オフィスにおける社会的選択 問題:論理プログラミン

オフィスにおける社会
的選択問題:論理プロ
グラミングアプローチ
Social Choice Problems in Office: A
Logic Programming Approach
犬童健良†
Kenryo INDO†
†関東学園大学 経済学部経営学科
†Department of Management, Faculty of Economics, Kanto Gakuen Univ.
発表の要点




筆者は論理プログラミング( PROLOG)による社会的選択問
題への新しいアプローチに,とりくんでいます.
また,分析の手順を体系化し、LPMSC法としてまとめました。
本発表では,会議スケジューリング(と人員配置)のような、
より現実的な応用を、論じてみたいと思います.
具体的は,PROLOGによる実験データに基づき,戦略的操
作不可能かつ非独裁的な会議スケジュール選定手続き
(NDSPルール)を設計します.
また2つの制約条件、「穏当な選択」と「極大性」を追加するこ
とにより,MDSPルールを少数に絞り込むことができます.
社会的選択問題(SCP)

社会的選択問題とは,選好集計の問題
(Arrow[3],Sen[4]).
 社会全体で共通して選ぶことができる代替案(社
会状態)の集合
 各メンバーの考えるその望ましい順序(個人の選
好プロフィール)
 これらを統合し,社会全体としての順序(ないし
案)を定める.
[3] Arrow, K., Social Choice and Individual Values, Yale University Press, 1963.
[4] Sen, A., Choice, Welfare and Measurement, The MIT Press, 1982.
(x,y,z)をランキングとして読むと…
(x,y,z)
⇔ 業務xは業務yより優先されるべきだ.(最初のペア
より)
& 業務yは業務zより優先されるべきだ.(後のペアよ
り)
& 業務xは業務zより優先されるべきだ.(推移性によ
る)
3代替案のときの選好モデル(例)
r(1)=(a,b,c),
田中さん,鈴木さん
r(2)=(a,c,b),
北川さん
r(3)=(b,a,c),
山本さん
r(4)=(b,c, a),
該当者なし
r(5)=(c,a,b),
社長?
r(6)=(c,b,a)
専務
各メンバーが各々考える理想の順序
r(k)
社会的厚生関数(SWF)
社会的選択関数(SCF)で
はX∈{a,b,c}を選ぶ
不可能性定理

Gibbard-Satterthwaiteの定理([1],[2])
Arrowの一般不可能性定理[3]

社会的選択理論の初期の成果として有名

[1] Gibbard, A., “Manipulation of voting schemes: A general result,” Econometrica, Vol. 41: 587602, 1973.
[2] Satterthwaite, M. A., “Strategy-proofness and Arrow's conditions: Existence and
correspondence theorems for voting procedures and social welfare functions,” Journal of
Economic Theory, Vol. 10: 187-217, 1975.
現実のオフィスにあてはめると...


例えば,こんな作り話に当てはまる?
ある国のあるオフィスでは,ある方法で,翌日の会
議を,朝一番にするか,昼食後にするかを決めてい
た.全員が正直に自分の意見を言い,皆が結果に
満足していた.ところがある日,夕方の時間帯も諮
ることになった.すると,その日を境に,いつも同じ
一人のいいなりになってしまった. ・・・予稿集冒頭に示した
お話し
戦略的操作可能か,さもなくば独裁か
前出の定理([1],[2])は,代替案が3つ以上のとき,
以下の条件の下で,戦略的操作可能性か独裁かの,
いずれか一方だけが成り立つことを帰結する.
 いかなる個人の選好モデル
(ランキングの組)も制限されない.
 どの代替案も,社会的選択のルール(SCF)におい
て,禁止されない(いずれかのランキングの組で選
出されうる)

戦略的操作不可能性

SCFの戦略的操作が不可能であること
(Strategy Proofness;SP)
⇔ SCFが戦略的操作可能(Manipulable)でない
⇔ あるランキングの組で,ある人が自分のそれを
偽ると,SCFによって,その人に有利な選択が行
われるということがない.
独裁性
社会的に選出される案が,ある一人のメン
バーのベストの案と,つねに一致.
 非独裁性(Non-dictatorship;ND)

