The Mirrlees Review

The Mirrlees Review
佐藤主光(もとひろ)
一橋大学経済学研究科・政策大学
院
1.報告の構成

Mirrlees Review の狙い

英国の税制概観

法人課税改革案

我が国の税制改革への示唆
2. Mirrlees Review の狙い
レビューの位置づけ

「ミード」報告(1978)の後継

80年代以降の新しい経済環境に対応した税制の構築

経済学の学術研究(理論と実証=エビデンス)に基づいた現
状分析と提言:
実態把握(実証)⇒分析・評価(理論)⇒提言

包括的税制改革案:課税ベースから個別税目(所得税、法
人税、VAT、環境税、税務)まで
マイリース・レビューの構成








課税ベース
法人税
国際課税
労働供給と労働課税
相続税・贈与税
税務執行
中小企業税制
課税の政治経済学
http://www.ifs.org.uk/mirrleesreview/projects_research.php
The editorial team
Chairman: Sir James Mirrlees (Cambridge)
Tim Besley (LSE, Bank of England & IFS)
Richard Blundell (IFS & UCL)
Malcolm Gammie QC (One Essex Court & IFS)
James Poterba (MIT & NBER)
with:
Stuart Adam (IFS)
Steve Bond (Oxford & IFS)
Robert Chote (IFS)
Paul Johnson (IFS & Frontier)
Gareth Myles (Exeter & IFS)
「ミード」報告(1978)

所得課税から消費(支出)課税への転換

法人課税改革=キャッシュ・フロー課税

経済効果:
-投資の実効「限界」税率=0
ー異なる資金調達(新株発行・借入)に対する税制の偏り
(配当=課税、利払い=非課税)を解消
⇒投資規模、ファイナンスに対する税の「中立性」の確保
「ミード」報告(1978)

二つの「キャッシュ・フロー」
Rベース=実物取引に関わるキャッシュ・フロー
R+Fベース=実物取引と金融取引に関わるキャッシュ・フロー
Rベース
R+Fベース
キャッシュ・フロー(+)
財貨・サービスの売却
Rベース+借入
キャッシュ・フロー(ー)
借入原材料・賃金、固
定資産への支払い
Rベース+借入の元利
払い
実物取引と金融取引の区別
あり
なし
借入と株式の区別
なし
あり
キャッシュフロー課税の課題とその後の展開

利益(=プラスの課税ベース)と損失(=マイナスの課税ベー
ス)を対照的に扱う必要性⇒①投資時に企業に税還付、②
利付きで無限に損失繰越

「税等価」という考え ⇒(現在価値ベースでみて)キャッシュ
フロー課税と課税ベース(=経済効果)が同一な税をデザイ
ン
-Boadway =Bruce (1984) “Neutral Business Tax”
-IFS(1991) “Allowance for Equity Cost”
⇒控除仕切れなかった投資コストを利付きで(一定の収益率を
掛けて)将来に繰越
⇒控除の現在価値=投資額
「ミード報告」以降の経済の変化

経済のグローバル化
=企業・投資の国境を越えた移動
=多国籍企業の展開
=外国人投資家の増加(国内企業所有者の国際化)
⇒国際的租税競争

金融技術の発展=株式と債券の間の性格を持つ新たな金
融商品の開発

多様な事業形態(例:LLCなど)の発展⇒法人と非法人の境
界が曖昧
出所:Alan Auerbach et al(2008)
国際的租税競争
OECD Average Statutory Corporation Tax Rates
55%
50%
45%
40%
35%
30%
median
25%
unweighted mean
GDP weighted mean
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
20%
出所:Bond (2008)
資本課税を巡る理論的展開

「新しい見解」(New View)=投資資金を内部留保から賄う
場合、配当所得への課税は企業の「限界的」資本コストを引
き上げない(よって、投資を阻害しない)
⇒「二重課税」は問題ではない?

