RFIDによる図書館運用

図書館講演会「大学図書館の今とこれから」
@九州大学附属図書館(03.1.28)
RFIDによる図書館運用
~図書館の電子化・自動化に向けて~
九州大学附属図書館研究開発室
喜田拓也・南 俊朗・藤崎清孝
三島由紀夫 原作「鹿鳴館」舞台より
http://www.nifty.ne.jp/forum/ftheater/
topic/02-05/rokumei/story.htm
自己紹介

三人の簡単な自己紹介
喜田拓也
南 俊朗
藤崎清孝
(きだたくや)
(みなみとしろう)
(ふじさききよたか)
九州大学附属図書館:
研究開発室:講師
博士(情報科学)
専門:基礎情報学・
電子図書館技術
http://kushida.cc.kyushu-u.ac.jp/
~kida/
[email protected]
九州情報大学:
経営情報学部経営情報学科:教授
(兼)九州大学附属図書館:
研究開発室:特別研究員
博士(理学)
専門:図書館学・情報科学・
エージェントシステム
http://www.kiis.ac.jp/~minami/
[email protected]
九州大学:
大学院システム情報科学研究院
情報工学部門 情報通信講座:助教授
博士(工学)
専門:電磁波利用技術開発・
衛星通信
http://www-emlabo.csce.kyushu-u.ac.jp/
~fujisaki/japanese/
[email protected]
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
2
講演内容





図書館の電子化・自動化
RFID技術の図書館への適用
RFID技術詳解 (→藤崎先生)
RFIDシステムの運用事例 (→南先生)
まとめ


RFタグの利点・欠点
RFID技術の将来について
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
3
RFID技術の図書館への適用
図書館の電子化・自動化
RFID技術の図書館への適用
RFID技術詳解
RFIDシステムの運用事例
まとめ
図書館電子化の背景

利用者の環境変化
情報技術の急速な発展(情報機器の高速化・小型化・大容量化)
→ PC、携帯端末(PDA・携帯電話)の普及
 ネットワークの普及
→ 大量の情報に瞬時にアクセス
→ 場所・時間・人を問わない情報の取得
→ ユビキタス(ubiquitous:遍在)な環境

A. C. クラーク
「進んだテクノロジは魔法と変わらない」

大学図書館の環境変化

国立大学独立行政法人化
→ 経費削減・アウトソーシング(外部委託)
→ 時代にあったサービスが求められている
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
5
図書館の電子化
 電子図書館 → 確立した定義はない
 辞書定義の例:
 出版物や論文などの全文をコンピュータに蓄積しておき、ネットワー
クを使い、図書館に行かなくても必要としている情報を書名だけで
はなく、内容全文を検索できたり、閲覧できたりする図書館のこと。
(小学館Bookshelf)
 インターネットを活用した情報サービスのひとつで、図書館や博物
館、大学などがすすめている電子目録検索システムや、電子化した
著作物の閲覧および利用システムのこと。図書目録などの電子検
索システムの構築をめざす場合と、著作物などの内容そのものをデ
ジタル化してネットワーク上での閲覧を可能にする場合とが考えら
れ、後者の場合には、著作権やデータの保存形式の問題などを克
服する必要がある。(MSエンカルタ)
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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電子図書館とは

電子図書館(南先生による定義)


ネットワーク情報社会(IT社会)における情報サービス機関としての
図書館機能全般
電子図書館化
Library Automation & Digitization
= 現在の図書館機能 + 自動化&電子化


自動化 → 量的改善 = 業務の効率化(省力化)
電子化 → 質的改善 = コンテンツのディジタル化による
従来サービス高度化
新規サービス提供
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
7
図書館の電子化・自動化の意義

自動化技術による業務の省力化

自動認識技術による図書館自動化
→ 浮いた人員で新しいサービス実施



Online Referenceサービスの強化
デジタル教材コンテンツ作成
電子化によるサービス向上


蓄積されたアナログ情報の一般公開促進
独自コンテンツによる収益
→ 図書館の地位・魅力向上

自動化を同時に進めないと図書館の電子化は困難
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
8
RFID技術の図書館への適用
図書館の電子化・自動化
RFID技術の図書館への適用
RFID技術詳解
RFIDシステムの運用事例
まとめ
自動認識技術について

