地域福祉まちかど懇談会 - @niftyホームページ

地域生活のススメシリーズ・はしり編
信州ながの発
地域生活のススメ
-長野県西駒郷の取り組み・・・から-
措置制度から支援費制度へ
そして自立支援法に。
翻弄され続ける障害者福祉
迷うことはない。この街で暮らし続けたい・・・
人としてあたりまえな願いを実現するために
西駒郷地域生活支援センター
山田
優
私が
地域生活支援にこだわり、
「地域生活のススメ」に走り回る
動機付けから・・・
地域生活支援で20年来ほぼ全国でお話させていた
だいて、逆に教えられ・力をもらった
7年前の夏。東京から最も遠い能登半島北部で保健師さんた
ちが開く療育支援の場に出向いたとき、数名集まった障害のあ
る子供を抱えるお母さんが語った言葉・・・に、
「どこの子なんだべな」と見られるのではなく「○○さん家
の子」と受け止められるこの町にこだわりたい
「自分のことが出来ない子供でも、皆(町)の中に置いて
やりたい」
それが故郷、誰もが持つている故郷、誰もが作る故郷
でしょ。山田さん・・・と
6年前の冬。宮城県北部。近くの伊豆沼にはオオハクチョ
ウが、冬枯れの水田にはマガン・ヒシクイが渡来していた。
療育支援事業を立ち上げる施設支援のため5日間のレク
チャーに出向いていた夜8時。漆黒に包まれた秋田県境の
小さな村の保健センターに、若い保健師さんと数名の障害の
ある子供のお母さんが待っていた・・・
「自分のことが出来ない子供でも、皆(町)の中に置い
てやりたい」
「過疎であってもここはかけがえのない町。なんぼしんど
くてもここで住みたい」
それを見守る保健師さんと胸に秘めた職員がいた・・・
地域の中で暮らし続ける環境とは、
安心感がある(信頼できる人)
持続的である(支える仕組み)
可塑性がある(暮らし・状態変化に対応)
そして、権利が守られること
気付いた支援者は走り出した
環境(制度・地域社会等)を整えようと
長野県西駒郷(500人定員)では、
地域生活への移行は、
どのようにして始まったのか
↓
最初に、
動機付け(知る・確認)の準備
同時に、実現に必要な環境の
(住む・活動する・支える)設定
西駒郷の
地域生活への移行の原則
県・西駒郷・家族・支援者が勝手に
人生を決めてはならない
①移行を決めるのは誰⇒アンケートではなく個別の
聞き取り結果を動機付けとする
②移行先はどのように確保⇒見て・体験・自己決定
③県・西駒郷の実践に留めない⇒NPO団体の創設
支援・福祉協会の協力・制度の充実
④県⇒地方事務所・市町村参画⇒連携と普遍化
H15最初に行った職員への事前学習
就業後に受講必須(3クール。交替勤務に配慮)
地域生活移行支援のための事前学習
-あなたは地域生活をどの程度理解しているか-3講座
①ノーマライゼーションの理解
-世界・全国の動向から今の位置づけを知る-
②地域生活支援のためのツールの理解
-サービスの成立背景・利用方法・役割等-
③本人主体と自己決定の理解
-ケアマネジメントの手法とエンパワメントの理解-
①地域生活への移行根拠は本人の意向






施設入所を自分で決めた人はごく僅かしかいない。
いつ出られるか、答えのないエンドレス集団生活。
過ぎ去った青春時代の証は数冊のケースファイルとセピア
色になった写真だけ。
あきらめた人生・心にしまった夢を、ノーマライゼーション・
地域生活への移行という言葉を投げかれられて、本音で話
せるだろうか。
痛みをまず知って欲しい。過ぎ去った時間を返せとは言わ
ないけれど、信じてよいのですか。
あなたは突然出ていいよと言われて混乱しませんか・・・
語れる
環境を用意しているか
・否定されないだろうか?
・肯定された経験がなかった?
・いつも押し付けられてきた?
・ここ(施設)が楽でいい⇒本音だろうか?
・いっしょに考えてくれますか?