最適資本所得税=(閉鎖経済・代表的個人を想定した)経済
学の標準的な「動学モデル」では定常状態における最適資
本所得税率はゼロ(Chamley(1986))
⇒長期的には資本所得税(個人・法人レベル)を廃止するこ
とが望ましい?
問題提起

曖昧になりつるある4つの境界線
ー国の境界性⇒生産地、居住地の特定化が困難
ー負債と株式の境界⇒ハイブリット金融商品の発展
ー法人と非法人の境界⇒事業体の多様化
ー労働所得と資本所得の境界線⇒所得分類の変更
2.英国の税制概観
国民負担率の国際比率
出所:財務省HP
税収規模
出所:Stuart Adam et al(2008)
税収構成比の国際比較(国税+地方税)
備考
1.日本は平成19年度(2007年度)予算ベース、諸外国はOECD“Revenue Statistics 1965-2005”による。
2.所得課税には資産性所得に対する課税を含む
出所:財務省HP
Full Rent への課税
税率の引き
下げ+課税
ベースの拡
大
出所:Stuart Adam et al(2008)
出所:Stuart Adam et al(2008)
出所:Rachel Griffith et al(2008)
国外所得免除方式(源泉地主義)
だから税収規模が小さいわけではない
出所:Alan Auerbach et al(2008)
政策減税の国際比較
政策減税
法人税収
政策減税/
法人税収
(参考)
表面税率
日本
(2007年度)
1.1兆円
16.4兆円
7.0%
40.7%
アメリカ
(2006年度)
11.3兆円
(5.6兆円)
41.1兆円
27.5%
(13.7%)
39.8%
韓国
(2006年度)
0.7兆円
3.6兆円
20.7%
27.5%
台湾
(2006年度)
0.3兆円
1.1兆円
30.0%
25.0%
イギリス
(2006年度)
0.2兆円
9.5兆円
1.8%
30.0%
フランス
(2006年度)
0.7兆円
8.4兆円
8.6%
33.3%
(注1)2006年期中平均為替レートにて円換算を行った。
(注2)各国の租税特別措置(Tax Expenditure)の定義は異なる。例えばアメリカのnormal tax baseline(広い
定義)では、一定以下の所得の法人に対する軽減税率等も含まれる。Reference tax method(狭い定義)では、
そうした軽減税率は含まれないが、加速度償却制度についても対象外となる。
(出所)KPMG委託調査等
英国税制の特徴

法人税
-全世界所得課税(居住地主義)
-法定税率の引き下げ
-課税ベースの拡大 ⇒「ミード報告」からの乖離

個人所得税
-最高税率の引き下げ
-給付付き税額控除(児童税額控除・勤労税額控除)の
導入

付加価値税(消費税)
-標準税率の引き上げ
-食料品・子供服などへの「ゼロ税率」
3.法人課税改革
問題提起(その1):

どの税率を重視するか?
- 法定税率
- 実効「限界」税率
- 実効「平均」税率

何を課税ベースとするか?
- 正常利潤+超過利潤
- 超過利潤

どこで課税を行うか?
- 居住地
- 源泉地
- 仕向地(最終消費地)
問題提起(その2):

法人課税の誘因効果の多様性
-投資水準
-財源調達(新株発行、借入、内部留保)
-立地
-企業形態(法人・非法人)
-起業・退出
-タックス・プランニング
⇒いずれの誘因効果を重視するか?

税率のみならず課税ベース・課税地の選択が影響
マイリース・レビューのスタンス

法人税を含む資本所得課税の廃止は求めない

①課税ベースと②課税原則に焦点
-課税ベース=「超過利潤」への課税など⇒キャッシュ・フ
ロー課税と「税等価」
-課税原則=居住地主義の再検討

実効「限界」税率のみではなく、「平均」税率に着目

個人所得税と法人税の統合(例:配当税額控除、インピュ
テーション方式)による配当への二重課税の是正は重視しな
い
法人課税の誘因効果
出所:みずほ総研?
法人「税率」の国際比較(2005年)
法人「税」の国際比較(2005年)
45%
40%
40%
38%
39%
36%
34%
35%
32%
32%
30%
25%
29%
28%
32%
28%
28%
25%
25%
25%
21%
20%
29%
28%
24%
24%
22%
21%
20%
16%
15%
13%
10%
10%
11%
5%
0%
C AN
Source: IFS
FR A
G ER
IR E
法定税率
JA P
実効限界税率
N ET
実効平均税率
NO R
SW E
USA
参考:実効税率の計算の前提
前提
投資の種類
機械・工場設備
財源
新株発行・内部留保
平均収益率
割引率
20%⇒実効平均税率
10%
インフレ率
3.5%
経済的減価償却率
12.25%
個人段階での所得税
考慮せず
グローバル化と配当への二重課税