自動認識(Automatic Identification)とは

「人間を介さず、ハード・ソフトを含む機器により自動的にバーコー
ド・磁気カード・RFIDなどのデータを取込み内容を認識すること」
社団法人日本自動認識システム協会
1. バーコード
二次元コード
Bar Code / 2D Symbology バーコードは、幅の異なるバーとスペースの組合せにより
データをコード化したシンボル。二次元コードは縦横両方向にデータを持たせたシンボル
で、スタックタイプとマトリックスタイプがある。
2. RFID
Radio Frequency Identification カード状またはタグ状の媒体に、電波を用いてデー
タを記録または読出しを行い、アンテナを介して通信を行う認識方法。
3. バイオメトリクス
Biometrics 生体認識。指紋・網膜・虹彩・音声など、生物個体が持つ特性により認識す
るもの。
4. 磁気ストライプ
Magnetic Stripe カードなどに付けた磁気ストライプの磁気変化によりデータを記録し
たり読出したりする。代表的なものとしては銀行のキャッシュカードやクレジットカードなど
がある。また定期券・テレホンカードなども含まれる。
5. OCR
Optical Character Recognition 光学的文字認識のことで、印刷または手書き文字を
光学的に直接読取り認識するもの。
6. マシンビジョン
Machine Vision カメラ等で読込んだ画像データをコンピュータにより処理すること。
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
10
RFID技術とは

無線を使用した識別システム
(Radio Frequency Identification)
カード状またはタグ状の媒体に電波を用いてデータを記録・
読出しを行い、アンテナを介して通信を行う認識方式
RFタグ
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
11
RFタグの図書への貼付による自動化

何ができるようになるのか


非接触でそのID情報を読み取ることができる。
その効果



貸出・返却処理の効率化・自動化
→ 複数冊の同時処理(マルチリード/ライト,アンチコリジョン)
→ 利用者による貸出・返却
→ ゲートでの自動貸出処理
蔵書の配架管理が劇的に効率化
→ 誤配架の発見が容易
→ 大規模図書館での蔵書点検実施が実現可能
→ 配架場所への利用者のナビゲーション
タトルテープとバーコードの機能を一枚のタグで置き換えられる
→ 受け入れ処理の手間が軽減
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
12
既存技術との比較

タトルテープ



バーコード




磁気による検出
1bitの情報量しか保持できない → 貸出処理済みか否か
光学方式による検出 → 読取装置をかざす必要がある
本のID程度の情報しか保持できない
低コスト
RFタグ


電磁波による検出 → 装置の上に置くだけで処理できる
数十~数百バイトのメモリ領域 (日本語全角文字で50文字)



システム領域+α
タトルテープと同様に使える1bitがある
CPUによる暗号処理等の高度機能可
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13
RFID技術詳解
図書館の電子化・自動化
RFID技術の図書館への適用
RFID技術詳解
RFIDシステムの運用事例
まとめ
RFIDシステムの分類
伝導媒体方式
電磁結合方式
静電結合方式
電磁誘導方式
マイクロ波方式
光方式
情報識別型
分類データベース
記憶情報
アクセス方式
電源方式
書き込み距離
形
状
能動型
受動型
密着型
近接型
遠隔型
ラベル形
筒形
コイン形
カード形
箱形
スティック形
相互誘導
静電誘導
誘導電磁界
放射電磁界
近赤外光線
数10バイト
数Kバイト
RO型
読取専用型(Read only)
WORM型 単一書込み/読取専用型(Write Once Read Many)
RW型
読み書き可能型(Read Write)
電池内臓型
電池レス型(アンテナから供給)
0~数mm
数mm~数10m
数10m~数m
ラベル形状で薄形
直径数mmの円筒状
直径20mm程度のコイン状
54×86×数mmのカード状
タバコ箱程度の箱状
直径数mmの棒状
http://www.aimjapan.or.jp/bkindex/rfid/RFID_web/kiso/p07.html
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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非接触システムの主要構成
クロック
エネルギー
リーダ ※
非接触
データキャリア
= トランスポンダ
データ
アプリケーション
※インテロゲータ (質問器) とも呼ぶ
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RFIDの結合方式
電磁結合方式
送信
マイクロ波方式
変調
受信
磁界
複調
送信
変調
受信
複調
リーダ
トランスポンダ
送信
受信
受信
送信
リーダ
電磁誘導方式
トランスポンダ
光方式
送信
送信
受信
変調
変調
受信
複調
f0
送信
電波
変調
分周
受信
送信
複調
リーダ
受信
変調
f0/2
トランスポンダ
リーダ
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
トランスポンダ
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トランスポンダの基本的な構成
チップ
結合コンポーネント
(コイル,アンテナ)
ハウジング
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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トランスポンダの構造







