海運ロジスティクス専攻 0855014 高 婷婷 指導教員 黒川久幸 目次 研究背景 商慣行の紹介 研究目的 委託仕入のモデル化 検討及び考察 結論 今後の課題 •2 研究背景 衣料品年間小売販売額の推移 16 兆円 14 12 10 8 不合理な取引慣行・ 取引条件 6 4 2 0 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 経済産業省 07年商業統計確報DATA 第1巻産業編総括表より作成 •3 商慣行の紹介 経済産業省が実施している商慣行改善調査結果から問 題とされている商慣行を分類する。 (1)取引慣行 (2)リベート制 (3)物流慣行 委託仕入 派遣店員制 口約束契約 建値制 売れ残った商品は返品という形態 委託販売の支援すること 取引に関する契約は非文書化こと メーカーは小売価格を設定すること 一定数量以上仕入販売してくれた小 売に支払われる報酬などを指す 物流センターフィー 小売が納品側に負担させてい る物流センターの使用料,配送料などを指す。 納品条件付き リードタイムの短縮、納品頻度の 増加、時間帯指定配送などを指す。 •4 商慣行のまとめ (消)消費者 (小)小売 (メ)メーカー (業)業界全体 •5 研究目的 本研究では日本のアパレル産業における 取引慣行を対象に高コスト構造の発生メカ ニズムを明らかにすることを目的とする。 •6 目次 研究背景 商慣行の紹介 研究目的 委託仕入のモデル化 検討及び考察 結論 今後の課題 •7 委託仕入とは 高度成長期に小売側がメーカーに対し返品を要求し たのが始まりとされる。 メーカーは商品の所有権と小売価格の決定権がある 小売は委託仕入手数料をえる 売れ残った商品はメーカーに返品される •8 アプローチ 委託仕入を行っている場合のメーカー、小 売、消費者の3者の間における商品の流通 及び小売価格等の変化をモデル化する。 そして、iThinkというシミュレーション ソフトを用いて、検討する。 •9 意思決定 メー カー 発注量 返品量 小売 価格 消費者 小売 販売量 •10 メーカーと小売の利益の計算式 メーカーの利益 =(1-手数料率)×小売価格×販売量 -製品原価×(販売量+返品量) =小売価格×販売量-手数料率×小売価格×販売量 -製品原価×販売量-製品原価×返品量 小売の利益 = 手数料率×小売価格×販売量-販管費 •11 消費者の購買行動 1.2 1 期 待 さ 0.8 れ る 0.6 需 要 の 0.4 平 均 0.2 0 0 1000 2000 3000 4000 5000 小売価格 •12 モデル図 •13 目次 研究背景 商慣行の紹介 研究目的 委託仕入のモデル化 検討及び考察 ・高度成長期には問題とならなかった ・現在に問題されるようになった 結論 今後の課題 •14 何故、委託仕入が経済高度成長期には 問題とならなかったのか •15 経済成長期(1972‐1991)の市場 毎年、売上が6.5%増加していた。そこで需要量も同様 に増加していくとしてシミュレーションを実施する。 利益追求手段 小売は発注量を増やす メーカーは小売価格を上げる •16 シミュレーションの結果 1600 3.5 1400 3 1200 2.5 利 1000 益 800 ( 万 円 600 ) 400 メーカーの利益 小売の利益 量 2 ( 万 枚 1.5 ) 1 200 0.5 0 0 0 20 40 60 期間(期) 80 100 実際の返品量 発注量 販売量 1 21 41 61 81 101 期間(期) •17 考察 元々は小売側が一方的に有利な条件を提示した形だっ たが、結果的には需要の増加に支えられ、小売もメーカ ーも利益を増やし続けていた。小売価格は一定のままで あり、消費者の購買に影響を与えていない。 市場規模が拡大している経済成長期には、委託仕入は 3者にとって問題がなかったことが分かった。 ではなぜ今は問題視されるようになったのか ? •18 現在(1991年以降)の市場 毎年、売上が0.8%減少しており、需要量も同様に減少して いくとしてシミュレーションを実施する。 需要量減少していく場合、利益も減少していくのは当然 のことだ、ここで、より分かりやすく説明するために、需 要量を一定とし、シミュレーションを実施して検討する。 利益追求手段 小売は発注量を増やす メーカーは小売価格を上げる •19 需要量一定の場合 800 700 利 益 : 万 円 600 500 400 300 ① 200 ② ③ 100 0 0 5 10 15 20 メーカーの利益 25 30 35 40 45 50 小売の利益 •20 ① 枚 25000 ② ③ 20000 15000 10000 5000 0 0 5 10 15 20 返品量 25 30 発注量 35 40 45 50 40 45 50 販売量 円 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 0 5 10 15 20 25 30 35 小売価格 •21 800 700 ① 利 益 : 万 円 600 500 400 300 200 100 0 0 5 10 メーカーの利益 15 小売の利益 円 2500 枚 14000 12000 2000 10000 8000 1500 6000 1000 4000 500 2000 0 0 0 5 返品量 10 発注量 販売量 15 0 5 10 15 小売価格 •22 800 利 益 : 万 円 ② 600 400 200 0 17 22 27 メーカーの利益 32 37 小売の利益 枚 18000 16000 円 2500 14000 2000 12000 1500 10000 8000 1000 6000 4000 500 2000 0 0 17 22 27 32 返品量 発注量 販売量 37 17 22 27 32 37 小売価格 •23 600 500 利 益 : 万 円 ③ 400 300 200 100 0 40 45 メーカーの利益 50 小売の利益 円 3000 枚 25000 2500 20000 2000 15000 1500 10000 1000 5000 500 0 0 40 45 返品量 発注量 50 販売量 40 45 50 小売価格 •24 委託仕入の問題構造 •25 負のスパイラル 消費者 値上げに影響で、商 品を買わなくなる 販売量が減小 小売 販売機会損失を減 らすために 発注量を増加させ メーカー 利益確保ために 小売価格を上げる メーカーへの返 品量増加 •26 目次 研究背景 商慣行の紹介 研究目的 委託仕入のモデル化 検討及び考察 結論 今後の課題 •27 結論 1991年以降の市場において、小売からメーカーへの返 品量の増大がメーカーの経営を圧迫し、結果として小売 価格の上昇 そして、これによる消費の低迷、更なる返品の増大とい う負のスパイラルに陥っている問題構造が明らかとなっ た。 •28 今後の課題 改善策を検討する。 •29 ご清聴ありがとうございました •30
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