柔道整復師・鍼灸師 ができる介護事業 NPO介護予防研究会 理事長 佐藤 司 介護予防システムへの転換 予防重視システムの転換 平成18年4月、介護保険制度が大幅改正した。 利用者約411万人のうち150万人程度は予防給 付の対象である。 通所介護事業では年間7千億円の市場があり、 柔道整復師の年間療養費3千億円をはるかに 超えている。 介護予防のサービスとして運動器の機能向上、 などが介護予防デイサービスなどで導入された。 予防給付の対象者 状態の維持改善の可能性が高く、基本動作が ほぼ自立している高齢者が対象である 。 生活機能の維持向上の目標を明確にして、「運 動指導をして身体機能を向上させる」などの目 標指向型のサービスが提供される。 通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーショ ンの通所系サービスが介護予防サービスの中 心 となった。 新健康フロンティア戦略 骨折予防及び膝痛、腰痛対策といった運動器疾 患対策の推進が必要であるとの方向が示された 政府はこれらの取り組みで要介護者の割合を現 在の7人に1人から平成24年までに10人に1人 へと減らすことを目標に掲げている。 通所介護・予防通所介護の概要 「通所介護」とは 要介護状態となった場合においても、その利用 者が可能な限り、その居宅において、その有す る能力に応じ自立した日常生活を営むことがで きるよう、必要な日常生活上の世話及び心身の 機能の維持及び利用者の家族の身体的及び精 神的負担の軽減を図る。 「予防通所介護」とは 要支援状態となった場合においても、その利用 者が可能な限り、その居宅において、その有す る能力に応じ自立した日常生活を営むことがで きるよう、必要な日常生活上の支援及び機能訓 練を行うことにより、利用者の心身機能の維持 回復を図り、もって利用者の生活機能の維持又 は向上を目指す。 (1)通所介護 ① ② ③ ④ 小規模型通所介護事業所 通常規模型通所介護事業所 大規模型通所介護事業所 療養通所介護事業所 (2)介護予防通所介護事業所 ① 介護予防通所介護事業所 厚生労働大臣が定める施設基準 小規模型通所介護事業所とは、前年度の1月当 たりの平均利用延人員数が300人以内であるこ と。 通常規模型とは、1月当たりの平均利用延人員 数が300人以上900人未満であること。 大規模型とは、1月当たりの平均利用延人員数 が900人以上であること。 事業所規模による区分の取り扱い 利用者のニーズに適切に対応する観点から、正 月等の特別な期間を除いて毎日事業を実施して いる事業所は、一週間当たりの平均利用延人員 数に7分の6を乗じた数を合算する (例)定員15人、6時間以上8時間未満、 毎日事業実施(正月は休む)。 前年度実績 3,435人(4月から2月まで)に7分 の6を乗じると3200人になる。 3200人÷11=291人(小規模300人未満) サービス提供の流れ ①利用者の申し込み ②被保険者証の確認 ③重要事項説明書による説明・同意 ④契約の締結 ⑤心身状況の把握 (居宅支援事業所等との連携が必要) ⑥通所介護計画・予防通所介護計画の作成 (目標・内容等について説明) ⑦サービスの提供 ⑧サービスの目標を確認 事業者指定 ①人員基準②設備基準③運営基準の全てを満た すこと。 通所介護事業所と予防通所介護事業所が、同一 の事業所において一体的に運営されている場合、 「人員基準」「設備基準」に関しては、通所介護事 業の基準を満たしていれば、予防通所介護事業 所の基準を満たしているものとされる。 管理者 事業所ごとに1名(常勤) 生活相談員 看護師又は准看護師 サービス提供時間帯を通じて専ら通所介護サー ビスの提供を行う者1名以上 介護職員 利用者の数(実際の利用者数)が15人までは1 名以上、それ以上5又はその端数をまずごとに1 名以上 生活相談員または介護職員のうち1名以上は常 勤であること。 看護職員 看護師又は准看護師 サービス提供時間帯を通じて専ら通所介護サー ビスの提供を行う者1名以上 利用定員が10人以下の事業所は、サービス提 供時間帯を通じて看護職員と介護職員を併して、 1名以上にすることができる。