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平成25年度第3回学力向上支援教員協議会
全国学力・学習状況調査の
結果を受けての授業改善(国語)
平成25年9月26日(木)
大分県教育庁義務教育課
本日お伝えしたいこと
1 全国学力・学習状況調査の問題の枠組
2 全国学力・学習状況調査の結果
①結果の概要
②課題が見られた事項
③学校質問紙から見られる指導の状況
3 結果を踏まえた国語科の指導の改善点
①単元を貫く言語活動を設定した課題解決
的な展開の授業を
②学校図書館活用教育の充実を
③基礎的・基本的な事項の確実な定着を
④学力調査問題の活用
全国学力・学習状況調査の基本的な枠組み
A知識
■身に付けておかなければ後の学年等の授業内容
に影響を及ぼす内容。国語だけでなく他教科にも
■実生活において不可欠で、常に活用できるように
なっていることが望ましい知識・技能
B活用
■知識・技能を実生活の様々な場面に活用する力
■課題解決のための構想を立て実践し評価・改善する力
単元を貫く言語活動を設定した
課題解決的な授業をイメージ
全国学力・学習状況調査の結果の概要(小学校)
平均正答率
区分
問題A
大分県
62.3
全国
62.7
差
-0.4
全国順位
30
問題B
48.7
49.4
-0.7
26
◎無解答率の減少
・最後まで解答を書こうと努力した 71.6%
(全国平均69.8%)
▲国語Bの正答率40%未満が31.9%(全国30.7%)
全国学力・学習状況調査の結果の概要(中学校)
平均正答率
区分
大分県
全国
差
全国順位
問題A
76.0
76.4
-0.4
37
問題B
66.7
67.4
-0.7
30
▲問題Bの正答率40%未満が16.6%(多い!)
(全国平均15.4%)
■中学校の結果は、年度による変動が大きい
(H24年度の問題Bは全国平均より+0.2)
課題がみられる基礎的・基本的な事項
1 小学校で習熟したい言語操作
*問題Aー3 正答率 県33.6 全国36.5
過去においても課題として指摘されてきた
新しく委員になった五年生は・・・不安そうにして
いたので、ぼくは・・・・思った。
つなぎ言葉に「だから」を使って1文を2文に
誤答例:「・・・だから、不安そうにしていたので・・・」
「文」「読点」等の学習用語が理解できず、
解答の仕方の指示が分からない状況も
課題がみられる基礎的・基本的な事項
2 小・中共通して見られる語彙の不足
*小Aー2 ことわざの意味
・石の上にも三年(全国より-2.4)
*中A-8-3 語句の意味
・閉口する(43.0 全国より-3.3)
誤答:平衡
・にわかに強い雨が(全国より-5.2) 誤答:ひそやかに
*中学校における漢字の読み
・社会を風刺する ・山が連なる
課題がみられる基礎的・基本的な事項
3 確実に身に付けさせたい漢字の読み書き
*小学校:漢字の書き
・魚をやく(全国より-4.8)
誤答 燃
*小学校:漢字の読み
・植物の採集(全国より-2.3)
誤答 さいしゅ
*中学校:感じの書き
・きんとうに分ける(正答率59.7) 誤答 近 均
きっちり正確には覚えていない
ノートや宿題の丁寧なチェックが必要
課題がみられる「活用する力」
1 話し手や書き手の意図や表現の工夫を
読み取る力
<小・中共通の課題>
何が書かれているか
話されているか だけでなく
・ だれに向けて表現されているか
・ 何のために表現されているか
・ どのように表現されているか を読み取る
課題が見られる活用する力 1
小学校:話し手や書き手の目的や意図・表
現の工夫を読み取ること
*B-1の二
(正答率47.6% 全国より-0.9)
B-3の一、二 (4問の正答率は46%程度)
【B-1】6年生から5年生への助言について
・助言の様子から発言者の「ねらい(発言の意図と
内容)」を読み取る
【B-3】推薦文を比べて読む
・文章から誰を対象とした文章か読み取る
・推薦の理由を読み取る
・推薦文から推薦者の「読み方」の違いを読み取る
*観点を決めて読むことができていない
課題が見られる活用する力 1
中学校:文章の構成や表現の特徴について
自分の考えをもつ
*A-4の一
B-3の一
(正答率83.2% 全国より-1.9)
(正答率58.3% 全国より-2.7)
【A-4】「催し物案内」の表
・「内容」欄の書き方の共通点を読み取る
誤答:「箇条書き」「問いかける言い方」の理解?
