1 INTERNATIONAL SKI FEDERATION Precisions and Instructions 2006/2007 新決定事項とインストラクション 財団法人 全日本スキー連盟 競技本部アルペン部会 アルペン技術運営委員会 2 国際競技規則と注意事項 ICR (International Competition Rule / 国債競技規則) 4年に一度、書き換えを行う。現在使用されているのは「2004年版」、 次の書き換えは「2008年」。 製本も4年に一度なるためにその間のルール変更は各小委員会より理事会に上程され、承認を得た段階 でFIS公式ウェブサイトで公開される。ルールブックに記載されている事項は必ずしも正規の施行規則とな らない場合があるので、注意が必要である。 Precision & Instructions (シーズン決定事項と指導事項) Precision は、通常、年2回発行される。 FIS競技年度(7月1日~翌年の6月30日までの1年間)に合わせて、最も早く始まる南半球むけに5月に 開催されるFIS定例春季会議(カレンダー会議とも言う)において開催される各小委員会で承認、上程され る「第1版(Edition1)」、9月末前後に開催される定例秋季会議にて各小委員会にて承認、アルペン委員会 を通じて上程され、11月開催の理事会承認を得た「第2版(Edition2)」が、そのシーズン決定事項として、 FIS公認の全競技に適用される。 3 2006-07シーズン決定事項の抜粋 ICR 2004 改正と条項番号の修正:Art. 201.4 – 201.7 201.4 FIS 競技部門 (FIS Disciplines) 競技部門とは、単一、または複数の競技種目(Events)から成るスポーツの部門を称す。 例:クロスカントリースキーイング(Cross-Country Skiing)はFIS 競技部門、 クロスカントリースプリント(Cross-Country Sprint)は競技種目。 201.4.1 国際スキー連盟による競技部門の承認 201.4.1.1 新たな競技部門は、単一、または複数の競技種目から成り、少なくとも3 大陸と25 カ国において実践された場合に おいて、国際スキー連盟のプログラムに加えられることが検討される。 201.4.2 国際スキー連盟による競技部門の排除 201.4.2.1 もし、その競技部門が12 加盟国スキー連盟及び、2 大陸よりも少ない状況下で開催されている場合、FIS 評議会 (FIS Congress)は国際スキー連盟の競技部門としてそのプログラムから排除することも決定できる。 201.5 FIS 競技種目(FIS Events) 競技種目はスポーツ、または競技部門の中の一つの競技を言う。その競技のおける成績は、メダルや表彰状を上 程し、ランキングの対象とされる。 4 変更事項:Art.203 FIS ライセンス 203 FIS ライセンス FIS レースへの参加(FIS License) FIS の公認競技部門に選手登録され参加基準を満たした選手が、FIS レースに参加するための 許可(ライセンス)は各加盟国スキー連盟によって発行される。 203.1 FIS ライセンスイヤー(有効期間)は、7 月1 日から始まり、翌年6 月30 日に終了する。 203.2 FIS 大会への参加資格を得るには、選手は所属国スキー連盟が発行したFIS ライセンスを所持し なければならない。このライセンスは、当該ライセンスイヤー期間中のみ、北半球及び南半球で有 効である。ライセンスは特定の1 か国、または特定の複数大会での参加に限って有効である。 FIS ライセンスは、FIS 理事会の承認した所定の選手宣誓書に、自筆で署名した選手に対しての み発行される。未成年の申請者から提出されるすべての書類には、保護者(法的後見人)の署名 も必要である。(Art. 203.3 参照) 203.2.1 加盟国スキー連盟は、FIS レースに参加するためのFIS ライセンスを持つ登録選手全員が、国際 スキー連盟規定、特にドーピング事件における上訴裁判所としてのスポーツ仲裁裁判所(CAS)の 独占的権限を予見する規定を受け入れることを保証しなければならない。 5 改正事項:Art. 225 - 上訴委員会(Appeal Commission) 225.3.5 上訴委員会の判決は、ヒアリングの終了時に口頭で言い渡すこともできる。判決と判決理由は 書面でFIS に提出し、FIS から当事者とその所属国スキー連盟、上訴されたジュリー決定を下 したジュリーメンバー全員に送られる。決定書はFIS事務局でも入手可能である。 