この場合は、生活 相談員、看護職員又は介護職員のうち1名以上 が常勤でなければならない。 機能訓練指導員 1名以上 機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要 な機能の減退を防止するための訓練を行う能力 を有する者(理学療法士、作業療法士、言語聴 覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッ サージ指圧師)とし、当該通所介護事業所の他 の職務に従事することができる。 「単位」とは、 同時に一体的に提供される指定通所介護をいう。 例えば、 ①指定通所介護が同時に、一定の距離を置い た2つの場所で行われ、これらのサービスの提 供が一体的に行われているといえない場合、 ②午前と午後とで別の利用者に対して指定通 所介護を提供する場合は、2単位とし、それぞれ の単位に必要な従業員を確保する。 「常勤」とは、 勤務時間が、当該事業所で定められている常勤 の従業員が勤務すべき時間数(32時間を下回る 場合は32時間を基本とする)に達していることを いう。 「専ら従事」「専ら提供に当たる」とは、 原則として、サービス提供時間帯を通じて当該 サービス以外の職務に従事しないことをいう。 原則として、サービス提供時間帯とは、事業所に おける勤務時間(サービスの単位ごとの提供時 間)をさし、従業員の常勤・非常勤の別は問わな い。 あらかじめ計画された勤務表に従って、サービ ス提供時間帯の途中で同一職種の従業員と交 代する場合には、それぞれのサービス提供時間 を通じて該当サービス以外の職務に従事しない ことで足りる。 提供時間帯を通じて専ら該当指定 通所とは、 指定通所介護の単位ごとに生活相談員、介護 職員について、提供時間帯に当該職種の従業 者が常に確保されるよう必要な配置を行うよう定 めたもの。 看護職員については、提供時間帯を通じて専従 する必要はないが、当該看護職員は提供時間 帯を通じて指定通所介護事業所と密接かつ適 切な連携を図るものとする。 設備基準 食堂・機能訓練室(利用者1人あたり3㎡以上)、 静養室、相談室及び事務室を有する 設備等は、当該指定通所介護事業所用として 専用でなければならないが、利用者への指定通 所介護の提供に支障がない場合等は、他の事 業と共用することができる。 食堂及び機能訓練室 合計面積が、利用定員数に3mを乗じた面積以 上であることが最低基準。 食事提供及び機能訓練を行う際、それぞれに支 障がない広さを確保できる場合は食堂及び機能 訓練室は同一の場所とすることができる。 狭い部屋を多数設置するべきではない。 相談室 遮へい物の設置等により相談の内容が漏えいし ないよう配慮されていること。 運営基準 サービス提供内容の説明、同意 サービス提供拒否の禁止 サービス提供の記録 通所介護計画の作成 緊急時の対応 運営規程の整備 衛生管理 秘密保持 苦情、事故発生時の対応等 通所介護費 3時間以上 4時間未満 4時間以上 6時間未満 6時間以上 8時間未満 小規模型 通常規模型 要介護1~5 要介護1~5 要介護1~5 要介護1~5 要介護1~5 要介護1~5 介護予防通所介護費(1月につき) 要支援1 要支援2 •月途中からのサービス開始、月途中のサービ ス終了の場合であっても、原則として、日割り 計算は行わない。 通所介護の加算 延長加算(8時間を越えて1時間につき50単位) 入浴介助加算(1日につき50単位 ) 若年性認知症ケア加算(1日につき60単位) 個別機能訓練加算(1日につき27単位 ) 栄養ケアマネジメント加算 (1回につき100単位、月2回まで) 口腔機能向上加算 (1回につき100単位、月2回まで) 個別機能訓練加算とは 1日120分以上、専ら機能訓練指導員の職務に 従事する理学療法士等(理学療法士、作業療法 士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあ ん摩マッサージ指圧師)を配置し、個々の利用 者の状態に適切に対応する観点から、個別の機 能訓練実施計画を策定し、これに基づきサービ ス提供を行った場合 介護予防通所介護の加算 アクティビティ実施加算(1月につき81単位) 運動器機能向上加算(1月につき225単位) 栄養改善加算(1月につき100単位 ) 口腔機能向上加算(1月につき100単位) 定員超過の減算 月平均の利用者の数が、都道府県に提出した 運営規程に定めた利用定員を超えた場合。 