現状認識=資本の国際間自由移動に伴い国内貯蓄と国内
投資のリンクが失われている。

従来の配当税額控除・インピュテーションは「個人段階」で二
重課税を調整(国内企業に投資する国内投資家を対象)

資金調達への「中立性」には個人+法人ではなく、法人段階
で負債と内部留保、株式の資本コストの均一化が必要
現行制度
CBIT
ACE
配当
X
X
O
利払い
O
X
O
O=控除、X=控除しない
収益率
二重課税?
国内貯蓄
F
E
世界利子率
法人課税

資本所得
課税
G
国内投資
資本輸入
0
S1
I1
I 0  S0
国内投資・貯蓄
改革の選択肢
課税ベース
課税地
正常利潤
課税
居住地主義
現行制度
源泉地主義
CBIT
控除
支払い利子
課税
控除
現行制度
CBIT
ACE
仕向地(最終消費地)主 キャッシュ・フロー課税
義
ACE
課税ベースの選択(その1)

CBIT=借入、配当に対して「等しく」課税⇒借入・新株発行
の選択に対して課税は中立的

「閉鎖経済」であれば、法人段階で資本所得(配当・利子)課
税を完結させることは可能

CBITの税率=個人所得税の「最高」税率⇒オーナー経営者
(Active shareholders) による労働所得から資本所得への転
換の誘因を排除

「開放経済」においては借入の資本コストを引き上げ⇒特に
海外投資家にとって収益率が低下⇒海外資本の減少
課税ベースの選択(その2)

英国を「小国開放経済」と位置づけるマイリースレビューにお
いて、海外投資の減少は避けることが改革の絶対条件
⇒CBITを改革の選択肢から除外

マイリース・レビュー:
①法人課税の実効限界税率=0 ⇒投資規模に対する「中
立性」
②株式と負債調達に対する「中立性」
⇒ 「ミード報告」同様に重視
⇒キャッシュフロー課税(税等価)へ
課税ベースの選択(その3)

二つのキャッシュフローと超過利潤
①R+Fベースのキャッシュフロー課税と税等価な超過利潤
② Rベース(実物取引)のキャッシュフロー課税(=企業の付
加価値ー賃金)

超過利潤(経済的レント)=正常利潤を超えた利益(投資家に
とっては「ボーナス」)
⇒リスク・プレミアム、経営資源(例:技術力)、投資先特有のレ
ント(例:市場へのアクセス)を反映
⇒超過利潤課税は投資に影響しない
留意:「正常利潤」を推計する必要あり(超過利潤は残余)⇒ACE
課税原則

どこで課税を行うか?
(1)居住地主義(世界所得課税)
(2)源泉地主義(国外所得免除方式)
(3)仕向地主義(最終消費地課税)

居住地主義は「理想的」だが、厳密な実施は不可能(海外子
会社に利益留保など)⇒実態は既に源泉地主義課税

一方、グローバル化に伴い生産活動の「源泉地」を特定化す
ることも、ますます困難(例:研究開発の費用配分) ⇒多国
籍企業による利益移転を誘発
法人税改革と「税等価」

マイリースレビューの二つの法人税改革案
①ACE (ACE(Allowance for Corporate Equity))
②仕向地主義(VAT型)キャッシュフロー課税

「税等価」=異なった制度で同じ経済効果
課税ベース
課税原則
税等価
ACE
超過利潤
源泉地主義
源泉地主義キャッシュフ
ロー課税(R+Fベース)
VAT型キャッシュ
フロー課税
付加価値ー賃金
仕向地主義
消費税-労働所得税
(Rベース)
ACE(Allowance for Corporate Equity)
課税ベース
=収入-賃金-法定減価償却-利払いーみなし収益率*株主基金
=通常の法人所得-みなし収益率*株主基金
=超過利潤に相当⇒現在価値でみればR+F型キャッシュフロー


①法人税率が一定、 ②控除が確実であれば、企業にとってACE
はリスクのないキャッシュフロー⇒みなし収益率=安全資産利子
率=企業の割引率
現行の課税ベース
法人所得
超過利潤
正常利潤
支払い利子
現在価値
キャッシュフロー
投資費用
株式控除
=ACE
=みなし収益率*
株主基金
減価償却
参考:ACE(Allowance for Corporate Equity)