225.4.1 上訴委員会の判決について、それらが第一審決定の場合、 法令集 (The Statutes) Art. 55.2 においてFIS 裁判所に控訴することができる。 225.4.2 FIS 裁判所への控訴は、上訴委員会判決の公表された日より後、8 日以内に、法令集Art. 55.2 に記述されている期限までにFIS 事務局総長へ書面で提出する。 6 追記事項:Art. 640 - 抗議 640.1 ジュリーは、物的証拠を伴わない抗議は受け付けない。 640.2 ジュリーは先の意見を当再評価するには、その意見に関係する新たな証拠がある場合のみ許さ れる。 640.3 ジュリー決定はArt.641 による抗議、または、Art. 671.1.1 に関係する上訴がある場合以外は、 最終判断である。 修正/追記事項:Art. 641 - 抗議の種類 641.3 競技中、他の 一選手、または役員に対して 641.6 技術代表、またはジュリーの指導(Instruction)決定に対して 一部削除:Art. 642 - 提出場所 642.2 Art.624 による抗議はFIS へ提出。 修正/追記事項:Art. 643 提出期限 643.3 競技中の他の 一選手、選手の用具、役員の不正行為に対して: - 最後の選手のフィニッシュ通過後15 分以内 643.6 その他すべてのジュリーまたは技術代表の指導(Instruction)決定に対して: - 直ちに、また、Art. 643.4 による抗議提出期限前 7 修正事項:Art. 801.1.2.3 - ターニングポール間の距離 (資料参照) 801.2.3 旗門の幅は、4m 以上、6m 以下でなければならない。2つの旗門の距離は、0.75m 以上でなけれ ばならない。ある旗門の旗門ラインと別の旗門のポールの間だけではなく、異なる旗門のポールと ポールの間でも、この距離をとらなければならない。 連続する旗門のターニングポール間の距離は、0.75m 以上 13 15 m 以下でなければならない。 修正事項:Art. 801.2.4 旗門数/ 方向転換数 801.2.4.1 オリンピック冬季大会、FIS 世界スキー選手権、ワールドカップ、FIS、コン チ ネンタルカップ、そして、エントリーリーグ競技会 標高差の 30 – 35 % ±3) 方向転換数 ※競技日に実際に設定されたスタートとフィニッシュの標高差を測定して算 出する。 801.2.4.2 チルドレン1、チルドレン2 チルドレン1 最低 32 方向転換数 最高 40 方向転換数 チルドレン2 最低 38 方向転換数 最高 50 方向転換数 8 9 10 11 12 13 新規/追記条項:Art. 707、807、907、1007 クラッシュヘルメット 全競技者、並びに前走者は、競技用品仕様に適合したクラッシュヘルメットを着用しなければならない。FIS スノースポーツにおいて使用されるヘルメットは、その競技分類の特性に対し、明確に設計、製造され、そし て、『CE』マークを貼付し、『CEH』、『DIN 1077』、『ASTM F2040』、SNELL S98、または、RS98』他の各工業 生産品基準に適合した製品でなければならない。 参考: CEマークは、欧州の安全規格です。欧州指令に基づき、対象となる分野が決められていますが、電気/電 子機器、医療機器、玩具など、多種多様な製品分野が対象となっています。 CEH (調査中) ASTM (ASTM International:米国試験・材料協会)はASTM 規格で広く知られている世界最大級の民間規 格制定機関です。 DINとは、ドイツ規格協会(DIN Deutsches Institut fur Normung e.V.)が制定するドイツ連邦規格(Deutsche Normen)の略称です。日本では一般に、ドイツ工業規格として知られています。 資料引用:日本貿易振興機構(ジェトロ:http://www.jetro.go.jp/) 14 修正事項:Art. 1001.1.1 - 男子 スーパーG コースの標高差 1001.1.1 男子コース(Men‘s Courses) - 500 400 m - 650m アルペンコース小委員会が例外的に、最低 450m まで引き下げることができる。 修正事項:Art. 1001.3.4 - 旗門/方向転換 1001.3.4 スーパーG は次の通りセットしなければならない: 標高差の10 % = 最高旗門数 それぞれが方向転換を有する。 男子のコースにおいて、もし、標高差が400 から500m の場合、最少32 方向転換数にてセットさ れなければならない。