・・・だってわからないもん
地域生活への移行を決めるのは私。
聴き取り調査のまとめ
370人の調査(本人の意向) H16.11
言語の意思表示が出来る人=60%のうち、
約80%(全体の53%)196人が
脱施設を希望
(内、グループホーム希望133人)
聴き取り調査のまとめ
370人への調査(家族の希望) H16.11
・家族が地域生活移行を希望は
約36%(143人)
・本人と家族の意向・希望が一致は
約32%(117人)
その他
6
その他
7
GHへ行き たい
115
意思表示困難
128
一人暮らしをしたい
5
友達と暮らしたい
13
自宅へ帰りたい
54
西駒郷以外の施設希望
5
西駒郷にいたい
34
その他
9
受け皿が整うまで
24
悠生寮グループ
26
不明
9
G H 希望
83
受け皿あれば可
50
西駒郷
160
家庭・他
6
出身地近くの入所施設
5
②家族の理解をどう取り付けるか
家族も入所施設に入れたという心の傷を背負っている。
 地域生活移行によって家族に負担がかかるのではない
かと懸念している。
 長期入所の場合、両親の高齢化・実家の環境変化・兄
弟の独立等による居場所の喪失が進んでいる
 本人の自立=支援者による継続と安心感・・・というイ
メージを伝える。
 支援に対する責任を持つことを伝える。

地域生活移行した方の家族へのアンケート
(長野県西駒郷の地域生活移行の取組から)
実施期間
対象者数
回答数
方
法
平成18年2月20日~3月10日
地域生活移行した方の家族142人
95人
郵送による無記名回答方式
移 行 前(基本構想策定時)
よくなかった6%
回答なし
8%
その他
よくなかった2%
あまりよくなかった 4%
13%
1%
わ
か
ら
な
い
3%
移行後
3%
回答なし
よかった74%
7%
大いに賛成
反対29%
絶対反対
14%
どちらかと
いうと賛成
22%
賛成31%
どちらかと
言うと反対
18%
どちらとも
言えない
意識
の
変化
どちらとも言えなかった
31%
大変よかった
まあよかった
35%
長野県西駒郷の地域生活移行
○大規模コロニー(500人定員の知的障害者入所施設)の入所者の地域生活移行を推進(西駒郷基本構想に基づき全県的な取組)
○平成18年4月の入所者数は256人に減少(4年間の地域生活移行者は173人)
○今後も取組を進め、西駒郷は施設支援中心から地域生活支援中心の施設へと転換する。(平成25年には100人程度の入所定員)
39%
③施設職員としてのプライドって?






入所・通所施設職員は地域生活支援業務が出来るか
ケアマネジメントと現場の齟齬・乖離を超えられるか
安住により、忘れたフットワークを取り戻せるか
生きること・人生という意味を受容できるか
先人が積み上げた理念を振り返られるか
プライドってなに?
抱え込んできた結果が今じゃないか
近隣地域の社会資源を知ろう
NPO・コミュニティ活動に職員も参加しよう
語れる
環境を用意しているか
・無理だと決め付けていないか
・制度・仕組みを知っているか
・この業界に飛び込んだ初心を
思い出せるか
・もう一度、ケース記録に目を
通してほしい
・あなたはじっと耳を傾けられるか
実現に必要な環境とは
↓
推進体制を作る(責任を明確に)
地域生活に必要な施策の用意(具体的)
支援のネットを張り巡らす(支援センター)
みんなが参加(様々な団体が参加)
地域社会も参加(一人の市民として)
16
例)長野県グループホーム等整備事業
全国GH整備なし
最近は日本財
団による助成
金(中古物件)
設置者負担
がオススメらし
(1 0 /1 0 )
い
長野県GH整備
県GH整備費
補助金
(1 /2 )
西駒郷加算
グループホーム施設
整備特別補助金
通常のグループホー
(1 /6加算上乗せ)
ム補助金
(1 /2 )
上乗せ分
(1/6)
設置者負担
(1 /2 )
設置者負担
市町村上乗せ分(1/6)
(1 /3 )
(家賃等により後年度
設置者負担 (1/6)
回収という手段も)
積算根拠
精神(県1/2・市町村1/4・設置主体1/4)
知的(県1/2・設置主体1/2・・・西駒加算あり)
157,800円×23.3㎡×定員
対象経費上限 新築2000万円・改修1000万円
例)ケアホームを利用する最重度知的・強度行動障害者の場合
H19.4~
概 念
図
強度行動障害者・最重度知的障害者のグ
ループホームをイメージ
県上乗せ分
(県1 / 2 ・市町村
1 /2 )
ナイトケアなど手
厚い支援が必要な
重度知的障害者
8 5 ,7 9 0 円/月
グループホーム
区分1
4 5 0 単位
約1 3 6 ,6 8 0 円/
月
自立支援法になっても、重度知的障害者
自立支援法になっても、重度知的障
グループホームの運営費を確保
害者
