経営学総論 ガイダンス

ビジネス予測で
生活の将来を考える
(FMV: My Computer: home: My_Documents: Bforecast_Life.ppt)
小島 平夫
経営統計学担当
経済学博士 (九州大学),
M. B. A. (米国カーネギーメロン大学)
http://www.seinan-gu.ac.jp/~kojima/
1
以下の順で話を進めます
(クリックして,各スライドへ飛ぶことができます)




企業経営とビジネス予測<企業財務情報
の将来予測>との関わり合い
ビジネスと生活の接点:給与/賃金
給与予測<ビジネス予測>で,生活の将来
/見通しを探る:Excel を使って
おわりに:まとめ,参考文献,など
2
企業経営とビジネス予測<企業財務情
報の将来予測>との関わり合い

ビジネス予測が組み込まれた,経営の流れ
– 『経営学総論』新版(以下、テキスト)第8章 p.108 の図
1:
• http://www.seinan-gu.ac.jp/~kojima/intro_business/figs.html#A1
• 上図では,経営を,以下の四つから成るシステム,として捉え
る:
– インプット(投入)
» 経営資源
– 経営プロセス(経営資源を処理する過程)
» 詳細は,テキスト第2章以降で概説
– アウトプット(産出/成果)
– フィードバック(修正のための経営コントロール)
– 経営を,Plan - Do - See - Feedback として捉えると:
• http://www.seinan-gu.ac.jp/~kojima/intro_business/figs.html#A2
3
ビジネスと生活の接点:
給与/賃金 (1)

厚生労働省『2006(平成18)年 国民生活基礎調査の概
況』
– http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/ktyosa06/index.html
– 「2005年(平成17年1月1日から12月31日)の1世帯あたりの年間
平均所得が563万8000円で前年比2.9%減、1989年以降で最低」:
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa06/21.html
– 「2005年に「生活が苦しい」と回答した世帯数は56.3%」:
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa06/25.html

「仕事と生活の調和 (Work Life Balance)」指標の開発
– この指標は、「資生堂」や「ニチレイ」「東京電力」など大手企業34
社が学習院大学の研究グループと作りました。
4
ビジネスと生活の接点:
給与/賃金 (2)

生活を支える給与/賃金
– 一人当たり従業員給与
• = 従業員給与(当期末)/[{従業員数(当期末)+従
業員数(前期末)}/2]

使用データ(従業員給与,従業員数)出所:
– 産業種別の無料情報源:財務省ウェブサイト
• http://www.fabnet2.mof.go.jp/
– 業種が細分化された,財務(貸借対照表,損益計算書など)時
ど)時系列データを入手できます。
– 注意:上記ウェブサイトへのアクセスは、Windows OSに限定
限定されています(Macintosh OSには未対応) 。
InternetExplorer 5.01以上または NetscapeNavigator 7.0 以
上を推奨
5
ビジネスと生活の接点:
給与/賃金 (2続)

参考:経済経営データ入手先
– 経済産業省ウェブサイト:産業種別(無料)
• http://www.meti.go.jp/statistics/index.html
– 企業別有料情報源:日経NEEDS FinancialQuest(会員
制)
• 西南学院大学在籍、在職者は,図書館2階学術情報検索室,1
階情報検索PCで利用可能。
• 図書館ウェブサイトからアクセスし、「利用マニュアル (PDFファイ
ル)」もダウンロードできる(ただし学生教職員のみ):
http://www.seinan-gu.ac.jp/library/portal/org.html
• ダウンロードした財務データ実例(トヨタ自動車と本田技研工業
の連結決算Excelファイル): http://www.seinangu.ac.jp/~kojima/intro_business/Hideshima_REPORT1.xls
6
ビジネスと生活の接点:
給与/賃金 (3)
業界;資本金規模

一人当たり従業員給与;
その伸び率
– 過去 1997 – 2005 年の推
移,その特徴
• 後に,ビジネス予測をす
る際:将来= 2006 年,と
設定(データ入手の都合
上)
– 伸び率=(今期の値 – 前
期の値)/前期の値
一人当たり従業員給与
陸運業=transportation2b.xls
水準
伸び率
Graph1a
Graph2a
1千万ー1億円(中小)
10億円以上(大、巨大)
不動産業=realestate.xls
以下同様
1千万ー1億円
10億円以上
食料品製造業=foods-mfg.xls
1千万ー1億円
10億円以上
一般機械器具製造業=
generalmachinery.xls
1千万ー1億円
10億円以上
7
ビジネスと生活の接点:
給与/賃金 (4)

同期間の,日本経済の景気変動(好況、不況のサイク
ル) :1985-2006年
– http://www.seinangu.ac.jp/~kojima/intro_business/JpnsBusCycle.pdf
– 日本経済の平成2次不況(平成金融不況)=4/1997-4/1999
• その引きがねの一つとなった世界金融状況:
– Asian currency crisis (that started in July, 1997) -> Russia (August,
1998) -> Latin America -> Indurstrial nations
• 以下を参照:
– Asian currency crisis: http://www.seinangu.ac.jp/~kojima/hirao/recent_asianstockpr.html
– 日本経済、ほか:http://www.seinangu.ac.jp/~kojima/hirao/excel_highlights.html
– 日本経済のITバブル崩壊不況=2000年第4四半期-2002年第
1四半期
8
ビジネスと生活の接点:
給与/賃金 (5)
関係分析のため
の相関図
業界;資本金規模

