日本の海外直接投資量と為替の相関性について(仮)

日本の海外直接投資に与える要因
について(仮)
Factor of Foreign Direct Investment
from Japan
九州大学 農学部 生物資源環境学科
農政経済学分野 農政学研究室
大橋亮太
Ryota Ohashi
2010年7月9日
1
目次
Content
1.研究背景
2.研究目的
3-1.先行研究紹介
3-2.先行研究の背景
3-3.現状分析
3-4.結論
4.今後の課題
5.参考資料
2
1.研究背景
Background of Study
• サブプライムショック以降、為替相場は大きく
円高が進んでいる。
• 円が増価することによって日本は海外に直接
投資をしやすくなるのではないか。
• 特に食品業・農業の分野における日本の海
外直接投資を対象として直接投資の動向と
為替変動の相関性を調べる。
• 為替変動の他にどのような要因があるのか
を探る。
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過去60年間の為替(ドル/円)の変動
基準外国為替相場ドル/円(1米ドルにつき円価格)
1ドル当たりの円価格(円)
400.00
350.00
300.00
250.00
200.00
150.00
100.00
50.00
出所:日本銀行ホームページ「統計・データ 金融経済統計」より作成
http://www.boj.or.jp/theme/stat/index.htm閲覧日2010年7月7日
2008
2006
2004
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
1988
1986
1984
1982
1980
1978
1976
1974
1972
1970
1968
1966
1964
1962
1960
1958
1956
1954
1952
1950
0.00
4
1999,01
1999,04
1999,07
1999,10
2000,01
2000,04
2000,07
2000,10
2001,01
2001,04
2001,07
2001,10
2002,01
2002,04
2002,07
2002,10
2003,01
2003,04
2003,07
2003,10
2004,01
2004,04
2004,07
2004,10
2005,01
2005,04
2005,07
2005,10
2006,01
2006,04
2006,07
2006,10
2007,01
2007,04
2007,07
2007,10
2008,01
2008,04
2008,07
2008,10
2009,01
2009,04
2009,07
2009,10
2010,01
2010,04
一米ドル当たりの円価格(円)
過去10年間の為替(ドル/円)の変動
月次平均為替相場ドル/円(1米ドルにつき円価格)
134
126
118
110
102
94
86
78
70
出所:日本銀行ホームページ「統計・データ 金融経済統計」より作成
http://www.boj.or.jp/theme/stat/index.htm閲覧日2010年7月7日
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日本の海外直接投資金額
(1983年〜2009年)
日本の対外直接投資金額(国際収支ベース、ネット、フロー)
単位:100万ドル
140,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
6
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
日本貿易振興機構(JETRO)ホームページhttp://www.jetro.go.jp/world/statistics/より作成
2.研究目的
Purpose of Study
• 海外直接投資規模の変化と為替変動の相関
性の有無、何が海外直接投資規模に影響を
与えているかを調査することで、特に農業、
食料の分野において企業の海外進出、ある
いは生産者の保護についての政策の可能性
を探る。
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3-1. 先行研究紹介
Previous Study
『世界と日本の海外直接投資動向』
2009年国連世界と牛報告書 多国籍企業、農業生産と開発
海外投融資情報財団機関誌 海外投融資(JOI)2010年1月号掲載
藤田 正孝
国連貿易開発会議(UNCTAD)
投資傾向分析課長
8
3-2.先行研究の背景
Background of Previous Study
• 多国籍企業による農業部門への参入が増え
つつあり、生産力増強と生産性向上のための
投資が途上国において早急に必要とされる。
• 多国籍企業がこうした国々での農業の発展
の一翼を担うことができる。
9
3-3.現状分析
Analysis of Present Condition
• 海外直接投資は途上国の農産業に必要な資
金と専門知識をもたらす。
• しかし現状ではこのような投資資源の潜在的
可能性が十分に活用されていない。
多国籍企業の農産業への参入を経済開発に寄与し
ていくことが途上国政府にとって大きな政策課題と
なる。
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農業への投資
• 農業への投資は持続的なものになる。
• この農業投資に拍車をかけているのが、投資先の国
での土地と水の存在と投資元の国での需給逼迫。
• 主要な投資手段は直接投資と契約農業。
• 農業部門への直接投資は1989〜1991年と2005
〜2007年を比べると3倍増の年間30億ドルに達し
ている。
• しかし直接投資全体に占める割合は依然小さい。
11
• 農業部門では途上国(新興国)から途上国へ
の直接投資が急増。
• 途上国企業のクロスボーダーM&Aは農業部
門において総額158億ドルに達し、全体の4
0%を超えている。
• 商業的側面だけでなく、食料安全保障に関す
る懸念がこの増加を牽引している。
12
• 大規模な土地取得を含む投資案件数(201
0年1月時点で確実なもののみ)
出所:JOIホームページhttp://www.joi.or.jp/18j.htmlより引用
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メリット
• 多国籍企業による直接投資は諸材料の提供
や技術指導によって現地生産者に恩恵をも
たらす。
• 多国籍企業の関与によって小規模生産者と
世界史場を結びつけ、小規模生産者が直面
する財政的・技術的制約を緩和できる。
• こうした形態での関与は農業発展、農村部の
貧困解消につながる。
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デメリット
• 多国籍企業の参入によって雇用の消失、制
約的な商業行為、生産者の企業に対する角
の依存につながる可能性。
• 土地収奪行為の発生。
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3-4.結論
Result
• 急増する食料需給に応じて農産業を活性化する
ために、受入国は多国籍企業の参画について
懸念があるにしても、その潜在的価値を過小評
価してはならない。
• そして多国籍企業の投資が開発に寄与し、投資
企業と受入国の経済的恩恵が公平に分配され
るべく計らう必要がある。
• このような投資の高まりに対する施策として国際
機関、先進国政府が主導となり基本原則の策定
をすべきである。
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4.今後の課題
Challenge
• 今回の先行研究中で足りなかった実例等を
探す。
• 為替との関係についての論文を探す。
• 今回集めたデータを整理しグラフ化や産業、
国ごとに比較できるような資料を作成する。
• 分析手法について学び適する分析手法を挙
げる。
• 以上のことを通して研究の方向性等を探る。
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5.参考資料
References
•
•
・
・
日本銀行ホームページ「統計・データ 金融経済統計」
http://www.boj.or.jp/theme/stat/index.htm(2010年7月7日閲覧)
日本貿易振興機構(JETRO)ホームページ
http://www.jetro.go.jp/world/statistics/(2010年7月7日閲覧)
海外投融資情報財団機関誌 海外投融資(JOI)2010年1月号p4-p11
藤田正孝「日本の海外直接投資動向 多国籍企業、農業生産と開発」
海外投融資情報財団(JOI)ホームページ
http://www.joi.or.jp/(2010年7月7日閲覧)
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