基準と指針による実験動物の飼養管理、動物実験の適正化 動物愛護管理法 実験動物の 適正な飼育 3R原則 代替法利用 使用数削減 苦痛の軽減 実験動物の 適正な利用 動物実験基本指針 実験動物の飼養及び保管並びに 苦痛の軽減に関する基準(環境省) (文科・厚労・農水省) 反映 依頼 動物実験ガイドライン 詳細指針 (学術会議) 指導 参考 各機関が動物実験等に関する規程を自主的に作成 行政(所管省)の指針に基づく動物実験の自主管理(2006年体制) (行政(ガバメント)が直接管理するのではなく、機関内のガバナンスで適正化) 基本指針の遵守に関する取組み ○ 文部科学省関係の研究機関の基本指針の遵守状況を把握することを 目的として、平成23年夏に、全機関に対する調査が実施されている。 動物実験等を実施している426機関のうち、研究機関等の長の責務 とされている、機関内規定の策定、動物実験委員会の設置、研究機関 等の長による動物実験計画の承認については57機関が未対応であっ たが、該当機関への文部科学省からの指導の結果、平成23年11月時 点で全ての機関が対応を完了した旨報告あり。 (http://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n957_04.pdf) ○ 基本指針の更なる遵守・徹底を図るため、文部科学省においては、 -競争的資金の公募要領等に、基本指針を含む法令又は指針等に より定められた必要な手続き等を遵守した上で研究を実施する旨を 記載 -平成23年度からは、ライフサイエンスに関する大型プロジェクトの 公募要領において、自己点検評価書の提出を求める旨を記載 ※文部科学省より聴取 海外等の規制の状況 アメリカ EU 日本 実験者 免許 機関内登録 機関内登録 施設 免許 機関内登録 機関内登録 実験計画 行政承認 機関承認 機関承認 外部検証 査察 ピアレビュー/査察(マ ピアレビュー(外部の専門家) ウス・ラット以外の飼 育と輸送のみ) 記録 あり あり あり 罰則 あり あり あり ★ EU指令の改定(2010)により規制緩和 ⇒ 実験者:適格性判断は加盟各国それぞれの方式。 実験計画:類似の動物実験計画は機関承認が可。苦痛が最高度の実験と霊長類 の実験を除き機関承認可。 ★ 機関承認:論文審査の要件 ★ 行政承認の問題点:ライバル社への情報漏えい、審議遅延による妨害 ⇒ 企業移転 人への危害、環境への影響の可能性がある動物は既に別法で規制されている 対象 根拠法令 規制内容 所管(提出先) 出典 感染動物 感染症法 届出・許可 厚労省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/ kekkaku-kansenshou17/03.html 家畜(ブタ、ウシ、 鶏等) 家畜伝染病予防法 届出 都道府県 http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/e isei/e_koutei/kaisei_kadenhou/ 外国産サル(アカ ゲザル、カニクイ ザル等) 感染症法 厚労・農水合同省令 許可 厚労省、農水省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/ kekkakukansenshou13/index.html 外来生物(アカゲ ザル、カニクイザ ル、ウシガエル等) 外来生物法 許可 環境省 http://www.env.go.jp/nature/intro/3bre ed/shiiku.html 遺伝子組換え動 物(研究使用) カルタヘナ法 文科・環境合同省令 許可 (機関承認含) 文科省 http://www.lifescience.mext.go.jp/files/ pdf/n815_01.pdf 遺伝子組換え動 物(産業使用) カルタヘナ法 財・文・厚・農・経・環 合同省令 許可 (機関承認含) 農水省 http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/ carta/c_data/law/pdf/mo_step.pdf 特定動物(ニホン ザル、毒ヘビ等) 動物愛護管理法 許可 都道府県、政令 市 http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/a igo/1_law/danger.html イヌ 狂犬病予防法 個体の登録 都道府県、政令 市 http://law.egov.go.jp/htmldata/S25/S25HO247.ht ml 二重規制や二重行政は行政の無駄と混乱を招く。 2006年以降の新体制の進展 ○ 基準、指針等の周知、普及 2006年:文科省による説明会 (全国7カ所で実施 約320機関 約1000名の参加) 2007年~ :関係学協会による講演会、研修会、パンフレット配布等 2011年:学会による法令対応セミナー(関係省後援、約850名の参加) ○ 透明性向上のための第三者評価・検証制度の構築(104施設が実施済み) 各機関の自己点検・評価、情報公開の実施 国動協・公私動協(2009年)、日本実験動物協会(2004年)、ヒューマンサイエンス振興 財団(2008年)が評価・検証を開始 例)国動協・公動協においては、第三者評価の実施体制、実績等を公開 http://www.kokudoukyou.org/kensyou/iken_bosyu.html ○ 現状の把握 2009年: 日本実験動物学会による飼育数調査(約1100万匹を飼育、99%はげっ歯類) 2009年: 環境省による動愛法及び実験動物基準の順守状況調査 施設の93%が基準を周知、94%が委員会設置 2011年: 日本学術会議は、各省及び関係団体の現状についてヒアリング 新体制は着実に周知、普及し、2006年以降、国民の不利益につな がるような事例は生じていない。 評価・検証制度の構築等により透明性の向上も図られている。 3R実効性の向上は、現体制の推進により達成できる。 国立大学協会、日本医学会(傘下100学会が賛意、約80万人の会員)等、115 団体が、新たな規制導入に反対 適正な動物実験のための自主管理の必要性 〇 医学への波及効果を考えた動物実験の 適正化のために、研究内容を熟知した自主管 理が必要 〇省庁の指針に基づく自主管理(機関管理)は 、良好に機能しており、これを継続・発展させる ことが必要
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