1.古代における文化

サイバネティックスと学習
「サイバネティックス」(Cybernetics) by
N. Wiener
 「人間機械論」(The Human Use of Human
Beings) by N. Wiener
「人間機械論」の構成












まえがき -偶然的宇宙という概念
Ⅰ 歴史におけるサイバネティックス
Ⅱ 進歩とエントロピー
Ⅲ 固定性と学習:通信行動の2つのパターン
Ⅳ 言語のしくみと歴史
Ⅴ 通信文としての組織
Ⅵ 法律とコミュニケーション
Ⅶ コミュニケーション・機密・社会政策
Ⅷ 知識人と科学者との役割
Ⅸ 第一次および第二次産業革命
Ⅹ ある種の通信機械とその将来
ⅩⅠ 言語、かく乱、通信妨害
まえがき -偶然的宇宙という概念
決定論的自然観 ニュートン
 確率論的自然観 ボルツマン、ギッブス

エントロピー
 サイバネティックス

Ⅰ 歴史におけるサイバネティックス①
通報(メッセージ)の理論
 機械、社会を制御する手段としての通報
 計算機、心理学、神経系等など
 科学の方法に関する確率論的理論
 サイバネティックス cybernetics

Ⅰ 歴史におけるサイバネティックス②
制御と通信の問題
 命令=情報によって「組織性を低下させ、
意味を破壊しようとする自然界の傾向」
(エントロピーの増大)と闘う

Ⅰ 歴史におけるサイバネティックス③
通信の研究の歴史
 フェルマー、ホイヘンス:光(視覚像の通
信)
 ライプニッツ:「モナド」(単子)の集合
としての世界
 モナドの予定調和と機械仕掛けの時計
 マックスウェル、ファラデー:エーテル
 ギッブス:エントロピー

Ⅰ 歴史におけるサイバネティックス④
オルゴールの上で踊る人形の機械仕掛け
 人間や動物の行動
 感覚機械(センサー)
 フィードバック:実際に行った行動に基
づく制御
 生物個体の物理的機能と通信機械の行動
が 「 フィ ードバ ックに よって エント ロ
ピーを制御しようとする働き」において
相似

Ⅱ 進歩とエントロピー①

マックスェルの悪魔と情報


情報獲得に要するコスト
組織性増大、「生命」、機械

局所的な反エントロピー過程
Ⅱ 進歩とエントロピー②
「進歩という概念」と啓蒙主義
 ダーウィン:残留していく生物のパター
ン
 非合目的なでたらめな機構が「学習」と
いう過程を通じて合目的性が現れる
 進歩とエントロピー:対立する概念

Ⅲ 固定性と学習:通信行動の2つの
パターン①

既知の過去から未知の未来へ

未発の偶発事にたいして新しい釣り合いを追求
学習にかんするフィードバックの役割
 社会におけるフィードバック

Ⅲ 固定性と学習:通信行動の2つの
パターン②

アリが知的な動物でない理由





外部骨格は成長できない。
複雑な神経系が存在する余地がなく、記憶を蓄えられない
「サイバネティクスの立場から見れば、機械の構造も
生物の構造も、その機械または生物から期待しうる性
能を示す指標」
人体の構造の柔軟性:人間の知能のほとんど無限な拡
張を可能にするもの
人間の生理を複製したような力学的機械:人間の知能
を複製した知能を持つ機械
Ⅲ 固定性と学習:通信行動の2つの
パターン③



人間の構造:適応的・学習的諸能力
学習=フィードバック
脳とデジタル機械
言語の仕組みと歴史①
メッセージと符号化、言語
 人間の通信

符号体系の複雑さ、正確さ
 高度の任意性


機械における「言語」
機械から人間、人間から機械
 人間に固有な機能の付与
 semantic aspectとphonetic aspect

言語の仕組みと歴史②

意味論(semantic aspect)
翻訳
 記憶の必要性

言語の行動段階
 受信装置に到達したの総情報量は伝達さ
れる情報量より少ない

言語の仕組みと歴史③

チンパンジーはなぜ話をしないか?


チンパンジーには、耳に入る音を翻訳して、
自己の諸概念の統合の基礎にさせるか、また
は一個の複合的な型の行動へ転化させるよう
な作りつけの機構が備わっていない・
言語をしゃべることは人間の最大の関心
事であり、人間の達成したもっとも著し
い特徴
言語の仕組みと歴史③
「会話は話し手と聞き手が共同して混乱
の諸力に対抗するゲーム」
 単語の長さの分布に関するマンデルブ
ロートの研究



言語の間の自然淘汰
命令=情報によって「組織性を低下させ、
意味を破壊しようとする自然界の傾向」
(エントロピーの増大)と闘う
通信文としての組織①






有機体(organism)=通信文(message)
有機体の特徴を、ある種の問いにたいする答えのパ
ターンで示す
エントロピーの増大で腐敗、崩壊に抵抗する過程
 ホメオスタシス(恒常性)
ホメオスタシスによって維持されるパターン:自己同
一性
人体:恒に更新
パターン=メッセージ
通信文としての組織②



「物質を送ること」と「情報を送ること」
一個体の肉体的同一性は物質に依存せず、パ
ターン(プログラミング)で決まる。
「電話」による旅行
法律とコミュニケーション①
「正義」の概念
 法律の問題:臨界的な事態を秩序正しく
反復的な仕方で制御する:コミュニケー
ションとサイバネスティックスの問題

コミュニケーション・機密・社
会政策
「情報」の価値
 「情報」:貯蔵より、利用
 暗号
 情報の闘争的利用

知識人と科学者の役割
第一次および第二次産業革命
第一次産業革命
 航海術と正確な時計(クロノメーター)
 蒸気機関


機械への転換による労働条件の悪化
蒸気からモータ、工場の形態
 真空管とレーダーの技術
 計算機械

第一次および第二次産業革命②

第二次産業革命計算機械の役割
ある種の通信機械とその将来
パーキンソン氏病とフィードバック
 「蛾と南京虫」の振動、および振幅の増
大との関係
 音声を触覚で受信する補聴器
 自動チェス指し機
 デュバール神父の心配
 ゲームの理論

言語、かく乱、通信妨害

マンデルブロートの言語
学校とサイバネティックス
予定調和としての教育観=カリキュラム
 「総合的学習」に見られる新カリキュラ
ム
 統合
 教師の役割の相対的向上