翌月の利用者全員の報酬額を100分の70で算 定する。 看護・介護職員配置欠如 の減算 看護職員については、月平均の配置員数が人 員基準上必要とされる員数から1割を超えて滅 少した場合 介護職員については、月平均の配置員数が人 員基準上必要とされる員数を下回る場合 翌月の利用者全員の報酬額を100分の70で算 定する。 大規模事業所(介護給付のみ)の減算 前年度の1月当たりの平均利用延人員数が900 人を超える指定通所介護事業所において指定 通所介護を行った場合 利用者全員の報酬額を通常規模型通所介護費 の100分の90で算定 利用料以外に受けれる費用の範囲 通常の事業実施地域外の送迎費用 通常要する時間を超える場合 食事の提供に要する費用 おむつ代 その他の日常生活費 マッサージなどの施術料金は請求できない 指定の取り消し ①相当の期間を定めて基準を遵守するよう勧告を行う。 ②相当の期間内に勧告に従わなかったときは、事業者 名、勧告に至った経緯、当該勧告に対する対応を公表 する。 ③正当な理由なく当該勧告に係る措置を採らなかったと きは、相当の期限を定めて当該勧告に係る措置を採 るよう命令し、事業者名、命令に至った経緯を公示す る ④③の命令に従わなかった場合には、指定を取り消す。 指定を取り消された柔道整復師 『全介護事業から撤退を』 不正受給発覚 「○○接骨院デイサービスセンター」が介護報酬 を不正に受給していた問題で、県は○○日、同 施設の通所介護事業の指定を取り消した。 「○○デイサービス」は指定を取消された。理由 は偽の指定申請で、人員基準で配置の必要な 生活相談員を、本人の同意もなく申請し指定を 受けたことにある。 Q、管理者は他の事業との兼務は可 能か? 管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該 事業所の管理業務に従事するものとする。 ただし、管理上支障がない場合は、当該指定通 所介護事業所内であれば他の職種と兼務するこ とができる。 管理上支障がない場合は、同一敷地内にある又 は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の 管理業務に支障がないと認められる範囲内にあ る他の事業所の管理者間の兼務は可能である。 生活相談員の資格要件は? 原則として、社会福祉主事の任用資格を有する 者又はこれと同等以上の能力を有すると認めら れる者である必要かある。 東京の場合、①介護支援専門員②介護福祉士 で通所介護又は福祉施設で1年以上勤務経験 があれば生活相談員になれる。 Q、通所介護計画上、6時間以上8時 間未満の通所介護を行っていたが、当 日の利用者の心身の状況から、5時間 の通所介護を行った場合の、介護報酬 の取扱いは? Q,当日、利用者宅に迎えに行ったが、 キャンセルとなった場合の請求は、どう すればよいか? Q、通所介護サービスと訪問サービス を重複して同一時間帯に利用すること は可能か? Q,通所介護提供時間帯に併設の医療 機関で受診することは可能か? Q、介護予防通所系サービスの提供に 当たり、利用者を午前と午後に分けて サービス提供を行うことは可能か? Q、午前と午後に分けてサービス提供 を行った場合に、例えば午前中にサー ビス提供を受けた利用者について、午 後は引き続き同一の事業所にいても らっても構わないか。その場合には、当 該利用者を定員に含める必要があるの か。また、当該利用者が事業所に引き 続きいられることについて負担を求める ことは可能か。 