学園祭カーボン・オフセットの現状と 普及・定着に向けて 東京都市大学 環境情報学部 環境情報学科 中原秀樹研究室 0831185 細木 健人 1 卒業研究発表会 2012年2月14日(火) 発表内容 ・ 研究目的 ・ 研究背景、動機 ・ カーボン・オフセットについて → TCU横浜祭カーボン・オフセット ・ 研究方法 ・ 調査結果 -各大学の学園祭カーボン・オフセット運営状況 -各大学の違い ・ 本研究に対する考察 2 研究目的 武蔵工業大学横浜祭において 「学園祭カーボン・オフセット」が実施されて以来、 他大学でも学園祭カーボン・オフセットの取り組みは 増加していたが、近年普及が伸び悩んでいることや、 実施を断念してしまう大学がある。 「レガシー型カーボン・オフセット」を促進していくには、 学生主導の「学園祭カーボン・オフセット」の普及・定着が必要。 「学園祭カーボン・オフセット」を実施した大学を調査し、 普及・定着を実現する環境を見出すことを目的とする。 3 研究背景、動機 IPCCの第4次評価報告書では 気候システムの温暖化は疑う余地がない。 人間活動が原因であれば人間が改善する必要がある。 そこで近年注目されているのが「カーボン・オフセット」である。 しかし企業の取り組みが活発になる中、 「学園祭カーボン・オフセット」の普及は伸び悩み、 断念してしまう大学が増えていることから 改善点を見出す必要性がある。 4 カーボン・オフセットについて カーボン・オフセットとは 削 減 努 力 削減努力 資金などの支援 どうしても減 らせない排 出量 +CO2 埋め合わせ=オフセット 別の場所で 排出削減・ 吸収量 -CO2 削減・吸収量 削 減 努 力 自らが排出している排出量を認識し、その排出量を削減 する努力をし、どうしても削減できない部分については別 の場所での削減量で埋め合わせをするというもの。 5 (※環境省定義) カーボン・オフセットについて TCU横浜祭学園祭カーボン・オフセット 横浜祭運営委員会が主体となり、中原秀樹研究室、伊坪徳宏研究室と 共同で来場者に対して協力金を募っている。また導入以来、継続的に 北海道美幌町と契約し、植林活動に取り組んでいる。 レガシー型カーボン・オフセット 6 カーボン・オフセットについて TCU横浜祭特有の学園祭カーボン・オフセット 普及に向けて・・ 7 出典:カーボンオフセット学生プロジェクトより 研究方法 学園祭においてカーボン・オフセットを実施した大学を対象に、 学園祭実行委員会に対してインタビュー調査を行う。 ※調査大学は以下の通り 東京都市大学 駒澤大学 上智大学 成城大学 東京医療大学 フェリス女学院大学 明治大学 早稲田大学 各大学の運営状況を把握し、 違いを見出すことで改善策・提言に繋げる 8 調査結果 9 ~上智大学~ ・ 学園祭カーボン・オフセット導入時期 →2008年度ソフィア祭にて植林プロジェクトとして導入 学園祭実行委員会が主体となり、キャンパス内に「エコルーム」という 場所を設け、オフセットの募金活動を実施している。また短期大学の 敷地内に場所を設け、植林活動に取り組んでいる。 ・ 実施の有無、今後の方針 →2011年まで継続的に実施し、次年度も実施予定 10 ~成城大学~ ・ 学園祭カーボン・オフセット導入時期 →2010年度成城祭にて導入 学園祭実行委員会とオフセットプロバイダーが主体となり、来場者に 対して募金活動は行わずに実行委員会を含め、参加団体に協力金を 募っている。また中国蒙古地区に場所を設け、植林活動に取り組んでいる。 ・ 実施の有無、今後の方針 →2011年まで継続的に実施し、次年度も実施予定 11 成城大学カーボン・オフセットマニュアル 項目 カーボン・オフセットの 説明をはじめ、導入の 経緯や実施目的を記載 している。 