日本におけるネット規制

日本におけるネット規制
Internet Hotline Center
• 2006年6月1日に開設
• 違法・有害情報の発信に関する情報収集と対処を
目的とする。
• 警察庁からの業務委託により財団法人インターネッ
ト協会が管理・運営。
• 100%国庫からの受託金収入によって運営さ
れている。
• 日本国内の法律に違反すると判断される情
報(運用ガイドラインで定めたもの)の場合は
警察庁に通報。
• 捜査妨害にならないよう一定期間をおいてか
ら、プロバイダや掲示板の管理者等に対して
違法情報であるとして情報発信の停止を要
請。(発信元が日本国内であるものに限る)
公序良俗に反する情報
• 違法行為に繋がる可能性が高い情報につい
ては公序良俗に反するとする情報(運用ガイ
ドラインで定めたもの)として、プロバイダや掲
示板管理者等に対して利用者との間の契約
や利用に関する取り決め等に基づく対応を依
頼する 。
(しかし、プロバイダと管理者の力関係から大
抵の場合削除されます。)
違法情報
わいせつ物の公然陳列
明らかな児童ポルノの公然陳列
売春防止法違反の広告
出会い系サイト規制法違反
規制薬物関連(広告、あるいは濫用を、公然、
あおり、又は唆す行為)
振り込め詐欺関連(預金通帳等の譲渡あるい
は携帯電話の匿名貸与の誘引等)
公序良俗に反する情報
– 情報自体から、違法行為を直接的かつ明示的に
請負・仲介・誘引等する情報
•
•
•
•
•
けん銃等の譲渡
爆発物の製造
児童ポルノの提供
公文書偽造
殺人、傷害、脅迫、恐喝
違法情報との疑いが相当程度認めら
れる情報
・明らかとまではいえないが児童ポルノと疑われる
もの
・人を自殺に勧誘・誘引する情報
Ex
硫化水素の生成法の記述が人を自殺に誘引する恐れ
ありとして削除依頼が行われる。
出会い系サイト規制法
• 出会い系サイトなどのインターネットを介した
異性の紹介によって、年少者の福祉が阻害さ
れることを防止するための日本の法律である。
2003年(平成15年) 6月13日に公布され、3
か月後の2003年(平成15年)9月13日から順
次施工。
概要
• この法律の主眼は、年少者(18歳に満たない
者)の保護であり、「第2章 児童に係る誘引の
規制」(第6条)において、何人も、インター
ネット異性紹介事業(インターネット異性紹介
事業)を利用して、次に掲げる行為をしてはな
らないと定められている。規定に違反した者
は、100万円以下の罰金に処せられる(第16
条)。
• 児童(18歳に満たない者)を性交等の相手方
となるように誘引すること。
• 人を児童(18歳に満たない者)との性交等の
相手方となるように誘引すること。
• 対償を供与することを示して、児童(18歳に
満たない者)を異性交際(面識のない異性と
の交際)の相手方となるように誘引すること。
• 対償を受けることを示して、人を児童(18歳に
満たない者)との異性交際(面識のない異性
との交際)の相手方となるように誘引するこ
• 出会い系サイトの運営者(インターネット異性
紹介事業者)に対しての規定もあり、年少者
による利用の禁止の明示、年少者でないこと
の確認、年少者の健全な育成に障害を及ぼ
す行為の防止措置、必要に応じ是正命令を
受けることなどが定められ、違反した者など
は罰金刑に処せられる。
施工結果(H17)
出会い系サイトを契機として行われた児童買春
は299件で、16年同期と比べて72件(19.4%)
減少。最盛期の半数以下に減少。
• 出会い系サイトを契機として行われた殺人・
強姦等の重要犯罪は、前年同期と比べて-
8件(-18.2%)
• 暴行・恐喝等の粗暴犯罪は-5件(-16.1%)で
あり、いずれも減少。
被害者の内訳
• 被害者578人のうち、18歳未満の児童が497
人(86.0%)であり、このうち女子児童が493
人(99.2%)を占める。
• そしてこのうち女子中学生が1/3をしめる。
中高生へのアンケート結果(H19)
• 社会安全研究財団によるもの。