そして、標高差が500 から650m の場合は、最少35 方向転換数でセットし なければならない。最少低旗門数は、男子35 旗門、女子30 旗門とする。(Art.1001.1.1 による 例外:標高差450m 最低 32 旗門)最少低旗門数(男子35、女子30)にカウントされるのは、方向 転換を必要とする旗門だけである。 男女併催競技(同一スタートとフィニッシュ)の場合は、女子の競技においても男子のルールを 適用する。(標高差が500m より低い場合、最少32 方向転換数、 標高差が500m より高い場合は最少35 方向転換数) 15 3.FIS ポイントルール 2006/07 シーズンに適用するF 値( F Value ) DH 1350 滑降 SL 610 回転 GS 880 大回転 SG 1030 スーパーG SC 1000 スーパーコンバインド 16 4.9. 1つの大会で複数のレースが行なわれた場合の評価 4.9.1. 滑降 (DH)、回転 (SL)、大回転 (GS)、スーパーG (SG) 会の一部として、1種目および1カテゴリー(WC, COC, FIS)につき2レースのみFISカレンダーで公表して もよく、同じ公認コース上で5日間以内とする。さらに、種目 や大会レベルにつき2レースを加えて行な われる大会に付随して、いわゆる代替競技会を組織することは許可されていない。そのような追加競 技会ではFISポイントは与えられない。 17 4.競技用品規格 ※FIS 発行の現行ルールブックの誤りの修正! 1.2.1.2 横幅の形状(プロフィール) 2006/2007 シーズン:ビンディング部分の滑走面の幅(許容差なし):60mm 以上 2007/2008 シーズン以降:ワールドカップとコンチネンタルカップが対象 2008/2009 シーズン以降:FIS、エントリーリーグを含む全カテゴリー DH 男女: 67mm 以上 SG 男女: 65mm 以上 GS 男女: 65mm 以上 SL 男女: 63mm 以上 ※FIS 発行の現行ルールブックの記述にも誤りがあるので要注意! 1.2.1.3 半径 (ラディウス) 半径は、スキーにマークしなければならない。 大回転 男(Men)&女(Ladies) チルドレン2 最小 17m チルドレン1 最小 14m 最小 21m 2007/2008 シーズン以降:ワールドカップとコンチネンタルカップが対象 2008/2009 シーズン以降:FIS、エントリーリーグを含む全カテゴリー 女(Ladies) 男(Men) 最小 23m 最小 27m ※FIS 発行の現行ルールブックの記述にも誤りがあるので要注意! 18 2. セーフティビンディング セーフティビンディングは、負荷制限装置として機能する。すなわち、これらの装置は、滑走中に発生する 特定の要求を許容できる限界まで伝えるが、この限界を超えたとき、スキーをしっかりと固定して いた状態をリリースする。 2.1 防振プレート 次の条件において、防振プレートの取り付けが認められる: 2.1.1 スキー表面の幅 プレートは、スキー表面の幅を超えてはならない。 2.1.2 最大高 2006/2007 シーズン: 最大高(スキーの滑走面の下側からスキーブーツソールまでの間隔)は55m(男女、フリースタイ ルスキークロス)。チルドレン1 及びチルドレン2 の最大高は50mm。 2007/2008 シーズン以降:ワールドカップとコンチネンタルカップが対象 2008/2009 シーズン以降:FIS、エントリーリーグを含む全カテゴリー 男女及び、フリースタイルスキークロス: 50mm ※FIS 発行の現行ルールブックの記述にも誤りがあるので要注意! 19 3.2 ブーツソールの厚さ 2006/2007 シーズン: 全てのハード及びソフトパーツを含むヒールの底部からスキーブーツソールまでの間隔: 男女、フリースタイルスキークロス: 45mm 以下 チルドレン1&2: 45mm 以下 2007/2008 シーズン以降:ワールドカップとコンチネンタルカップが対象 2008/2009 シーズン以降:FIS、エントリーリーグを含む全カテゴリー 男女、フリースタイルスキークロス,グラススキー: 43mm 以下 ※ FISS発行の現行ルールブックの記述にも誤りがあるので要注意! 20 21 ルールに関する問い合わせ先 財団法人全日本スキー連盟 競技本部 アルペン部 アルペン技術運営委員会 委員長 片桐幹雄 [email protected] 副委員長 中村実彦 [email protected] 22
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