公共財 経済原論Ⅱ(ミクロ経済学) 第20回 畑農鋭矢 公共財の性質 私的財との対比 ①排除不可能性 対価を支払わない人を消費から排除できない ⇔排除可能性 ②非競合性(非排他性) 他の消費者と共同消費できること ⇔競合性(排他性)、単独消費 公共財と私的財 排除可能 排除不可能 競合(単独) 私的財 共有地 (準公共財) 非競合(共同) クラブ財 (準公共財) (純粋)公共財 財の例 排除可能 排除不可能 競合(単独) 弁当、PC、 自動車、・・・ 海・湖の資源、 非競合(共同) 高速道路、 映画館、TV 一般道路、国 防、治安、TV 混雑した一般道路 公共財と私的財の違い 個人iの消費量xi 経済全体の供給量Y 違いは・・・ 純粋公共財:xi= Y 私的財:Sixi = Y 消費可能曲線 純粋公共財:YXY 私的財:YY 準公共財:2つの間 の領域 x2 X 純粋公共財 Y 準公共財 私的財 Y x1 公共財の限界効用(便益) (公共財のケース) 個人iの効用:Ui(Y) 限界効用:MUi(Y) 価格:p* 最適条件: SiMUi(Y) = p* (サミュエルソン条件) (私的財のケース) 個人iの効用:Ui(xi) 限界効用:MUi(xi) 価格:p* 最適条件: MUi(xi) = p* p p 横方向に足す! 縦方向に足す! p* p* MU2 MU12 MU1+MU2 MU1 MU1=MU2 Y* (=x1=x2) MU1=MU2 Y x1 x2 Y* (=x1+x2) Y 公共財の私的供給(市場の失敗) p p* E(最適点) X(私的供給) MU2 MU1 MU1+2 MU1 x1+ x2 Y* MU1 Y 市場の失敗:数式による説明 • 価格をp、最適な公共財の量をY*とすると 2MU(Y*)=p すなわち MU(Y*)=p/2 • 2人(1,2)の公共財供給:x1+x2=Y • 1人目の消費者の行動:2人目の供給をx2と想定 MU(x1+x2)=p • 2人目の消費者の行動:1人目の供給をx1と想定 MU(x1+x2)=p • 均衡:x1 = x1, x2= x2 MU(x1+x2)=p • MU(x1+x2)> MU(Y*) x1+x2<Y* (限界効用は逓減するから) リンダール・メカニズム • 政府による公共財供給の制度 ①政府 公共財供給に必要な費用分担率提示 ②消費者 分担率に基づき純便益最大の公共財水準を報 告 ③政府 各消費者の公共財水準が等しくなるまで上記 プロセスを繰り返す リンダール・メカニズムの効率性 • 1人目の費用分担率a • 1人目の反応 MU1 (x1)=ap (1) • 2人目の反応 MU2 (x2)=(1-a)p (2) • x1=x2=Yになるとき、(1)+(2)より次式が得られる MU1 (Y)+ MU2 (Y)=p ⇒サミュエルソン条件 ⇒最適な公共財供給が実現 リンダール・メカニズムの問題点 • 調整の手間 • 費用の負担能力を無視 • 公共財水準を正直に報告するインセンティ ブの欠如(過少申告するインセンティブ) 選好顕示の問題 ⇒ただ乗り(公共財の2つの性質に注意)
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