創立20周年記念事業 介護福祉士を取り巻く環境とニーズ に関する調査 平成26年2月22日 公益社団法人日本介護福祉士会 1 調査の概要 ①日本介護福祉士会会員対象調査 ・調査対象:日本介護福祉士会会員(悉皆) 回収数:4,456件 ・調査方法:日本介護福祉士会ニュースに同封配布・郵送回収 ②介護従事者対象調査 ・調査対象:日本全国の介護従事者 回収数:1,002件 ・調査方法:インターネットによる調査 ③一般生活者対象調査 ・調査対象:男女20代~60代以上の一般生活者 回収数:1,067件 ・調査方法:インターネットによる調査 ④介護福祉士養成校学生対象調査 ・調査対象:介護福祉士養成校学生 回収数:414(2061)件(回収途中速報値) ・調査方法:介養協都道府県代表校を通じて各都道府県2校ずつに最大50件ず つ調査を依頼。各校でとりまとめていただき宅配便(着払い)にて回収 介護のイメージ(社会的評価と自己評価) ○一般生活者の介護のイメージと日介会員・介護職・学生のイメージする社会的評価で は、「社会において必要とされる」、「生活を支える」、「人に感謝される」、「社会に貢献 できる」は、ともに社会的評価が高い。 ○一般生活者と介護福祉士とのイメージの乖離が大きい項目としては「職場の雰囲気」、 「福利厚生」、「家庭生活との両立」、「休みがきちんと取れる」等があげられている。 介護のイメージ(社会的評価) WEB調査 一般生活者 n = 1,067 一般生活者評価と自己評価 日介会員 n = 4,456 WEB調査 介護職 n = 1,002 介護福祉士養成校学生 n = 414 社会において必要とされている 仕事である 夜勤などがあって勤務時間が 介護が必要な人とその家族の 100 不規則である 生活を支える仕事である 90 仕事が体力的にきつい 休みがきちんと取れる 給料が満足のいく水準である 80 70 60 50 40 30 20 10 0 仕事にやりがいがある 自分の仕事が人に感謝される 仕事を通じて社会に貢献できる 自分の仕事ぶりが正しく評価さ れる 家庭生活と両立できる 一緒に働く仲間と協力しあえる 福利厚生が充実している 職場の雰囲気がよい 将来に不安がある仕事である 資格取得や勉強する機会が充 実している 資格や専門知識を活かすこと ができる 一般生活者の「介護の仕事のイメージ」と、日介会員・介護職・学生の 「介護が社会的にどのように評価されていると思うか」の比較 WEB調査 一般生活者 n = 1,067 日介会員 n = 4,456 WEB調査 介護職 n = 1,002 社会において必要とされている 介護福祉士養成校学生 n = 414 仕事である 夜勤などがあって勤務時間が 介護が必要な人とその家族の 100.0 不規則である 生活を支える仕事である 90.0 仕事が体力的にきつい 休みがきちんと取れる 給料が満足のいく水準である 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 仕事にやりがいがある 自分の仕事が人に感謝される 仕事を通じて社会に貢献できる 自分の仕事ぶりが正しく評価さ れる 家庭生活と両立できる 一緒に働く仲間と協力しあえる 福利厚生が充実している 職場の雰囲気がよい 将来に不安がある仕事である 資格取得や勉強する機会が充 実している 資格や専門知識を活かすこと ができる 一般生活者の「介護の仕事のイメージ」と、日介会員・介護職・学生の 「自身の仕事のイメージ」 ※「そう思う」+「ややそう思う」の合計値で比較 3 専門職としての介護福祉士の認知度 ○職場において専門職として認められている割合は約半数強。一般社会においては4割程度。 ○介護福祉士の専門職としての評価は介護職よりも一般生活者の方が高い。 Q14-16職場・一般社会・利用者における 職場・一般社会・利用者における 介護福祉士の専門職としての認知度 Q8-10職場・一般社会・利用者における介護福祉士の専門職としての認知度 日本介護福祉士会会員 n=4,456 n=4456 認められている どちらかといえば認められている 0% どちらともいえない 10% 20% 40% 22.1 Q8-1職場における認知度 認められていない 60% 70% どちらかといえば認められている 無回答 80% 90% 0% 100% Q14-1職場における認知度 24.9 32.4 13.1 Q10-1利用者やその家族における認知度 50% 34.7 11.1 