いくつかの可能性定理




2代替案の場合[3]
単峰性領域[3]
価値制限領域[8,4] 単峰性などを含む
分解可能性[10]
[8] Inada, K., “On the simple majority decision rule,” Econometrica, Vol. 36: 490-506, 1969.
[10] Kalai, E. and Muller, E., “Characterization of domains admitting nondictatorial social
welfare functions and nonmanipulable voting procedures,” Journal of Economic Theory, Vol.
16: 457-469, 1977.
社会的選択理論(ないしゲーム理論)の
会議スケジューリングへの応用

Ephratiら[5]
 戦略的操作を防ぐため,重みつき投票に,クラー
ク税を用いた.
 税や税引き後スコアの意味が分かりにくい.
 無関係な代替案の独立性(IIA)に違反する.

Pinoら[9]
 上記の研究を含むレビュー.代替システム開発
[5] Ephrati, E., Zlotkin, G., and Rosenschein, J. S., “Meet your density: A non-manipulable
meeting scheduler,” CSCW’94, pp. 22-26, 1994.
[9] Pino, J. A. and Mora, H. A., “Schduling meetings using participants’ preferences,”
Information Technology & People, Vol. 11(2): 140-151, 1998.
ボスを追放したら,オフィスは猜疑心
に満ちる?



Pinoら[9]のレビューで示唆されているように,オフィ
スのメンバーの選好に基づく会議スケジューラーは
利用されていない.
その理由は,慣習的な方法が,戦略的操作と独裁
性を回避するのに役立っているからと考えられる(第
3節)
また,メンバーの選好を固定入力させることは,心
理的な抵抗があるといわれる.(上記の解決を無に
することになりかねないという意味では,合理的かも
しれない…)
LPMSC法の利点
しかし,よりフラットなオフィスでは,別の方法,
つまり適切に制限された領域の設計法が必
要ではないか.LPMSC法はそのための論理
的かつ計算的手段を提供する.
 申告に基づき,ある可能なスケジュールの集
合を設定するので,厳密にプライバシーを明
かさなくてすむ.

PROLOGで容易にできたこと
LPMSC法についての先行研究([6],[7])で行
われたこと
 2人3代替案強順序の場合の2つの不可能性
定理の自動証明
 分解可能な制限的領域の生成とその非独裁
かつ操作不可能な社会的選択の自動設計

[6] Indo, K., “An automated proof of the Arrow’s theorem,” mimeo, 2006.
(http://www.us.kanto-gakuen.ac.jp/indo/wp/myswf.pdf)
[7] 犬童健良, “社会的選択問題のための論理プログラミング,” mimeo, 2006.
(http://www.us.kanto-gakuen.ac.jp/indo/wp/lpmsc.pdf)
例1.

会議
 M1:会議1
 M2:会議2

タイムスロット
 T1:朝
 T2:昼

可能なランキング(可能な
スケジュール)
 (M1,M2)
 (M2,M1)
多数決による社会的選択(3人のオ
フィスにおける1つのケース)

個人の望むス
ケジュール
 人1:(M1,M2)
 人2:(M1,M2)
 人3:(M2,M1)

社会全体としての
決め方
 多数決による

多数決による決定
 (M1,M2)
この場合,戦略的操作可能性(虚偽
報告の動機)がないので…

個人の望むス
ケジュール

個人の申告
 人1:(M1,M2)
 人1:(M1,M2)
 人2:(M1,M2)
 人2:(M1,M2)
 人3:(M2,M1)
 人3:(M2,M1)

社会全体としての
決め方
 多数決による

多数決による決定
 (M1,M2)
例2.