4人定員
小規模加算
+夜間加算
1 6 4 単位
4 9 ,8 5 6 単
位
区分6+
夜間支援体
制加算
5 4 1 単位
1 6 4 ,4 6 4
円
県上乗せ分
3 0 ,0 8 3 円/月
小規模加算
小規模夜間加算
1 6 4 単位
4 9 ,8 5 6 円/月
ケアホーム
区分5+
夜間支援加算
4 5 0 単位
1 3 6 ,8 0 0 円
(含2 9 ,4 8 8 円)
5人定員
県上乗せ分
2 4 ,0 6 6 円/月
県上乗せ分
3 0 ,0 8 3 円/月
小規模加算
小規模夜間加算
1 0 2 単位
3 1 ,0 0 8 円/月
ケアホーム
区分4+
夜間支援加算
3 5 2 単位
1 0 7 ,0 0 8 円
(含1 5 ,8 0 8 円)
小規模加算
小規模夜間加算
1 6 4 単位
4 9 ,8 5 6 円/月
ケアホーム
区分5+
夜間支援加算
4 5 0 単位
1 3 6 ,8 0 0 円
(含2 9 ,4 8 8 円)
県上乗せ分
2 4 ,0 6 6 円/月
小規模加算
小規模夜間加算
1 0 2 単位
3 1 ,0 0 8 円/月
ケアホーム
区分4+
夜間支援加算
3 5 2 単位
1 0 7 ,0 0 8 円
(含1 5 ,8 0 8 円)
※障害の重さを言い訳にしない・・・支援の促しと工夫に期待
1
ヶ
月
平
均
20
万
円
を
確
保
10圏域に地域生活を支える3障害対応の障害者相談支援センター
日中活動の場
相談・支援の窓口
生活の場
障害者総合支援センター(圏域単位)
⑤生活支援ワーカー
働く場
•企 業
•共同作業所
•通所授産施設
•小規模通所授産
•社会事業・保護授
産施設
就業支
援
ワーカー
⑦療育支援コーティネーター
市町村部分
ホームヘルプサービス
インフォーマルサービス
②知 的
①障害児療育
コーディネーター
⑥
コーディネーター
就業支援
ワーカー
本人
就業支
援
ワーカー
医療・教育
③身 体
生活の場
•グル-プホーム
•福祉ホーム
•生 活 寮
•通 勤 寮
•アパート
•家 庭
④精 神
コーディネーター
コーディネーター
ピア
カウンセラー
憩いの場
デイサービスセン
ター
生活支援ワーカー
訓練の場
通所更生施設
生活支援ワーカー
県部分
中核センター
タイムケア
サービス
ケア会議で夢を
実現
サテライト
スタッフは10圏域にH15・34人→H19・128人へ
就職して、一人
暮らしがしたい。
西駒郷の地域生活への移行
↓
216名が地域生活へ移行した
しかし、これは始まりでしかない
14年度~20年1月迄の西駒郷の地域生活移行状況
H14 466名
H14
H15
H16
H17
H18
H19
退所者 地域移行者
25名
17名
35名
29名
81名
71名
67名
56名
34名
32名
14名
11名
合計 256名
グループホーム
81箇所193名
アパート・生活寮
8箇所9名
家庭14名
216名
戻った人8名
(地域移行か
ら6名)
新規入所1名
H20.1現在
219名(含再入所8名
+新規入所1名)
入所施設28名
入院6名
死亡6名
地域生活移行は、障害の重さ・軽さではなく
その人の意向に沿った支援を
組み立てたところから動き出せばいい
軽度
38名18%
最重度
5名2%
重度
80名36%
中度
93名44%
地域生活移行216名の障害程度
216名の日中活動はどこに通っているか
通所授産施設 73名
共同作業所(地域活動支
援センター含) 62名
通所更生施設 26名
グループホーム 193名
・相談支援
個別支援計画
日中活動の場
働く場
就労 31名
支援事業者と契約
自 宅 14名
デイサービス 6名
社協・宅老所手伝い 8名
家事手伝い
その他 6名
公営住宅・アパート 等9名
スポーツ・仲間の会
4名
でもでもでも・・・
施設入所
GH・CH
地域生活への移行過程では様々な嵐が襲ってくる
↓
・小さなトラブルに即応・圏域支援センター・市町村担当
等複数で問題を共有する。
・出来るだけ圏域で解決策を探る(ショートステイ・民間
入所施設・精神科病院等の地域資源を使う)
・最終のサポートとして再入所で受け留める
移行して始まる本当の支援
•やっと夢が実現できる
・・・・不安と期待が一気に襲いかかる
心の中で制御できないものが襲う
→ 移行期外傷・・・心理的支援・カウンセリング
•未知の暮らしへの不安を解消する手段
→ 入所施設の垢を落とす・・・自活訓練が有効・?も
•グループホームに暮らすことで、自由になった
→ エンパワメントのチャンスとして捉え、自信をもち、
自己責任が獲得できるよう促す支援
→ 生活の慣れによって生じてくる本来の自分
地域生活支援はここから始まる
地域生活移行に直面する壁を超える
県・西駒郷が単独で推し進める?⇒駄目!