*文章等の説明や評価をする学習語彙があいまい
【B-3】新聞記事
・記事の書き方(内容・構成)の特徴を読み取る
*全体をざっくり捉えて読むことができない
課題がみられる「活用する力」
2 目的や意図に応じて、資料を読み取り、
必要な内容を条件に応じて書く力
読んで書く
必要な情
報を読み
取る
条件に応
じて書く
書く条件を満たす
ために観点をもって読む
課題が見られる活用する力 2
*小学校B-2の一 (正答率62.0% 全国より-1.7)
B-2の二 (正答率23.1% 全国より-3.1)
【B-2】 調べたことをリーフレットにまとめる
■図鑑の記述を書き直す
「結果→原因・理由」で2文で書かれた図鑑の記述
を1文で「原因・理由→結果」と書き直す(言語操作)
■図鑑の一部を引用して書く
引用するために、花火師さんの声から「具体的な
苦労」が書かれている文を2つ探す
*各文の意味やつながりが捉えられない
課題が見られる活用する力 2
*中学校A-7の一 (正答率70.9% 全国より-2.7)
B-2の三 (正答率64.2% 全国より-1.5)
B-3の三 (正答率65.6% 全国より+1.0)
【A-7】 グラフから読み取ったことを説明する
■比較の対象が分かるように書く
「昭和37年度と比較して」と明確に書かず
「今までの生徒数と比べると」など曖昧な書き方
*伝えようとする事柄が十分伝えられていない
自分が書いた内容を客観的に見直していない
【B-2】 小説を読んで感じたことを具体的に書く
引用を使って書く(根拠)
誤答例
■私は、この文章を読んで、最初は「便利で私もほ
しい」と思いました。でも、このような生活をしてい
ると、いつの間にか自分では何もできなくなると
思います。物に頼らず自分の力でやることが大
切だと思いました。 感想文としては大変よい◎
でも・・・本文を適切に引用していない(17.2%)
*条件の一つを落としている
自分が書いた内容を客観的に見直していない
無解答率(12.9%)
課題が見られる活用する力 2
【B-3】 間違いやすい漢字を学習する際の注意
点やコツを、漢字の特徴を取り上げて説明する
誤答例
■「厚」と「熱」は間違いやすい漢字である。しかし、
意味を理解していれば間違えることはない。「熱湯」
などそれぞれの漢字を使った熟語を用いて例文を
作って学習するのが最適だと思う。内容は大変よい◎
でも・・・漢字の特徴(どちらも「あつい」と読むなど)
を適切に取り上げてはいない
*条件の一つを落としている・説明が不十分
自分が書いた内容を客観的に見直していない
課題がみられる「活用する力」
3 目的や意図に応じ、複数の内容を読み取
り、関 連付けながら、自分の考えを書く
*小学校B-2の三 (正答率18.1% 無解答率20.3%)
【B-2】 調べたことをリーフレットにまとめる
■リーフレットの「まとめ」を次の内容で書く
・花火の種類
・現在における打ち上げ花火の形や色
・打ち上げるときの工夫
・考えたこと
*見出し等を用いて必要な情報を素早く探せない
必要な内容を書き抜くことができない
自分の感想は概ね書くことができる
課題がみられる「活用する力」
4 課題を決め、それに応じた情報収集の
仕方を考えて書く
*中学校B-1の三 (正答率56.2% 全国より-1.7)
【B-1】ア説明文を読んで分かったこと・
イ さらに調べたいこと・ ウ 調べる方法を書く
誤答例(20.4%)
イ: 現在、様々な種類のかるたの中で何が一番人
気があるのかを知りたい。
ウ:私はインターネットで調べてみたいです。イン
ターネットなら様々な情報が出てくると思ったか
らです。
*ウにイを解決するための内容を書いていない
質問紙から見られる指導の状況
指導の状況
小学校
中学校
大分 秋田 全国 大分 秋田 全国
①
朝読書などの一斉読書の時間を週
91.6
1回以上行った
②
学級やグループで話し合う活動の
授業を行った