 M1:会議1
ランキング(スケ
ジュール)
 M2:会議2
 (M1,M2,-)
会議
タイムスロット
 T1:朝
 T2:昼
 T3:晩

 (M2,M1,-)
 (M1
,- ,M2)
 (M2 ,- ,M1)
 ( - , M1,M2)
 ( - , M2,M1)
戦略的操作が可能になる1つのケース
ペアごとの多数決

個人の望むスケ
ジュール
 人1:(M1,M2,-)

∵M1(2票),M2(1票)

 人2:(-, M1,M2)
 人3:(-,M2,M1)
(M1,M2)
(-, M2)
∵M2(1票),-(2票)

(-, M1)
∵M1(1票),-(2票)

多数決による決定
(-, M1, M2)
戦略的操作が可能になる1つのケース

個人の申告
ペアごとの多数決

 人1:(M1,M2,-)
 人2:(-, M1,M2)
(M1,M2)
∵M1(2票),M2(1票)

 人3:(M2,-,M1)
(M2,-)
∵M2(2票),-(1票)

(-,M1)
∵M1(1票),-(2票)
全員正直なら ..
(-, M1 , M2)

多数決は非推移的
(M2,-, M1,M2)
NDかつSPの社会的選択は可能か?
いくつかの可能性定理
 非制限的領域

 2代替案[3]
 市民主権の制限[3]

制限的領域
 価値制限など[4,8]
 分解可能性[12]
先の選好モデルをNDSPにするには..

可能なランキング





(M1,M2,-) =r(1)
(-, M1,M2) =r(5)
(M1,-,M2) =r(2)
(-,M2,M1) =r(6)
(M2,-,M1) =r(4)
• ただし、ここでは人3のr(4)またはr(6)、
および人2のr(5)またはr(2)を申告する戦
略的操作可能性のみ考える。
• 対応する付録1中の5順序NDSPルール
3つのうち、いずれかを、右図のように、
(a,b,c)⇒(M1,M2,-)と読み替えて用いる。
これを任意の2人を選んで使えば、3人に
対するNDSPルールを得る。
人3
人1
1 2 4 5 6
1
M1 M1 M2
-
-
2
M1 M1
-
-
4
M1 M1 M2
-
-
5
M1 M1
-
-
-
6
M1 M1
-
-
-
-
5順序12456に対するNDSPルールの一例

もし人1と人3を選ぶと、
 (1,6)=>(-, M1,M2)
 (1,4)=>(M2,-,M1)
穏当な選択
(2.4)



R1=r(1)=(a,b,c),R2=r(4)=(b,c,a)
上の例で,トリプル(a,b,c)について,仮に社会がaを選ぶとす
ると,次の意味においてラディカルな選択である.すなわち,
人1にとってベスト,人2にとってワーストになるが,しかし,
「もしbを選んでいたなら,セカンドベストになる人2が,たった
一人,生じるだけであったろうに」という,公平性に照らしての
慙愧の念を含む.
穏当な選択は,上の意味でラディカルな選択を含まないもの
とする.忌避されるべき順序ペアと選択案の組合せは,6つ
ある.
(1,4,a) ,(1,5,c) ,(5,4,b),(2,3,b) ,(2,6,a),(3,6,c)
予稿集および配布資料で(5,4,c)となっています
が、正しくは(5,4,b)です。
穏当な選択に違反する箇所
人3
人1
1 2 4 5 6
1
M1 M1 M2
-
-
2
M1 M1
-
-
4
M1 M1 M2
-
-
5
M1 M1
-
-
-
6
M1 M1
-
-
-
-
5順序12456に対するNDSPルールの一例
修正LPMSC法(2人3代替案)
(4.1)



A1.まず各人の選好順序,社会的意思決定ルー
ル,およびその制約条件(論理仕様)を,
PROLOGコードとして実装する.
A2.PROLOGコードによる実験を通じ,論理仕様
を満たす社会的意思決定ルールと,許可される順
序のリスト(許容的領域)をモデリングする.
A3.論理仕様が満たせない場合は,A2に戻り,不
満足性の指標が許容水準以下になるまで,ある
いはモデラーやユーザの納得が得られるまで,モ
デリングを反復する(DS基準⇒次のスライド).
DS基準
(4.2)



