音野瑛俊 (東京大学) and NOP collaboration 0 Motivation 測定手法によって1%の違い tn = 878.5±0.7±0.3 sec (UCN Gravity trap : Serebrov 2008) tn = 886.3±1.2±3.2 sec (Proton penning trap : Nico 2005) → 異なる測定手法での検証が望まれている ビックバン元素合成での重要な役割 中性子寿命 バリオン密度 HeとHの存在比率 バリオン密度 G.J. Mathews, T. Kajino, T. Shima PRD71 (2005) 021302 He/H tn = 878.5±0.7±0.3 sec tn = 885.7±0.8 sec 1 実験原理 ガス検出器の有感領域 崩壊電子の計数 3He(n,p) 3Hの計数による フラックス測定 長所 時刻 ・検出領域より短い中性子バンチ →β崩壊とフラックスを同一の信号領域で測定 ・4πアクセプタンス →99.9%以上の信号検出効率 課題 ・統計的引き算のできないビーム起因BGの抑制(<0.1%) 信号領域 ビーム軸上の座標 2 イベントの Time of Flight 情報 イベント数 β崩壊(シグナル) 除去不可能なBG ベータ崩壊と同期して発生するイベントでチョッパー を入れても残存する. ハードウェアレベルでベータ崩壊イベントの1/1000ま で落とす必要がある 0 プロンプト MLF水銀ターゲットに陽子ビームが衝突する際に発生する ・速中性子 ・ガンマ線 などで信号領域の外にあるもの 40ms TOF 統計処理で除去可能なBG ビームに起因する・しないにかかわらず.時間的に直流 である 3 セットアップ J-PARC MLF BL05 真空容器 β崩壊・中性子フラックス測定ガス 検知器(TPC) 鉛遮蔽 宇宙線Vetoカウンタ 4 スピンフリップチョッパーのセットアップ 磁気スーパーミラー3 偏極 フリッパーコイル2 磁気スーパーミラー2 非偏極 磁気スーパーミラー1 低発散 ローパスフィルタ BL05 フリッパーコイル1 BL04 5 スピンフリップチョッパーの動作原理 SFC の構成 ◦ フリッパーでパルスの一部のスピンを反転 ◦ ミラーでスピン反転した部分の中性子のみを反射 Neutron Source 20m TPC ◦ フリッパーとミラーを増やし、コントラスト(B/A)を向上 ◦ 前回ビームテスト時はフリッパー、ミラーともに1つで、B/A〜6 40cm Flipper On Flipper Off A B 6 現在のパフォーマンス SFC のセットアップ ◦ フリッパー 2個 ◦ ミラー 3個 → Contrast > 400 を達成 7 ビーム起因BGと中性子吸収 ほとんど全ての元素は吸収と 同時に即発ガンマ線(数MeV)を 複数出して基底状態に落ちる 中性子 8Li(840msec)、20F(11.2sec)、 28Al(2.24min)、、、 励起 放射性同位体 崩壊 6Liはγ線を伴わず CO2など 崩壊するため 遮蔽として 用いられる 安定核子 ガスの構成元素が 吸収すると、即発γ線の 反跳(~1keV)を受けて イオン化を起こす 8 ビーム起因BGの種類 2.上流ビームライン 2.上流ビームライン ターゲットから16m地点まである遮蔽 ターゲットから16m地点まである の内部で発生するガンマ線(TOFを ビームラインの内部で発生するガン 反映) マ線(TOFを反映) BL05 3. 3.SFC前段ミラー SFC前段ミラー SFCの1・2段目のミラーに中性子が SFCの1・2段目のミラーに中性子 当たるときにガンマ線を発生する が当たるときにガンマ線を発生する (TOFを反映) (TOFを反映) 4. SFC最終段ミラー チョップが効いているのでパ ルス化されたガンマ線を発生 する 1.プロンプト 検出器の20m上流にある 破砕ターゲットから発生する 速中性子およびガンマ線 (t=0に集中して発生) 6. 6.飛行中に散乱した中 飛行中に散乱した中 性子に起因するバックグ 性子に起因するバック ラウンド グラウンド 5.検出器中の散乱中 検出器中の散乱 5. 中性子に起因する 性子に起因するバック バックグラウンド グラウンド 7.他のビームライン起因の 他のビームライン起因の 7. バックグラウンド バックグラウンド BL04 9 SFCやビームラインからのBGの測定 偏極 非偏極 低発散 + neutron α + 3H 吸収長は500um程度 6Li BL05 BL04 10 SFCやビームラインからのBG SFC TPC 初段、2段目のミラー 11.0Hzの増加 11 SFCやビームラインからのBG SFCの周りに鉛を積むことで 即発ガンマ線を遮蔽する 簡単な遮蔽での線量の減少は2桁 中性子崩壊タイミングで S/Nが 1/1000 の遮蔽を設計完了 12 最終ミラーの透過波からのBG 透過波は入射波の“ダウンスピン成分”と“アップスピン成分の一部”から成る。 今回の実験では透過波が構造物に当てたため、γ線BGの原因となった。 透過波 反射波 13 最終ミラーの透過波からのBG 3.7Hzの増加 14 TPC内での散乱によるBG (n,γ) 検出器内部で散乱した中性子の捕獲によるγ線BGの原因になる →(n,γ)反応を起こさない物質による散乱中性子の吸収が必要 en 採用している素材:LiF/PTFE 30:70の板 (100%を被覆する必要) →LiF/PTFE板を組み込んだTPC構造を試作している γ 15 BGのSummary BGのSource 中性子吸収 によるBG 環境BG 全時間での 中性子崩壊 タイミングでのS/N 計数率 [Hz] 必要とな るS/N SFC 7.2 1/30 1000 Beamline 3.8 1 1000 鉛、SUS 3.7 1/10 1000 TPCガスでの散 乱 <1 1 1000 放射化 <1 G10 12 宇宙線 <1 40K ~1 時間的に一定のため 引き算が可能 16 Summary TPCを用いて中性子フラックスと崩壊電子を同時測定し0.1%の寿命決定を目指す SFCを用いてビームを整形し、Fiducial Volumeを決める シグナルの検出効率は99.9%のため、BGの抑制が必須 統計処理で除去可能なBGについてはS/N<1以下を目指す(<0.4Hz) 統計処理で除去不可能なBGについては1/1000を目指し設計中 3月までのビームタイムでの物理runを目標としている 17 CH4のrecoil CH4を1.5kPa混ぜて測定 12C+n13 C+γ 1H+nd+ σabsorb (barn) Eγ (MeV) M (GeV) E2/2M (keV) 0.0035 4.95 12.1 1.01 0.3326 2.22 1.88 1.32 γ 18 65Ni 8Li 840msec 12B 20.2mse c 28Al 2.52hour 97Zr 95Zr 16.7hour 64.0day 2.24min 20F 11.2sec 55Cr 3.50min 51Cr 31Si 2.62hour 27.7day 59Fe 44.5day 19 TPCの応答 TPCに落とすエネルギー β崩壊で生成する電子のエネルギー TPC : 20cm x 20cm x 80cm ΔE=17%@5.9keV 89%:TPCを抜ける 7%:TPC内で止まる 4%:反跳しTPCに戻る [keV] [keV] 4.9keV:99.9%のβ崩壊を捕らえるための閾値 吸収起因のバックグラウンド 〜 β崩壊 ← 散乱起因のバックグラウンド 〜 β崩壊x0.3 ← TPCに落とすエネルギーでカット 99.7%の散乱中性子を6Liで吸収させる 20 中性子の吸収と即発ガンマ線 21
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