91.5 97.8 95.3 87.7 97.5 87.6
③
本やインターネットなどの資料の調
べ方が身に付くような指導を行った
89.4 93.0 91.3 66.9 92.7 76.3
④
資料を使って発表できるような指導
84.1
を行った
⑤
調べたことや考えたことを分かりや
すく文章に書かせる指導を行った
97.4 90.6 75.4 92.6 81.8
89.4 86.2 63.8 92.7 76.8
87.6 92.9 90.9 79.3 93.5 85.7
質問紙から見られる指導の状況
国語の指導の状況
小学校
中学校
大分 秋田 全国 大分 秋田 全国
目的や相手に応じて話したり
⑥ 聞いたりする授業をよく行っ 17.7 24.6 20.6 16.9 36.9 18.3
た
書く習慣を付ける授業をよく
行った
34.4 35.2 27.6 29.2 33.6 23.0
様々な文章を読む習慣を付
⑧
ける授業をよく行った
21.3 24.2 20.1 22.3 29.5 23.0
⑦
漢字・語句など基礎的・基本
⑨ 的な事項を定着させる授業を 56.0 57.7 50.4 48.5 66.4 57.7
よく行った
国語:家庭学習について評
⑩
価・指導をよく行った
75.9 74.2 61.2 52.3 64.8 55.9
指導の改善
1 単元を貫く言語活動を設定した
課題解決的な展開の授業の確実な実施
■問題Bは学習指導要領で示されている言語活動
が具体的な場面として設定されている
(例)小学校B-3・・・言語活動「読むこと」のエ
並行読書をして読んだ本を推薦する文章を書く
■学習指導要領が確実に実施されていれば、
授業の場面で問いのような問題を経験している
(交流の場面)
どの教室でも
実施されるように
どの教室でも実施されるためのはじめの一歩
「単元の学習計画の掲示」 ■学級の教室に掲示
■プリントで示してノートに
今、すぐに
国語を教える全ての教師
ができなければならない
○児童生徒の「学習の見通し」
○教師の授業構想力の伸長
○学習指導要領を踏まえた授業が実施されているか
・・・校長等が確認できる
○互いの単元展開を知ることができる
①単元の中の「書く活動」の充実を
■ 書く活動を様々な場面で
話すこと・聞くこと、読むことの領域でも
筆まめな子どもの育成
■ 書く活動に条件を付けることで
書く、話す・聞く、読む活動の質の向上を
思考力・判断力・表現力の伸長
■ 特に、根拠を書くことを重視
論理的思考力の伸長
【根拠を書くために必要な力】
■グラフや表を読み取り、数値等を使って
言葉で正確に説明する力
■意見の根拠となる部分を適切に
引用する・要約する力
■自分の体験や読書経験を簡潔に説明
する力
言語活動の過程でこのような
ことを書く活動を設定しよう
条件に応じて記述する活動の設定
言語活動の質を上げるために
条件を付ける・条件を考えさせる
・字数・時間・文章の形態・テーマ・対象(相手)
・文体(常体・敬体・一人称・三人称)
・使用語彙・要約・引用・例示
・表現の工夫(箇条書きで・単文で)
・表現の技法(反復・倒置・比喩・反語等)
・構成(頭括型・尾括型・双括型・現在→過去→現在)
条件を設定して
書かせる
めあてが具体的になる
どのように書くのか
活動の観点が
生まれる
どのように話すのか
どのように読むのか
どのように聞くのか
評価規準が
具体的になる
Cの状況の
把握
適切な指導
絞り込む
指導要領の 心情が読み手に効果的に伝わるよう
指導事項 に、描写を工夫して書く(書くことーウ)
単元の
指導事項
書く条件
本時の
評価規準
場面の様子や登場人物の心情が読み手に伝
わるように、描写を工夫して書くこと
「感情を表す言葉を用いずに、会話文を入
れたり、比喩を用いたり、五感に訴えるよう
な描写をしたりして文章を書くこと」
「感情を表す言葉を用いずに、会話文を入
れたり、比喩を用いたり、五感に訴えるよう