訂正(*
実際には市民主権も加えた
{NDSP,CS}を用いている.
お詫びして訂正します.
以前の研究では,2人3代替案の場合について,
上記の手順A3を,DS基準={NDSP}として決定
的に解いた.
またそのPROLOGコードを用いた実験では,
NDSPルール*は290通り出力される.本論文で
はNDSP条件に加えて,穏当な選択の条件(R),
および埋込み極大性の条件(M)を採用し,NDSP
ルールを図1のように絞り込んだ.
専用プロトコル(アルゴリズムB)により,ユーザー
の選好に基づき,DS基準を満たすルールを選択
する.
図1.穏当かつ極大なNDSPルール
2人のランキング対の番号
i=1:
i=2:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
3代替案のNDSP(非独裁,
かつ戦略的操作不可能)
な許容的領域とサイズ
111111222222333333444444555555666666
123456123456123456123456123456123456
aa-b-caa-b-c------bc-b-c------bc-b-c[r(1),
aa-b-baa-c-c------bb-b-b------cc-c-c[r(1),
a-b-ab------a-b-ab------a-b-cca-b-cc[r(1),
a-a-aa------b-b-bb------a-a-ccb-b-cc[r(1),
a--ba-------------b--bc-a--cc-------[r(1),
-------aacc--abbc--abbc--aacc-------[r(2),
-------aaaa--abba--cbbc--cccc-------[r(2),
-------aa--c-ab--b-------------cb--c[r(2),
r(2),
r(2),
r(3),
r(3),
r(4),
r(3),
r(3),
r(3),
r(4), r(6)]4
r(4), r(6)]4
r(5), r(6)]4
r(5), r(6)]4
r(5)]3
r(4), r(5)]4
r(4), r(5)]4
r(6)]3
図1.穏当な選択の条件と埋め込み極大性をともに満たすN D S P ルール
r(1)=(a,b,c), r(2)=(a,c,b), r(3)=(b,a,c) r(4)=(b,c, a), r(5)=(c,a,b), r(6)=(c,b,a)
(埋め込み)極大性
(5.1)

290通りのNDSPルールの中には,より広い
許容的領域に自分自身を埋め込めるものが
多く含まれている.そうでないものを,埋込み
極大性を満たすNDSPルール,あるいは,た
んに極大ルールと呼ぶことにする.
付録2参照
アルゴリズムB
the protocol




(4.3)
B1.希望する順序を,各自一つずつ申請する.図1
から,申請された順序番号のペアを包含するNDSP
ルール(SCF+許容的領域)のうち1つを選ぶ.
B2.選んだルールで,不許可にする順序ペアと共に,
各人に提示する.拒否されたら別のルールを提示す
る.該当するルールがなければ,B1に戻る.
B3.選ばれたSCFを用い,先頭タイムスロットの会
議を割当てる.先頭のタイムスロットと割当済みの会
議を削除し,残りのペアの順序を(多数決により)決
める.
あるいはB2で不許可にすべき順序を,B1で申請す
るように変更してもよい.
極大性だけでは十分でない
付録1
参照
極大ルールは許可リストのサイズごとに,そ
れぞれ5順序24個,4順序18個,3順序14個,
合計56個ある.
 とくに3順序の場合の領域は,いわゆるラテン
方格((1,4,5)と(2,3,6))である.
 2順序の許容的領域には極大ルールはない.
ちなみに極大でないものは,いずれも反対順
序ペアに対しての15個である.

