純チタン板の多段深絞り加工における アルミ青銅ダイスの摩耗に関する研究 塑性加工研究室 今井雅浩 耐焼付き性大 焼付いた製品 アルミ青銅ダイスの適用 耐摩耗性が劣る 極深容器の成形 59 1段 2段 ・ダイス形状 ・潤滑剤 3 焼付いたダイス ・皮膜種類 3段 4段 5段 6段 7段 8段 9段 10段11段12段 市販材の適用 材種 JIS2種 処理方法 陽極酸化 ビッカース硬さ HV=165.8 皮膜厚さ 0.29μm 平均結晶粒径 16.9μm 材種 JIS1種 処理方法 窒素雰囲気焼鈍 ビッカース硬さ HV=153.6 皮膜厚さ 1.36μm 平均結晶粒径 25.3μm カラーチタン板 窒化皮膜処理チタン板 多段深絞り加工条件 パンチ パンチ Φ19.0 スリーブ しわ押え R4 Φ20.0 (a)1段目 60 ° R2 ダイス ダイス (b)2-5段目 段数 1 2 3-5 絞り比 1.71 1.3 1.2 ダイス 超硬合金 アルミ青銅 パンチ SKD11 SKD61 クリアランス 0.5 mm 潤滑剤 硫黄系油性潤滑剤 (CD400) 加工個数 1000個以上 (100個ごとに測定・観 察) 焼付き発生に及ぼす皮膜種類の影響 1段目 カ ラ ー チ タ ン 板 窒 化 皮 膜 チ タ ン 板 2段目 加工個数n=1000個 3段目 100μm 100μm 100μm 100μm 100μm 100μm アルミ青銅ダイスの摩耗に及ぼす皮膜種類の影響 初期形状 カラー n=1000 窒化 n=400 窒化 n=1000 0.8 摩耗量 /mm テーパ部 R部 0.6 窒化 カラー 拡大 0.4 2段目 2段目 3段目 3段目 ダイス 0.2 摩耗量 0 0.5mm 2段目 3段目 200 400 600 800 1000 加工個数n アルミ青銅ダイスの摩耗による直径の変化(3段目) 直径変化量 /mm 0.15 0.1 0.05 窒化 ダイス 製品 製品許容範囲 ダイス 0 -0.05 -0.1 0 ピンゲージ カラー ダイス 製品 200 400 600 800 1000 加工個数n 通過した最大ピン直径を ダイス直径とした 肉厚ひずみに及ぼすダイス摩耗の影響(3段目) 0.05 0 n=1 n=500 n=1000 R部 -0.05 0.1 肉厚ひずみ 肉厚ひずみ 0.1 0.05 0 -0.05 -0.1 -0.1 -0.15 0 -0.15 0 5 10 15 20 中心からの距離 /mm カラーチタン板 n=1 n=500 n=1000 R部 5 10 15 20 中心からの距離 /mm 窒化皮膜処理チタン板 窒化皮膜チタン板における2段目ダイス形状の変更 30° 60° Φ16.0 Φ16.0 テーパダイス パンチ ダイス Rダイス 1段目 2段目 材質 SKD11 SKD61 R 2.0 1.0 材質 超硬合金 アルミ青銅 潤滑剤 硫黄系油性潤滑剤 ブランク 窒化皮膜処理チタン板 加工個数 400個以上 窒化皮膜処理チタン板におけるアルミ青銅ダイスの摩耗 加工前 n=400個 n=400個 0.4 0.3 ダイス半角60°2段目 ダイス半角60°3段目 ダイス半角30°2段目 Rダイス 2段目 0.2 0.1 0.5mm テーパダイス 摩耗量 /mm 0.5 Rダイス 0 100 200 300 加工個数n 400 窒化皮膜処理チタン板におけるダイスと製品の直径の変化 直径変化量 /mm 0.15 0.1 製品許容範囲 0.05 0 -0.05 -0.1 0 ダイス半角60° ダイス半角30° Rダイス 100 ダイス直径 ダイス直径 ダイス直径 200 加工個数n 300 製品直径 製品直径 製品直径 400 窒化皮膜処理チタン板の潤滑剤による焼付き防止 n=1個 パンチ ダイス 1段目 2段目 材質 SKD11 SKD61 R 2.0 1.0 材質 超硬合金 n=400個 1 段 目 アルミ青銅 R 4.0 2.0 絞り比 1.71 1.33 ブランク 窒化皮膜処理チタン板 潤滑剤 ステアリン酸Ca+CD400 加工個数 400個以上 100μm 100μm 100μm 100μm 2 段 目 窒化皮膜処理チタン板におけるアルミ青銅ダイスの摩耗 加工前 n=400個 0.5mm 摩耗量 /mm 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 ダイス形状の変化 CD400 (2段目) CD400 (3段目) ステアリン酸Ca+CD400 (2段目) 100 200 300 加工個数n 400 窒化皮膜処理チタン板におけるダイスと製品の直径変化 直径変化量 /mm 0.15 0.1 ステアリン酸 Ca+CD400 CD400 ダイス直径 ダイス直径 製品直径 製品直径 製品許容範囲 0.05 0 -0.05 -0.1 0 100 200 加工個数n 300 400 まとめ •皮膜による焼付き防止効果は,加工個数の増加とと もに低下する. •陽極酸化皮膜は,窒化皮膜より摩耗低減効果がある. •ダイス形状の変更では,大きな改善にはいたらなか った. •潤滑剤にステアリン酸Caを添加することにより, アルミ青銅ダイスの摩耗が低減された.
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