初級日本語 L51 初級日本語 L52

初級日本語 L51
初級日本語 L52
受動表現 - まとめ
能動文
先生 が 学生 を 叱った。
虎
が らくだ を 襲った。

受身文


宿題を忘れて、学生 が 先生 に 叱られた。
草原で、
らくだ が 虎
に 襲われた。
受動表現 - 動詞変化
受動表現 - 動詞変化
直接受身表現 (ひと)

直接受身文では、主語が直接コントロールでき
ない影響を受けることを表す。

「兄は弟に殴られた」では、「兄」は『殴る行
為』をコントロールできない。

「犯人は警察に逮捕された」では、「犯人」は
『逮捕する行為』をコントロールできない。
直接受身表現 (ひと)

能動文:「~ を」 → 受身文:「~ が (は)」
TさんがQさんを殺した。
→ QさんがTさんに殺された。
先生がその生徒を褒めた。
→ その生徒は先生に褒められた。
直接受身表現 (ひと)

能動文:「~ に」→ 受身文:「~ が (は)」
TさんがQさんに借金を頼んだ。
→ QさんがTさんに借金を頼まれた。
彼女は彼に婚約指輪を突き返した。
→ 彼は彼女に婚約指輪を突き返された。
知らない人は私に道を聞いた。
→ 私は知らない人に道を聞かれた。
直接受身表現 (もの)

動作主が分からない時

動作主が存在するが、事柄に視点を置きたい時
視点を置くものを主語とし、
動詞は他動詞の受身形を使う。
例 : 駅前の自転車置き場で、また自転車が盗ま
れた。

この辞書は、よく使われている。

卒業式は、明日10時から講堂で行われる。

2002年のワールドカップは日本と韓国の両国
で開催される。

以前ここにあったビルが取り壊された。

オリンピックは北京で開かれた。
間接受身表現

間接的に影響を被るものを主語に立てる表現。

通常、主語は「人間」である。

能動文と明確に対応しない受身文である。
迷惑 (被害) の受身

第三者の受身とも呼ばれる。

能動文には現れない、受身文で表現されて初
めて迷惑を被った「人」が表される。
例:ねずみが巣を作った。
→ トムさんはねずみに巣を作られた。
息子が車を買った。
→ ジェームズさんは息子に車を買われた。
持ち主 (所有) の受身

所有者を主格にして、その人の所有するもの
にその動作、行為が及んだことを表す。

所有物を主語にした直接受身文はやや不自然
な文になる。
持ち主 (所有) の受身
例:母は私の漫画を捨てた。
→ 私は母に漫画を捨てられた。
? 私の漫画は母に捨てられた。
誰かが私の足を踏んだ。
→ 私は誰か足を踏まれた。
? 私の足は誰かに踏まれた。

満員電車の中で、(私の)足が踏まれた。

昨日、買い物をしている時、 (私の)財布が盗ま
れた。

彼氏から和子への手紙が母親に読まれた。

今日、学校で太郎の傘が誰かに間違えられた。
意味は分かるが、
日本人には変な日本語に聞こえる。

満員電車の中で、(私は)足を踏まれた。

昨日、買い物をしている時、 (私は)財布を盗まれた。

和子は、母親に彼氏からの手紙を読まれた。

今日、学校で太郎は、誰かに傘を間違えられた。
影響を受けた人を主語として、
その人に起こったことを受身文で表すのが日
本人の言語感覚である。
直接受身文の格標識
万有引力はニュートンによって発見された。

枕草子は清少納言によって書かれた。

ピラミッドは古代のファラオによって建てられた。
? この料理は彼によって作られた。
直接受身文の格標識

太郎は多くの人 {に/ から} 恨まれている。

彼の小説は多くの人 {に/ から} 愛されている。

彼は彼女 {に/ から} じっと見られて、赤くなった。

彼は皆 {に/ から} クラスの班長に選ばれた。
受動表現
直接受身:主語が動作の影響を直接受けるもの
間接受身:主語が動作から間接的に影響を受け
るもの
迷惑の意なし
迷惑である
使役表現 - 動詞変化
使役表現 - 動詞変化
使役表現

ある人が他の人に〈何かをするように指示する〉
意味を表す。

使役文は「せる・させる」を使う。

被使役者の行為や状態を 〈強制〉 、あるいは
〈許容〉することを示す。
使役表現

自動詞の使役
例: (母親が) 弟を/に買い物に行かせる。
← 弟が買い物に行く。
能動態
先生が学生を/に学校に来させる。
← 学生が学校に来る。
能動態
使役表現

他動詞の使役
例: (母親が) 赤ちゃんにミルクを飲ませる。
← 赤ちゃんがミルクを飲む。
能動態
上司が 部下に計画を実行させる。
← 部下が計画を実行する。
能動態
使役表現

他動詞使役形の場合は助詞「に」を使う。
例:お父さんは、子供に絵を画かせた。
使役表現

母親が子供を買い物に行かせる。

母親が子供に買い物に行かせる。

「を」:被使役者に意思に反して動作を行わせる。

「に」:被使役者の意思があり、その意思を尊重し、
使役者がそうさせてあげる。
使役受身表現

もとになる使役は 〈強制使役〉 のみ、〈許容使役〉
は不可。

主語が誰か (何か) に特定の動作を強制される意味
になる。
学生が勉強する。
→ 先生が学生を勉強させる。
強制使役
→ 学生が先生に勉強させられる。
使役受身態
← 食べさせる
← 穿かせる
飲ませる →
持たせる →
← 見せる?
見させる?
← 着せる?
着させる?