃度を測定 ウロコ1mgあたりのカルシウム量を計算 カルシウム量 = 再生率 再生ウロコ1mgあたりのカルシウム量 実験前のウロコ1mgあたりのカルシウム量 ControlとExposureのカルシウム量再生率を比較 4.ウロコの面積再生率の評価 0.9 0.8 t 検定 8% 3% 10days(a)→有意差なし 0.7 10days(b)→有意差なし 面積再生率 0.6 0.5 Control Exposure 0.4 再現性なし 0.3 0.2 60Hz交流磁界に よる影響はない 0.1 0.0 10days (a) 10days (b) 5.ウロコのカルシウム量再生率の評価 1.6 1.4 20% t 検定 22% 10days→有意差なし * 14days→有意差あり カルシウム量再生率 1.2 1.0 Control Exposure 0.8 0.6 0.4 14日間の曝露で 60Hz交流磁界による 影響がみられた 0.2 0.0 10days 14days *:P < 0.05 6.まとめと今後の課題 まとめ 交流磁界 ・60 Hz 曝露 ・4 mT ・10 or 14 days 面積再生 →10日間の磁界曝露で影響なし カルシウム量再生 →14日間の磁界曝露で影響あり →カルシウムの再生を阻害する傾向 ・渦電流によってCa2+が電気泳動を起こした ・Ca2+以外の物質が磁界影響を受け、その作用で再生が阻害された 今後の課題 カルシウム量の再生に変化を与えた原因の解明 異なる磁界曝露条件での影響評価を行う
© Copyright 2025 ExpyDoc