円盤形とコイン型
ガラスケース
プラスチックケース
キー型とキーホルダー型
時計型
ICカード
スマートラベル
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
19
トランスポンダの構造
ラベル型
カード型
コイン型
スティック型
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
20
RFタグの特徴

システムは電磁波を発生



無線システムとして分類される
→ 他の無線業務機能を妨害してはならない
モノ用タグの一般的なもの → 13.56MHz帯
RFタグの限界



国内電波法による出力装置の規制がある
→ 交信距離はせいぜい50cm
タグの通信には指向性がある
→ 貼付位置に制限がでる
金属表面には貼付できない(金属が付近にあると交信距離が減)
→ 金属棚においた場合、端にある本のIDが読み取り困難
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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使用周波数と使われ方
(cm)
共振型タグ
印刷タグ・安価
近傍型(長波)
単機能認識
200
〔特徴〕 読込み判別
〔用途〕 仕分け管理
ISO15693
〔特徴〕 普及型低速
〔用途〕 入退室管理
物品管理
動物管理
交信距離
近傍型(短波)
使い易さと
安価・安全性
150
セキュリティ性重視
ISO14443
〔特徴〕 CPU内蔵
〔用途〕 電子財布
プリペイドカード
免許証
防犯タグ
50
〔特徴〕 読書き高速
水などで遮蔽
〔用途〕 車両認識
(車、コンテナ)
物流管理
〔特徴〕 読書き低速
多重RW可
〔用途〕 図書管理
入退室管理
密着型
(電磁結合)
100
マイクロ波
(電池内蔵)
読取り距離大
近接型(短波)
マイクロ波
(無電地型)
使い易さと安全性
低価格化
〔特徴〕 読書き高速
多重RW可
〔用途〕 電子乗車券
電子認証
〔特徴〕 小型
安価
防犯タグ
5.8G
2.45G
10K
125K~
100K
4.91M~
10M
13.56M
100M
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1G
周波数 (Hz)
22
13.56MHz 電波法

側波帯域輻射の発生による制限


電磁防護


13MHz±7kHzの外側の側波帯の輻射規制が 500μV/m (距離3m
で)
電波法施行規則 第二十一条の三「電波の強度に関する安全施設」
→ 規制値を超える場合は立ち入り出来ないように柵を設ける
→ 携帯電話の基地局等が主な対象だが、RFIDも対象に入る
2002年9月に規制レベルの改正(新電波法)




改正前は日本ではヨーロッパよりかなり厳しい制限があった
改正後はヨーロッパとほぼ同等
改正後は設置許可不要、免許不要(無線設備→高周波利用設備)
メーカーの自主規制が問われる
→ 他の無線局等への干渉妨害、人体や医療機器への影響に配慮
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
23
電波法改正によるRFタグの影響

リーダー・ライタの設計自由度の増加


RFIDの普及



距離10mの電界強度で規定
→ 通信距離が長くなる
→ 大型アンテナが可能
改正前:製品全数の技術適合証明が必要
改正後:機種毎の型式認定 → コストが低くなり、設置が容易に
欧米製品との競争激化

欧米と日本の規制レベルが同等
→ 欧米のRFID機器を輸入しやすくなる
→ 国内のRFID機器を輸出しやすくなる
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
24
最近のICチップ動向と世界標準

ICチップの現在の動向は世界標準が進んでおり、
下記に集約されつつある。
メーカー
製品名
周波数帯
規格
容量
アンチコリジョン
伝達距離
インフィニオン
my-d(55V)
13.56MHz
ISO15693
320-1280byte
10枚/秒
50cm
TI
Tag-it
13.56MHz
ISO15693
256byte
50枚/秒
50cm
フィリップス
I-Code
13.56MHz
ISO15693
64byte
20枚/秒
50cm
フィリップス
I-CodeSLI(2)
13.56MHz
ISO15693
128bytge
20枚/秒
50cm
ICチップの規格
モノ用タグはアプリケーションによって要求が異なる
→ 市場評価の強いものがデファクト・スタンダード(事実上の標準)になる
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
25
機器の人体への影響について

東京多摩市の市立図書館(昨年10月)






11月14日付け朝日新聞の記事
タトルテープの盗難防止装置
職員が頭痛やめまいを訴えた
カウンター上で約6千ミリガウスの磁界を測定
別の図書館でも同じ装置を使っていたが問題なし
RFタグの機器の場合


