小腸カプセル内視鏡により 診断しえた小腸出血の一例 名古屋市立西部医療センタ- 消化器内科 足立 和規 症例 68歳 女性 • 主訴 ふらつき • 現病歴 以前より鉄欠乏性貧血を指摘、H21 年名古屋市立大学病院にてGIF,CF, 小腸カプセル内視鏡を行うも異常所見 認めないため経過観察となった。今回 ふらつきのため当科受診、Hb6.8mg/dl のため精査目的入院となった。 • 既往歴 自己免疫性肝炎、狭心症 • 内服薬 ウルソ、タケプロン、マイスリー、リバロ、 パントシン、フェログラ 【血液検査所見】 血算・血液像 WBC Neutro Lymph Mono Eosino Baso RBC Hb Ht MCV MCH MCHC PLT 8.31×103 /μl 73.3% 19.3% 5.4% 1.9% 0.1% 216×104 /μl 6.8g/dl 23.4% 108% 31% 29% 28.2×104 /μl 生化学・炎症 Na K Cl BUN Cr T.P Alb T-Bil LDH AST ALT γGTP ALP CK Fe CRP 141mEq/l 4.8mEq/l 106mEq/l 10.2mg/dl 0.6mg/dl 6.3g/dl 3.7g/dl 0.2mg/dl 282U/l 22U/l 9U/l 11U/l 224U/l 55U/l 86U/l 0mg/dl 小腸カプセル内視鏡 適応疾患 原因不明の消化管出血(OBIG)、狭窄を伴わな い炎症性腸疾患、消化管ポリポーシス、他の 検査で腫瘍などの小腸疾患が疑われる場合。 禁忌 消化管の閉塞、狭窄、瘻孔を認めるケース、 診断確定済みのクローン病患者、心臓ペース メーカ埋込み、嚥下障害がある患者。 size26mm×11mm 小腸カプセル内視鏡 方法:体にセンサーをつけ、データレコーダをさげてカプ セルを飲みます。運動制限はありませんが2時間 は飲水できません。約8時間後に来院して頂きレ コーダを回収します。カプセルは自己にて回収し て頂きます。 小腸ダブルバルーン内視鏡 小腸ダブルバルーン内視鏡 結語 • 小腸カプセル内視鏡にて小腸出血と診断し、小 腸ダブルバルーン内視鏡にて小腸びらんを認め、 内視鏡的治療を施行した一例を経験した。 • 小腸カプセル内視鏡は有所見率が20%~80% 程度であり検査時に出血認めないと異常をとら えられないこともある。 原因不明の消化管出血が疑われる場合は繰り 返しの小腸カプセル内視鏡を行うのが有効と思 われた。 ご清聴ありがとうございました
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