第7章 学習の多様性 古典的条件づけ 無条件刺激 (肉,えさ) 無条件反応 (唾液分泌) 対呈示 条件刺激 (ベル音) 条件反応 (唾液分泌) 無条件刺激と条件刺激の間に連合が形成される この章で学習すること • 人間の学習に見られるさまざまなバリエー ション – 習熟による学習 – (デバイスモデル) – (知識の創造的加工) – アナロジーによる学習 – 洞察による学習 – 説明に基づく学習(第6章 p.66 参照) 2.習熟による学習 • 最初はぎこちなく実行されていたことが,次第 に早く正確にできるようになる. • ACT 理論での習熟のプロセス – 宣言的段階 – 知識の翻訳 – 手続き的段階 宣言的段階 • 手続きの実行に必要な知識は,宣言的知識 として,命題の形で表現されている.要するに, 事実に関する知識の集まりがある. – 鍵穴にキーを差し込んで右に回すとエンジンがか かる – アクセルを踏むと加速する • 手続きの実行は,宣言的知識をひとつずつ 呼び出すことで実行される. 知識の翻訳 • 宣言的知識が手続き的知識に翻訳される. • 手続き的知識はルール(プロダクション・ルー ル)の形をしている.If … Then … – もし,現在の目標が車を動かすことであり,エンジ ンがかかっていないならば,鍵穴にキーをさして, 右に回せ. • ある条件(if)に合致したルールが起動し,行 為(then)が実行される.ルールが次々に「発 火」して,一連の手続きが実行される. 手続き的段階 • 手続き的知識(ルール)を洗練させていく – より効率的なルール.たとえば,いつも一緒に実 行される2つのルールをひとつにまとめる. • Anderson は,この考えに基づいて,様々なコ ンピュータ・シミュレーションやモデル構築を 行ってきた. 3.デバイスモデル • 装置の仕組みや動作について,「こういうも の」という知識.期待. • 正しいデバイスモデルがあると,学習は促進 される. – 新しいビデオ録画装置の使い方 – 新しいコピー機の使い方 • 参考:デザイン領域では,ユーザーが持つデ バイスモデルを考慮することが重要. 5.新しい領域の学習 • 新しい領域では(初心者には),スキーマやデ バイスモデルは期待できない. • 未知のものを,よく知っているものにたとえて 理解する.アナロジー(類推) – 例:電流を水流にたとえて理解 • 問題解決では,具体例を直接に利用する. – 例題の解法をそっくりまねして練習問題を解く 単一の例からの学習 • 既有知識を利用することで,帰納学習よりも 高速な学習が可能になる. • 説明に基づく学習(explanation-based learning: EBL) – トカゲを串にさして焼くのを見て,「任意の長さの, 細く,硬くて,尖った物体を用いて,小さく,柔らか い食物を焼くことができる」と学習する. – いろいろなものを焼いてみる必要はない.
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