全入時代の大学

全入時代の大学
大学が提供するべきものは
文部科学省の国立大学方針転換
• 文部科学省は27日、国立大学に対し人文社
会科学や教員養成の学部・大学院の規模縮
小や統廃合などを要請する案を示した。
• 案では、少子化による18歳人口の減少など
を背景として、教員養成や人文社会科学など
の学部・大学院について「組織の廃止や社会
的要請の高い分野への転換に積極的に取り
組むように努めることとする」と明記された。
全入とは何か
• 進学希望者より大学定員が多い状態
– 定員を超えて取る分、浪人する分、定員割れ
• 大学の推移 聖俗の管理者養成→科学技術
者養成(19世紀)→大衆教育(20世紀後半)
• 何故「全入」時代となったか
– 2度のベビーブームによる大学増設(その後も継
続)
– 少子化による希望者の減少
• 冬の時代(経営危機)→様々な取り組み
大学・大学院政策の変化
• 文部省は初等・中等教育政策が中心で、大
学は「自治」で自由な側面が目立った。
• 2001年、科学技術庁と統合→文部科学省、
大学政策にシフトを移す。
– 2004年、国立大学廃止→国立大学法人化
– 国際ランクの上昇(研究競争)
– 若手研究者対策(ポスドク・GCOE・博士量産)
– 外部評価
– F大学対策(新入生教育)
大学とは何か1
• 指導的な聖職者・法律家の養成機関は、高
度な文明をもった古代社会とともに成立
– タキシラ僧院(インド)・大学(漢)・大学寮(日本)
– 学問的機関 アカデメイア(プラトン)
• 中世ヨーロッパの大学 ボローニャ・パリ
– 学生と教師の組合連合(ギルド)
– ラテン語の使用(自由な移動を保障)
– 神学部・法学部・医学部・学芸部
– 学位制度が発達
大学とは何か2
• 封建領主が各地に大学を設立
– Cf ライデン大学(オランダ)、対スペイン独立戦
争を闘った報償として市民が要望して設立
• フンボルトによるベルリン大学創設
– 自然科学・人文科学の学問領域による研究
– その後の大学のモデル
• 大学院の発展
– アメリカは学部は教養・院が専門
生き残り策(1)人集め
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国際ランク競争 理系研究大学
経済的優遇 奨学金・授業料減免
入試の簡易化 AO・推薦⇒基礎学力補充
設備 ホテルのような寮
資格⇒授業料免除
就職援助
生き残り策(2)教育改革
• 自己評価・授業評価
• シラバス(アカウンタビリティ)
• 単位制限・時間確保(15回)
• 障害者の受け入れ
(いずれも行政指導により実施される傾向)
・ 教育 満足度・資格・就職・実用科目(ビュー
ティーコース)
・ 遠隔授業・Eラーニング
大学で何を学ぶのか
• 2010年ハードード大学白熱教室のフィー
バーは何を意味するのか
レジャーランド志向から知的訓練志向に?
• 適性と能力と希望 中央大学事件をめぐって