Q9-1一般社会における認知度 認められている どちらかというと認められていない 30% 介護福祉士の専門職としての認知度 職場・一般社会・利用者における 介護福祉士の専門職としての認知度 n=1,002 WEB調査 介護職 n=1,002 8.5 7.3 2.5 Q15-1一般社会における認知度 34.6 12.4 7.4 2.1 Q16-1利用者やその家族における認知度 35.7 36.2 6.9 5.8 2.3 10% ややそう思う 0% 介護職の中でも、専門分野の知識が豊富である あまりそうは思わない 10% 10.6 介護技術だけではなく、 介護保険法など法制度にも精通している 8.4 介護の専門職として、 医療の専門職と対等な位置関係で仕事をしている 30% 12.5 介護職の中でも、介護技術に優れている 介護の知識だけでなく、 関係する医療やリハビリテーション等の知識も豊富である 20% 6.6 5.2 全くそうは思わない 40% 50% 46.0 44.8 41.0 90% 100% 7.7 認められていない 70% 80% 90% 37.8 43.2 27.7 26.6 0% 10% 8.9 0.7 17.5 1.5 15.8 9.3 40.4 30.9 25.5 80% 38.5 34.3 60% 100% 13.3 5.0 12.9 4.8 48.3 11.9 4.3 Q10 介護福祉士についてのイメージ【一般】 n=1,067 31.8 40.1 50% 32.8 とてもそう思う 70% どちらかというと認められていない 40% 34.0 6.2 わからない 60% 30% 9.9 Q10 介護福祉士へのイメージ【介護職】 n=1,002 とてもそう思う どちらともいえない 20% ややそう思う 20% 30% あまりそうは思わない 40% 50% 全くそうは思わない 60% 70% 53.5 54.3 わからない 80% 90% 100% 16.1 5.7 7.1 17.3 5.1 7.5 14.5 2.4 12.4 49.8 21.6 6.8 9.5 15.7 2.0 12.5 50.7 21.4 6.6 8.9 1.7 10.0 37.4 29.9 12.7 10.0 4 目指す方向性 ○介護の仕事において今後の進みたい方向性は、「技術」志向が日介会員で半数近く、WEB調 査介護職で6割、養成校学生は7割以上を占める。 ○日介会員は「管理」志向、「教育」志向もそれぞれ2割程度を占める。 最も進みたい方向性 今後介護の仕事において進みたい方向性 0.0 技術 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 60.2 現場で利用者に接したい 0% 80.9 その他 10% 20% 30% 40% 50% 技 術 日介会員 n = 4,456 27.3 施設・事業所の部下の育成をしたい 教育機関の教員になりたい 施設の経営をしたい(管理者、施設長等になりたい) 60% 70% 管 理 80% 90% 100% 教 育 2.7 18.5 13.2 16.2 管理 現場でリーダーシップを発揮したい 施設・事業所の部下の育成をしたい 無回答 72.0 現場でリーダーシップを発揮したい 現場で利用者に接したい 45.6 8.3 16.3 11.0 7.1 9.0 14.3 14.5 0.0 15.8 教育機関の教員になりたい 教育 9.3 7.2 WEB調査 介護職 n = 1,002 62.6 7.5 8.6 4.7 7.5 9.2 10.1 8.8 12.6 施設の経営をしたい (管理者、施設長等になりたい) 2.4 10.3 9.6 その他 3.4 日介会員n = 4,456 介護福祉士養成校学生 n = 414 70.3 4.84.1 7.5 2.4 8.5 WEB調査 介護職 n = 1,002 わからない 8.9 介護福祉士養成校学生 n = 414 5 仕事の満足度 ○現在の仕事の満足度は、仕事の内容・やりがい、雇用の安定性において高い一方、賃金、 人事評価、教育訓練・能力開発において低い。 ○養成校学生の重視度をみると、賃金、労働条件、勤務体制の重視度が高い。 