一人当たり従業員給与
と,企業業績(特に売
上高,営業利益)との
連動性は:
– 強い?弱い?
• 伸び率間の相関図を描
いて調べる
– 経時成長に起因する
「見せかけの相関」
を排除するために,
伸び率間の相関を調
べることが肝要
• 業種別に,過去 19972005年のデータを観察
陸運業=transportation2b.xls
1千万ー1億円
Charts 30-32a
10億円以上
Charts 20-22a
不動産業=realestate.xls
1千万ー1億円
Graphs 6-8
10億円以上
Graphs 3-5
食料品製造業=foods-mfg.xls
以下同様
1千万ー1億円
10億円以上
一般機械器具製造業=
generalmachinery.xls
1千万ー1億円
10億円以上
9
給与予測<ビジネス予測>で,生活の将
来/見通しを探る:Excel を使って
(以下の順で,話を進めます。クリックしてそのスライドへ飛べ
ます。)

給与予測に必要な期間:
– 過去(現在までの期間)をどう設定するか
– その現在までの期間を元に,将来のいつまでを,予測するのか

予測の対象となる業種,企業規模
– 四つの業種間で,過去と将来に関して,比較
– 二つの異なる規模(資本金の大きさ)間で,過去と将来に関して,比較

どのような方法・手順で,給与予測を行うか
心>
<ビジネス予測技法の核
– 二つの異なる予測を試みる:2期移動平均,4期移動平均による予測
– 予測の精度はどちらが高いか

給与予測から,生活の将来について,どのような見通し/展望が探れる
か
– 複数の業種間,規模間,予測方法間,で比較考察
– 将来が現実となったとき,予測と現実との乖離はどの程度か

おわりに
10
過去,現時点,そして将来
をどう設定するか

過去(現在までの期間)
– 1997年(10年前)から
• 1997年第2四半期(4~6月)=平成金融不況の始まり
• 1997年7月=アジア通貨危機
– 2005年まで
• 2005年=「生活が苦しい」年,を現在と設定

将来
– 2006年(1年間),と設定
• 給与データの入手可能な最終年(2007年6月初旬時点で)
– 補足(データ出所):別のスライド参照
11
予測の対象となる業種,企業規模:
過去と将来について比較

非製造業,製造業から,各二つ
–
–
–
–

陸運業(非製)
不動産業(非製)
食料品製造業(製)
一般機械器具製造業(製)
各業種に含まれる,異なる二つの企業規模(資本金の大
きさ)
– 10億円以上:大企業,巨大企業
– 1千万-1億円:中小企業
– 参考:
• 100億円以上:巨大企業
• 10億-100億円:大企業
• 1億-10億円:準大企業
12
給与予測の方法

おおまかな方法
– Excel(エクセル)を使う:
• 身近かで,分かりやすい
• しかし,荒っぽい (rough) 予測
• これで給与予測を試みる

緻密(ちみつ)な方法
– RATS(ラッツ)など,を使う:
• 実例は,こちらのパワーポイントスライドで,「ビジネス時系列
予測システム」以降をご覧ください
• 専門的で難しく,知識と経験を要する
• しかし,より細やか (sophisticated) 予測
13
Excel を使って,
移動平均による給与予測

<ステップ1>
移動平均とは?その計算例
– 8期分の時系列データ:2, 4, 6, 8, 1, 3, 5, 7
– 2期移動平均=
•
•
•
•
•
•
(2+4)/2
(4+6)/2
(6+8)/2
(8+1)/2
(1+3)/2
など
– 4期移動平均=
•
•
•
•
(2+4+6+8)/4
(4+6+8+1)/4
(6+8+1+3)/4
など
14
Excel を使って,
移動平均による給与予測

<ステップ2>
移動平均による予測の計算例
– 8期分の時系列データ:2, 4, 6, 8, 1, 3, 5, 7
– 2期移動平均による予測
•
•
•
•
•
•
(2+4)/2=3=3期目の予測 [6=3期目の現実値]
(4+6)/2=5=4期目の予測 [8=4期目の現実値]
(6+8)/2=7=5期目の予測 [1=5期目の現実値]
(8+1)/2=4.5=6期目の予測 [3=6期目の現実値]
(1+3)/2=2=7期目の予測 [5=7期目の現実値]
など
– 4期移動平均による予測
•
•
•
•
(2+4+6+8)/4=5=5期目の予測 [1=5期目の現実値]
(4+6+8+1)/4=4.75=6期目の予測 [3=6期目の現実値]
(6+8+1+3)/4=4.5=7期目の予測 [5=7期目の現実値]
など
15
Excel を使って,
移動平均による給与予測
<ステップ3>
給与予測方法(予測精度の比較も含む)
業界;資本金規模
陸運業= transportation2b.xls
2期移動平均
4期移動平均
1千万ー1億円(中小)
給与予測:Chart10
給与予測:Chart12
10億円以上(大,巨大)
給与予測:Chart7
給与予測:Chart9
不動産業= realestate.xls
以下同様
1千万ー1億円(中小)
10億円以上(大,巨大)
食料品製造業= foods-mfg.xls
1千万ー1億円(中小)
10億円以上(大,巨大)
一般機械器具製造業=generalmachinery.xls
1千万ー1億円(中小)
10億円以上(大,巨大)
16
Excel を使って,
移動平均による給与予測