なぜより広い領域がいいのか?
(5.2)



安定性(S)の条件を,不許可にする順序の数の
少なさとしよう.この観点では,極大なルールはそ
の下位ルールに勝る.
条件Sはそれ自体ではDS基準にならないが,選
好変化に備えて頑健なルールを設計したいときに
は,できるだけ可能な順序が多い方がよいだろう.
例えば,2順序(1,6)に対するNDSPルール5つのう
ち,一つ(abbc)を除くと,図1の最初の4つのルー
ルに埋込まれている.その(abbc)は5順序領域の
穏当ではないルールに埋込まれている.
なぜ5順序の領域を使わないのか?
(5.3)



実は,穏当性を満たす極大ルールは,4順序の3
領域における6個と,ラテン方格に対する2個の,
合計8個しかない(図1参照).
アルゴリズムBは4順序の領域における極大ルー
ルを採用している.これは5順序のNDSPがすべ
てラジカルな選択を含み,したがって穏当性に違
反するためである.
4順序の極大ルールは,全ペアをカバーし,一致と
反対のペアの場合を除くと,バランスがとれている.
またラテン方格を含まないので,価値制限(VR)
([4], [8])を満たす.
「4順序の極大ルールは全ペアをカバーし,一
致と反対のペアを除いてバランスしている。」
1
2
3
4
5
6
1
1246
1356
1246
1356
1246
1356
1246
1356
2
1246
1246
2345
2345
1246
2345
2345
1246
3
1356
2345
1356
2345
2345
1356
2345
1356
4
1246
1246
2345
2345
1246
2345
2345
1246
5
1356
2345
1356
2345
2345
1356
2345
1356
6
1246
1356
1246
1356
1246
1356
1246
1356
r_2
r_1
6 人員配置問題の場合

マッチング問題として,形式的には同じモデルであ
る.
 会議スケジューリング
 会議とタイムスロットのマッチング
 人員配置問題
 人と仕事のマッチング


後者に対する上昇オークションは,VCG価格と一致
し,操作不可能性を保証する[11].
LPMSC法では VCGのような課税スキームなしに,
操作不可能にすることができる.
[11] Leonard, H. B., “Elicitation of honest preferences for the assignment of indivisuals
to positions,” Journal of Political Economy, Vol. 91(3): 461-479, 1983.
まとめ



社会的選択問題を,より現実的な会議スケジューリ
ングを例にとり,その意義について考えた.
多数ある非独裁的・操作不可能な社会的意思決定
ルール(NDSPルール)のうち,より望ましい条件(穏
当性)を満たすものを,3代替案の場合に,6 種類に
絞ることができた.
あいまいな選好順序を設定することにより,スケ
ジューラ利用者の心理的抵抗の軽減を狙ったスケ
ジュール選定手続き(アルゴリズムB)を提案した.
おわり