な描写をしたりして文章を書いている。
書く条件を明確にすることで、評価も可能となる
「書く」だけでなく 例えば「読むこと」の単元でも
■「読書ゆうびん」では
・お薦めの理由にふさわしい部分を引用して紹介
する。
・250字程度で書く。(スペースが条件となる)
・あらすじを要約して紹介する。
等の条件を付けて書かせることで、
読むことの学習そのものも深まる
※注意!!評価の観点は「読むこと」
②何が書かれているかだけでなく
どのように表現されているかを読む活動を
表現の特徴をとらえる視点の例
■事実が中心か・意見が中心か
■例や根拠がどのように示されているか
(体験か・調べたことか・見聞したことか)
(図表・写真がどのように活用されているか)
■結果をどこに示しているか
■時間の順序にそっている・いない
■情景描写と心情との関係
■感動・ユーモア・温かみ・安らぎ・・・・
■語り手の立場
■表現の技法とその効果
【表現や構成を読み取る指導の改善】
「何が話されているか、書かれているか」という
内容の正確な理解のみでは、対応出来ない
(例)小学校の聞くことの指導の改善例
相手の話の内容を理解する
自分の考えと比べて、共通点・相違点、
関連して考えたことを整理する
自分の考えをまとめる
確認する
質問する
指導の改善
2 図書館を活用した教育の充実
①語彙不足、漢字の読みの力を補うためには
たくさんの言葉に出会うことが不可欠
②設問の設定場面は
図書館を活用した授業場面が多い
③設問に対応するには、
・全体を速く読む
・必要な箇所を素早く見付け、詳細に読む
・比べて読む 等、
目的に応じた様々な読み方が必要
「言葉との出会い」を生み出すために
① 読書習慣を身に付ける
・特に中学校における読書時間の確保
・個に応じた読書指導
今、すぐに
「活用する力」の育成のために
② 本やインターネットを活用して「調べる」
・全ての教科等で
・国語科は情報活用スキル育成の中心
課題設定→情報収集→整理・分析→発信
ア 説明文を読んで「かるた」に
ついて分かったことを書く
与えられたテーマ
に対する理解
イ アについてさらに調べたい
ことを書く
与えられたテーマ
に対する個人の
【課題設定】
ウ イを調べる手段を書く
【課題】解決のため
に有効な
<調べる手段>
エ 具体的にどのように調べる
か書く
<調べる手段>で
具体的にどのように
調べるのか
指導の改善
3 基礎的・基本的な事項の確実な定着
■授業中の効果的な指導
■言語環境の整備
■家庭学習の丁寧な見取り
■低学力層の児童生徒への個別の支援
の工夫
【文法事項の指導の改善】
①学習用語の確実な定着
(A-3だけでも)
・文と文章 ・主語と述語
・読点、句読点・つなぎ言葉
一度学習したら、
以後の授業では
学習用語を使って
指示をし、表現させる
学習用語を教室掲示した例
これだけは・・という「学習用語集」の作成
玖珠町の先生方の取り組み
【文法事項の指導の改善・・・言語操作の克服を!】
②発達の段階に応じて確実に指導
ねじれのない文を
小1・2 主語と述語との関係
書く上で
小3・4 指示語や接続語の役割
極めて重要
小5・6 単文・重文・複文の理解
・1つの内容を1文に簡潔に書く
・2つ以上の内容を1文にまとめて書く
・2つ以上の内容が含まれた1文を内容ごとに
複数の文に分けて書く
・ 2つ以上の内容が含まれた1文を内容ごとに
箇条書きにする
日常の書く・話す活動の際の小さな条件に
【語彙の拡充に関する指導の工夫】
「言葉との出会い」を生み出す
① 読書習慣を身に付けさせる
② 詩歌の音読や新聞コラム等の視写
③ いろはがるた
百人一首等の遊びの仕掛け
④ 掲示物等の工夫
黒板に一日一つ
四字熟語や
ことわざ等を掲示ii
【漢字の定着に関する指導の改善】
授業ですることと宿題・補充の内容を明確に
① 授業における効果的な取り立て指導
情報収集
② 慣れる・定着に力点を置く宿題・補充
を!
