被災者支援システム

被災者支援システム
阪神淡路大震災の教訓を生かせ
議員研修2011
• 義援金(義捐金)の支給には、災害にあったこと
を証明する、罹災証明書が必要
• そのためには
1、被災住民であったこと
2、住んでいた住家が存在したこと
3、この住家が被災したこと
を確認する必要がある
• 罹災証明書とは
家屋の“罹災程度(全壊・半壊など)”を証明するも
ので、被災者生活再建支援法に基づく支援制度の申
請、税金の減免申請等に必要(義援金の申請にも必
要)
• 被災証明書とは
家屋以外の塀・門扉など付帯物、備品・家具、車な
どに被害があったことを証明するもの
被害を受けた事実を証明するもので罹災の程度を証
明するものではない(高速道路の無料通行に大量発
行)
• 被害にあった住民が住んでいることを証明する
住民基本台帳・・・・市民課(市民生活部)
• 被害にあった家の所在を証明する
家屋台帳・・・・・・資産税課(財政部)
• 被害にあったことを証明する
被災確認・・・・・・防災課(総務部)
• 田口 聡の住所と地番
住所は秋田市新屋田尻沢中町6番17号
地番は秋田市新屋田尻沢中町18番の4
• 住所と地番、そして土地の所有者と住民が違う
場合がある
• 縦割り行政の中で、市民生活部と財政部、総務
部にまたがるために、確認に時間がかかる
• 塩釜市では発行に4か月を要した
• 前もって、住民基本台帳と家屋台帳を統合しておき、
災害時に被災情報を入力する(被災者台帳)
• 平成7年1月17日に阪神淡路大震災で被災した、
西宮市が被災者支援システムを構築
• 被災者支援システム全国サーポートセンターが無償
で提供している
• 東日本大震災で被災した自治体が導入し、罹災証明
書の発行と義援金の支給を同時可能にした
(コアシステム)
• 被災時の氏名、住所の基本情報
• 被害状況や避難先住所の連絡先
• 福祉情報や就学情報、口座情報
• 所有者情報も含めた家屋被災状況の管理
• 罹災証明書や家屋被災証明書の発行
(コアシステム)
• 避難所関連システム(サブシステム1)
• 緊急物資管理システム(サブシステム2)
• 仮設住宅管理システム(サブシステム3)
• 犠牲者遺族管理システム(サブシステム4)
• 復旧復興システム(サブシステム5)
• 倒壊家屋管理システム(サブシステム6)
• 避難所関連システム
避難所の入退情報を管理する
• 緊急物資管理システム
災害支援で提供された救援物資の入庫管理
• 復旧復興関連システム
GIS(地理情報システム)を活用して被災状況
や復旧復興状況の集計・分析
• 阪神淡路大震災では10回にわたる義援金が支
給され、西宮市では台帳で管理している口座番
号に振り込んだ
• 東日本大震災では、放射能汚染の広がりにより、
義援金や保証金の支給が、更に増える
• 家族構成や年齢、障害や要介護の情報も入れる
こともできる
• こども手当の対象や要援護者(要援護者支援シ
ステム)も掌握できる
• 10年ぶりに被災者支援システムを稼働
• 大雨により武庫川の水位が上昇
• 防災担当は従来通り、人海戦術(手作業)で対応し
ようとした
• 情報センターから被災者支援システムの情報提供が
なされた
• GISを活用した要援護者支援システムで地域の要援
護者の数を掌握したところ、高齢者が多いことが判
明
• 通常は避難勧告の水位であったが、避難に時間
を要すると判断した
• 市は当地域に避難指示を出し、全所帯を避難所
に避難させた
• その後も川の水位は上昇し続け、数時間後に、
当地域は水没した
• 被災者支援システムにより、高齢者などの要援
護者の命が救われた
• 総務省は4月28日に、県に対し同システムの活用
について、市町村に徹底するよう、事務連絡を行っ
ている
• 県はそれを受け、市町村の情報担当に連絡
• 5月下旬に同システムを導入するかについて意向を
調査
採用について検討するが10市町村、未検討が5市
町村、採用の必要なしが10市町村
• 県は同システムの有効性を認識しているものの、市
町村での導入が進まないことから、7月21日の市
町村防災担当会議で、同システムの概要を説明
• 採用を検討
秋田市・大館市・男鹿市・湯沢市・由利本荘市
潟上市・小坂町・藤里町・井川町・三種町
• 未検討
能代市・横手市・大仙市・仙北市・東成瀬村
• 採用の必要なし
鹿角市・北秋田市・にかほ市・上小阿仁村
八峰町・五城目町・八郎潟町・大潟村・羽後町
• 小さな市町村ではパソコン1台で対応可能
システムの運用は外注に出さなくとも、ITに明
るい職員で対応が可能。大きな予算を伴わない