↓
移行の選択肢が限定される⇒施設の城下町
移行しても関わる人は同じ?⇒施設の小型版
日中活動も限定される⇒変だ・・・
↓
当然、全県の圏域・事業者との
共同プロジェクトとして考える
26
野沢温泉村
飯山市
木島平村
小谷村
栄村
信濃町
飯綱町
中野市
山ノ内町
小布施町
白馬村
長野市
高山村
小川村中条村
大町市
須坂市
西駒郷利用者の地域生活への移行
グループホーム設置状況
(H19・10・19現在72か所)
信州新町
千曲市
坂城町
麻績村
池田町
生坂村
筑北村
青木村
松川村
上田市
東御市 小諸市
軽井沢町
安曇野市
波田町
長和町
塩尻市
佐久穂町
下諏訪町
岡谷市
辰野町
木祖村
諏訪市
茅野市
原村
小海町
南牧村
北相木村
南相木村
川上村
箕輪町
南箕輪村
王滝村
佐久市
山形村
朝日村
木曽町
御代田町
立科町
松本市
富士見町
伊那市
宮田村
上松町
駒ヶ根市
大桑村
飯島町
松川町
中川村
南木曽町
高森町
清内路村
飯田市
平谷村
泰阜村
阿南町
売木村
根羽村
大鹿村
喬木村
阿智村
下条村
豊丘村
天龍村
はGH5箇所
西駒郷のグループホーム設置の特徴
・特定の市町村に偏らない
・利用者の希望に沿った地域移行
・西駒郷の地域生活移行に、圏域
の支援センターも支援に加わる
・出身地・居住地の市町村・地方
事務所も地域生活移行過程に
加わり財産管理等支援に参加
西駒郷の地域生活への移行効果
民間入所施設の地域移行に伴い、在宅者の
「入所待機者」を解消させ、在宅者のニーズ
も地域生活へとシフトさせた
※西駒郷のデータには生活寮・家庭を含む
H18
H17
H16
H15
0
32
52
56
50
71
71
29 22
50
4年間の地域移行者は
西 駒 郷 =188名
民間施設 =212名
在
宅 =261名
長野県全体で =661名
61
67
西駒郷
87
他入所施設
在宅
63
100
150
200
250
ここまでをまとめると・・・西駒郷の地域生活への
移行が進んだのは、関係者の協力が不可欠。
・・・同じ船に乗る仕組み(施策)が必要
地域生活移行者を受け入れるグループホームの設置・
運営に呼応する福祉協会の協力があったこと
NPO団体による市民参加が広がったこと
県民・地域住民の理解が少しずつ浸透してきたこと
県のタイムリーな地域生活支援施策が効果を発揮
安心感が浸透して家族の協力も広がった
何よりも、本人が自信を持って暮らし始めたこと
でも、どんなに地域生活移行を
進めたとしても
↓
地域生活への移行は
動機付けが根底
ではその動機付けは
まず「聴く」ことから始まる
西駒郷から地域移行した皆さんへ
いまの暮らしのことを
おしえてください
188人の声・・・から
長野県西駒郷の地域移行評価・検証に関する
研究班(主任研究員 三田優子)
キイワード:カギ
これは私のカギ
外からかけられるカギとはちがう
んです
キイワード:音
<西駒郷のこと>
 西駒郷はうるさかった
 ここは静かでいい
<いまの住まいのこと>
 ふすまの仕切りは落ち着かない
 欄間をとおして全部聞こえちゃう
 ホームの職員さんの声が頭にひびく
キイワード:家族
ずっと西駒郷で迎えに来るのを待ってた
 西駒郷から出たら母さんにいっぱい会える
 僕の家(ホーム)にお母さんが遊びにくるのが嬉しい
 本当は家族と暮らしたい
 兄さんの(暮らしの)邪魔したらいけない
 自分の家族を作る

キイワード:地域の暮らし
