小樽市における 将来的必要医療・介護病床数 ~行政資料による簡易シミュレーション~ 2010.10.22 特別講演会 とことん知りたい樽病新築 小樽商科大学大学院商学研究科 アントレプレナーシップ専攻 野村 信平 1 はじめに ここでは、原則的に皆さんがすぐにインターネットで取得できる 行政関連データを基に、出来る限り複雑な計算を行わずにシ ミュレーションします。 専門家の課題ではなく皆さんが考える課題として捉えます。 使用した資料: 平成20年度日本の将来人口推計(国立社会保険・人口問題研究所) 平成20年度患者調査(厚生労働省) 平成21年度医療施設(動態)調査・病院報告(厚生労働省) 平成20年北海道医療計画後志地域推進方針(北海道後志保健福祉事務所) 介護サービス提供事業者名簿(小樽市) 2 小樽市の将来人口 小樽市の将来人口推計 140000 120000 100000 (人) 80000 60000 40000 20000 0 総数 平成22年 (2010) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 132739 123549 113786 103737 93683 83945 5年で約1万人ずつ減少し、 平成47年には8万人程度の 人口の市になる予定となっている。 3 小樽市の将来人口(年齢別) 小樽市の将来推計人口 140000 120000 100000 (人) 80000 60000 40000 20000 0 75歳以上 65~74歳 55~64歳 45~54歳 35~44歳 25~34歳 15~24歳 5~14歳 0~4歳 平成22年 (2010) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 21322 20056 23511 15076 15513 12694 11740 9264 3563 22927 22139 17608 14651 14266 10939 10317 7714 2988 24234 21090 14399 14873 11863 9487 8931 6345 2564 26666 15833 14007 13684 10225 8325 7413 5375 2209 26364 13023 14229 11379 8868 7191 6091 4619 1919 23784 12696 13102 9809 7773 5967 5177 3992 1645 4 小樽市の高齢化率推移 小樽市の高齢化率推計 45.0% 40.0% 35.0% 30.0% 25.0% 20.0% 15.0% 小樽市 北海道 全国 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 31.2% 24.6% 23.1% 36.5% 28.9% 26.9% 39.8% 32.2% 29.2% 41.0% 34.0% 30.5% 42.0% 35.6% 31.8% 43.5% 37.4% 33.7% 小樽市の高齢化率は全国、全道 よりも高く、15年後には40%を超える。 5 小樽市の将来人口(75歳以上) 小樽市の75歳以上人口推計 30000 25000 (人) 20000 15000 10000 5000 0 75歳以上 平成22年 (2010) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 21322 22927 24234 26666 26364 23784 75歳以上は15年間増加し続ける。 6 地域住民が入院する割合 ~受療率(入院)~ 北海道の病院受療率(入院) (/人) 0.07 0.06 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0 北海道 全国 0~4歳 0.00447 0.00363 5~14歳 0.00097 0.00096 15~24歳 0.00169 0.00149 25~34歳 0.00354 0.00261 35~44歳 0.00439 0.00336 45~54歳 0.00752 0.00581 55~64歳 0.01367 0.01048 65~74歳 0.02464 0.01809 75歳以上 0.06585 0.04667 北海道は全国と比較して 高齢者が入院している比率が高い。 7 小樽市の入院患者推計(第1段階) 小樽市の推計病院受療患者数(入院合計) (人) 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 合計 平成22年 (2010) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 2490.8 2545.8 2542.5 2542.4 2424.8 2207.1 入院患者推計=人口推移×受療率 として試算した。 8 小樽市の入院患者推計(第2段階) ~在院日数短縮化補正~ 日 日 400 30 精神病床 25 300 一般病床 20 15 200 療養病床 感染症病床 10 結核病床 100 5 一般病床 感染症病床 0 2000 平成12 年 '01 13 '02 14 '03 15 '04 16 '05 17 '06 18 '07 19 '08 20 '09 21 0 2000 平成12 年 '01 13 '02 14 '03 15 '04 16 '05 17 '06 18 '07 19 '08 20 在院日数は過去、減少し続けており、 今後も低く見積もっても 5年間で5%程度は減少していく。 '09 21 注:1) 「一般病床」は、平成10~12年は「その他の病床」のうち「療養型病床群」 を除いたもので あり、平成13~15年は「一般病床」及び「経過的旧その他の病床 (経過的旧療養型病床群を除く。)」である。 2) 「療養病床」は、平成12年までは「療養型病床群」であり、平成13~15年は「療養病床」及び「経過的旧療養型病床群」である。 