成果を挙げているクラス・学校・市町村の
取り組みの導入を!
・やってみよう!という機運を学校全体に
中学校
学校質問紙にみられる指導の状況
大分県 秋田県
国語:家庭学習について評価・
指導をよく行った
52.3
64.8
全国
55.9
指導の改善
4 過去の全国調査の問題を活用しよう
■調査問題を活用し、授業をつくる
■調査問題を宿題や補充学習で活用
■指導事項が同じ単元の評価問題として
活用
小学校A問題に込められた授業改善のメッセージ
3から ・「一文を複数の文にする」等の操作に慣れる学
習を とても苦手・毎回出題
→授業アイディア例(H24)の活用
4から ・グラフや図から読み取ったことをノートにまとめる
箇条書き・考える道筋
5・7から ・日常生活の「言葉」を教材化する
新聞・ポスター・チラシ・案内文等の活用
中学校A問題に込められた授業改善のメッセージ
1から ・選択肢が「司会者の発言の役割」を示している
4つの役割を自覚させた司会をさせる
3から ・会議のメモ等をもとに文章を書く
・箇条書きの文を組み合わせて、文章を書く
・目的を明確にして記事を書く
4から ・複数の情報を比べて読む
5から ・図で確認しながら文章を読む
・図を書きながら文章を読む・・・こんな読み方も
中学校A問題に込められた授業改善のメッセージ
6から ・情報カードを並べ替えて構成する
・情報カードを用いてスピーチする
・選択肢で取材の目的や方法を提示している
7から ・グラフを読み取り、他の人に分かるように
過不足なく説明する
書写や敬語の指導
日常的に使えるように!
問題を活用しよう!
■問題Bをもとに学習単元を構想しよう
本年度は問題Bのすべてで可能
■問題Bを「学習の手引き」等に活用
・リーフレットの構成(小-2)
・比べ読みの際のワークシート(小ー3)
・調べ学習における「学習の手引き」(中ー1)
・読みの観点を与えるための書く条件(中―2)
・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する
事項」と「書くこと」の関連単元
全校体制で取り組むポイント
1 調査問題のメッセージを確認する
①問題を教師自身が解く
②どのように思考・判断し、どのような記述の力が必要かを体感する
2 全員で調査問題の結果を分析し、課題の所在を話し合う
③子どもたちの弱点を知る
④誤答の傾向や不十分な解答にヒントを得る
3 全学年を通じて年間の見通しの中で課題を解決する
⑤調査問題を教科書教材と関連づける
⑥自校の年間指導計画に課題を朱書きする
⑦⑤⑥と同時に、活用できる資料を明記する
4 調査問題や調査結果を活用した授業を構想する
⑧問題設計や構成を授業作りのヒントにする
⑨授業アイディア例を授業作りのヒントにする
5 学習指導要領国語の目標や内容の実現を第一義とする
⑩「単元を貫く言語活動を通して指導事項を指導する」という基本方針を踏まえる
平成25年度全国学力・学習状況調査問題を授業に生かした単元例
問題Bから学習単元を
具体的にイメージする
言語活動
遠足のレクリエーションについて助言をする
話すこと・聞くこと (ア)
資料を提示しながら説明や報告をしたり、それらを聞
いて助言や提案をすること →下級生に遠足のレク
リエーションについて助言をする
指導事項
(話すこと・聞くこと 第5、6学年)
イ 目的や意図に応じて、事柄が明確に伝わるよう
に話の構成を工夫しながら、場に応じた適切な言
葉遣いで話すこと
エ 話し手の意図をとらえながら聞き、自分の意見と
比べるなどして考えをまとめること
単元成立のために必要な話す・聞く力
イ 相手や目的に応じて、理由や事例などを挙げな
がら筋道立て、丁寧な言葉を用いるなど、適切な
言葉遣いで話すこと。(第3、4学年 イ)
経験しておくべき言語活動
イ 学級全体で話し合って考えをまとめたり、意見を
述べたりすること(第3、4学年)
※問題を解くために必要な力
ウ 事実と感想、意見などを区別するとともに、目的
や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりす
ること(第5、6学年)◎条件を踏まえて書く力
