医事法 東京大学法学部 22番教室 [email protected] 樋口範雄・児玉安司 第4回2008年10月22日(水)15:00ー16:40 第4章 医師の資格と処分 ―医師になるために、医師であるために 1)医師等の資格はどのように定められているか。 2)医師の資格を剥奪するなどの行政処分はどのよう に定められているか。 参照→http://ocw.u-tokyo.ac.jp/ 1 先回の補足 次の例題について、世界医師会マニュアルはいくつかの問題 点を指摘している。それは何か? 3 R医師は小さな田舎町の家庭医である。今回、骨関節症に 対する新しい非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)の治験に 参加するよう、治験業務受託機関(CRO)から働きかけ。彼 女は、患者を治験登録すると、その数に応じてお金を受け取 ることになる。CROは、この治験に必要とされるすべての承 認を得ており、もちろん倫理委員会の承認も得ていると保証 している。R医師は、これまで治験に参加したことがないが、 とくに特別な対価も得られることで気をよくしている。そこで、 彼女は、その治験の科学的、倫理的側面についてさらに問 い合わせることなく、参加を承諾した。 2 さまざまな医療従事者 医師法、歯科医師法、薬剤師法、保健師助産 師看護師法、救急救命士法、歯科衛生士法、 歯科技工士法、診療放射線技師法、臨床検 査技師、衛生検査技師等に関する法律、理 学療法士及び作業療法士法、視能訓練士法、 言語聴覚士法、義肢装具士法、あん摩マッ サージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する 法律、臨床工学技士法、柔道整復師法、精 神保健福祉士法。 3 医療従事者のトップたる医師 医師=これら各種の専門家を統括 医師法17条「医師でなければ、医業をなしては ならない」=「医業独占」 医師法18条「医師でなければ、医師又はこれ に紛らわしい名称を用いてはならない」 =名称独占 他の医療従事者は医業の一部・役割分担 4 業法の構造 資格付与のための条文 一般的な義務に関する条文 罰則規定 その特色は? 5 医師と弁護士 『国民の社会生活上の医師』たる法曹 人数 合格率 地域的偏在 専門的偏り 自律的権能の有無 違いを正当化できるか 6 行政処分(懲戒手続き) 医師と弁護士 ◎種類→2006年改正前は2種類 ◎実際の件数 ◎手続き ◎処分の公開 7 医師の行政処分 今後はどのような形であるべきか 現在、問題になっている医療安全調査委員会と の関係(医療事故関連の処分のあり方) 8 9
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