ロービジョンエイドとしての デジタルデバイス

ロービジョンエイドとしての
デジタルデバイス
甲府共立病院 眼科
加茂純子
国際ロービジョン学会
(2011 KualaLumpur)で感動
オランダのvanRens先生に視覚障害のQuality of Lifeの本をいただいた。
次期Internatinal council of Ophthalmologyのロービジョンの長になられます。
日本からのメンバーとKualaLumpurのオプトメトリー学校の学生さんから写真に入るよう頼ま
れた。
August Colenbrander
ロービジョンケアを眼科に取り入れた最初の人。
International Council of Ophthalmologyの長を長く務めた。神様のような存在
• 国際ロービジョン学会である3年に一度開かれる
Vision 2011(Kuala Lumpur)に初めて参加し、彼ら
(多くはオプトメトリスト)の熱意と知識に感動した。
(次回はVision 2014, Melbourne, Australia,
31 March-3 April,2014 http://vision2014.org/)
• 日本には内眼手術をしない眼科医ほどの知識と
技術をもち、かつメガネやルーペなど光学機器
を販売するオプトメトリストという職業がないので、
我々眼科医が主導して、視能訓練士、そして、メ
ガネ屋さんと協力して担わなければならない。
ロービジョンの定義
• (小数視力で0.3未満から0.02)がWHOによっ
てLow Visionと定義される。
• しかし、このうち拡大によって恩恵を受けるの
は(小数視力で0.05)くらいまでで、
• (小数視力で0.04未満)からは読書補助具を
用いてどうにかこうにか読む、部分的に拡大
鏡も用いるが、録音されたものを好むように
なる。1)(統計的なことで個人差はある。)
拡大の基本はルーペ
• 拡大の基本はルーペであり、これを用いて、
読書するのが基本である。
• デジタルデバイスは、ルーペのようにその製
品は何倍の拡大率と固定でないので、応用
範囲が広い。
現在考えられるデジタルデバイス
• 1)Personal Computerのアクセシビリ
ティを利用する方法、
• 2)拡大読書器、そして
• 3)タブレット型携帯端末がある。
1)Personal Computerの
アクセシビリティ
• 1)はすでにパソコンに熟知した人でないととっつきにく
いしばりがある。電子情報支援技術(e‐AT)について
① 一般製品であるが、障害を持つ人にも利用できる
ような機能備わっているものが
• Windowsのユーザー補助機能を使ったカスタマイズの
使用例
・Windows のユーザー補助機能とは以下のリンクで
詳説されている。
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows7/Whataccessibility-features-does-Windows-offer
② 障害をもつ人が主として使うもの
• 視覚障害者が使う音声読み上げソフトの使用
法、代表的なものとして、
・PC-Talker http://www.pctalker.net/
• 自治体によってはこれらソフト購入への補助
がある。
• 山梨県障害者福祉協会 萱沼(なかま参照)
2)拡大読書器について
• 2) 拡大読書器については東北大学の鈴鴨らが
主導してEnhanced low vision rehabilitation study
を行っており、マニュアルがリンクからダウンロー
ドできる。
http://www.reha.med.tohoku.ac.jp/modules/xfse
ction/article.php?articleid=89
• 現在補装具として認められているので、身体障
害者手帳を取ったもののうち、自治体によって何
級か以上の方には補助が出ることになっている。
3)携帯タブレット型端末
• これが一般人にも老眼の人にも、そして視覚
障害を持つ人にも恩恵をもたらす。
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Kindle
Kobo
Nexus 7
Surface
iPad 3以降
Kindle 読書はじめ
• iPadはロービジョン者のみならず、全盲の人
にもアクセシビリティをよく考慮し設計され、指
をピンチアウトすることで、拡大できるという
操作が簡単であり、画素数が大変高い(2048
x1536)ため、拡大しても文字の辺縁がギザ
ギザにならないなど今のところ他者を引き離
す優位性がある。音声読みあげ、音声認識
入力も可能である。
• 三宅は眼科医がこれを医療、特に視覚障害
者にエイドとして活用する方法を紹介してい
る。2-6)
• 氏間は弱視教育への導入を詳細に述べてい
る。視覚補助具としてのみならず、アプリを作
成し、視機能評価ツールとしても使え、撮って、
拡大してみることにより教材、教具としても用
いることができる。7-8)
• 氏間は実例をビデオ解説されている。読み上
げ、拡大、白黒反転など
http://www.youtube.com/user/ujimakazuhito
(図1,2)また筆者のページでも紹介している。
http://mayeyeclinic.sharepoint.com/Pages/PCi
PAD.aspx