ウ 目的に応じて(説明の仕方を読み取る)文章の内
容を的確に読み取る力
【考えられる単元展開の例】
※社会見学のバスの中でのレクや図書館祭りの企画等、下級生が主体と
なって取り組む事柄から、上級生にアドバイスしてほしいテーマを予め
用意する。
1次 ①学習の見通しをもつ
② 全国調査の問題を台本にして、グループで演じる。
③演じて気付いたことをグループで話し合う。
④下級生に助言するときに心がけたいことや人に分かりやすく説明
するときに注意したいことを確認する→自己評価票の作成
2次 ①下級生が求めている助言のテーマについて、自分なりの考えを明
らかにする。必要に応じて調べる。
②下級生に助言する
・助言するグループとモニターするグループに分かれる
・モニターするグループは「記録」「撮影」「気づきメモ」等役割分担
をしておく(iPad活用)
③実際の助言を様子を振り返って、相手に配慮した言葉遣いや説明
の工夫について、事実を踏まえて、意見を述べ合う。
3次 ①下級生から感想をもらう。本単元で学んだことを200字程度にまと
める。自分が 助言を請う立場の時の留意点についても考える。
【1次の④の学習の手引きの例】
1 川本さんたち3人が最も心がけていたことはどのようなことか考えよう
・どこからそれが分かるか(発言の内容を中心に)
2 川本さんたち3人の発言①②③④のそれぞれの「よさ」について考えよ
うよう(自分で→グループで)
3 1、2をもとに2次の助言に当たって自分なりのめあてを立て、評価票を
作成しよう
学習用語を意識して使う
発言の意図
平成25年度全国学力・学習状況調査問題を授業に生かした単元例
問題Bから学習単元を
具体的にイメージする
言語活動
小学校国語B 「花火に関するパンフレットを作成する」
(書くことイ)
【考えられる単元展開の例】
自分の課題について調べ、伝えたいことを編集する
→ 図鑑で調べたことをリーフレットにまとめる。
指導事項
(書くこと
第5、6学年)
ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書い
たりすること
エ 引用したり、図やグラフなどを用いたりして、自
分の考えが伝わるように書くこと
オ 表現の効果などについて確かめたり工夫したり
すること
カ 書いたものを発表しあい、表現の仕方について
助言し合うこと
単元成立のために必要な読む力
エ 目的や必要に応じて、文章の要点や細かい点に
注意しながら読み、文章などを引用したり要約し
たりする力(第3、4学年)
経験しておくべき言語活動
イ 記録や報告の文章、時間や事典などを読んで利
用すること(第3、4学年)
※問題を解くために必要な力
イ 目的に応じて、本や文章を比べて読むなど効果
的な読み方を工夫する力(第5、6学年)
・見出しに着目して、必要な情報を速く読み取る
◎条件を踏まえて書く力
1次 ①学習課題を明確にし、計画を立てる
② グループで調べたい伝統文化を決め、課題を絞 り込む
③モデルのリーフレットを参考に、書く内容と割り付 けについて話し
合い、分担を決める。
2次 ①図書館を使って、必要な情報を収集する。
付箋→情報カード
②情報カードを持ち寄り、書く内容と割り付けを再検討する。
③情報カードを活用し、分担した部分を書く。
④編集会議を開く。
⑤編集会議を踏まえて書き直す→清書
⑥各自でまとめた部分を貼り合わせて、リーフレットにする。
3次 ①各グループのリーフレットを読み合う。
②表現の工夫に着目して感想を交換する。
【2次の④の学習の手引きの例】
1 次の2点について、気付いたことを付箋に書いていこう
・読み手の立場に立って、「もっと知りたい」と思うこと
・各記事を関連付けて考えると、書き直した方がよいところ
2 付箋に書いたメモをもとに、理由を添えて意見を交換しよう
3 納得のいくアドバイスを踏まえて、書き直す点を箇条書きにしておこう
問題Bのような学習単元を実際に行ってみる
*求められている図書館を活用した授業
小学校 問題Aの4 問題Bの2・3
中学校 問題Aの7 問題Bの1・2・3
学習用語を意識して使う
文と文章・引用と要約・分類・対比等