9 小樽市の入院患者推計(第2段階) ~在院日数短縮化補正~ 平均在院日数短縮化を補正した入院患者推計 3000 2500 2000 (人/日) 1500 1000 500 0 平成22年 (2010) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 補正前 2491 2546 2543 2542 2425 2207 在院日数補正後 2491 2418 2295 2180 1975 1708 これらから、小樽市における 入院患者は減少を辿ることとなる。 10 小樽市の入院患者推計(第2段階) ~在院日数短縮化補正~ 小樽市の推計年齢階級別病院受療患者数(入院) 2500 2000 (人) 1500 1000 500 0 75歳以上 65~74歳 55~64歳 45~54歳 35~44歳 25~34歳 15~24歳 5~14歳 0~4歳 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 (2010) (2015) (2020) (2025) (2030) (2035) 1404 1434 1440 1506 1414 1212 494 518 469 334 261 242 321 229 178 164 158 139 113 105 101 88 70 57 68 59 47 38 32 26 45 37 30 25 21 16 20 17 14 11 8 7 9 7 6 4 4 3 16 13 10 8 7 6 11 小樽市の入院患者推計(第3段階) ~一般病床抽出と市内外患者移動補正~ 1.全病床における一般病床の比率は約52%である。 2.小樽市在住の入院患者のうち約25%が札幌市の病院に 入院している。 3.小樽市以外に在住の入院患者のうち約100人程度が小樽 市の病院に入院している。 これらのデータより更に補正する。 12 小樽市の入院患者推計(第3段階) ~一般病床抽出と市内外患者移動補正~ 一般病床入院推計(市外患者移動補正後) 1600 (人/日) 1425床では 病床稼働率67% 病床稼働率 88% 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 一般病床入院推計 現在の 1425床では 病床稼働率 75% 80%病床稼動率 とすると1193床必要 平成22年 (2010) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 1077 1049 1000 955 875 770 小樽市では今後25年間で 一般病床入院患者数は約30%減少する。 13 地域医療の状況(公的急性期病院) 市立小樽第二病院 北海道済生会小樽病院 小樽掖済会病院 市立小樽病院 小樽協会病院 移転新築予定病院 14 小樽市の一般病床の適正病床数 1.将来的な急性期病院の健全運営のためには、地域におけ る長期計画的な病床稼働率を80%程度に維持するとすれば、 1200床以内で計画することが望ましいと考えられる。 2.現在、地域では市立病院、済生会小樽病院の新築移転が 5年内に予定されており、現計画では両院で100床程度の病 床削減される見込みとなっている。 3.しかし、将来的な適正病床数を実現するためには、更に 130床程度の病床削減が必要と考えられる。 15 小樽市の介護・高齢者等施設サービス 小樽市の75歳以上人口推計 30000 25000 (人) 20000 15000 10000 5000 0 75歳以上 平成22年 (2010) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 21322 22927 24234 26666 26364 23784 介護や高齢者入居施設等の必要数は、 生活環境が大きく変化しない限り 高齢者の人口増減に比例すると考えられる。 16 小樽市の介護・高齢者等 施設サービスの必要数推計 介護・高齢者等施設サービスの必要数推計 現施設数 平成22年 (2010) (必要ベッド数) 平成27年 (2015) 平成32年 (2020) 平成37年 (2025) 平成42年 (2030) 平成47年 (2035) 介護療養型医療施設 8 520 520 520 520 520 520 介護老人福祉施設 4 402 441 473 532 525 462 地域密着型介護老人福祉施設 1 29 38 33 介護老人保健施設 5 500 653 575 養護老人ホーム 1 100 グループホーム 39 734 有料老人ホーム 4 232 高齢者共同住宅 4 202 222 238 合計 66 2719 2924 3090 38 34 +137床 32 +73床 +91床 549 100 806 588 100 864 662 100 100 100 959 844 303 267 268 264 232 3400 3362 3033 972 307 273 +173床 255 +93床 +114床 現在と同程度の入居環境を確保するためには、 今後15年間については、5年経過毎に 150床~300床程度の整備が必要と考えられる。 17 小樽市の介護・高齢者等 施設サービスの必要数推計 介護・高齢者等施設サービスの必要数推計 必要ベッド数 3500 3000 2500 高齢者共同住宅 有料老人ホーム グループホーム 養護老人ホーム 介護老人保健施設 地域密着型介護老人福祉施設 介護老人福祉施設 介護療養型医療施設 2000 1500 1000 500 0 2 2 平成 10) 20 年( 15) 7年 2 平成 20) ( 20 2年 3 平成 25) (20 7年 3 平成 35) 30) (20 2年 4 平成 (20 7 4 平成 20 年( 18 小樽市の介護・高齢者等の ベッド数から見た課題 1.今後の高齢者増加に合わせた入居環境の整備が必要と 考えられる。 2.今後15年間については、5年経過毎に 150床~300床程度の整備が必要と考えられる 3.今後の介護療養病床の動向等を踏まえた、適切な施設整 備計画を行う必要性がある。 19
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