Q、介護予防通所系サービスを受ける に当たって、利用回数、利用時間の限 度や標準利用回数は定められるの? Q、介護予防通所介護と介護予防通所リハ ビリテーションを、それぞれ週1回ずつ利用 する等同時に利用することは可能か? Q、送迎・入浴が単位数に包括されて いるが、送迎や入浴を行わない場合に ついても減算はないのか? Q、選択的サービスについては、月一 回利用でも加算対象となるのか。また、 月4回の通所利用の中で1回のみ提供 した場合には加算対象となるのか? Q、運動器の機能向上加算は1月間に 何回か。また、1日当たりの実施時間 に目安はあるのか?また利用者の運 動器の機能把握を行うため、利用者の 自己負担により医師の診断書等の提 出を求めることは認められるのか? Q、介護予防通所介護における運動器機 能向上加算の「経験のある介護職員」と は何か? Q、介護給付の通所系サービスと予防 給付の通所系サービスについては、同 じ時間帯に同じ場所でサービス提供を 行うことを可能とするかどうか? Q、事業所ごとに常勤・専従の管理者を 配置することとされているが、当該管理 者の兼務を認めるかどうか? Q92.例えば、午後1 時から5 時の時 間帯に介護予防サービスと介護給付 サービスを一体的に実施することとし1 単位の届出を行っている事業所が、午 前9 時から11 時の時間帯で介護予防 サービスのみを実施しようとする場合に おいての、届出等申請手続きはどのよ うにすればよいか? 介護予防デイサービスの実態調査 (平成19年10月頃) 調査の目的 柔道整復師・鍼灸師が開業するデイサービスの 実態を把握し、その課題を明らかにして、新たな ビジネスモデルとしての可能性を検証する。 調査対象者 デイサービスを経営している 柔道整復師・鍼灸師の方 調査方法(留置法) インターネットの検索を基に、調査対象者と推定 される方を抽出し、調査票を郵送配布した。 調査の内容 (1) 開設年月 (2) 事業所設置主体 (3) 併設事業 (4) 営業曜日 (5) サービス提供時間及び単位数 (6) 利用定員 (7) 登録利用者数 (8) 男女の割合 (9) 要支援者と要介護者の割合 (10)選択的加算 (11)個別機能訓練の内容 (12)疾患の割合 (13)採算状況 (14)苦労している点 回収状況 配布数:150事業所 回収数:53事業所(回収率36%) 調査項目 いつぐらいから事業開始したのか? 開業した人は、何の資格を持っていたのか? デイの営業曜日や営業時間はどうしているのか? サービス提供時間は、どうなっているのか? デイサービスの規模はどのくらいか? どんな機能訓練サービスを行っているのか? 要支援者と要介護者の割合は? 採算状況はいかがか? 苦労していることは何か? ・・・・・・・・・・・・・etc Q.開設の年度は、いつですか? 14 12 10 8 6 4 2 0 開業数 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 平成18年度以降のデイサービス開設が増えている(43%)。特にサービス提供時 間3時間以上4時間未満の、いわゆる短時間型デイサービスが全体の6割となり、 高い割合を占めている。19年度については、9月ごろの調査のため実際は、この統 計数より多いことが推測される。 Q.事業所の設置主体は何ですか? 有限会社 株式会社 NPO法人 共同くみあい 46事業所(87%)が有限会社、株式会社の営利法人であった。株式会社、有限会社 などの営利法人が9割を占めた。地域の社団柔整師会の有志が集まって共同組合と して事業所を設立したケースが2事業所あった。また、特定非営利活動法人(NPO法 人)を設立して介護事業所を運営しているケースが5事業所あった。 Q.併設する事業は、何ですか? 居宅支援 鍼灸院 併設事業 接骨院 0 10 20 30 40 併設事業として、接骨院が38事業所(72%)、鍼灸院が30事業所(57%)である。 その内、鍼灸接骨院は18事業所を占める。・居宅介護支援事業所の併設は25事業 所(48%)と、高い割合となった。デイサービスのみが2事業所あった。他に、コンディ ショニングルーム、PT業務、福祉用具貸与、訪問マッサージ、訪問介護、介護タク シー、歩行支援サポーター、介護支援相談室などがあった。 