 西駒よりはいい
 なんかいい
 最初は何をやっていいかわかんなかった
 「自分で考えること」はいい
 合うホームと合わないホームがある
 西駒の職員より怖い人がいる
キイワード:見せたいもの
私の宝物です・・・
キイワード:西駒郷のこと
 4人部屋はきつかった
 好きなカセットが聞けなかった
 いつもものがなくなってもめた
 なんであそこにいなくちゃいけなかっ
たんだかわからない
 できない人の面倒をみてました
課 題
1 入所施設から外に出ることだけで終わらない
2 なぜ長期にわたり「入所させて」いたかを反省
3 ご本人のものである「生活」を中心に
↓
「地域移行」ではなく「地域生活移行」
インタビューから確信したこと
 何も考えていないのではない
 何も感じないのではない
 言いたいことがないのではない
↓
聴いてこなかった=大きな損失
◎当事者は評価する目と、伝える手段と、言葉
をもっている
声にならない声を「聴く」には
◎援助者
「聴く」ことのプロになろう
◎当事者
「聴いてもらう」経験を増やす
「調査の手引き」作成
西駒郷からの移行者調査の過程で当事
者から言われたこと・・・
支援者なのに
マナーのない人がいる!
「聴く」ことは簡単ではない
 説教
 尋問
 詰問
 命令
 説得
 ごまかし
 話のすりかえ
などになりがち
精神障害者からのメッセージ①
私が「聴いて」と言っているのに あなたは私にあれ
これアドバイスを与えてくれる
 それは私が頼んだことじゃない
 私が「聴いて」と言っているのに あなたは「・・・だか
らそんなふうに感じちゃいけないよ」ってお説教をは
じめる
 私の気持ちは踏みにじられる

精神障害者からのメッセージ②
私が「聴いて」と言っているのにあなたはどうにかして
私の問題を解決しようとする
 ちょっと変に聞こえるかもしれないけど、それは私を
裏切ること
 聴いて!私は「何か話して」とか「何かして」と頼んだ
わけじゃない
 ただ聴いて、耳を傾けてと頼んだだけ
 (後略)

<JHC板橋 ピアカウンセリングマニュアルより>
再度「聴く」・・・とは
・聴こうとするあなた自身が、
地域生活をしていますか?
・身近な家族と「聴く」関係性を持っていますか?
・相手に合わせる・待つことができますか?
・パターナリズム(思い込み・癖)に気付けますか
・自分に誠実に向き合えますか?
↓
・検証・エビデンスという視点が重要
聴く(検証)過程への期待
・誰でも否定されることは嫌です
・でも日常の支援の中で、知らない間に
利用者さんにしているものです
・聴いた結果を素直に受け取れます
か?
・すぐに言い訳が浮びませんか
・・・まず、受け止めてください
評価・検証という視点
• 「エビデンス」とは、証拠・科学的根拠のことです。
• エビデンスの最も大きな特徴としては、その行いが、
権威や個人の経験によるのではなく、
個人の障害要因・障害特性等による知識や常識化
した情報を先入観として重視するのでもなく、
現場実践による事例を蓄積し、その実績を分析しな
がら科学的な根拠、そして評価・検証に資していくこ
とと、施策の裏付け・根拠に生かしていく意味があり
ます。
障害のある人たちが
暮らしやすいということは
ノーマライゼーションの考え方や恩恵を
一番受けるのは、実は私達自身や、私達が
住む地域なのだということ。
障害のある人たちがつぶやく、ささやか
な願い「この町で住みたい」・・・に応えよう