拙発表をお聞きいただき,ありがとうございま
した.
文献(予稿集と同じです)
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
Gibbard, A., “Manipulation of voting schemes: A general result,” Econometrica, Vol.
41: 587-602, 1973.
Satterthwaite, M. A., “Strategy-proofness and Arrow's conditions: Existence and
correspondence theorems for voting procedures and social welfare functions,”
Journal of Economic Theory, Vol. 10: 187-217, 1975.
Arrow, K., Social Choice and Individual Values, Yale University Press, 1963.
Sen, A., Choice, Welfare and Measurement, The MIT Press, 1982.
Ephrati, E., Zlotkin, G., and Rosenschein, J. S., “Meet your density: A nonmanipulable meeting scheduler,” CSCW’94, pp. 22-26, 1994.
Indo, K., “An automated proof of the Arrow’s theorem,” mimeo, 2006.
(http://www.us.kanto-gakuen.ac.jp/indo/wp/myswf.pdf)
犬童健良, “社会的選択問題のための論理プログラミング,” mimeo, 2006.
(http://www.us.kanto-gakuen.ac.jp/indo/wp/lpmsc.pdf)
Inada, K., “On the simple majority decision rule,” Econometrica, Vol. 36: 490-506,
1969.
Pino, J. A. and Mora, H. A., “Schduling meetings using participants’ preferences,”
Information Technology & People, Vol. 11(2): 140-151, 1998.
Kalai, E. and Muller, E., “Characterization of domains admitting nondictatorial social
welfare functions and nonmanipulable voting procedures,” Journal of Economic
Theory, Vol. 16: 457-469, 1977.
Leonard, H. B., “Elicitation of honest preferences for the assignment of indivisuals
to positions,” Journal of Political Economy, Vol. 91(3): 461-479, 1983.
付録1.5順序のNDSPルール
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
aabbaaabbabbbbbbbbbbaabbc[r(1),
aabbaaabbaaabbaaabbcaabbc[r(1),
aaaaaaaaaabbbbbbbbbbaaacc[r(1),
aaaaaaaaaaaabbaaabbcaaacc[r(1),
aaaaaaaaaaaabbbaabbbaabbc[r(1),
aabbbaabbcaabbbaabbbaabbc[r(1),
aaaaaaaaaabbbbbbbbbbbcbbc[r(1),
aabbbaabbcbbbbbbbbbbbcbbc[r(1),
aaaaaaaaaaaababaaaccaabcc[r(1),
aaaccaaaccaabccaaaccaabcc[r(1),
aaaaaaaaaaaababcccccccccc[r(1),
aaaccaaaccaabcccccccccccc[r(1),
aaaaaaaaaaaabccaacccaaccc[r(1),
aabccaacccaabccaacccaaccc[r(1),
aaaaaaaaaabcbcccccccccccc[r(1),
aabccaacccbcbcccccccccccc[r(1),
abbabbbbbbbbbbbabbccbbbcc[r(1),
abbccbbbccbbbccabbccbbbcc[r(1),
abbabbbbbbbbbbbcccccccccc[r(1),
abbccbbbccbbbcccccccccccc[r(1),
abbccbbbbbbbbbbcbbcccbbcc[r(2),
abbccabbcccbbcccbbcccbbcc[r(2),
aacccbbbbbbbbbbcccccccccc[r(2),
aacccabbcccbbcccccccccccc[r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(2),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(3),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(4),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5),
r(5)]
r(5)]
r(5)]
r(5)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
r(6)]
% The maximal NDNM basis for each 2 rankings NDNM is near unique.
?- findall((K,U,G), (auto_restricted_domain(U),length(U,K), (auto_scf( G,sp),
citizens_sovereignty(G),is_non_dictatorial_scf(G))),
SL),length(SL,N),nl,write(N:scf_and_domains),
member((2,L,F),SL),show_scf_hr_0(F),write(L),write(2),
member((5,U,G),SL),subset(L,U),subset(F,G),
show_scf_hr_0(G),write(U),write(5),
fail.
付録2.2順序のNDSPのベーシス
290:scf_and_domains
scf: a----b------------------------a----c[r(1),
scf: aabb-baabb-caabb-baabb-b------aabb-c[r(1),
scf: a----a------------------------b----c[r(1),
scf: aaaa-aaaaa-abbbb-bbbbb-b------bcbb-c[r(1),
scf: a----b------------------------b----c[r(1),
scf: aabb-baabb-cbbbb-bbbbb-b------bcbb-c[r(1),
scf: a-bbab------b-bbbbb-bbbba-bbccb-bbcc[r(1),
scf: a----c------------------------b----c[r(1),
scf: a-bbcc------b-bbccb-bbcca-bbccb-bbcc[r(1),
scf: a----b------------------------c----c[r(1),
scf: a-bbab------b-bbbbb-bbbbc-ccccc-cccc[r(1),
scf: -------a-c---------a-b--------------[r(2),
scf: aa-bccaa-ccc------aa-bccaa-cccaa-ccc[r(1),
scf: -------a-c---------b-b--------------[r(2),
scf: -------aaccc-bbbbb-bbbbb-ccccc-ccccc[r(2),
r(6)]2
r(2), r(3),
r(6)]2
r(2), r(3),
r(6)]2
r(2), r(3),
r(3), r(4),
r(6)]2
r(3), r(4),
r(6)]2
r(3), r(4),
r(4)]2
r(2), r(4),
r(4)]2
r(3), r(4),
r(4), r(6)]5
r(4), r(6)]5
r(4), r(6)]5
r(5), r(6)]5
r(5), r(6)]5
r(5), r(6)]5
r(5), r(6)]5
r(5), r(6)]5
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
scf:
No
?-
-------a-a---------c-b--------------[r(2),
aa-aaaaa-aaa------bc-bcccc-ccccc-ccc[r(1),
-------a-b---------c-b--------------[r(2),
-------abbcc-abbcc-cbbcc-cbbcc-cbbcc[r(2),
-------a-c---------c-b--------------[r(2),
aa-bccaa-ccc------bc-bcccc-ccccc-ccc[r(1),
-------aaccc-abbcc-cbbcc-ccccc-ccccc[r(2),
--------------b-a---------a-c-------[r(3),
aaaaa-aaaaa-aabba-aabbc-aaacc-------[r(1),
aaa-aaaaa-aaaab-ab------aaa-ccaab-cc[r(1),
--------------b-b---------a-c-------[r(3),
aaaaa-aaaaa-bbbbb-bbbbb-aaacc-------[r(1),
--------------b-c---------a-c-------[r(3),
aaa-ccaaa-ccaab-cc------aaa-ccaab-cc[r(1),
--------------b-a---------b-c-------[r(3),
aabba-aabba-aabba-aabbc-aabbc-------[r(1),
--------------b-a---------c-c-------[r(3),
aaa-aaaaa-aaaab-ab------ccc-ccccc-cc[r(1),
r(4)]2
r(2), r(4),
r(4)]2
r(3), r(4),
r(4)]2
r(2), r(4),
r(3), r(4),
r(5)]2
r(2), r(3),
r(2), r(3),
r(5)]2
r(2), r(3),
r(5)]2
r(2), r(3),
r(5)]2
r(2), r(3),
r(5)]2
r(2), r(3),
r(5), r(6)]5
r(5), r(6)]5
r(5), r(6)]5
r(5), r(6)]5
r(4), r(5)]5
r(5), r(6)]5
r(4), r(5)]5
r(5), r(6)]5
r(4), r(5)]5
r(5), r(6)]5
PROLOGでもむずかしかったこと
補遺