<ステップ4>
2期,4期の予測どちらが,予測精度は優れているか
– 将来が未知の状況下では,現在までの「予測誤差」を使って比較

予測誤差=予測値-現実値
– 予測誤差の,現在までの平均(平均二乗誤差 MSE)を計算し,こ
れが小さい方が予測精度が高い

予測精度の比較例:現在までの「予測誤差」を使って比較
– 陸運業(1千万-1億円)
• 2期: MSE =0.010
• 4期: MSE =0.005(こちらが予測精度が高い)
– 陸運業(10億円以上)
• 2期: MSE =0.0072
• 4期: MSE =0.0056 (こちらが予測精度が高い)
– ほかの業種、規模すべて(ただし例外=一般機械器具製造業(10
億円以上))、同上
• 各業種のExcelファイルでチェック済み
17
給与予測から,生活の将来について,
どのような見通し/展望が探れるか <
ステップ1>

これまでのスライド/Charts を元に、
将来(2006年)給与予測の特徴を見ま
す
– ふたつ前のスライドの表を使います
– 複数の業種間,規模間,予測方法間,で比
較考察
18
給与予測から,生活の将来について,ど
のような見通し/展望が探れるか <ス
テップ2>

それでは,将来が現実となったとき,予測とその
現実との乖離はどの程度か?
– 事後的に予測精度を調べる

ここの話は,企業経営の観点から見ると、流れ図
– http://www.seinangu.ac.jp/~kojima/intro_business/plan-do-seeV.gif で:
• 下の方(See のところ)に対応

実例を,これまでのグラフで、業種ごと、規模ごと,
等で見てみましょう
19
おわりに (1)

まとめ:ビジネス予測(特に給与予測)で生
活の将来について考え、分かったこと <1>
– ビジネスと生活の接点としての「一人当たり従
業員給与」と「その伸び率」:
• 過去(1997 – 2005 年)、どのような推移を辿ってき
たか?
– 4つの業種/二つの資本金規模、に絞って観察
– 日本経済の景気変動と関係付ける
• 過去、企業業績(特に売上高、営業利益)とどのよう
に連動していたか?
– 相関図を描いて調べる(関係分析):正の関係(互いに同
じ方向に動く)、負の関係(互いに逆方向に動く)
20
おわりに (2)

まとめ:ビジネス予測(特に給与予測)で生活の
将来について考え、分かったこと <2>
– 移動平均法による給与予測で見ると、生活の将来/
見通しはどんなか?
• 将来、生活はこれまでより楽になる?苦しくなる?変わらな
い?
– 事例1:陸運業一人当たり従業員給与の場合
(transportation2b.xls)
• 二つの規模企業間で比較すると、対照的な生活の将来/見
通しが予想される(2期、4期移動平均ともに):
– 中小規模企業の給与(Charts 10, 12):2005年末現時点に比
べて、将来2006年初めは一旦低くなるが、それ以降上昇傾向
» 生活は一旦苦しくなるが、その後楽になるだろう
– 大、巨大規模企業の給与(Charts 7, 9):2005年末現時点に比
べて、将来2006年初めは一旦高くなるが、それ以降下降傾向
» 生活は一旦楽になるが、その後苦しくなるだろう
21
おわりに (3)

まとめ:ビジネス予測(特に給与予測)で生
活の将来について考え、分かったこと <3>
– 事例2:食料品製造業一人当たり従業員給与
の場合(foods-mfg.xls)
• 二つの規模企業間で比較すると、類似した生活の
将来/見通しが予想される(2期、4期移動平均と
もに):
– 中小規模企業の給与(Charts 10, 12):2005年末現時点
に比べて、将来2006年初めは一旦低くなるが、それ以
降上昇傾向
» 生活は一旦苦しくなるが、その後楽になるだろう
– 大、巨大規模企業の給与(Charts 7, 9):同上
22
おわりに (4)

参考文献リスト:
– http://www.seinangu.ac.jp/~kojima/intro_business/Refs.html

この「ビジネス予測で生活の将来を考える」ス
ライドは,以下で閲覧できます:
– http://www.seinan-gu.ac.jp/~kojima/Extension/
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Macintoshではなく, Windowsでご覧ください
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てにどうぞ:[email protected]
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