仕事に対する満足度 日介会員 n = 4,456 WEB調査 介護職 n = 1,002 介護福祉士養成校学生(重視度) n = 414 仕事の内容・やりがい 100.0 職業生活全体 90.0 キャリアアップの機会 80.0 70.0 60.0 教育訓練・能力開発のあり方 50.0 賃金 40.0 30.0 20.0 10.0 福利厚生 0.0 雇用の安定性 職場の人間関係、 コミュニケーション 労働時間・休日等の労働条件 勤務体制 人事評価・処遇のあり方 職場の環境 ※「満足」+「やや満足」(養成校学生は「とても重視」+「やや重視」)の合計値で比較 6 職場での取り組みの実施度と必要度 ○必ずしも実施度が高くない一方で必要度が高いのは、日介会員は「介護能力を適切に評価す るしくみ」や「介護能力の向上に向けた研修」。WEB調査介護職では「介護能力の向上に向け た研修」や「介護能力に見合った仕事への配置」。 取組みの必要度 取組みの実施度 十分行われている 0% 日介会員調査 n=4456 行われているが不十分 20% 40% 60% 無回答 80% 100% 0% 定期的な健康診断の実施 72.0 19.5 36.6 事故やトラブルへの… 40% 5.4 3.1 48.5 34.1 勤務体制を決める際の職員の要望を聞く機会の設定 あまり必要ではない 60% 52.5 28.2 80% 100% 21.7 22.1 55.3 19.1 3.4 54.9 19.5 3.9 実務の中で、上司や先輩から… 働き方や仕事内容、キャリアについて… キャリアアップの仕組みの整備 21.6 56.7 30.2 36.5 50.1 3.2 39.6 3.4 48.2 17.8 49.5 29.6 3.1 49.2 41.3 4.8 3.9 3.5 49.3 40.4 5.30.94.0 14.4 介護能力を適切に評価するしくみ 13.1 53.0 26.8 51.0 51.4 49.6 0% 20% 定期的な健康診断の実施 40% 60% 事故やトラブルへの… 21.1 51.5 事業所の相談援助体制の設定 19.7 54.3 18.6 16.5 介護能力を適切に評価するしくみ 13.5 介助しやすい施設づくりや福祉機器の導入 13.4 12.2 11.4 4.1 55.7 0% 100% 80% 49.8 49.5 47.7 47.4 49.9 46.8 51.7 20% 60% 27.3 100% 13.2 2.9 57.7 14.5 2.9 27.0 55.2 14.1 3.7 27.3 54.3 32.2 28.3 14.7 46.9 27.2 26.0 80% 54.5 25.0 20.3 1.5 1.9 5.9 4.7 1.7 4.0 4.2 31.5 40% 4.3 1.3 4.8 4.2 32.1 29.4 17.4 23.4 6.0 33.7 59.4 3.8 51.6 20.2 17.2 30.1 55.0 介護能力の向上に向けた研修 介護に関する事例検討会の開催 56.4 49.7 24.8 勤務体制を決める際の職員の要望を聞く機会の設定 3.4 29.9 26.9 40.2 30.6 33.5 52.7 採用時における賃金・勤務時間の説明 働き方や仕事内容、キャリアについて… 61.2 51.7 30.4 介助しやすい施設づくりや福祉機器の導入 介護能力に見合った仕事への配置 40.5 47.5 15.0 実務の中で、上司や先輩から… 30.3 47.1 4.3 0.9 4.3 1.3 5.6 1.64.3 6.9 4.2 0.8 3.6 4.1 0.9 5.7 4.4 0.9 5.50.94.0 7.2 18.7 16.7 介護能力に見合った仕事への配置 18.5 8.0 32.9 57.9 3.3 21.7 23.2 54.0 10.0 3.4 46.8 介護能力の向上に向けた研修 介護に関する事例検討会の開催 59.1 11.6 3.3 事業所の相談援助体制の設定 キャリアアップの仕組みの整備 20% やや必要である 無回答 0.9 採用時における賃金・勤務時間の説明 WEB調査 介護職 n=1002 行われていない とても必要である まったく必要ではない 51.9 3.7 16.5 4.4 16.8 4.1 31.6 19.6 59.0 18.5 3.0 33.3 20.5 58.0 17.7 3.9 17.1 4.5 27.7 35.8 39.1 36.7 41.0 36.9 50.7 20.2 57.6 18.8 15.7 14.1 56.8 53.8 54.2 19.1 19.7 3.2 4.8 25.3 5.2 26.5 5.2 7 日本介護福祉士会の認知度と受けたい支援 ○「日本介護福祉士会」の認知は、一般生活者で約2割、介護職、介護福祉士養成校学生で半 数以上。