ACE=R+Fベース課税⇒①借入課税(所定の投資を借入で
賄った分、当該期以降の株式基金は減額)、 ②支払い利子
控除
今期の株主基金
(+)
前期の株主資金
他社からの配当受け取り
新株発行
前期の課税所得
(-)
税額
配当支払い
投資-借入
(-)
減価償却
(+)
企業収益
内部留保に相当
ACEの特徴

借入の対する課税=R+Fベース(キャッシュフロー課税)
-借入↑⇒来期以降の株主基金↓ ⇒来期以降の課税↑
-将来の利払い↑ ⇒来期以降の課税↓

課税上の(法定)減価償却の影響を受けない
ー今期の減価償却(例:加速度償却)↑
⇒法人課税所得↓ ⇒今期の課税↓
⇒来期以降の株主基金↓⇒来期以降の課税↑

時間を通じて影響を相殺=限界税率ゼロを確保

参考:インフレの影響も受けない
源泉地主義課税としてのACE

ACEは原則、源泉地主義課税⇒経済的レント(超過利潤)は
生産地に帰属

株式控除(ACE)控除分、法人税の課税ベースが狭くなる
⇒法人税から一定税収を確保するには法人税率の引き上
げが必要⇒企業の立地選択、海外投資を阻害しかねない

源泉地主義課税の問題
-租税競争
-利益移転の誘因
は是正されない。
仕向地主義型キャッシュフロー課税



「最終消費地」におけるキャッシュフロー課税⇒国内市場から上がる
収益のみに課税
仕向地主義=居住地主義・源泉地主義に代わる法人税の課税原
則⇒執行は付加価値税(消費税)と同様
課税ベース
=付加価値(消費税の課税ベース)-賃金
=Rベース型キャッシュフロー
=配当・支払利子など金融取引は含まない
仕向地主義課税
利益移転の誘因
輸出
非課税
海外子会社への中間財輸出の価格を引き
下げて課税所得を圧縮する誘因は解消
輸入
課税
海外子会社からの中間財輸入の価格を引
き上げて課税所得を圧縮する誘因は解消
仕向地主義型キャッシュフロー課税

法人税率は企業の「立地選択」に影響しない
-国内で生産し、海外に輸出⇒非課税
-海外拠点で生産し、国内に輸入⇒課税

法人税の帰着は概ね「消費税」(付加価値税)と同値⇒労働が課
税されないことを除けば「実態」は消費課税に近い
⇒法人所得課税を実質的に国内消費課税に転換=税等価
⇒法人税を国際市場(競争力)から遮断

ただし、①海外からは「輸出補助金」(輸出が非課税)とみなされる、
②海外企業が国内で払った法人税が「外国税額控除」の対象にな
らない(法人課税と見なされない)可能性あり。

課題:輸出企業に巨額の税還付が生じる可能性(労働所得が控
除される分、付加価値税よりも大きい)。
出所:Alan Auerbach et al(2008)
二つの法人税改革案(まとめ)
仕向地主義課税
ACE
課税対象
超過利潤(レント)
税収の帰属
源泉地主義
最終消費地
課税ベース
法人所得(現行)ー株主
資金Xみなし収益率
付加価値(VAT)ー賃金
利払い
限界実効税率
キャッシュ・フロー
控除
ゼロ
R+F
控除せず
ゼロ
R
税収確保
既存の法人税よりも課税ベースが小さくなる(政策減
税分を除く)ため税率の引き上げが必要
重視する誘因効果
投資選択+資金調達
立地選択
参考:米国大統領税制諮問委員会報告書
(2005年)
中小企業課税

重視すべき誘因
-企業形態の選択(法人VS非法人)
-所得転換(労働所得⇒資本所得)

①ACE・Shareholder Income Taxによる超過利潤への二重課
税と②正常利潤への一段階課税

法人税・資本所得税、労働所得税の税率の調整が必要
⇒超過利潤(正常利潤を超過した所得)課税=労働所得課税
1  tW  (1  tc )(1  )
労働所得課税
法人課税
(最高税率)
資本所得課税
(個人段階)
中小企業課税(その2)
投資収益
正常利潤
超過利潤
労働所得
所得転換?
非法人 税率
= tc
法人
法人成
り?

tW
tW
1  (1  tc )(1  )
tW
二重課税
二元所得税では原則、①法人税率=資本所得税率、②みなし資
本所得(=正常利潤に相当)を超過した部分は労働所得課税
参考:Shareholder Income Tax (SIT)