携帯電話よりも微弱な電波
人体に影響ない?
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
26
RFIDシステムの運用事例
図書館の電子化・自動化
RFID技術の図書館への適用
RFID技術詳解
RFIDシステムの運用事例
まとめ
RFIDシステム適用事例



宮崎県北方町立図書館
シンガポール公共図書館
九州大学附属図書館筑紫分館
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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宮崎県北方町立図書館
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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ゲート
内田洋行提供
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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カウンター
内田洋行提供
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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貸出処理インタフェース
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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RFタグ読取装置
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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利用者カードと
RFタグ添付例
内田洋行提供
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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貼付例その2
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貼付例その3
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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開架図書
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自動貸出処理機
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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ポータブル蔵書点検装置
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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しゃもじ型ハンディR/W
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蔵書点検の様子
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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シンガポール公共図書館

シンガポール Buki Batok Community Library(BBCL),
1998年11月~

NLB(National Library Board)所管の15ほどある
公共図書館の1つ。ショッピングモール内で開館。

本に取り付けたICタグにより貸出・返却処理を効率化
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自動貸出装置
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
43
自動返却装置
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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ゲートシステム
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ハンディR/W装置
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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九州大学附属図書館筑紫分館




三菱マテリアル株式会社と
チェックポイントシステムジャパンとの共同研究
チェックポイント社製のRFタグ
13.56MHz
約5000冊に貼付済み
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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外観
表札
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入り口
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ゲートシステム
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タグ貼付例
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ラベルプリンタ
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開架棚
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カウンター
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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リーダ・ライタ装置
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自動貸出処理装置
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蔵書点検用ハンディR/W装置
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筑紫分館への導入時に発生した諸問題

メモリ機能をどう使うか
図書IDと大学ID
→ 大学のIDにどのようなコードを用いるか → JISコード
 利用者に関する情報を入れられないか?
→ 個人を特定できる情報は駄目


ゲート付近に金属があると感度が落ちる


プラズマビジョンの影響で交信距離が短くなった
タグの貼付ミス・ラベルの印字ミス
総発行数4985枚中、145枚が使用不能に
 ごく少数はICチップの初期不良も
 タグの張替えは手作業 → 本を傷めずに丁寧にはがす必要がある


基幹システム(NEC:LICSU-LX)との連携に障壁

基幹システムとRFIDシステム間のインタフェース標準
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まとめ
図書館の電子化・自動化
RFID技術の図書館への適用
RFID技術詳解
RFIDシステムの運用事例
まとめ
RFタグの利点・欠点

利点





貸出・返却処理の効率化・自動化・簡便化が可能
蔵書の配架管理が劇的に効率化される
タトルテープとバーコードの機能を一枚のタグで置き換えられる
非接触とメモリ機能を生かした新サービスの可能性
欠点



電磁波を用いるため、金属による遮蔽が容易
→ ノートPCと重ねてゲートを通過されると検知できない
→ 金属棚に配架している場合は点検作業がやや面倒
寿命がある
→ 張替え作業が必要(しかも重ねて張れない)
(今のところ)値段が高い
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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RFタグの課題


人体への影響の検証
通信感度の向上



用途による通信可能距離の柔軟性の向上



他の手段との併用が必要か?
遮蔽の難しいタトルとRFタグを両方貼付(可能ならば一体化タグ)
剥離・故障への対策



貸出・返却処理 → 数10cm程度
防犯ゲート → 1m程度
金属遮蔽への対策



信頼して用いることのできるレベル → 魔法のようなものとして使える!
複数冊同時読取り(アンチコリジョン)機能の強化
表面から見えるところでは壊されたり剥がされたりする危険性が大きい
張替えしやすい仕組みが必要
図書館用タグの開発(標準化へ)


基幹システムとのインタフェース標準
RFタグとリーダ・ライタの互換性向上
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ソフエルのビオ・ゲートシステム
RFIDによる図書館運用 ~図書館の電子化・自動化に向けて~
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今後RFID技術に望むこと


課題克服とコストダウン
各種識別カードをRFタグカードで統一



学生証・図書館利用者カード・生協カード・大学施設利用・情報端末
ログイン認証カード等を共通の方式に
図書用のタグと同じ方式で情報を読書きできれば、さらに便利
RFIDリーダ搭載のインテリジェント書架の実用化
→ 金剛株式会社(KONGO)など

RFタグの超小型化


HITACHI ミューチップは砂粒大の大きさ
よりICが見えにくくなる(透過性が高まる → ユビキタス)
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