Q.営業している曜日は、いつです? 月~金 月~金・祝 月~土 提供曜日 月~土・祝 他 0 5 10 15 土曜日の営業は、24事業所(47%)、祝日の営業は、16事業所(31%)であった。 その他として、水曜日休み、無休、平日週2回営業、土日営業などがあった。 1日のサービス提供時間と単位数は? 3~4h 1単位 3~4h 2単位 6~8h 曜日によって単位数を変えている事業所があり、複数回答になった。 サービス提供時間3時間以上4時間未満が半数(49%)を占める。 3時間以上4時間未満、1日2単位は3割(30%)である。 Q.デイサービスの定員は? 10人以下 11~15人 16~20人 21~25人 26~30人 定員10人以下が58%、定員11~15人が24%である。 定員15人未満の小規模型が全体の82%を占める Q.現在、登録している利用者の数は? 70人以上 61~70人 51~60人 41~50人 登録利用者数 31~40人 21~30人 10~20人 0 5 10 登録利用者30人未満が半数(47%)を占める。 15 20 Q.利用者の男性と女性の割合は? 女性 男性 男性は32%、女性は68%で、7割が女性であった。 Q、3~4時間の要介護度は? 要介護 要支援 3~時間型では、半数(49%)が要支援者で占める。 Q、6~8時間の要介護度は? 要介護 要支援 6~8時間では、7割近く(68%)が要介護者である。 Q.選択的加算は、何ですか? アクテビテイ 入浴サービス サービス 口腔機能向上 個別機能訓練 0 10 20 30 40 個別機能訓練加算を、ほぼ全事業者(95%)が選択している。 入浴サービスを実施している事業者は4割である。 口腔機能向上加算を2割近く(17%)の事業者が実施している。 50 Q.個別機能訓練は何をしています? 40 35 30 25 20 15 10 5 0 機能訓練 鍼灸 マッサージ マシン マシントレーニングは、34事業所(66%)が実施している。マッサージは、23事業 所(45%)、鍼灸サービスは、6事業所(11%)であった。 その他:セラバンド、電療、柔整手技、マット体操、ストレッチ、重りによる上下肢運 動、阿波踊りなどのDVD体操、エアロバイク、外出歩行訓練、輪転機、手指運動、 エアロビクス、バランスデスクマッサージチェアー、鉄アレー、ヘルストロン、など Q.3~4時間の疾患割合 は? 虚弱高齢者 脳卒中 その他 脳卒中の利用者が3割(27%)を占めていた。 虚弱高齢者は59%、認知症その他は、14%となった。 Q.6~8時間の疾患割合 は? 虚弱高齢者 脳卒中 その他 サービス提供時間6時間以上8時間未満では、認知症その他が3割以上(34%)を 占めた。 虚弱高齢者46%、脳卒中21%の割合となった。 Q.デイサービスの採算状況は? 内容項目 人 % 7 14 収入が支出を若干上回っている 20 41 収入と支出がほぼ同じになっている 11 23 支出が収入を若干上回っている 7 14 支出が収入を大幅に上回っている 2 4 採算は度外視している 2 4 収入が支出を大幅に上回っている 収入が支出を上回り黒字になっている事業所は27事業所(55%)であった。収入 と支出がほぼ同じを含めると38事業所(78%)となる。一方、赤字の事業所は、9 事業、(18%)であった。 Q.苦労している点は何ですか? 内容項目 人 % 看護師や生活相談員の人材の確保が難しい 31 62 経営経費・活動資金に苦労している 10 20 保険請求実務が難しい 利用者の継続的な確保が難しい 0 10 0 20 8 16 通所介護計画書や個別機能訓練計画書の記入 苦労している点として、6割以上の事業所が人材確保を挙げている。また、2割 の事業者が経営経費・活動資金について及び利用者の確保が難しいとしている。 送迎のこと 送迎体制の確保が難しい。 送迎中の事故に対するリスクマネジメントが問題 である。 開始時間に利用者を揃えることがむずかしい 人材のこと スタッフの介護予防に対する意識が低く、スタッ フの質を上げることが難しい。 