• 出会い系サイトへのアクセス経験、その程
度、目的を中心にアンケートに回答してもら
う。
• 対象は中学二年生及び高校二年生
出会い系サイトに行ったことがある
• 中学生 7.9%
• 高校生 7.1%
13~14人中に一人の割合。クラスに一人はいる
ということになる。決して少ない数ではない。
メールのやり取りをしたことがある
• 全体29.1%
• 中学生 22.3%
• 高校生34.8%
実際に会った事がある
• 全体 8.6%
• 中学生 8.0%
• 高校生 9.1%
総括
思春期の不安定な精神状態にある児童は出
会い系サイトに接続した場合、好奇心からそ
の多くが内容を閲覧し、あるいはやりとりに至
るものがかなりの数に上る。
十八歳以上立ち入り禁止の明文も効果はか
なり薄いようである。
ドイツでの規制状況
• ボン基本法(1949年)
• 第5条1項意見表明権・表現の自由の保障、
検閲の禁止。
• 2項表現の自由は青少年保護等を理由に制
限される。
• 3項学問の自由の保障
新青少年保護法(2002年)
• 青少年に有害なパッケージメディア及びテレ
メディア
• 不道徳なもの、粗暴性を助長する人種間の
憎悪へとそそのかすものは、連邦青少年有
害メディア審査会(以下、「連邦審査会」とい
う。)が「有害メディアリスト」に記載する。リス
トからの削除も連邦審査会の権限とする。
• ただし、政治的、社会的、宗教的内容にかか
わるものを、その内容ゆえに記載してはなら
ず、芸術・学術に寄与するもの及び公共の利
益に資するものも記載してはならない
5段階の年齢制限指定
•
•
•
•
•
①制限なし
②6歳以上可
③12歳以上可
④16歳以上可
⑤18歳未満不可
連邦青少年有害メディア審査会
• 1.12人委員会(委員長、業界および団体8人、
州青少年行政3人)
• 2.3人委員会(緊急指定:委員長、業界団体
域1人、その他1人)
• 官民の双方から、そして各業界から専門の人
間、門外の人間も協議に参加、審査する。
指定手続
申立⇒ 審査会による審査
⇒ 指定⇒ 指定リストへの登録
⇒ 公示(異議申立)
⇒ 指定図書等を青少年へ頒布⇒ 処罰
サイトの場合はURLは公示しない。アクセス数
が逆に増える恐れがあるため。
自主規制
テレビ、出版、ラジオ等のマスメディアにはそれ
ぞれ自主規制団体が存在し、規制基準を自
ら策定し、審査を行う。
特筆すべきはインターネットに関しても自主規
制団体が存在し、自分たちの秩序を作り上げ
ている点である。
• あくまでも連邦青少年有害メディア審査委員
会は各業界の自主規制を尊重している。
• そこから漏れて申し立てを受けたものに対し
て十分な審査をし、必要な場合は指定を行
い、ブラックリストに追加するというもの。
• 載せられたものはアクセス制限がかけられ
る。
• また、ドイツではネットへの取り組み方に関す
る啓もう活動も盛ん。
議題①
• ネット規制に関して海外の国も自主規制に
よって立つ現在、本当に日本社会でインター
ネットに対し、その方法は別として更なる規制
はあるべきかどうか。規制をすればするほど
海外サーバーに流出して規制がより困難に
なるとの指摘もある。
議題②
そもそもフィルタリングサービスの原則導入と
いうシステムには、それぞれのサイトを深く審
査することなく機械的に有害、無害の判定を
行うというものである。つまり、犠牲になるサ
イトが数多く生まれる。きちんとした審査を受
けずして経済的不利益、表現の自由の侵害
を受ける人々が生まれるにも関わらず本当に
悪質なサイトは海外に逃げてしまう事が予想
されるのだが、これをどう考えるか。
議題③
• 青少年自身が有害な情報を発信している場
合(身近にあるものを利用した爆薬、有毒物
質の生成法等)彼自身はすでにその知識を有
している訳であるが、その場合彼らの表現の
自由をどう考えるのか。例えば当該サイトが
規制されると自身が編集できなくなり、彼の表
現の自由を害することになるが、これをどう考
えるか。知る権利ではなく、表現する行為ま
で規制して良いものだろうか。