Shareholder Income Tax=「超過利潤」に対して個人(株主)
レベルで「居住地主義課税」⇔ACE=「超過利潤」に対して企
業レベルで「源泉地主義課税」
二元的所得税における「法人成り」+「所得変更」(労働所得
⇒資本所得)の誘因を排除
法人所得
超過利潤
正常利潤
企業レベル
課税
課税
個人レベル
課税
非課税
税率の合計が労働所得税の最高税率に一致
資本所得課税

法人段階は「超過利潤」(キャッシュフロー)の限定

個人段階で正常利潤+利子所得に対して課税するか否
か?

マイリースレビュー:公平・効率の観点から個人レベルでの
資本所得課税(居住地主義課税)を排除する理由はない
(Chamley(1986)は特殊ケース)

法人課税の減税に合わせて、資本所得課税の強化もありう
る?⇒再分配の確保
個人所得課税と法人税
個人所得税
法人税
現行
SIT
現行
ACE
利子
課税
非課税
非課税
非課税
配当・キャピタ 正常利潤
ルゲイン
超過利潤
課税
非課税
課税
非課税
課税
課税
課税
課税
4つの境界線への対応
マイリースレビュー論文
居住地・生産地の境界線が曖昧
「仕向地主義」を視野に入れた法人
税改革
負債と株式の境界
(Rベース)キャッシュフロー課税へ?
法人と非法人
二元所得税型アプローチ
(1)法人税=資本所得税
(2)超過利潤への二重課税(法人税
+資本所得税)=労働所得税最高
税率
労働所得と資本所得
残った課題?

金融機関(銀行)への課税をどうするか?

金融部門の経済に占める割合は増加

Rベース・キャッシュフロー課税(付加価値税)では金融機関
は免税

R+Fベースに移行?⇒実際には株式と負債の識別が困難
4.我が国の税制改革への示唆
Taxes on Financial Corporations as a
Share of All Corporate Taxes, 1983-2003
Fraction of Corporate Tax
Revenues
0.35
0.30
US
0.25
0.20
0.15
UK
0.10
0.05
0.00
1983
1987
出所:Alan Auerbach et al(2008)
1991
1995
Year
1999
2003
これまでの法人税改革論

実効「限界」税率の引き下げに焦点
-法定税率
-租税特別措置
-減価償却⇒金融・サービス部門の拡大で重要性は低下?

法人税収「中立性」の観点から①税率の引き下げと②課税
ベースの拡大(利払いの損金不算入⇒CBIT?)がセットで
議論

源泉地主義(国外所得免除方式)への移行? ⇒国際租税
競争、利益移転の誘因は是正されない
政策税制と実効税率引下げの経済効果の比較
出典
減収額
政策税制
(R&D・IT税制)
実効税率引下げ
経済財政諮問会議提出資料
(H17.4)
内閣府
「短期日本経済マクロモデル
(2006年度版)の構造と乗数分析」
2.7兆円:法人実効税率約5%引下げ
投資増加額(合計)
4.1兆円
2.4兆円
実質GDP
押上げ効果
6.1兆円
2.6兆円
法人税増収効果
(合計)
0.18兆円
0.08兆円
(注1)税制実施後直近3年間の効果
(注2)法人税増収効果は税収弾性値=1.1として試算
出所:経済産業省資料
課税の国際スタンダード?

法人企業課税
⇒課税ベース・税務執行(情報交換・移転価格税制の事前
確認制度等)については国際的な調和が不可欠
⇒税率設定の裁量にも限界

各国独自の税制政策目的(税収確保・再分配)の追求
⇒国内経済活動への課税に限定
⇒消費税・個人所得税(居住地主義)等の強化

租税競争か協調か?
⇒ 既に競争に巻き込まれていることが前提
マイリース・レビューからの示唆

税制の現状・課題について理論(ロジック)と実証(エビデン
ス)に基づく分析が不可欠

税制改革の包括的な「ビジョン」が必要

税制改革は「一日にして成らず」⇒30年計画?

メッセージ:
(1)所得課税から(税等価を含めて)消費課税へ
(2)ただし、一定の再分配は確保(相続税、個人所得税・還付
付き税額控除の活用)
(3)国内市場への課税の限定⇒(仕向地主義課税?)