4代替案以上のケースでの設計は,意外にむずかしい.執筆
段階では,より大きな問題では,トリプルに分解して,ペアま
で砕いたら,多数決を使おうと思っていた(5.4節).
しかし,現在知られているFishburn-Craven ,AbelloJohnsonの方法でも,厳密な最長価値制限領域は知られて
いない.(例えばn>4のときの下界は3*2n-2-4)
現在のコードは,6代替案以下で2n-1の領域を生成できる.
ただし,トリプルに対する穏当性を満たす前出の極大領域は,
稲田[8]の2群分割可能性(中位でないことに合意できる代替
案がある)を満たす.また,最長多数決非循環領域の最善下
界の研究において,その一般化が用いられており,5節で述
べた階層化の方法を正当化できるかもしれない.
補足.非推移性の源泉(Inada[8],
Sen[4])



許可されたランキングの中に,ラテン方格(latin
square)が含まれていると,ペアワイズ多数決は循
環してしまう.また強順序の奇数人数の場合,非推
移性の必要十分条件である[8].
ラテン方格:代替案のトリプルで,どの案もどの3順
位をもれなくとる最小の組み合わせ.
言換えれば,各トリプルで,順位の分布に最低1つ
の穴があれば,多数決は循環しない(⇒文献で価値
制限と呼ばれている)
予稿集論文の構成








1節 全体の紹介です.
2節 会議スケジューリングを社会的選択問題として述べて
みます.
3節 不可能性定理とその回避について述べています.
4節 修正LPMSC法を説明しています.
5節 その合理的根拠を説明しています.
極大性と穏当性の基準の下で,操作不可能な非独裁的スケ
ジューリング選択法(NDSPルール)を絞り込みます.
6節 人員配置問題を論じます.
7節 まとめます.