柔道整復師・マッサージ師などの機能訓練指導 員の確保が難しい。 地域への認知のこと 居宅支援事業所を持っていないために利用者の紹 介が少ないと思う。 柔整師・鍼灸師が専門性をアピールして、良い結果 を出しても地域でなかなか認知をしてくれないよう に感じる。 福祉業界や行政窓口担当者は機能訓練に特化し たデイサービスを、お風呂や食事のサービスがない ということでマイナスに評価する傾向がある。 経費のこと 予想以上に必要経費が多く、デイサービス経営 は多難である。 接骨院経営の方が利益率は高く、保険取り扱い の苦労も少なく思う。 情報が少ないこと 周囲でデイサービスを併設して整骨院を営業し ている所が少なく、相談できる相手がいないので 寂しいことがある。試行錯誤をしながら何とか やっている。 経営方針について 施術、介護予防デイサービス、アスレチックトレーナーは、 これからの柔整師・鍼灸師の3本柱となる. 介護予防に参入するには、柔道整復師・鍼灸師の特徴 を生かし、且つ福祉の考え方を取り入れる必要がある。 うちは、要支援者の方にフィットネスクラブのようなシス テムで運動を行うようにしている。 デイサービスの午後6時から9時までの時間及び土曜日 は、地域の方たちを対象に生活習慣病予防のトレーニ ング教室を行っている。 介護事業者情報の公表制度は役に立っているとは思え ない。介護保険制度には様々な問題がある。 これから開業する方へメッセージ① 理論ばかりのPTやOTより手技のある柔整、鍼灸、マッ サージ師の方がデイサービスの現場に係わるには理想的 である。ただし、利益ばかり追求するのでなく、志を持って 参入する方が増えていけばよいとのだが・・ デイサービスの評価はスタッフの質がカギとなる。よいス タッフを揃えること! 柔整師・鍼灸師が常にデイサービスにいることは疾患のあ る利用者にとって大きな安心感が生まれる。デイサービス での柔整師、鍼灸師の役割は重大である。 デイサービスを開設するなら専門性を生かし資格に恥じな いサービス内容を実施してほしい。 できる方は、どんどん参入してほしいと思うが、制度をよく 理解し、他事業所と協力しながら、地域に貢献してほしい。 これから開業する方へメッセージ② 柔整師、鍼灸師は体や機能訓練の知識は高いものが あり、利用者のコミュニケーションをとる技術も優れてい る。自信を持って、参入してほしい。 用者は、筋・関節の痛み、骨折、脳卒中後遺症、パーキ ンソン病・リウマチなどの難病の方も多いです。しかし、 施術家としての経験を生かし、利用者の生活環境を考 えながら機能訓練をすることで効果が上がっていきます。 利用者の痛み、愁訴の管理は重視してほしい。 筋力トレーニングの効果の有無が問われているが、お そらく高齢者に運動をしてもらうための 技術の問題であり、我々柔整師、鍼灸師にとって最も力 が発揮できる場であると考える。 業界のリーダーに望むこと 灸の施術が介護予防のサービスメニューになる ように運動してほしい。 介護予防デイサービスは、私たち専門職の立場 として技術や知識を生かすことができる仕事で ある。新しい職域の確立として全力で取り組んで ほしい。 介護予防機能訓練における柔整鍼灸の特徴あ るマニュアルを作成してほしい。 調査結果 小規模型デイサービス 85% 運動器機能向上加算・個別機能訓練加算95% マシントレーニング 66% マッサージ 45% 短時間型 49% 脳卒中 27% 入浴サービス 40% 鍼灸サービス 11%。 収支同じか黒字 78%。 結論 小規模デイサービスは、小資本で開業すること ができ、地域性も高く、施術との共通点も多く、 柔道整復師・鍼灸師の新しい治療院スタイルと して非常に魅力的である。 150万人の膝痛、腰痛の高齢者に機能訓練を 行い、身体機能を向上させる職種として、骨関節 の専門職であるの柔道整復師・鍼灸師の介護予 防デイサービスの役割は重要である。 ただし、安易な気持ちで開業しないことが必要で ある。
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