東京都市大学の「カーボン・オフセット学生プロジェクト」に 掲示している学園祭カーボン・オフセットマニュアルを基に、 成城祭実行委員会で独自のマニュアルを作成 12 ~フェリス女学院大学~ ・ 学園祭カーボン・オフセット導入時期 →2010年度Ferris Festival にて導入 フェリス女学院大学佐藤輝研究室が主体となり、 学園祭実行委員会と共同で来場者に対して 協力金を募っている。導入にあたっては 東京都市大学中原秀樹研究室が相談役となり、 マニュアルの提供を行った。また山梨県に位置 する「ライオンの森」に場所を設け、植林活動に 取り組んでいる。 ・ 実施の有無、今後の方針 →2011年まで継続的に実施し、次年度の実施は検討中 13 各大学の学園祭カーボン・オフセット運営状況 大学名 項目 カーボン・オフセット 実施主体者 学園祭内での環境に 対する位置づけ 実施主体者内の 引き継ぎ 導入時期 東京都市 大学 学園祭実行委員会 高い ○ 2008年6月 ○ 実施の予定 駒澤大学 学園祭実行委員会 やや高い ○ 2009年11月 ○ 実施の予定 上智大学 学園祭実行委員会 高い ○ 2008年10月 ○ 実施の予定 成城大学 学園祭実行委員会 高い ○ 2010年11月 ○ 実施の予定 東京医療 大学 学園祭実行委員会 やや高い ○ 2010年11月 ○ 実施の予定 フェリス 女学院大学 大学内研究室 低い × 2010年11月 × 検討中 明治大学 オフセットプロバイダー 低い × 2009年11月 × 実施断念 早稲田大学 オフセットプロバイダー 低い × 2009年11月 × 実施断念 導入からの継続 次年度の実施 学園祭カーボン・オフセットを実施を継続的にしている大学は 東京都市大学・駒澤大学・上智大学・成城大学・東京医療大学の5大学。 学園祭カーボン・オフセット実施を検討、もしくは断念している大学は フェリス女学院・明治大学・早稲田大学の3大学。 14 各大学の違い 調査にあたって、各大学には主に以下の違いが見られた 学園祭カーボン・オフセットの実施主体者 継続的に実施 → 学園祭実行委員会 実施を断念 → 大学内研究室、オフセットプロバイダー 学園祭での環境活動の位置づけ 継続的に実施 → HPやパンフレットで積極的な広報や企画を実施 実施を断念 → 広報の記載が薄く、当日は規模が小さい 実施主体者内での引き継ぎの有無 継続的に実施 → 次年度へマニュアルの引き継ぎや定期的な相談 実施を断念 → 引き継ぎ資料がなく、当日直前での打ち合わせ 15 本研究に対する考察 (1/2) ・ 継続的な実施 ① 学園祭カーボン・オフセットの主体者を学園祭実行委員会に → 主催者としてCO2排出に責任を持つべきであり、取り組みに あたってのモチベーションが変化する ② 学園祭実行委員会内で環境活動に取り組む共通の意識を持つ → イベントを実施するにあたり、環境負荷削減に取り組むべきで あり、実施に向けた広報や企画を実施する ③ マニュアルなどを活かした引き継ぎ体制の見直しを → 実施を通じて得たノウハウを次年度にマニュアルとして形に 残し、定期的な打ち合わせを通じて当日に活かしていく 16 本研究に対する考察 (2/2) ・ 今後の普及 → ツールとして「東京都市大学カーボン・オフセット 学生プロジェクト」のHPを活用 しかし、活動を促進していく運営状況とは言い難い中、 成城大学ではHPを参考に実施した。 しっかりとしたHPの運営が必要である。主体者である 横浜祭運営委員会が各大学の学園祭に普及活動に あたり、学園祭カーボン・オフセットを支えていく。 17 参考文献 ・環境省ホームページ http://www.env.go.jp/ ・日本カーボンオフセット http://www.co-j.jp/home/ ・カーボン・オフセットフォーラム http://www.j-cof.org/ ・気候変動対策認証センター http://www.4cj.org/ 18 終了 ご静聴ありがとうございました。 19
© Copyright 2024 ExpyDoc