介護福祉士資格取得時に受けたい支援は、半数以上が「フォローアップやスキル アップの研修」をあげている。 公益社団法人日本介護福祉士会を知っているか 活動内容を知っている 名前は知っている(聞いたことがある) 知らない 介護福祉士の資格取得時に日本介護福祉士会から受けたい支援 無回答 0.0 0% 20% 40% 60% 80% 0.0 WEB調査 介護職 n = 1,002 9.4 44.9 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 制度改革をはじめとする行政の動向や新しい介護 技術等の知識、新たな取組の事例等の最新情報の 提供(会員向け機関誌、インターネット等による情 報提供) 42.1 49.5 45.7 52.8 介護福祉士各自のレベルに応じたフォローアップや スキルアップの研修の実施 介護福祉士養成校学生 n = 414 8.0 55.1 33.6 1.9 WEB調査 一般生活者 n = 1,067 3.4 0.0 17.6 60.0 100% 58.0 介護福祉士の職場環境改善に対する取組の実施 (アンケート調査や、その結果をもとに厚生労働省、 関連団体、マスメディア等に対して様々な提言を行 うなど) 32.5 38.9 19.5 一般生活者向けの介護の普及啓発事業の実施(11 月11日前後に実施する介護の日の相談会等) 80.5 その他 17.4 4.5 2.9 WEB調査 介護職 n = 1,002 介護福祉士養成校学生 n = 414 8 日本介護福祉士会の事業の満足度と強化の希望 ○会員の日本介護福祉士会の事業の満足度と強化の希望をみると、「日本介護福祉士会 ニュース」の満足度が高く、今後は「介護福祉士の職場改善への取り組み(厚労省への働きか け等)」の充実・強化の希望が特に高い。 Q21-2事業への今後の強化希望 n=4456 Q21-1事業に対する満足度 n=4456 満足 やや満足 やや不満 0% 不満 見ていない・参加していない 20% 40% 知らない 60% 無回答 強化してほしい やや強化してほしい あまり強化してほしくない 強化してほしくない わからない 無回答 100%0% 80% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0.6 日本介護福祉士会ニュース 17.4 47.9 11.8 2.8 11.0 4.0 5.0 21.7 33.7 26.0 3.5 14.4 0.5 日本介護福祉士会WEBサイト 7.0 24.6 7.8 2.7 36.4 16.3 5.3 17.4 22.3 42.4 2.8 14.6 0.9 日本介護福祉士会発行の書籍 11.4 32.8 8.7 27.4 2.8 11.4 5.5 21.2 27.3 32.6 3.3 14.7 0.7 日本介護福祉士会主催の研修 13.6 都道府県介護福祉士会主催の研修 15.1 33.2 12.8 26.1 5.2 4.0 5.1 34.0 28.2 2.4 21.4 13.3 2.0 0.5 介護福祉士の職場改善への取り組み (厚労省への働きかけ等) 35.2 13.2 5.6 21.9 3.9 5.0 37.0 28.8 18.3 13.4 0.9 0.3 9.5 23.1 18.3 19.4 11.4 13.1 5.2 57.0 16.6 13.3 11.9 1.2 0.4 福利厚生制度 7.6 20.8 17.1 13.8 13.5 21.4 5.9 44.4 19.8 21.1 13.1 9 日本介護福祉士会の職能団体としての方向性 【現状】 • 介護福祉士が適正な評価をされていない現状 • 介護全般、介護の仕事自体は概ね正しく評価されているが、職場環境や仕事と 生活に係るイメージは介護職の評価と社会的評価に隔たりがある。 • 介護福祉士の専門性に対する評価が低い 介護福祉士が働く環境整備の支援 処遇改善や介護福祉士の地位向上 に向けた積極的な広報 • 調査等のエビデンスによる提言 • 介護および介護福祉士のイメージ 向上に向けたメディア等への訴求 • イベント等の積極的な開催 個々の介護福祉士の支援 研修等による介護福祉士個々の スキルアップ、フォローアップ 介護能力を適正に評価するしくみ の構築 日本介護福祉士会の組織率向上と介護福祉士の処遇等の改善へ向かう 10
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